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1469.ワイバーン
高い所を旋回するように飛んでいるワイバーンたちは、今はこちらには一切視線を向けていない。
何故かは分からないけど、どうやらワイバーン同士で揉めているみたいだ。
だからさっきからギェェ、ギェェと張り合うみたいに鳴いてるのか。
領主城からついてきてくれていた使用人さんは、ダンジョンにもよく潜る人だったらしい。
マチルダさんとその使用人さんによると、若いワイバーン同士だとあの程度の小競り合いはよく起こるものらしい。縄張り争いとか、どちらが強いかの序列をはっきりさせるためなんだって。
そんなの領都じゃないところでやってくれってつい思ってしまったけど、今のこの状況はよく考えればかなりありがたい。
ワイバーンたちが地上へと意識を払っていない間に、こちらは十分に準備が出来るって事だからね。
俺はいつも以上に、丁寧に丁寧に魔力を練りあげた。
使うのは魔鳥ルダリオンの時と同じ、俺の一番得意とする土魔法だ。
ワイバーンを見つめたまま神経を集中し、まるで針のように細くとがった形状の大きなつぶてを一気に作り上げていく。
伝令の騎士さんは最低でも五頭はいるって言ってたから、本当ならここで一気に五個作っておくべきなのかもしれない。
でも、まずはこのつぶての強度で、ワイバーンに通用するのかを確認したいんだよね。キースくんの図鑑には鱗の硬さはドラゴン程では無いって書いてあったけど、それがどの程度かなんて説明は一切なかったから。
「無詠唱…」
同行してくれてる人達の方からそんな声がうっすらと聞こえてきたけど、そういえば無詠唱の人はそう多くないんだっけ。でも使える人は使えるってハルも言ってたから、これは隠さなくて良い事のはず。
好きなタイミングで仕掛けて良いって言われるけど、俺は一応マチルダさんに目くばせをしてからワイバーンの動きをじっと見つめた。
羽ばたきなおした瞬間に一瞬だけ動きが止まり、魔力を集める場所がうっすらと光る。
なるほど、その辺りも魔鳥ルダリオンと一緒なんだな。うん、それなら狙いやすい。俺は思いっきり息を吸い込んでから、ぴたりと息を止めた。
しっかりと狙いを定めてから、上空に向けてつぶてを放った。
攻撃されると分かって身構えていたあのルダリオンとは違い、今回は揉めてる最中の無防備な相手への不意打ちだ。
俺の放ったつぶてはシュッと音を立てながらまっすぐに飛んでいくと、そのままワイバーンの翼の付け根に深々と突き刺さった。
ギッ!ギュェェェェ!
ワイバーンは不規則に何度も羽ばたきながら、俺達から少し離れた所へと落ちてくる。
お願いしますと叫ぶよりも前に、マチルダさんは落ちてくるワイバーンの目と鼻の先に一人で立っていた。手に持っている大剣を構えて、不敵に笑う。
「アキト、素晴らしい腕だ」
「ありがとうございます」
「こっちは気にせず次を頼む」
そんな声に、俺はマチルダさんの方を見るのは止めてすぐに空を睨んだ。
何故いきなり目の前の仲間が落下したのかが分からなかったのか、ワイバーンたちは戸惑いながらも同じ場所を飛び交っている。
さっきのあのつぶての強度で通用したなら、次は二つ一度に作れそうだ。さすがにここまで狙いをしぼるとなると、放つのは一つずつが限界だけどね。
もう二つのつぶてを作り終えると、俺は周囲で武器を構えて空を睨んでいるみんなへと声をかけた。
「次、落とします!」
落ち着いて狙えばアキトなら大丈夫だよ。そんなハルの言葉を思い出しながら集中すれば、不思議と気持ちも落ち着いてくる。
二頭、三頭と順番に落としていけば、周囲の人たちはすぐに落とされたワイバーンの対処へと向かってくれた。飛んでさえいなければそこまでの脅威では無いのか、それとも単純にここにいるみんなが強いだけなのか。
どっちなのかは分からないけど、落とされた三頭のワイバーンたちはあっという間に倒された。
こういうあちこちで乱戦になってる時には、倒された魔物はすぐに魔導収納鞄へとしまうのが決まりらしい。
どうせここで解体する時間があるわけじゃないし、他の魔物が寄ってきても困るからだって。そう言われると確かにそうだな。
