191 / 1,561
190.【ハル視点】あの魔法の説明を
目を覚ました俺が最初に目にしたのは、涙で目を潤ませたアキトの顔だった。
「アキ…ト…?」
どうして泣いているんだとか何故ここにいるんだとか、聞きたい事はたくさんあった。でも咄嗟に言葉に出来たのは、ただアキトの名前だけだった。かすれた俺の声は驚くほどにか細かったけれど、アキトは嬉しそうに笑ってくれた。
これは本当に現実なのかと考えた瞬間、アキトがぎゅっと俺の手を握りしめてくれた。ああ、指先を握られている感触がちゃんとある。俺は本当に体に戻れたんだな。しみじみとそう思った瞬間、アキトの手から力が抜けていった。
「…っ!アキ…っ!」
かすれた声で思わず叫んだ俺の見つめる先、アキトの体はゆっくりと倒れていった。
「おっと」
軽い声と共にアキトを抱きとめたのは、ケルビンだった。頭から倒れそうだったアキトを助けてくれた事には感謝するけれど、同時に何故自分が助けられなかったのかと思ってしまった。
「は、ハロルド様…目覚められたのですか?」
「ミン…せん…」
「あっ、お待ち下さいっ!」
慌てて鞄の中を探ったミング先生が手渡してくれたのは、色からして喉の傷を治す際に使われる魔法薬だろう。濃い紫色をした毒々しい魔法薬を、俺は一気に飲み干した。えぐみと苦味はすごいけれど、これを飲めば声は出るようになるからな。
「ミング先生、ありがとう」
「いえ、話したい事はたくさんありますが、もうしばらくお待ち下さいね」
鞄の中に手を入れると、ミング先生は治療用の簡易ベッドをおもむろに取り出した。俺のベッドの隣に並べるようにして手早く設置すれば、あっという間にアキトのためのベッドが用意できた。
騎士団の医術士として特大サイズの魔道収納鞄を譲渡されているとはいえ、やはり鞄の中からベッドが飛び出してくる様子にはさすがにまだ慣れない。
「団長、アキトさんをこちらへ」
「分かった」
そっとベッドに寝かされたアキトは、真っ白な顔をしたまま眠りに落ちていた。いくつかの魔道具を使ってアキトの体調を調べていた先生は、ふうと大きく息を吐いてから口を開いた。
「魔力切れで間違いないですね」
やっぱり魔力切れか。そうかもしれないとは思っていたけれど、信頼できる医術士にそう言ってもらえると少し安心した。魔力切れへの対処法は、ひたすらに眠らせてやる事しかない。
あの悪夢の中で俺の体を包んだのは、間違いなくアキトの魔力だった。あの時と同じ光り輝く魔力からして、きっとアキトは俺のためにあの魔法を使ったんだろうな。この二人にバレることも恐れずに。
「ハロルド様、彼は一体何をしたんですか?」
「その前に…ケルビン、彼の体質の話は聞いたか?」
「ああ、生まれも体質も俺には話してくれたぞ」
ケルビンの言葉を聞いて、俺は頭の中で説明する事と隠す事を考える。
ケルビンを信頼したのか、アキトは生まれも体質も自分から話したようだ。つまり異世界人な事も幽霊が見える体質についても、ケルビンは既に知っているという事だ。
問題はミング先生だろう。ミング先生は、この騎士団に俺が来た頃から既に医術士として勤務していた。種族や生まれ、体質で人を差別するような人では無いと断言できる。けれどその一方で、ミング先生の医術の腕はあまりに有名だ。異世界人を囲い込みたいという貴族や金持ち連中と、面識がある恐れもある。
アキトが異世界人な事は、隠しきる方が良さそうだ。
ミング先生を信頼していないと言うよりも、善良なこの人が板挟みになる可能性を少しでも減らしたい。
となれば、幽霊が見える体質については話さないと、説得はできないだろうな。アキトには後で勝手に話した事を謝るしか無いだろう。
「ミング先生、俺が今から話す事は信じがたいと思うが、剣に誓って真実しか述べない」
「はい、あなたの言葉を信じます」
「俺は幽霊として…いや霊体としてだろうか?」
「どっちでも良いと思うぞ」
呆れたような顔でケルビンが笑う。
「ここに体を置いたまま、幽霊として魂は自由に動き回っていたんだ」
「は…?」
「アキトは幽霊が見える変わった体質でな、ここ数か月は一緒に旅をしていた」
ミング先生は明らかに戸惑った顔をしているが無理も無いだろう。俺だって誰かがこんな事を言いだしたら、あっさりと信じてやれる自信は無い。それでもこれは間違いなく真実だ。どうやって信じて貰おうかと悩んでいると、ケルビンが横から口を挟んだ。
「先生、アキトはこいつと俺しか知らない筈の話を知ってたんだ。幽霊のハルから聞く以外に知る方法は無いと思うぜ?」
「そんな話をしたか?」
記憶に無いんだがと続ければ、ケルビンは更に呆れた顔で俺を見返した。
「盗賊村だよ」
