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10.お金の話は大事
この国の通貨単位はグルだそうだ。
通貨には小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨の5種類が存在している。小銅貨1枚が10グル、銅貨1枚が100グル、銀貨1枚が1000グル、金貨1枚が10000グル、大金貨1枚が100000グルだ。分かりにくい数字じゃなくて良かった。
「さっき食べていたパンがあっただろう?」
「あの美味しかった硬めのパン?」
「そう。目を輝かせてたあれが、領都で買えば2こで銅貨1枚つまり100グルだ」
「はーパン2こで100グルか」
泊めてもらったばかりか食事まで出してもらったけど、一体いくら払えばつり合いが取れるんだろう。
「村の宿って相場はいくらぐらい?」
「2000グル程度かな…あまり多く払うと逆に怒られるぞ」
「怒られるのか」
「領都なら泊まる宿屋にもよるけど、3000グルから上はキリがないな」
そりゃそうか、目的地は領都なんだもんな。安宿から、セレブ御用達みたいな豪華な宿まで幅広いホテルがあるんだろう。
「なあ、食料と服に宿と夕食ってさ、たったあれだけの買い取り額で足りるのか?」
思わず指折り数えながら、不安になって尋ねる。
「間違いなく足りるし、残った分は硬貨でかえってくるよ」
「本当に?」
無銭飲食――じゃなくて、無銭宿泊(?)とかしたくないよ、俺。よほど心配そうな顔をしていたのか、ハルはきちんと説明してくれた。
「ナーパ草は、1束で500グル程度だね」
「5束で2500グル?」
「うん、そうだよ」
「じゃあジウプの果実が高いのか?」
その金額じゃ、俺は宿代まで払えないだろうし。
「ジウプの果実は、加工すると効果が消える上に、栽培はできない種なんだ。だから普通の果物よりもさらに高価になるよ」
「そうなのか?俺、普通に食っちゃったけど」
「それは冒険者の特権だから、気にしなくて大丈夫」
「冒険者の特権?」
「きちんと知識を知ってさえいれば、食うに困る事は無い。高価なものも森で採取さえできれば、簡単に手に入れる事ができる」
「それはすごく良いな」
「ただし、魔物に会う危険もあれば道に迷う恐れもある。その分値段が上がってるんだから、決して油断はしないようにね」
美味しいものいっぱい食べれるってことだなって考えてたら、しっかり釘を刺されてしまった。はい、油断はしません。ちゃんと魔物も倒せるようにならないと、ハルの気配を読む力に頼ってばかりもいられない。
もし、ハルの心残りが、あのリスリーロの納品だったら――ハルとは領都でお別れになる。いつでも笑顔で接してくれるこの知識豊富な同行者がいなくなったら、急に寂しくなるな。異世界に一人ぼっちって気分になりそうだ。
「それで、ジウプの実はいくらなの?」
沈んできた気持ちを奮い立たせるように、わざと明るい声を出して聞いてみた。
「相場なら1こ1000グルだね」
「え、じゃあ10こで10000グル!?金貨1枚分!」
「そうだね、アキトは計算が早いな」
「え、普通だと思う」
別に数学が得意だったわけでもないからな。
「じゃあ12500グルから、服と食料と宿泊費だな」
「この村は信頼できる村だから、言われた値段を支払えば良いよ」
その言葉に何か含みを感じた俺は、気になった部分を聞いてみた。
「信頼できない村もあるのか?」
「ああ。普通に農村だと思ってたら盗賊の隠れ村だったって事があってね」
「ええー」
「朝になったら、剣をもった村人に家の周りを包囲されていて、身ぐるみを剥がされそうになったんだ」
「うわーそれはこわすぎる」
「あの時はさすがに焦ったな」
「で、どうしたの?」
「ん?同行者と二人で全員倒して縛り上げてから、衛兵を呼んだよ」
あっさりと当然の事のように言われて驚いてしまう。こんな王子様みたいな見た目で、強いなんてことがあるのか。
「ハルって…強いの?その見た目で?」
「失礼な。まあそれなりに剣の腕は良かったよ」
ハルは懐かしむような目で、遠くを見つめた。腕がたつなら余計に、今の見ているだけの状況はつらいんだろう。
「何かごめん」
「気にしてないよ、ほらそろそろ寝たら?」
「うん、ありがとう」
疲れていたせいもあってか、ベッドにもぐりこむとすぐに眠気が襲ってくる。
「おやすみ、ハル」
「おやすみ、アキト」
