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213.口裏を合わせる
俺のメロウさんの真似っこ話は、何故かハルのツボに刺さったみたいだ。ひとしきり笑ったハルは、ようやく落ち着くと嬉しい提案をしてくれた。
「任命式が終わったから、もういつでも黒鷹亭に戻れるよ」
「えっ、本当?」
「ああ、ただ戻る前に相談したい事があるんだ」
真剣な顔でハルが口にしたのは、俺とハルの出会いについての口裏を合わせないと駄目だって話だった。まあ、それもそうだよね。だって俺とハルの出会いは、よりによってナルクアの森だ。しかも異世界人と幽霊として…なんて絶対に言えない。
「えーと、まずハルが騎士だってバレてるのかな?」
「知ってる人は知ってるね」
ハルはあっさりとそう答えた。なんでも冒険者身分を作るってなった時にギルドにはきちんと騎士団から話をしてあるんだって。だからギルマスとメロウさんは、確実に知ってるそうだ。
「あとは騎士として面識のあった人にはバレてはいるけど、表向きは冒険者として扱ってくれてる感じかな」
周りの人には恵まれていたんだと、ハルは嬉しそうに笑った。
毒に侵されて眠ってしまったのは、ちょうど騎士団の任務で忙しかった頃だそうだ。任務の途中報告で立ち寄った時に、あの魔物の騒ぎに巻き込まれたらしい。
「つまり騎士って知ってても、ハルが半年も眠ってた事は知らないって事?」
「わざわざ騎士団も発表はしないからね。不在の間もどこかで冒険をしているか、任務を遂行してると思われてるだろうな」
騎士だったら周りに任務の事を話さないのは普通の事だろうし、逆に自由な冒険者ならただのきまぐれで他領に移動する事もあるもんな。
「まあ、でも情報通な人達は、きっと気づいてるだろうね」
「情報通っていうと…?」
「ギルマスとメロウ、後はレーブンは確実に知ってるだろうな」
一体誰の名前が出るのかと思ったら、幸いにも俺にとっても馴染みのある信頼できる人達ばかりだった。うん、それなら対応は簡単じゃないかな。
「それは、俺の体質の事を話すしか無いよね」
「アキトは知られてもいいのか?」
心配そうに聞いてくれるハルに、俺はすぐに笑みを浮かべて答えた。
「その三人なら信頼できるから、問題は無いよ」
「そうか。アキトがそう言ってくれるなら三人には話そうか」
二人で話し合った結果、幽霊が見える体質については話すけれど、出身については一切話さないことに決まった。
異世界人だと知ってるのは、ハルとケルビンだけの方が都合が良いんだって。生きてる人相手にバラす時は、ハルと相談してからって事に決まったよ。ちなみに幽霊相手なら、俺の好きにして良いそうだ。
「三人以外には、数年前に任務先で知り合っていたアキトを、トライプールで再会してから俺が口説き落としたって事にしても良いかな?」
「俺はいいんだけど、ハルはそれでいいの?」
「アキトに手を出されないように牽制できるのは、すごく嬉しいよ」
もう見てるだけじゃないんだからと、ハルは楽し気に続ける。
「それに、これで誰にも隠さずに恋人だって言えるようになるよね」
「それは俺も嬉しいな」
絶対冒険者のハルの事を好きな人もいると思うんだけど、堂々とハルは俺の恋人だって言えるって事だよね。最高じゃないか。
「あ、もう一つ。アキトにお願いがあるんだけど」
「お願い?」
「俺とチームを組んでくれないかな?」
チームを組む。そう言われて思い浮かんだのはブレイズのチームだった。そうか、生身のハルとだったら、俺とハル二人でチームを組む事も出来るのか。チームになれば利点もあるって言ってたし、何より一緒にいて当然って周りから思われるようになるって事だ。
「嫌…?」
あまりに熟考してしまった俺に、ハルは不安そうに尋ねてくる。
「嫌なわけない!嬉しすぎて、考えこんだだけだよ」