「ああ、アキトに警戒心を持ってもらいたくて、そういえばバラ―ブ村でそんな話をしたな…」
そうか、アキトはあんな出会ってすぐの頃の話まで、ちゃんと覚えていてくれたんだな。
「アキトさんは幽霊のハロルド様と出会って、一緒に旅をしていた…と」
「ああ、信じてくれるか?」
「ええ、お二人がそう言うなら信じましょう」
医術の世界にも不思議な事はたくさんありますからねと、ミング先生はそう言って笑ってくれた。
「それで、さっきのは何だ?」
「あれはアキトの使う特別な魔法だ」
ケルビンは真剣な表情をしたまま、俺をじっと見つめてから口を開いた。
「俺には治癒魔法に見えたんだが?」
ああ、やはり相棒はよく分かっているな。俺が今一番して欲しかった質問がそれだ。
「いや、あれはおそらく異物を取り除く魔法だと思う」
口からでまかせだが、それなりに説得力はあると思う。
アキトが自分の怪我を治した事は、俺とアキトしか知らない出来事だ。今二人が見たのは、俺の中にあった毒物を取り除いた魔法だけなんだから、ごまかす事は出来るだろう。
「ああ、なるほど。だから彼は毒と聞いてから、魔法を使ったんですね」
素直に受け入れてくれたミング先生は、感心したように頷いている。
「アキトもまだ使いこなせていない魔法だから、成功するかは分からなかった。だから内容を告げなかったんじゃないかな」
よし、これで辻褄はあっただろうし、無理に他の奴の毒抜きを頼まれる事も無いだろう。やり切ったと思ったが、ケルビンはもの言いたげな視線を向けてきている。まあ、お前は誤魔化されないだろうとは思ってたけどな。
「魔法の話は分かった。先生、ハロルドの体調も調べてくれるか」
「はい、すぐに取り掛かりますね」
魔道具を使って全身を隅々まで調べられながら、俺は眠ったままのアキトの顔をじっと見つめていた。
「アキ…ト…?」
どうして泣いているんだとか何故ここにいるんだとか、聞きたい事はたくさんあった。でも咄嗟に言葉に出来たのは、ただアキトの名前だけだった。かすれた俺の声は驚くほどにか細かったけれど、アキトは嬉しそうに笑ってくれた。
これは本当に現実なのかと考えた瞬間、アキトがぎゅっと俺の手を握りしめてくれた。ああ、指先を握られている感触がちゃんとある。俺は本当に体に戻れたんだな。しみじみとそう思った瞬間、アキトの手から力が抜けていった。
「…っ!アキ…っ!」
かすれた声で思わず叫んだ俺の見つめる先、アキトの体はゆっくりと倒れていった。
「おっと」
軽い声と共にアキトを抱きとめたのは、ケルビンだった。頭から倒れそうだったアキトを助けてくれた事には感謝するけれど、同時に何故自分が助けられなかったのかと思ってしまった。
「は、ハロルド様…目覚められたのですか?」
「ミン…せん…」
「あっ、お待ち下さいっ!」
慌てて鞄の中を探ったミング先生が手渡してくれたのは、色からして喉の傷を治す際に使われる魔法薬だろう。濃い紫色をした毒々しい魔法薬を、俺は一気に飲み干した。えぐみと苦味はすごいけれど、これを飲めば声は出るようになるからな。
「ミング先生、ありがとう」
「いえ、話したい事はたくさんありますが、もうしばらくお待ち下さいね」
鞄の中に手を入れると、ミング先生は治療用の簡易ベッドをおもむろに取り出した。俺のベッドの隣に並べるようにして手早く設置すれば、あっという間にアキトのためのベッドが用意できた。
騎士団の医術士として特大サイズの魔道収納鞄を譲渡されているとはいえ、やはり鞄の中からベッドが飛び出してくる様子にはさすがにまだ慣れない。
「団長、アキトさんをこちらへ」
「分かった」
そっとベッドに寝かされたアキトは、真っ白な顔をしたまま眠りに落ちていた。いくつかの魔道具を使ってアキトの体調を調べていた先生は、ふうと大きく息を吐いてから口を開いた。
「魔力切れで間違いないですね」
やっぱり魔力切れか。そうかもしれないとは思っていたけれど、信頼できる医術士にそう言ってもらえると少し安心した。魔力切れへの対処法は、ひたすらに眠らせてやる事しかない。
あの悪夢の中で俺の体を包んだのは、間違いなくアキトの魔力だった。あの時と同じ光り輝く魔力からして、きっとアキトは俺のためにあの魔法を使ったんだろうな。この二人にバレることも恐れずに。
「ハロルド様、彼は一体何をしたんですか?」
「その前に…ケルビン、彼の体質の話は聞いたか?」
「ああ、生まれも体質も俺には話してくれたぞ」
ケルビンの言葉を聞いて、俺は頭の中で説明する事と隠す事を考える。
ケルビンを信頼したのか、アキトは生まれも体質も自分から話したようだ。つまり異世界人な事も幽霊が見える体質についても、ケルビンは既に知っているという事だ。
