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6.【ハル視点】それはまるで奇跡のような
俺はあの日も、未練がましくリスリーロの花を見つめていた。
ずっと探していたこの花をようやく見つけられたのが、よりによってこんな状態になってからなんて、皮肉なものだ。目の前にあるのに触れることもできなければ、誰かにこの花の場所を伝えることもできない。ここにいても、自分にできることは何も無いと頭では分かっている。
それでも、これさえあればどれだけの人が助かるのかと、つい考えてしまう。どこかに行く決断もできず、未練がましく立ち尽くす事しかできずにいた。
どうせ今の自分に害を成せる存在はいないからと完全に油断していたせいで、近づいて来ていた気配にすら気づかなかった。
「こんにちは」
思わす振り返ってしまったが、そもそも俺に話しかける筈がない。
そこに立っていたのは、今の俺よりこぶしひとつ分ほど背の低い細身の青年だった。年齢はおそらく20歳前後だろう。しっとりとつややかな黒髪と、うっすら茶色がかった瞳だ。格別に整っているわけでは無いが、なぜか目を引く存在感がある。男女問わずにモテそうな青年だった。
「あのー」
青年の声に我に返ると、目線がしっかりと合わさっている事に気づいたんだ。それはもう驚いた。
本当に自分に話しかけているのかと疑いながらも、ゆっくりとまばたきをしてから、無理やり笑顔を浮かべてみた。途端に青年はホッとした表情を浮かべる。これはもう、ばっちり見えているな。
「ああ、こんにちは。こんなとこに人がいるなんて珍しい」
期待しすぎるな。姿は見えても、声は聞こえないのかもしれないと、必死で自分に言い聞かせる。
「言葉通じた!」
嬉しそうな彼は、普通に返事をしてくれた。この数か月の間で初の、一方通行じゃないきちんとした会話だった。
彼の質問にきっちりと答えてから、俺からも質問をさせてもらった。
「俺が見えてしかも話せるなんて、普通じゃない、でしょ?」
もしかしたら逃げられてしまうかもしれない。けれど、このまま人の振りをしていたら、リスリーロの花の在り処を伝えてもらう事はできないだろう。一大決心で伝えたのに、彼は逃げるわけでも叫ぶわけでもなかった。落ち着いた様子で、ただ俺の足元をじっと見つめてから口を開いた。
「第一異世界人じゃなくて第一異世界幽霊だった…」
「その第一なんとかはわからないけど、異世界?君は異世界から来たのか?」
逃げる様子は全く無いが、気になる単語が飛び出してきた。
異世界。
そういわれて見れば、確かに彼が身に着けているものは全て変わっている。
異世界人なら、まず欲しいのは情報だろう。彼の求める情報をきちんと伝えて、かわりに何とかリスリーロの事を頼みたい。最初に説明するべき事を考えながら、俺は青年に手招きをした。
腰を下ろして落ち着いた彼に、必要な情報をまとめて伝えていく。
今いる国の話から、戦争の可能性の有無、現在地であるトライプール領についての説明まで、青年は質問を挟みながら飽きた様子も無く聞いてくれた。昔の部下達に見習わせたいくらいの真面目な態度に、好感が持てた。
「異世界ではみんな霊が見えるのか?」
「いいえ、あっちでも俺以外に見える人は父親しか知らないです」
俺を見て話すことが出来るその力は、彼の世界では全ての人が持つ能力なのかと思ったが、あっちの世界でも異質だったらしい。それなりに苦労しながら育ったようだが、父のスキルを継いだのなら、理解者が最低でも一人はいたということか。
話題はそのまま異世界人に移った。この世界での異世界人は、珍しくはあるが全くいないわけでも無い。異世界の知識を求める者に大事に守られ保護されているか、異世界人であることは完全に隠して自由に生きているかのどちらかだ。どちらを選ぶのかを尋ねる前に、力いっぱい絶対に隠す宣言をされて思わず笑ってしまった。
