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129.異世界の待ち合わせスポット
待ち合わせ場所は、北の大門前にある広場だった。
早朝なこともあり、まだ屋台も並んでいないし広場を利用している人も少ない。いつもより広く感じる広場を興味深く眺めながら、俺たちはベンチへ向かって歩き出した。
「まだ来てないみたいだね」
「うん、ちょっと張り切りすぎたかな」
「遅れるよりは良いと思うよ」
「そうだよね」
まだ人が少ないおかげで、周りの目を気にせずにハルと話しが出来る。これはちょっと、いやかなり嬉しい。
ベンチに並んで腰を下ろし、ぐるりと広場を見渡す。俺の知識では公園にしか見えない広場には、待ち合わせをしている冒険者達の姿がちらほらと見えた。ここは待ち合わせスポットだったりするんだろうか。
ぼんやりとそんな事を考えていると、ふと屋台を引っ張って歩いている女性が目に留まった。どうみても細身の老齢女性なのに、あまりに軽々と屋台を運んでいく。
「すご…ハル、屋台って重いよね?」
「ああ、あれは重さを軽減させる魔道具を使ってるんだ」
「あ、あの人の力じゃないんだ」
なるほど魔道具かと呟いた俺の言葉に、ハルは面白そうに笑いだした。
「さすがにあれは魔道具無しでは運べないだろうね」
「良かった。もしかしてこっちでは女性でも俺より力持ちなのかと思った」
素直な気持ちだったのに、ハルは驚いた顔で俺を見てから思いっきり噴き出した。
「なんだよ、笑うなよ」
拗ねたふりをしてみたけど、ハルとこうやって軽口を叩けるのがすごく嬉しい。
お婆さんは定位置に辿り着いたのか、手早く屋台の組み立てを始めた。あんな風になってるんだと興味深く眺めていると、真後ろからブレイズの声が聞こえた。
「アキト、おはよ!」
「ブレイズ!おはよう」
「そんな真剣に何見てたの?」
「屋台の設置?」
「それって面白いの」
「初めてみたから、結構面白かったよ」
のんびりとブレイズと喋っている間に、ルセフさんとファリーマさんが近づいてきた。
「おはよう、アキト」
ルセフさんは穏やかに微笑みながら、挨拶をしてくれた。
「おはよー」
大きなあくびをしたファリーマさんは、ごしごしと目をこすりながらの登場だ。
「おはようございます」
「お待たせ、ウォルターだけちょっと待ってもらって良いかな?」
「はい」
ルセフさんの視線の先を辿ってみれば、遠くからウォルターさんが全力で走ってくるのが見えた。寝ぐせがすごすぎて、寝坊したんだなと一目で分かる髪型だ。
「すまん!待たせた!」
「やっぱり遅刻したのはウォルターだったな」
だから言っただろうと、ファリーマさんは苦笑を洩らした。
「ウォルター兄ちゃん、俺ちゃんと起こしたよ?」
「お前の兄ちゃんじゃねぇ!あーえーと」
何と言おうか悩んだ様子のウォルターさんを、ルセフさんは冷たく睨みつける。
「起こしてもらってから、二度寝したんだよな?」
「すみません」
「あの、まだ約束の時間前なので、気にしなくて大丈夫ですよ」
「うおーアキトは良い奴だなぁ!」
そう言うなり、俺はウォルターさんに抱き着かれてしまった。すぐにルセフさんが引っ剝がしてくれたけど、ちょっとびっくりした。
「まあアキトが怒ってないなら今日のは不問にしよう。全員揃ったから行くか」
北の大門を出てしばらく歩くと、馬車乗り場が見えてきた。今日は馬車には乗らないと聞いていたので、視線だけを動かして放牧中の馬の姿をちらりと見る。元気に駆け回っている馬の姿を眺めつつ、道に沿って北上していった。
「ここから森に入るよ」
一塊になって歩いていた俺たちは、ルセフさんの言葉ですぐに隊列を組んだ。一番前を歩くのはウォルターさんとルセフさん、その後ろにファリーマさん、少し離れてブレイズと俺、ハルが続く。
前衛と後衛をきっちりと分けて、何が起きても対応できるようにするのがこのチームのやり方なんだって。
「無理をする必要は無いから、疲れたら声をかけてくれよ」
ルセフさんは、俺に向かってそう声をかけてくれた。ありがたく頷いておいたけど、チームの足を引っ張りたくはないな。そう考えていると、ルセフさんはブレイズに視線を動かした。
「ブレイズはアキトが無理しないように、見張っててくれるか」
「了解~!」
うわー俺の考えてた事ばっちりバレてた上に、逃げ道を断たれてしまった。俺が無理したらブレイズも怒られるかもしれないって事だ。
「ちゃんと自己申告します」
「ああ、そうしてくれ。じゃあ行くぞ」
ーーーーーーーーーーーーー
予約投稿の順番をミスっていたので差し替えました。
こちらが129話です。読んで下さった方、ごめんなさい。