問題はミング先生だろう。ミング先生は、この騎士団に俺が来た頃から既に医術士として勤務していた。種族や生まれ、体質で人を差別するような人では無いと断言できる。けれどその一方で、ミング先生の医術の腕はあまりに有名だ。異世界人を囲い込みたいという貴族や金持ち連中と、面識がある恐れもある。
アキトが異世界人な事は、隠しきる方が良さそうだ。
ミング先生を信頼していないと言うよりも、善良なこの人が板挟みになる可能性を少しでも減らしたい。
となれば、幽霊が見える体質については話さないと、説得はできないだろうな。アキトには後で勝手に話した事を謝るしか無いだろう。
「ミング先生、俺が今から話す事は信じがたいと思うが、剣に誓って真実しか述べない」
「はい、あなたの言葉を信じます」
「俺は幽霊として…いや霊体としてだろうか?」
「どっちでも良いと思うぞ」
呆れたような顔でケルビンが笑う。
「ここに体を置いたまま、幽霊として魂は自由に動き回っていたんだ」
「は…?」
「アキトは幽霊が見える変わった体質でな、ここ数か月は一緒に旅をしていた」
ミング先生は明らかに戸惑った顔をしているが無理も無いだろう。俺だって誰かがこんな事を言いだしたら、あっさりと信じてやれる自信は無い。それでもこれは間違いなく真実だ。どうやって信じて貰おうかと悩んでいると、ケルビンが横から口を挟んだ。
「先生、アキトはこいつと俺しか知らない筈の話を知ってたんだ。幽霊のハルから聞く以外に知る方法は無いと思うぜ?」
「そんな話をしたか?」
記憶に無いんだがと続ければ、ケルビンは更に呆れた顔で俺を見返した。
「盗賊村だよ」
「ああ、アキトに警戒心を持ってもらいたくて、そういえばバラ―ブ村でそんな話をしたな…」
そうか、アキトはあんな出会ってすぐの頃の話まで、ちゃんと覚えていてくれたんだな。
「アキトさんは幽霊のハロルド様と出会って、一緒に旅をしていた…と」
「ああ、信じてくれるか?」
「ええ、お二人がそう言うなら信じましょう」
医術の世界にも不思議な事はたくさんありますからねと、ミング先生はそう言って笑ってくれた。
「それで、さっきのは何だ?」
「あれはアキトの使う特別な魔法だ」
ケルビンは真剣な表情をしたまま、俺をじっと見つめてから口を開いた。
「俺には治癒魔法に見えたんだが?」
ああ、やはり相棒はよく分かっているな。俺が今一番して欲しかった質問がそれだ。
「いや、あれはおそらく異物を取り除く魔法だと思う」
口からでまかせだが、それなりに説得力はあると思う。
アキトが自分の怪我を治した事は、俺とアキトしか知らない出来事だ。今二人が見たのは、俺の中にあった毒物を取り除いた魔法だけなんだから、ごまかす事は出来るだろう。
「ああ、なるほど。だから彼は毒と聞いてから、魔法を使ったんですね」
素直に受け入れてくれたミング先生は、感心したように頷いている。
「アキトもまだ使いこなせていない魔法だから、成功するかは分からなかった。だから内容を告げなかったんじゃないかな」
よし、これで辻褄はあっただろうし、無理に他の奴の毒抜きを頼まれる事も無いだろう。やり切ったと思ったが、ケルビンはもの言いたげな視線を向けてきている。まあ、お前は誤魔化されないだろうとは思ってたけどな。
「魔法の話は分かった。先生、ハロルドの体調も調べてくれるか」
「はい、すぐに取り掛かりますね」
魔道具を使って全身を隅々まで調べられながら、俺は眠ったままのアキトの顔をじっと見つめていた。
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。
拾われたのはたぶん僕です 〜ポンコツ魔法使いと騎士団の平和な大事件〜
ニア。
BL
崖から落ちただけなのに、騎士団長に拾われました。
真面目に生きてきた魔法使いモーネ。
ただ薬草を採ろうとして滑落しただけなのに、なぜか王国最強の騎士団長イグラムに連れて行かれ、騎士団で暮らすことに。
しかしこの魔法使い、少しだけ普通ではありません。
回復魔法を使えば何かが増え、
補助魔法を使えば騎士団が浮き、
気づけば庭はプリンになります。
——本人はちゃんとやっています。
巻き込まれる騎士団と、なぜか楽しそうな団長。
さらに弟子や王子、ドラゴンまで加わって、騎士団は今日も平和に大騒ぎ。
これは、ポンコツ魔法使いが真面目に頑張るたびに世界が少し壊れる、騒がしくて優しいファンタジーです。
美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
お話を追加いたしました。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。