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1406.【ハル視点】冒険者たち
俺の考察があっていたのかいないのか。それは現時点ではまだ判断できない事だが、すくなくとも休憩の後は魔物の襲撃もだいぶ落ち着いた。
遠征部隊が近づくにつれて慌てて逃げていく魔物の気配や、遠くからわざわざ近づいてきてこちらの様子を伺ってから離れていく魔物の気配もあった。
そうだよな。普通はそういう反応をするよな。そう思うような避けられ方だ。
こちらの人数など全く気にせずに突撃してきたのは、途中で現れた一頭のワイルドボアだけだった。こちらは変異種でも無い通常の個体だったんだが、大きさは先ほどの変異種よりも大きいぐらいだった。
まあ、隊列のちょうど中ほどに飛び込んできたそのワイルドボアは、戦いたくてうずうずしながら移動していた衛兵たちと騎士たちの間で取り合いになったらしいんだが…。
あっという間に倒されてしまったと聞くと、そのワイルドボアに運が悪かったなと言いたくなってしまった。
いや遠征部隊にはこれといった被害もなく無事に倒せたんだから、幸運だったと喜ぶべきなんだろうな。
その後も魔物との遭遇を何度か繰り返し、後続が到着するまでの間の見張り役を数人ずつ残しながら俺達はまっすぐに街道を進んで行った。
そろそろ遠征部隊の隊員たちも、何故ムレングダンジョンに行くと言っていたのに、ルティルーの森の方向へ向かっているんだろうと不思議に思っている頃だろうな。
あの転移ができる魔道具の情報については、隊長クラスまでしか知らせていないからな。しかも厳重に口止めをした上でだから、おそらく副隊長にも洩らしていないだろう。
不思議そうな表情をしている隊員たちは多いがそれでも誰も疑問を口にしないのは、父さんが何も言わずに颯爽とウマを走らせているからだろう。
領主様が納得しているなら、意味があるんだろう。
使用人たちや騎士たちはともかく、そんな考えが衛兵たちにまで浸透しているんだな。
まあ慕われているという事は良い事なんだが。
ルティルーの森の入口の辺りに近づいてくると、ソフラ隊長とロア隊長は徐々にウマの速度を落とし始めた。自然と後続も速度を落としていく。
すこし駆け足ぐらいの速度で、俺達はルティルーの森の入口へと辿り着いた。
たくさんの注意書きのある看板の前には、冒険者ギルドのギルドマスターであるリヤンと、数人の冒険者たち、そして魔道具技師であるマルクの姿があった。
「おお、来たな」
にっこりと笑ったギルドマスターのリヤンの隣にいるのは、サイクさんが所属している部隊のリーダー、ルピカさんだな。
「待たせてしまってすまないな。リヤン、そして冒険者ギルドの諸君」
軽やかにウマから飛び降りた父さんは、リヤンと冒険者たちに向かって親し気にそう声をかけた。
実際に親しいのももちろんあるが、これは冒険者ギルドを尊重しているという姿勢を示すためというのもあるんだろう。
「領主様、気にしなくて良いですよ」
今日はリヤンもさすがに敬語で話すようだ。
「俺達もただ大人しくここに立って待っていた――というわけじゃないので、特に問題は無いですよ」
意味ありげにニヤリと笑ったリヤンは、森の中に集まっている冒険者たちの方へと視線を向けた。
そこではちょうど、山のように積み上げた魔物たちの解体作業が行われていた。
どうやら街道の魔物寄せの罠をわざと発動して、魔物を倒しながら待っていたらしい。
積み上げられている魔物の種類は様々で、強いものもいれば弱いものもいるようなんだが――とにかく数が多い。
それほど多くない冒険者の人数から考えると、これは驚くべき成果と言えるだろう。
「訓練がてら、少しは森の魔物を減らしておこうと思いまして」
楽し気に笑いながら告げられたリヤンの言葉に、背後で小さな騒めきが起きた。
遠征前なのにわざわざここで魔物を寄せ集めて退治をしながら待っていた事が、よほど予想外だったんだろうな。
体力を温存しないのかとか、訓練ってとか驚きの声が聞こえてくる。
冒険者は自由だから、どうせならちょっと稼いでおくかーぐらいの感覚なんだろう。俺からすればそういう所も冒険者らしいなと思うぐらいなんだが、冒険者に詳しくない参加者たちからすれば驚きだったらしい。
