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287.ランクアップの実感
冒険者ギルドの一室で、俺は手渡されたばかりのギルドカードをまじまじと見つめていた。あまりに予想外の形でランクアップを果たしてしまったせいで、ランクが上がった実感が全くないんだよね。
でも手の中にあるギルドカードには、ちゃんとC級の文字が刻まれている。
本当にランク上がったんだ。気が済むまでギルドカードを確認してから、俺はぽつりと呟いた。
「本当にC級って書いてある…」
「ええ、おめでとうございます、アキトさん」
「ありがとうございますっ!」
メロウさんからのお祝いの言葉で、やっとじわじわと実感が湧いてくる。笑顔でお礼を言えば、メロウさんも優しい笑みを返してくれた。
「おめでとう、アキト」
「ありがと、ハル」
お祝いの言葉を口にしながら、ハルは俺の頭をそっと撫でてくれた。この柔らかく触れるハルの撫で方、やっぱり好きだなぁ。メロウさんの前だって事も忘れて、撫でてくれる手のひらを堪能してしまった。
メロウさんとハルが何かを話している間もひたすら撫でてもらっていた俺は、不意にハッと我に返った。人前で撫でてもらって喜ぶとか、恥ずかしい事をしてしまった。
一瞬でボンッと赤くなった俺に気づいたハルは、すぐに頭から手を離した。
「ごめんね」
「いや、えっと嬉しかったんだけど、恥ずかしい…だけ、です」
「じゃあまた二人きりの時に」
ハルはそう言うと、大人の色気をのせた笑みを一瞬だけ浮かべてみせた。え、何それ?二人きりの時にまた撫でてくれるって事?二人きりの時ならむしろ嬉しいけど、逆に俺もハルの事を撫でてみたいななんて考えてしまった。
ハルは一体どんな反応をしてくれるのか、楽しみだな。ハルの頭を撫でてみよう作戦を考えていた俺は、メロウさんとハルの視線に気づくと誤魔化すように口を開いた。
「次はBランクの試験?」
「そうなんだけど…次のランクは確か指定された魔物の討伐だったよな?」
「ええ、そうですね」
指定される魔物って一体どんな魔物なんだろう。もしかして、この後すぐに次のランクアップ試験を受けるつもりなんだろうか。ひっそりと緊張していた俺に、ハルは優しく笑いかけてくれた。
「すぐには受けないよ」
「そうですね」
「もう少しアキトがこのランクの依頼に慣れてからにしよう?」
「え、でも、急いでランク上げるべきなんですよね?」
ハルに早くランクを上げてって言ってたから、急いであげないと駄目なのかと思ってたんだけど。
「いえ、そこまで急ぐ必要はありませんよ」
優しい笑顔で答えたメロウさんは、むしろすぐに次の昇級試験を受けると言ってたら私が止めてましたよと続けた。
「もちろんランクを上げてもらえるのはギルドとしては助かりますが、無理なランクアップをして欲しいわけじゃないですから」
あくまでもお二人のペースで進めてくださいねと笑う姿は、いつもの優しいメロウさんだ。
「俺がアキトに無理をさせるわけが無いだろう」
「その点はまあ信頼してますけどね」
「あ、そういえば、ウロスの買取はどうなった?」
「ウロスは王都の方へ送る事になりそうです」
王都に送るってどういう事?何のために送るの?と俺は思ったけど、ハルにとっては予想通りだったみたいだ。
「やっぱりか…」
「ですから、しばらく時間を頂けますか?」
「ああ、問題ない」
「ではこれを」
メロウさんは小さなコインのような物を取り出すと、すっとハルに差し出した。何だろうあれ、初めて見た。思わずじっと見つめていると、ハルは受け取ったばかりのコインのような物を俺に見せてくれた。
キラリと光る銀色のコインには、数字とトライプールの文字が彫りこまれていた。
「これは値段がすぐにつけられない素材の時に渡される、引換券みたいなものだよ」
「へーそんなのがあるんだ」
「普通の取引では滅多に出てこないんですけどね。ランクが上の魔物素材を持ち込まれるとまれに登場する事があるんですよ」