何故かは分からないけど、どうやらワイバーン同士で揉めているみたいだ。
だからさっきからギェェ、ギェェと張り合うみたいに鳴いてるのか。
領主城からついてきてくれていた使用人さんは、ダンジョンにもよく潜る人だったらしい。
マチルダさんとその使用人さんによると、若いワイバーン同士だとあの程度の小競り合いはよく起こるものらしい。縄張り争いとか、どちらが強いかの序列をはっきりさせるためなんだって。
そんなの領都じゃないところでやってくれってつい思ってしまったけど、今のこの状況はよく考えればかなりありがたい。
ワイバーンたちが地上へと意識を払っていない間に、こちらは十分に準備が出来るって事だからね。
俺はいつも以上に、丁寧に丁寧に魔力を練りあげた。
使うのは魔鳥ルダリオンの時と同じ、俺の一番得意とする土魔法だ。
ワイバーンを見つめたまま神経を集中し、まるで針のように細くとがった形状の大きなつぶてを一気に作り上げていく。
伝令の騎士さんは最低でも五頭はいるって言ってたから、本当ならここで一気に五個作っておくべきなのかもしれない。
でも、まずはこのつぶての強度で、ワイバーンに通用するのかを確認したいんだよね。キースくんの図鑑には鱗の硬さはドラゴン程では無いって書いてあったけど、それがどの程度かなんて説明は一切なかったから。
「無詠唱…」
同行してくれてる人達の方からそんな声がうっすらと聞こえてきたけど、そういえば無詠唱の人はそう多くないんだっけ。でも使える人は使えるってハルも言ってたから、これは隠さなくて良い事のはず。
好きなタイミングで仕掛けて良いって言われるけど、俺は一応マチルダさんに目くばせをしてからワイバーンの動きをじっと見つめた。
羽ばたきなおした瞬間に一瞬だけ動きが止まり、魔力を集める場所がうっすらと光る。
なるほど、その辺りも魔鳥ルダリオンと一緒なんだな。うん、それなら狙いやすい。俺は思いっきり息を吸い込んでから、ぴたりと息を止めた。
しっかりと狙いを定めてから、上空に向けてつぶてを放った。
攻撃されると分かって身構えていたあのルダリオンとは違い、今回は揉めてる最中の無防備な相手への不意打ちだ。
俺の放ったつぶてはシュッと音を立てながらまっすぐに飛んでいくと、そのままワイバーンの翼の付け根に深々と突き刺さった。
ギッ!ギュェェェェ!
ワイバーンは不規則に何度も羽ばたきながら、俺達から少し離れた所へと落ちてくる。
お願いしますと叫ぶよりも前に、マチルダさんは落ちてくるワイバーンの目と鼻の先に一人で立っていた。手に持っている大剣を構えて、不敵に笑う。
「アキト、素晴らしい腕だ」
「ありがとうございます」
「こっちは気にせず次を頼む」
そんな声に、俺はマチルダさんの方を見るのは止めてすぐに空を睨んだ。
何故いきなり目の前の仲間が落下したのかが分からなかったのか、ワイバーンたちは戸惑いながらも同じ場所を飛び交っている。
さっきのあのつぶての強度で通用したなら、次は二つ一度に作れそうだ。さすがにここまで狙いをしぼるとなると、放つのは一つずつが限界だけどね。
もう二つのつぶてを作り終えると、俺は周囲で武器を構えて空を睨んでいるみんなへと声をかけた。
「次、落とします!」
落ち着いて狙えばアキトなら大丈夫だよ。そんなハルの言葉を思い出しながら集中すれば、不思議と気持ちも落ち着いてくる。
二頭、三頭と順番に落としていけば、周囲の人たちはすぐに落とされたワイバーンの対処へと向かってくれた。飛んでさえいなければそこまでの脅威では無いのか、それとも単純にここにいるみんなが強いだけなのか。
どっちなのかは分からないけど、落とされた三頭のワイバーンたちはあっという間に倒された。
こういうあちこちで乱戦になってる時には、倒された魔物はすぐに魔導収納鞄へとしまうのが決まりらしい。
どうせここで解体する時間があるわけじゃないし、他の魔物が寄ってきても困るからだって。そう言われると確かにそうだな。
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