遠征部隊が近づくにつれて慌てて逃げていく魔物の気配や、遠くからわざわざ近づいてきてこちらの様子を伺ってから離れていく魔物の気配もあった。
そうだよな。普通はそういう反応をするよな。そう思うような避けられ方だ。
こちらの人数など全く気にせずに突撃してきたのは、途中で現れた一頭のワイルドボアだけだった。こちらは変異種でも無い通常の個体だったんだが、大きさは先ほどの変異種よりも大きいぐらいだった。
まあ、隊列のちょうど中ほどに飛び込んできたそのワイルドボアは、戦いたくてうずうずしながら移動していた衛兵たちと騎士たちの間で取り合いになったらしいんだが…。
あっという間に倒されてしまったと聞くと、そのワイルドボアに運が悪かったなと言いたくなってしまった。
いや遠征部隊にはこれといった被害もなく無事に倒せたんだから、幸運だったと喜ぶべきなんだろうな。
その後も魔物との遭遇を何度か繰り返し、後続が到着するまでの間の見張り役を数人ずつ残しながら俺達はまっすぐに街道を進んで行った。
そろそろ遠征部隊の隊員たちも、何故ムレングダンジョンに行くと言っていたのに、ルティルーの森の方向へ向かっているんだろうと不思議に思っている頃だろうな。
あの転移ができる魔道具の情報については、隊長クラスまでしか知らせていないからな。しかも厳重に口止めをした上でだから、おそらく副隊長にも洩らしていないだろう。
不思議そうな表情をしている隊員たちは多いがそれでも誰も疑問を口にしないのは、父さんが何も言わずに颯爽とウマを走らせているからだろう。
領主様が納得しているなら、意味があるんだろう。
使用人たちや騎士たちはともかく、そんな考えが衛兵たちにまで浸透しているんだな。
まあ慕われているという事は良い事なんだが。
ルティルーの森の入口の辺りに近づいてくると、ソフラ隊長とロア隊長は徐々にウマの速度を落とし始めた。自然と後続も速度を落としていく。
すこし駆け足ぐらいの速度で、俺達はルティルーの森の入口へと辿り着いた。
たくさんの注意書きのある看板の前には、冒険者ギルドのギルドマスターであるリヤンと、数人の冒険者たち、そして魔道具技師であるマルクの姿があった。
「おお、来たな」
にっこりと笑ったギルドマスターのリヤンの隣にいるのは、サイクさんが所属している部隊のリーダー、ルピカさんだな。
「待たせてしまってすまないな。リヤン、そして冒険者ギルドの諸君」
軽やかにウマから飛び降りた父さんは、リヤンと冒険者たちに向かって親し気にそう声をかけた。
実際に親しいのももちろんあるが、これは冒険者ギルドを尊重しているという姿勢を示すためというのもあるんだろう。
「領主様、気にしなくて良いですよ」
今日はリヤンもさすがに敬語で話すようだ。
「俺達もただ大人しくここに立って待っていた――というわけじゃないので、特に問題は無いですよ」
意味ありげにニヤリと笑ったリヤンは、森の中に集まっている冒険者たちの方へと視線を向けた。
そこではちょうど、山のように積み上げた魔物たちの解体作業が行われていた。
どうやら街道の魔物寄せの罠をわざと発動して、魔物を倒しながら待っていたらしい。
積み上げられている魔物の種類は様々で、強いものもいれば弱いものもいるようなんだが――とにかく数が多い。
それほど多くない冒険者の人数から考えると、これは驚くべき成果と言えるだろう。
「訓練がてら、少しは森の魔物を減らしておこうと思いまして」
楽し気に笑いながら告げられたリヤンの言葉に、背後で小さな騒めきが起きた。
遠征前なのにわざわざここで魔物を寄せ集めて退治をしながら待っていた事が、よほど予想外だったんだろうな。
体力を温存しないのかとか、訓練ってとか驚きの声が聞こえてくる。
冒険者は自由だから、どうせならちょっと稼いでおくかーぐらいの感覚なんだろう。俺からすればそういう所も冒険者らしいなと思うぐらいなんだが、冒険者に詳しくない参加者たちからすれば驚きだったらしい。
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