早朝なこともあり、まだ屋台も並んでいないし広場を利用している人も少ない。いつもより広く感じる広場を興味深く眺めながら、俺たちはベンチへ向かって歩き出した。
「まだ来てないみたいだね」
「うん、ちょっと張り切りすぎたかな」
「遅れるよりは良いと思うよ」
「そうだよね」
まだ人が少ないおかげで、周りの目を気にせずにハルと話しが出来る。これはちょっと、いやかなり嬉しい。
ベンチに並んで腰を下ろし、ぐるりと広場を見渡す。俺の知識では公園にしか見えない広場には、待ち合わせをしている冒険者達の姿がちらほらと見えた。ここは待ち合わせスポットだったりするんだろうか。
ぼんやりとそんな事を考えていると、ふと屋台を引っ張って歩いている女性が目に留まった。どうみても細身の老齢女性なのに、あまりに軽々と屋台を運んでいく。
「すご…ハル、屋台って重いよね?」
「ああ、あれは重さを軽減させる魔道具を使ってるんだ」
「あ、あの人の力じゃないんだ」
なるほど魔道具かと呟いた俺の言葉に、ハルは面白そうに笑いだした。
「さすがにあれは魔道具無しでは運べないだろうね」
「良かった。もしかしてこっちでは女性でも俺より力持ちなのかと思った」
素直な気持ちだったのに、ハルは驚いた顔で俺を見てから思いっきり噴き出した。
「なんだよ、笑うなよ」
拗ねたふりをしてみたけど、ハルとこうやって軽口を叩けるのがすごく嬉しい。
お婆さんは定位置に辿り着いたのか、手早く屋台の組み立てを始めた。あんな風になってるんだと興味深く眺めていると、真後ろからブレイズの声が聞こえた。
「アキト、おはよ!」
「ブレイズ!おはよう」
「そんな真剣に何見てたの?」
「屋台の設置?」
「それって面白いの」
「初めてみたから、結構面白かったよ」
のんびりとブレイズと喋っている間に、ルセフさんとファリーマさんが近づいてきた。
「おはよう、アキト」
ルセフさんは穏やかに微笑みながら、挨拶をしてくれた。
「おはよー」
大きなあくびをしたファリーマさんは、ごしごしと目をこすりながらの登場だ。
「おはようございます」
「お待たせ、ウォルターだけちょっと待ってもらって良いかな?」
「はい」
ルセフさんの視線の先を辿ってみれば、遠くからウォルターさんが全力で走ってくるのが見えた。寝ぐせがすごすぎて、寝坊したんだなと一目で分かる髪型だ。
「すまん!待たせた!」
「やっぱり遅刻したのはウォルターだったな」
だから言っただろうと、ファリーマさんは苦笑を洩らした。
「ウォルター兄ちゃん、俺ちゃんと起こしたよ?」
「お前の兄ちゃんじゃねぇ!あーえーと」
何と言おうか悩んだ様子のウォルターさんを、ルセフさんは冷たく睨みつける。
「起こしてもらってから、二度寝したんだよな?」
「すみません」
「あの、まだ約束の時間前なので、気にしなくて大丈夫ですよ」
「うおーアキトは良い奴だなぁ!」
そう言うなり、俺はウォルターさんに抱き着かれてしまった。すぐにルセフさんが引っ剝がしてくれたけど、ちょっとびっくりした。
「まあアキトが怒ってないなら今日のは不問にしよう。全員揃ったから行くか」
北の大門を出てしばらく歩くと、馬車乗り場が見えてきた。今日は馬車には乗らないと聞いていたので、視線だけを動かして放牧中の馬の姿をちらりと見る。元気に駆け回っている馬の姿を眺めつつ、道に沿って北上していった。
「ここから森に入るよ」
一塊になって歩いていた俺たちは、ルセフさんの言葉ですぐに隊列を組んだ。一番前を歩くのはウォルターさんとルセフさん、その後ろにファリーマさん、少し離れてブレイズと俺、ハルが続く。
前衛と後衛をきっちりと分けて、何が起きても対応できるようにするのがこのチームのやり方なんだって。
「無理をする必要は無いから、疲れたら声をかけてくれよ」
ルセフさんは、俺に向かってそう声をかけてくれた。ありがたく頷いておいたけど、チームの足を引っ張りたくはないな。そう考えていると、ルセフさんはブレイズに視線を動かした。
「ブレイズはアキトが無理しないように、見張っててくれるか」
「了解~!」
うわー俺の考えてた事ばっちりバレてた上に、逃げ道を断たれてしまった。俺が無理したらブレイズも怒られるかもしれないって事だ。
「ちゃんと自己申告します」
「ああ、そうしてくれ。じゃあ行くぞ」
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予約投稿の順番をミスっていたので差し替えました。
こちらが129話です。読んで下さった方、ごめんなさい。
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