一通りの説明は終わったが、ここはナルクアの森の中でも最深部だ。一人で行かせたら、生きて森を抜けられないだろう。霊になっても気配を読む力が衰えなかったのは、不幸中の幸いだった。
「それでその、街までの道って教えてもらえます?」
「もちろん教えるけど、俺もついていっても良いかな?」
突然の申し出に、青年は移動ができるのかと尋ねてきた。霊の種類にもよるが、心残りのある場所から動けない者もいるそうだ。
「うん。あの花、リスリーロが欲しくて来てみたんだけど、やっぱり持てないから諦めて帰るとこなんだ」
ここはギルドまできっちり道案内をしてから、ギルドの職員への伝言を頼もう。ギルドマスターまでは届かなくとも、受付担当兼サブギルマスのメロウに話してくれれば、彼がきちんと調査してくれるだろう。
「あ、さっき見てたあの花ですか?リスリーロて言うんだ。じゃあ俺が持って行きますよ」
突然の申し出に、頭の中が真っ白になった。急に異世界に来て戸惑っているはずなのに、出会ったばかりの俺のために、自分から名乗り出てくれるなんて思ってもみなかった。わざわざ情報を届けるより、現物が届いた方が話が早くて助かるのは間違いない。ありがたく、彼の好意に甘えることにした。
そこで俺はとても大事なことを聞いていなかった事に、やっと気づいたんだ。
俺たちは二人とも、名乗ることを綺麗さっぱり忘れていた。
思わず顔を見合わせてから噴き出してしまう。霊になってから笑ったことなんてなかった。それなのに、アキトに出会ってからは自然と笑顔が溢れてしまう。
「こ、こんなにっ…話したのにっ!」
「お互いにうっかりしすぎだよ!」
「俺は暁人です」
「アキ?」
「あきとです」
「アキト!」
「そう。あなたの名前は?」
「俺はハロルド。みんなにはハルって呼ばれてた」
「ハルって呼んでも?」
「もちろん!あと、敬語はなしが良いな」
ついでだと敬語なしのやりとりを望んでみれば、少し困った顔をしながらも了承してくれた。
服の隠ぺい魔法をかけたのは、俺をどこまで信用してくれるかを探りたかったからだ。まさかあれほどあっさりと受け入れてくれるとは、思ってもみなかったけど。この調子では、いつか騙されるんじゃないかと心配になる。
「アキト、もっと危機感持って?」
「何だよ、急に」
「もし俺が悪い幽霊だったらどうするんだよ」
「目を見れば分かるし」
目を見るだけで何が分かるんだ。そんな理由で他人を信じすぎだと、何なら少し腹が立った。
「うまく隠してるかもしれないだろ?」
「そしたら俺の見る目が無かったってだけの事だよ」
あっけらかんと言い放ったアキトに、俺は目を大きく見開いた。その言葉がどれだけ俺に衝撃を与えたか。自分の責任はしっかりと自覚した上で、それでも俺を信じて委ねてくれたんだ。そう思うと気持ちが引き締まった。
「全く、アキトは…ほら、さっさとやるよ」
「お願いしまーす」
多少の違和感はあっただろうが、憑依状態での魔法の使用は無事に成功した。動く魔力を感知できたなら、すぐに上達するだろう。川にうつる自分の変化した姿を見てひとしきりはしゃいでいたアキトは、こちらを振り返って満面の笑みでお礼を言ってくれた。
しっかりと合わさる視線に、胸がつまった。
こうなってから、いろんな所にいったし、いろんな人に会いにいった。当たり前だが、誰も俺に気づかなかった。
かつての相棒はどうしてこうなったって泣きながら怒っていて、目のまえで手を振る俺には気づいてくれなかった。冒険者ギルドのギルマスもメロウも、行きつけの白狼亭の店主も、泣き崩れていた部下達も、誰一人として気づいてはくれなかった。
漏れ聞こえた噂を元にリスリーロを探しに来たけれど、ここに来る前に立ち寄ったバラーブ村でも誰も俺を見てくれないし、話しかけてはくれない。
仕方がないと分かってはいても、無性に寂しかった。そんなどうしようもない寂しさが、アキトのおかげで消えていく。彼のために、俺にできることは全てしようと決意した瞬間だった。