「じゃあ、組んでくれる?」
「俺からもお願い。ハル、俺と一緒にチーム組もう!」
改めて俺からもお願いすれば、ハルはパァッと太陽のような笑みを浮かべてから頷いてくれた。
「任命式が終わったから、もういつでも黒鷹亭に戻れるよ」
「えっ、本当?」
「ああ、ただ戻る前に相談したい事があるんだ」
真剣な顔でハルが口にしたのは、俺とハルの出会いについての口裏を合わせないと駄目だって話だった。まあ、それもそうだよね。だって俺とハルの出会いは、よりによってナルクアの森だ。しかも異世界人と幽霊として…なんて絶対に言えない。
「えーと、まずハルが騎士だってバレてるのかな?」
「知ってる人は知ってるね」
ハルはあっさりとそう答えた。なんでも冒険者身分を作るってなった時にギルドにはきちんと騎士団から話をしてあるんだって。だからギルマスとメロウさんは、確実に知ってるそうだ。
「あとは騎士として面識のあった人にはバレてはいるけど、表向きは冒険者として扱ってくれてる感じかな」
周りの人には恵まれていたんだと、ハルは嬉しそうに笑った。
毒に侵されて眠ってしまったのは、ちょうど騎士団の任務で忙しかった頃だそうだ。任務の途中報告で立ち寄った時に、あの魔物の騒ぎに巻き込まれたらしい。
「つまり騎士って知ってても、ハルが半年も眠ってた事は知らないって事?」
「わざわざ騎士団も発表はしないからね。不在の間もどこかで冒険をしているか、任務を遂行してると思われてるだろうな」
騎士だったら周りに任務の事を話さないのは普通の事だろうし、逆に自由な冒険者ならただのきまぐれで他領に移動する事もあるもんな。
「まあ、でも情報通な人達は、きっと気づいてるだろうね」
「情報通っていうと…?」
「ギルマスとメロウ、後はレーブンは確実に知ってるだろうな」
一体誰の名前が出るのかと思ったら、幸いにも俺にとっても馴染みのある信頼できる人達ばかりだった。うん、それなら対応は簡単じゃないかな。
「それは、俺の体質の事を話すしか無いよね」
「アキトは知られてもいいのか?」
心配そうに聞いてくれるハルに、俺はすぐに笑みを浮かべて答えた。
「その三人なら信頼できるから、問題は無いよ」
「そうか。アキトがそう言ってくれるなら三人には話そうか」
二人で話し合った結果、幽霊が見える体質については話すけれど、出身については一切話さないことに決まった。
異世界人だと知ってるのは、ハルとケルビンだけの方が都合が良いんだって。生きてる人相手にバラす時は、ハルと相談してからって事に決まったよ。ちなみに幽霊相手なら、俺の好きにして良いそうだ。
「三人以外には、数年前に任務先で知り合っていたアキトを、トライプールで再会してから俺が口説き落としたって事にしても良いかな?」
「俺はいいんだけど、ハルはそれでいいの?」
「アキトに手を出されないように牽制できるのは、すごく嬉しいよ」
もう見てるだけじゃないんだからと、ハルは楽し気に続ける。
「それに、これで誰にも隠さずに恋人だって言えるようになるよね」
「それは俺も嬉しいな」
絶対冒険者のハルの事を好きな人もいると思うんだけど、堂々とハルは俺の恋人だって言えるって事だよね。最高じゃないか。
「あ、もう一つ。アキトにお願いがあるんだけど」
「お願い?」
「俺とチームを組んでくれないかな?」
チームを組む。そう言われて思い浮かんだのはブレイズのチームだった。そうか、生身のハルとだったら、俺とハル二人でチームを組む事も出来るのか。チームになれば利点もあるって言ってたし、何より一緒にいて当然って周りから思われるようになるって事だ。
「嫌…?」
あまりに熟考してしまった俺に、ハルは不安そうに尋ねてくる。
「嫌なわけない!嬉しすぎて、考えこんだだけだよ」
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