優しい声に安心してまぶたを閉じると、すぐに眠りに落ちて行った。
通貨には小銅貨、銅貨、銀貨、金貨、大金貨の5種類が存在している。小銅貨1枚が10グル、銅貨1枚が100グル、銀貨1枚が1000グル、金貨1枚が10000グル、大金貨1枚が100000グルだ。分かりにくい数字じゃなくて良かった。
「さっき食べていたパンがあっただろう?」
「あの美味しかった硬めのパン?」
「そう。目を輝かせてたあれが、領都で買えば2こで銅貨1枚つまり100グルだ」
「はーパン2こで100グルか」
泊めてもらったばかりか食事まで出してもらったけど、一体いくら払えばつり合いが取れるんだろう。
「村の宿って相場はいくらぐらい?」
「2000グル程度かな…あまり多く払うと逆に怒られるぞ」
「怒られるのか」
「領都なら泊まる宿屋にもよるけど、3000グルから上はキリがないな」
そりゃそうか、目的地は領都なんだもんな。安宿から、セレブ御用達みたいな豪華な宿まで幅広いホテルがあるんだろう。
「なあ、食料と服に宿と夕食ってさ、たったあれだけの買い取り額で足りるのか?」
思わず指折り数えながら、不安になって尋ねる。
「間違いなく足りるし、残った分は硬貨でかえってくるよ」
「本当に?」
無銭飲食――じゃなくて、無銭宿泊(?)とかしたくないよ、俺。よほど心配そうな顔をしていたのか、ハルはきちんと説明してくれた。
「ナーパ草は、1束で500グル程度だね」
「5束で2500グル?」
「うん、そうだよ」
「じゃあジウプの果実が高いのか?」
その金額じゃ、俺は宿代まで払えないだろうし。
「ジウプの果実は、加工すると効果が消える上に、栽培はできない種なんだ。だから普通の果物よりもさらに高価になるよ」
「そうなのか?俺、普通に食っちゃったけど」
「それは冒険者の特権だから、気にしなくて大丈夫」
「冒険者の特権?」
「きちんと知識を知ってさえいれば、食うに困る事は無い。高価なものも森で採取さえできれば、簡単に手に入れる事ができる」
「それはすごく良いな」
「ただし、魔物に会う危険もあれば道に迷う恐れもある。その分値段が上がってるんだから、決して油断はしないようにね」
美味しいものいっぱい食べれるってことだなって考えてたら、しっかり釘を刺されてしまった。はい、油断はしません。ちゃんと魔物も倒せるようにならないと、ハルの気配を読む力に頼ってばかりもいられない。
もし、ハルの心残りが、あのリスリーロの納品だったら――ハルとは領都でお別れになる。いつでも笑顔で接してくれるこの知識豊富な同行者がいなくなったら、急に寂しくなるな。異世界に一人ぼっちって気分になりそうだ。
「それで、ジウプの実はいくらなの?」
沈んできた気持ちを奮い立たせるように、わざと明るい声を出して聞いてみた。
「相場なら1こ1000グルだね」
「え、じゃあ10こで10000グル!?金貨1枚分!」
「そうだね、アキトは計算が早いな」
「え、普通だと思う」
別に数学が得意だったわけでもないからな。
「じゃあ12500グルから、服と食料と宿泊費だな」
「この村は信頼できる村だから、言われた値段を支払えば良いよ」
その言葉に何か含みを感じた俺は、気になった部分を聞いてみた。
「信頼できない村もあるのか?」
「ああ。普通に農村だと思ってたら盗賊の隠れ村だったって事があってね」
「ええー」
「朝になったら、剣をもった村人に家の周りを包囲されていて、身ぐるみを剥がされそうになったんだ」
「うわーそれはこわすぎる」
「あの時はさすがに焦ったな」
「で、どうしたの?」
「ん?同行者と二人で全員倒して縛り上げてから、衛兵を呼んだよ」
あっさりと当然の事のように言われて驚いてしまう。こんな王子様みたいな見た目で、強いなんてことがあるのか。
「ハルって…強いの?その見た目で?」
「失礼な。まあそれなりに剣の腕は良かったよ」
ハルは懐かしむような目で、遠くを見つめた。腕がたつなら余計に、今の見ているだけの状況はつらいんだろう。
「何かごめん」
「気にしてないよ、ほらそろそろ寝たら?」
「うん、ありがとう」
疲れていたせいもあってか、ベッドにもぐりこむとすぐに眠気が襲ってくる。
「おやすみ、ハル」
「おやすみ、アキト」
優しい声に安心してまぶたを閉じると、すぐに眠りに落ちて行った。
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