特に今回のウロスは出現する筈のない地域で発見されたから、王都まで移送してから査定されるんだそうだ。なんでもメロウさん以上の鑑定の持ち主がいるんだって。へー王都ってすごい場所なんだな。
でも手の中にあるギルドカードには、ちゃんとC級の文字が刻まれている。
本当にランク上がったんだ。気が済むまでギルドカードを確認してから、俺はぽつりと呟いた。
「本当にC級って書いてある…」
「ええ、おめでとうございます、アキトさん」
「ありがとうございますっ!」
メロウさんからのお祝いの言葉で、やっとじわじわと実感が湧いてくる。笑顔でお礼を言えば、メロウさんも優しい笑みを返してくれた。
「おめでとう、アキト」
「ありがと、ハル」
お祝いの言葉を口にしながら、ハルは俺の頭をそっと撫でてくれた。この柔らかく触れるハルの撫で方、やっぱり好きだなぁ。メロウさんの前だって事も忘れて、撫でてくれる手のひらを堪能してしまった。
メロウさんとハルが何かを話している間もひたすら撫でてもらっていた俺は、不意にハッと我に返った。人前で撫でてもらって喜ぶとか、恥ずかしい事をしてしまった。
一瞬でボンッと赤くなった俺に気づいたハルは、すぐに頭から手を離した。
「ごめんね」
「いや、えっと嬉しかったんだけど、恥ずかしい…だけ、です」
「じゃあまた二人きりの時に」
ハルはそう言うと、大人の色気をのせた笑みを一瞬だけ浮かべてみせた。え、何それ?二人きりの時にまた撫でてくれるって事?二人きりの時ならむしろ嬉しいけど、逆に俺もハルの事を撫でてみたいななんて考えてしまった。
ハルは一体どんな反応をしてくれるのか、楽しみだな。ハルの頭を撫でてみよう作戦を考えていた俺は、メロウさんとハルの視線に気づくと誤魔化すように口を開いた。
「次はBランクの試験?」
「そうなんだけど…次のランクは確か指定された魔物の討伐だったよな?」
「ええ、そうですね」
指定される魔物って一体どんな魔物なんだろう。もしかして、この後すぐに次のランクアップ試験を受けるつもりなんだろうか。ひっそりと緊張していた俺に、ハルは優しく笑いかけてくれた。
「すぐには受けないよ」
「そうですね」
「もう少しアキトがこのランクの依頼に慣れてからにしよう?」
「え、でも、急いでランク上げるべきなんですよね?」
ハルに早くランクを上げてって言ってたから、急いであげないと駄目なのかと思ってたんだけど。
「いえ、そこまで急ぐ必要はありませんよ」
優しい笑顔で答えたメロウさんは、むしろすぐに次の昇級試験を受けると言ってたら私が止めてましたよと続けた。
「もちろんランクを上げてもらえるのはギルドとしては助かりますが、無理なランクアップをして欲しいわけじゃないですから」
あくまでもお二人のペースで進めてくださいねと笑う姿は、いつもの優しいメロウさんだ。
「俺がアキトに無理をさせるわけが無いだろう」
「その点はまあ信頼してますけどね」
「あ、そういえば、ウロスの買取はどうなった?」
「ウロスは王都の方へ送る事になりそうです」
王都に送るってどういう事?何のために送るの?と俺は思ったけど、ハルにとっては予想通りだったみたいだ。
「やっぱりか…」
「ですから、しばらく時間を頂けますか?」
「ああ、問題ない」
「ではこれを」
メロウさんは小さなコインのような物を取り出すと、すっとハルに差し出した。何だろうあれ、初めて見た。思わずじっと見つめていると、ハルは受け取ったばかりのコインのような物を俺に見せてくれた。
キラリと光る銀色のコインには、数字とトライプールの文字が彫りこまれていた。
「これは値段がすぐにつけられない素材の時に渡される、引換券みたいなものだよ」
「へーそんなのがあるんだ」
「普通の取引では滅多に出てこないんですけどね。ランクが上の魔物素材を持ち込まれるとまれに登場する事があるんですよ」
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