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40.【ハル視点】噂は順調に広まっている
アキトが眠ってから宿を抜け出して情報収集するのは、すっかり習慣となっている。
今日は冒険者ギルドの酒場へと足を運んだ。ここはまだ数時間は営業しているから、情報を集めるにはうってつけだ。
「なあ、聞いたかあの噂」
「精霊が見える人だろ?アキトって言ったよな?」
「Fランクなのに黒曜キノコ納品したんだろ?」
「すげーよなー」
まだ若い冒険者たちは、酒のつまみにして楽しそうに盛り上がっている。
「黒曜キノコの売上を狙った変な奴に目をつけられないかと心配してたんだが…」
「そうねぇ…あれは目立ってたものね」
「この様子なら大丈夫そうだな」
「ね、安心したわ」
ゆったりと酒を楽しみながらそう話していたのは、知った顔だった。金級冒険者のトーマスとドロシーだ。この二人がアキトの事を気にかけてくれているのは心強いな。
「空中を見ながら喋ってたんだってな」
「あのアキトって奴、精霊の加護持ちって本当かね」
「分からんが、本当ならおもしろいよな」
疑いつつも名前までしっかり覚えていたのは、中級冒険者たちだ。
俺が狙った通りに通り名は浸透してきているようだ。更にはアキトに手を出せば、精霊が黙っていないだろうという噂まで流れ出していた。これはメロウ辺りが流してそうだな。アキトを守るためには頼もしい味方だ。
あまり高額素材を連続で納品させても、悪目立ちするだけだろう。そう思った俺は、アキトに高額素材をすすめるのを控えていた。噂が浸透するのを待って、何か目立つような素材をどんっと納品させたい。何が良いだろうと考えながら、俺はまだ眠っているアキトの顔を見つめていた。
今日はアキトが決めた休日だった。お昼を食べるアキトを楽しんで、トライプールの中をうろうろと歩くアキトについて行って、最後は俺の提案で冒険者ギルドの酒場にいくことになった。
「お姉さん、マルックスのステーキとお酒!」
「アキト、もっとお腹から声を出して言わないと聞こえないよ」
「お姉さん!マルックスのステーキとお酒!!」
必死で叫ぶアキトの声は、それでも店員には届かない。悔しそうにするアキトは、もう注文を諦めそうな顔をしていて、あまりに予想通りの展開に笑ってしまった。アキトには睨まれたけれど、ほらあっちの冒険者が虚空を睨むアキトを見ているよ。
それにしても、この体では代わりに注文してあげることもできないんだが、どうしようかと考えていると、隣のテーブルに座っていた二人組の一人が声を張り上げた。
「こっち、マルックスのステーキと酒だ!」
「はーい!お待ちくださーい!」
代わりに注文してくれたのは、黒鷹亭の食堂で手伝いをしていたカーディという男だった。アキトも覚えていたようで、和やかに会話は弾んでいた。
「こっちは結婚したばかりの俺の伴侶で、クリスだ」
「初めまして、ストファー魔道具店を営んでいるクリスです」
「初めまして、俺は冒険者のアキトといいます」
「良かったら、一緒に食事しませんか?」
「新婚ならお邪魔じゃないですか?」
「いや、ぜひ一緒に」
アキトを誘ってくれた新婚の二人は、いそいそと場所を移動して二人で横並びに座った。向かい側にアキトが座ったのを見て、何となく俺もアキトの隣へと移動した。見えないけれど、気分だけは一緒に食事だ。
二人の話は面白かったし、アキトにとっても勉強になるような話も多かった。
会話が楽しいからか、すこし酔っているからか、アキトは無邪気に笑っている。新婚の二人はそんなアキトを、微笑ましそうに見守っているから良いとして、遠くからアキトの笑顔に見惚れているあの冒険者は顔を覚えておこう。
「これもおすすめだよ」
「こっちも食べてみたら?」
アキトが酒を飲むところは初めてみたが、いつも以上に笑顔なだけで、特に酔った様子も無い。
「意外とアキトはお酒強いんだね」
思わずそう口に出すと、アキトは何故か不服そうな顔で上目遣いに俺を見上げてきた。
周りからは、ほらやっぱり何か見えてるんだなんて声も聞こえてくるけれど、アキトには聞こえていないみたいだ。
ふと気づくと、アキトはじっとカーディとクリスの触れ合う指先を見つめていた。どうしたんだろうと心配になるほどにひたむきに見つめている。