奇跡のような出来事って、本当に起こるんだな。俺はその日、霊になってから初めて神に感謝した。
ずっと探していたこの花をようやく見つけられたのが、よりによってこんな状態になってからなんて、皮肉なものだ。目の前にあるのに触れることもできなければ、誰かにこの花の場所を伝えることもできない。ここにいても、自分にできることは何も無いと頭では分かっている。
それでも、これさえあればどれだけの人が助かるのかと、つい考えてしまう。どこかに行く決断もできず、未練がましく立ち尽くす事しかできずにいた。
どうせ今の自分に害を成せる存在はいないからと完全に油断していたせいで、近づいて来ていた気配にすら気づかなかった。
「こんにちは」
思わす振り返ってしまったが、そもそも俺に話しかける筈がない。
そこに立っていたのは、今の俺よりこぶしひとつ分ほど背の低い細身の青年だった。年齢はおそらく20歳前後だろう。しっとりとつややかな黒髪と、うっすら茶色がかった瞳だ。格別に整っているわけでは無いが、なぜか目を引く存在感がある。男女問わずにモテそうな青年だった。
「あのー」
青年の声に我に返ると、目線がしっかりと合わさっている事に気づいたんだ。それはもう驚いた。
本当に自分に話しかけているのかと疑いながらも、ゆっくりとまばたきをしてから、無理やり笑顔を浮かべてみた。途端に青年はホッとした表情を浮かべる。これはもう、ばっちり見えているな。
「ああ、こんにちは。こんなとこに人がいるなんて珍しい」
期待しすぎるな。姿は見えても、声は聞こえないのかもしれないと、必死で自分に言い聞かせる。
「言葉通じた!」
嬉しそうな彼は、普通に返事をしてくれた。この数か月の間で初の、一方通行じゃないきちんとした会話だった。
彼の質問にきっちりと答えてから、俺からも質問をさせてもらった。
「俺が見えてしかも話せるなんて、普通じゃない、でしょ?」
もしかしたら逃げられてしまうかもしれない。けれど、このまま人の振りをしていたら、リスリーロの花の在り処を伝えてもらう事はできないだろう。一大決心で伝えたのに、彼は逃げるわけでも叫ぶわけでもなかった。落ち着いた様子で、ただ俺の足元をじっと見つめてから口を開いた。
「第一異世界人じゃなくて第一異世界幽霊だった…」
「その第一なんとかはわからないけど、異世界?君は異世界から来たのか?」
逃げる様子は全く無いが、気になる単語が飛び出してきた。
異世界。
そういわれて見れば、確かに彼が身に着けているものは全て変わっている。
異世界人なら、まず欲しいのは情報だろう。彼の求める情報をきちんと伝えて、かわりに何とかリスリーロの事を頼みたい。最初に説明するべき事を考えながら、俺は青年に手招きをした。
腰を下ろして落ち着いた彼に、必要な情報をまとめて伝えていく。
今いる国の話から、戦争の可能性の有無、現在地であるトライプール領についての説明まで、青年は質問を挟みながら飽きた様子も無く聞いてくれた。昔の部下達に見習わせたいくらいの真面目な態度に、好感が持てた。
「異世界ではみんな霊が見えるのか?」
「いいえ、あっちでも俺以外に見える人は父親しか知らないです」
俺を見て話すことが出来るその力は、彼の世界では全ての人が持つ能力なのかと思ったが、あっちの世界でも異質だったらしい。それなりに苦労しながら育ったようだが、父のスキルを継いだのなら、理解者が最低でも一人はいたということか。
話題はそのまま異世界人に移った。この世界での異世界人は、珍しくはあるが全くいないわけでも無い。異世界の知識を求める者に大事に守られ保護されているか、異世界人であることは完全に隠して自由に生きているかのどちらかだ。どちらを選ぶのかを尋ねる前に、力いっぱい絶対に隠す宣言をされて思わず笑ってしまった。
一通りの説明は終わったが、ここはナルクアの森の中でも最深部だ。一人で行かせたら、生きて森を抜けられないだろう。霊になっても気配を読む力が衰えなかったのは、不幸中の幸いだった。