「あ、いちゃいちゃしてんなよ、新婚だからって!」
「そうだそうだ!一人身に見せつけんな!」
おそらく二人の知り合いなのだろう冒険者の声に、手を離さずに笑い合う二人は本当に幸せそうだった。
「新婚祝いだ、おごってやるからこれも飲め」
「お、いいのか?」
「兄ちゃんもほら、おれのおごりだ、飲め」
「あ、いただきまーす」
アキトはすすめられた酒をすぐに飲み干した。やっぱり強いな。
「意外といける口だな、アキト!」
さらりと名前を呼ばれて不思議そうにしていたが、次の瞬間には他の人に話しかけられていた。アキトはやっぱり人気者になりそうだな。
黒鷹亭の部屋に戻ると、アキトはきっちり鍵をしめてから俺を見上げてくる。いつもの質問が来るんだろうと思ったら、珍しく言い難そうに言い淀んだ。
促してやっと話し出したのは、カーディとクリスの結婚の話しだった。
「この世界って、同性で結婚できるの?」
「は?そう聞くってことはアキトの世界ではできないのか?」
「国によってはできる国もあったけど、俺の住んでた国ではできなかったな」
「そうなのか?」
「こどもができないからって反対する人が多かったかな」
「……ん?……アキト、ひとつ聞いて良いか?」
「うん、何?」
「同性同士だとこどもはできないのか?」
「え、できないよね?」
当然できないでしょと言いたそうなアキトの姿に、不意にあの日バラーブ村でされた質問を思い出した。
「あー、あの時弟が妊娠ってどういうことって言ってたのは…そういうことだったのか」
「あ、そういえばミウナさんの事、気になってたんだった」
「この世界では同性でもこどもはできるぞ」
「え、どうやって」
「どうやって…って…」
待ってくれ。
俺はもしかして今からアキトに性教育をしないといけないのか。
バラーブ村では回避できたが、今日は回避できそうにない。説明して欲しいならしても良いが、一体どこからどこまでを教えれば良いんだ。ぐるぐると考えていると、アキトが慌てて言葉を重ねた。
「あ、違う!その性行為をしてってのは分かってるから!」
「じゃあどういう意味だ?」
「えーと、女の人は子宮があるけど、男にはないでしょ?どこで育てるの?」
詳しいやり方とかではなく体の作りの話かと理解すれば、ふうと肩の力が抜けた。確かに男には子宮は無いな。
「ああ、そういう意味か…びっくりした」
「さすがにそういう知識はあるよ」
「教会関係者の中でも一部のものしか使えない受胎魔法というのがあるんだ」
「じゅたいまほう?」
棒読みが可愛くてすこし笑ってしまったが、アキトは怒らなかった。
受胎魔法にはいくつかの決まりがある。
この国の成人18歳を超えていること。二人揃って教会に出向き申請をすること。教会による審査を受け、合格すること。さらにそこに一定額の寄付をすること。それでやっと魔法をかけてもらえる。
あとはセックスをして二人の魔力をしっかりと練り合わせるだけだ。成功したら腹の中に赤子を育てる袋が出来て、母体の魔力を吸って成長する。
アキトは真剣な顔で、俺の説明を聞いていた。
「異世界すごい…」
「そうか?これが普通だと思ってたから、説明も出来なくてすまない」
「ううん、教えてくれてありがとう」
そう言ったアキトの様子に、なんとなくひっかかるものがあった。
男女でしか結婚できない世界から来た男にとって、今の情報はそんなに重要だろうか。へー同性でも結婚ができてこどもが出来るんだこの世界ーと思って終わるだろうに、アキトは自分から出産はどうするのかとまで聞いてきた。
「アキトは、男女でしか結婚できない世界から来たってことか…」
「そうだよ」
「ということは、男女間以外には嫌悪感があるのか?カーディとクリスと話している時はそんな風には見えなかったが」
「あ、いや全然ないよ。俺は元々好きになるのは男なんだ」
あっさりとそう言われた時の俺の衝撃は、それはもう凄まじかった。
「そうなのか?じゃあ、大変だったんだな」
さらりとそう返せたのは、奇跡だと思う。
元々好きになるのは男とはっきり言い切れるということは、もしかしてアキトはあちらの世界に恋人を残してきていたりするんだろうか。
イワンに言い寄られても、新人冒険者から色を含んだ目で見られても全く気づいていないように見えたけれど、あれは単に好みじゃなかったから無視をしていただけなのか。
もしかして好みの男だったら、あっさりと受け入れて、子どもを作りたいと言うんだろうか。
俺はぐるぐるとそんなことを考え続けていた。
今日は冒険者ギルドの酒場へと足を運んだ。ここはまだ数時間は営業しているから、情報を集めるにはうってつけだ。
「なあ、聞いたかあの噂」
「精霊が見える人だろ?アキトって言ったよな?」
「Fランクなのに黒曜キノコ納品したんだろ?」
「すげーよなー」
まだ若い冒険者たちは、酒のつまみにして楽しそうに盛り上がっている。
「黒曜キノコの売上を狙った変な奴に目をつけられないかと心配してたんだが…」
「そうねぇ…あれは目立ってたものね」
「この様子なら大丈夫そうだな」
「ね、安心したわ」
ゆったりと酒を楽しみながらそう話していたのは、知った顔だった。金級冒険者のトーマスとドロシーだ。この二人がアキトの事を気にかけてくれているのは心強いな。
「空中を見ながら喋ってたんだってな」
「あのアキトって奴、精霊の加護持ちって本当かね」
「分からんが、本当ならおもしろいよな」
疑いつつも名前までしっかり覚えていたのは、中級冒険者たちだ。
俺が狙った通りに通り名は浸透してきているようだ。更にはアキトに手を出せば、精霊が黙っていないだろうという噂まで流れ出していた。これはメロウ辺りが流してそうだな。アキトを守るためには頼もしい味方だ。
あまり高額素材を連続で納品させても、悪目立ちするだけだろう。そう思った俺は、アキトに高額素材をすすめるのを控えていた。噂が浸透するのを待って、何か目立つような素材をどんっと納品させたい。何が良いだろうと考えながら、俺はまだ眠っているアキトの顔を見つめていた。
今日はアキトが決めた休日だった。お昼を食べるアキトを楽しんで、トライプールの中をうろうろと歩くアキトについて行って、最後は俺の提案で冒険者ギルドの酒場にいくことになった。
「お姉さん、マルックスのステーキとお酒!」
「アキト、もっとお腹から声を出して言わないと聞こえないよ」
「お姉さん!マルックスのステーキとお酒!!」
必死で叫ぶアキトの声は、それでも店員には届かない。悔しそうにするアキトは、もう注文を諦めそうな顔をしていて、あまりに予想通りの展開に笑ってしまった。アキトには睨まれたけれど、ほらあっちの冒険者が虚空を睨むアキトを見ているよ。
それにしても、この体では代わりに注文してあげることもできないんだが、どうしようかと考えていると、隣のテーブルに座っていた二人組の一人が声を張り上げた。
「こっち、マルックスのステーキと酒だ!」
「はーい!お待ちくださーい!」
代わりに注文してくれたのは、黒鷹亭の食堂で手伝いをしていたカーディという男だった。アキトも覚えていたようで、和やかに会話は弾んでいた。
「こっちは結婚したばかりの俺の伴侶で、クリスだ」
「初めまして、ストファー魔道具店を営んでいるクリスです」
「初めまして、俺は冒険者のアキトといいます」
「良かったら、一緒に食事しませんか?」
「新婚ならお邪魔じゃないですか?」
「いや、ぜひ一緒に」
アキトを誘ってくれた新婚の二人は、いそいそと場所を移動して二人で横並びに座った。向かい側にアキトが座ったのを見て、何となく俺もアキトの隣へと移動した。見えないけれど、気分だけは一緒に食事だ。
二人の話は面白かったし、アキトにとっても勉強になるような話も多かった。
会話が楽しいからか、すこし酔っているからか、アキトは無邪気に笑っている。新婚の二人はそんなアキトを、微笑ましそうに見守っているから良いとして、遠くからアキトの笑顔に見惚れているあの冒険者は顔を覚えておこう。
「これもおすすめだよ」
「こっちも食べてみたら?」
アキトが酒を飲むところは初めてみたが、いつも以上に笑顔なだけで、特に酔った様子も無い。
「意外とアキトはお酒強いんだね」
思わずそう口に出すと、アキトは何故か不服そうな顔で上目遣いに俺を見上げてきた。
周りからは、ほらやっぱり何か見えてるんだなんて声も聞こえてくるけれど、アキトには聞こえていないみたいだ。
ふと気づくと、アキトはじっとカーディとクリスの触れ合う指先を見つめていた。どうしたんだろうと心配になるほどにひたむきに見つめている。
「あ、いちゃいちゃしてんなよ、新婚だからって!」
「そうだそうだ!一人身に見せつけんな!」