「それでその、街までの道って教えてもらえます?」
「もちろん教えるけど、俺もついていっても良いかな?」
突然の申し出に、青年は移動ができるのかと尋ねてきた。霊の種類にもよるが、心残りのある場所から動けない者もいるそうだ。
「うん。あの花、リスリーロが欲しくて来てみたんだけど、やっぱり持てないから諦めて帰るとこなんだ」
ここはギルドまできっちり道案内をしてから、ギルドの職員への伝言を頼もう。ギルドマスターまでは届かなくとも、受付担当兼サブギルマスのメロウに話してくれれば、彼がきちんと調査してくれるだろう。
「あ、さっき見てたあの花ですか?リスリーロて言うんだ。じゃあ俺が持って行きますよ」
突然の申し出に、頭の中が真っ白になった。急に異世界に来て戸惑っているはずなのに、出会ったばかりの俺のために、自分から名乗り出てくれるなんて思ってもみなかった。わざわざ情報を届けるより、現物が届いた方が話が早くて助かるのは間違いない。ありがたく、彼の好意に甘えることにした。
そこで俺はとても大事なことを聞いていなかった事に、やっと気づいたんだ。
俺たちは二人とも、名乗ることを綺麗さっぱり忘れていた。
思わず顔を見合わせてから噴き出してしまう。霊になってから笑ったことなんてなかった。それなのに、アキトに出会ってからは自然と笑顔が溢れてしまう。
「こ、こんなにっ…話したのにっ!」
「お互いにうっかりしすぎだよ!」
「俺は暁人です」
「アキ?」
「あきとです」
「アキト!」
「そう。あなたの名前は?」
「俺はハロルド。みんなにはハルって呼ばれてた」
「ハルって呼んでも?」
「もちろん!あと、敬語はなしが良いな」
ついでだと敬語なしのやりとりを望んでみれば、少し困った顔をしながらも了承してくれた。
服の隠ぺい魔法をかけたのは、俺をどこまで信用してくれるかを探りたかったからだ。まさかあれほどあっさりと受け入れてくれるとは、思ってもみなかったけど。この調子では、いつか騙されるんじゃないかと心配になる。
「アキト、もっと危機感持って?」
「何だよ、急に」
「もし俺が悪い幽霊だったらどうするんだよ」
「目を見れば分かるし」
目を見るだけで何が分かるんだ。そんな理由で他人を信じすぎだと、何なら少し腹が立った。
「うまく隠してるかもしれないだろ?」
「そしたら俺の見る目が無かったってだけの事だよ」
あっけらかんと言い放ったアキトに、俺は目を大きく見開いた。その言葉がどれだけ俺に衝撃を与えたか。自分の責任はしっかりと自覚した上で、それでも俺を信じて委ねてくれたんだ。そう思うと気持ちが引き締まった。
「全く、アキトは…ほら、さっさとやるよ」
「お願いしまーす」
多少の違和感はあっただろうが、憑依状態での魔法の使用は無事に成功した。動く魔力を感知できたなら、すぐに上達するだろう。川にうつる自分の変化した姿を見てひとしきりはしゃいでいたアキトは、こちらを振り返って満面の笑みでお礼を言ってくれた。
しっかりと合わさる視線に、胸がつまった。
こうなってから、いろんな所にいったし、いろんな人に会いにいった。当たり前だが、誰も俺に気づかなかった。
かつての相棒はどうしてこうなったって泣きながら怒っていて、目のまえで手を振る俺には気づいてくれなかった。冒険者ギルドのギルマスもメロウも、行きつけの白狼亭の店主も、泣き崩れていた部下達も、誰一人として気づいてはくれなかった。
漏れ聞こえた噂を元にリスリーロを探しに来たけれど、ここに来る前に立ち寄ったバラーブ村でも誰も俺を見てくれないし、話しかけてはくれない。
仕方がないと分かってはいても、無性に寂しかった。そんなどうしようもない寂しさが、アキトのおかげで消えていく。彼のために、俺にできることは全てしようと決意した瞬間だった。
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