おそらく二人の知り合いなのだろう冒険者の声に、手を離さずに笑い合う二人は本当に幸せそうだった。
「新婚祝いだ、おごってやるからこれも飲め」
「お、いいのか?」
「兄ちゃんもほら、おれのおごりだ、飲め」
「あ、いただきまーす」
アキトはすすめられた酒をすぐに飲み干した。やっぱり強いな。
「意外といける口だな、アキト!」
さらりと名前を呼ばれて不思議そうにしていたが、次の瞬間には他の人に話しかけられていた。アキトはやっぱり人気者になりそうだな。
黒鷹亭の部屋に戻ると、アキトはきっちり鍵をしめてから俺を見上げてくる。いつもの質問が来るんだろうと思ったら、珍しく言い難そうに言い淀んだ。
促してやっと話し出したのは、カーディとクリスの結婚の話しだった。
「この世界って、同性で結婚できるの?」
「は?そう聞くってことはアキトの世界ではできないのか?」
「国によってはできる国もあったけど、俺の住んでた国ではできなかったな」
「そうなのか?」
「こどもができないからって反対する人が多かったかな」
「……ん?……アキト、ひとつ聞いて良いか?」
「うん、何?」
「同性同士だとこどもはできないのか?」
「え、できないよね?」
当然できないでしょと言いたそうなアキトの姿に、不意にあの日バラーブ村でされた質問を思い出した。
「あー、あの時弟が妊娠ってどういうことって言ってたのは…そういうことだったのか」
「あ、そういえばミウナさんの事、気になってたんだった」
「この世界では同性でもこどもはできるぞ」
「え、どうやって」
「どうやって…って…」
待ってくれ。
俺はもしかして今からアキトに性教育をしないといけないのか。
バラーブ村では回避できたが、今日は回避できそうにない。説明して欲しいならしても良いが、一体どこからどこまでを教えれば良いんだ。ぐるぐると考えていると、アキトが慌てて言葉を重ねた。
「あ、違う!その性行為をしてってのは分かってるから!」
「じゃあどういう意味だ?」
「えーと、女の人は子宮があるけど、男にはないでしょ?どこで育てるの?」
詳しいやり方とかではなく体の作りの話かと理解すれば、ふうと肩の力が抜けた。確かに男には子宮は無いな。
「ああ、そういう意味か…びっくりした」
「さすがにそういう知識はあるよ」
「教会関係者の中でも一部のものしか使えない受胎魔法というのがあるんだ」
「じゅたいまほう?」
棒読みが可愛くてすこし笑ってしまったが、アキトは怒らなかった。
受胎魔法にはいくつかの決まりがある。
この国の成人18歳を超えていること。二人揃って教会に出向き申請をすること。教会による審査を受け、合格すること。さらにそこに一定額の寄付をすること。それでやっと魔法をかけてもらえる。
あとはセックスをして二人の魔力をしっかりと練り合わせるだけだ。成功したら腹の中に赤子を育てる袋が出来て、母体の魔力を吸って成長する。
アキトは真剣な顔で、俺の説明を聞いていた。
「異世界すごい…」
「そうか?これが普通だと思ってたから、説明も出来なくてすまない」
「ううん、教えてくれてありがとう」
そう言ったアキトの様子に、なんとなくひっかかるものがあった。
男女でしか結婚できない世界から来た男にとって、今の情報はそんなに重要だろうか。へー同性でも結婚ができてこどもが出来るんだこの世界ーと思って終わるだろうに、アキトは自分から出産はどうするのかとまで聞いてきた。
「アキトは、男女でしか結婚できない世界から来たってことか…」
「そうだよ」
「ということは、男女間以外には嫌悪感があるのか?カーディとクリスと話している時はそんな風には見えなかったが」
「あ、いや全然ないよ。俺は元々好きになるのは男なんだ」
あっさりとそう言われた時の俺の衝撃は、それはもう凄まじかった。
「そうなのか?じゃあ、大変だったんだな」
さらりとそう返せたのは、奇跡だと思う。
元々好きになるのは男とはっきり言い切れるということは、もしかしてアキトはあちらの世界に恋人を残してきていたりするんだろうか。
イワンに言い寄られても、新人冒険者から色を含んだ目で見られても全く気づいていないように見えたけれど、あれは単に好みじゃなかったから無視をしていただけなのか。
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