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388.二人きりの時間
ソファに並んだ俺達は外の景色を眺めながら、まったりと二人で話しだした。
クリスさんとカーディの事は友人として大好きだし、護衛任務も楽しいと思う。でもどれだけ楽しくても、やっぱりハルと二人きりになれる今は特別な時間なんだよね。久しぶりにハルと二人だけで話しができたのが嬉しくて、ついつい話が弾んでしまった。
ここに来るまでに見た景色の話や、カーディとの見張りの話、クリスさんとの見張りの話、船着き場の複雑すぎる道の話、そしてあの美味しい串焼きの話まで。
あれこれと盛り上がっているうちにあっという間に時間は過ぎてしまって、気づけば窓の外の景色もすっかり綺麗な夕陽に照らされていた。
「綺麗だね」
「ああ、綺麗な夕陽だな」
自然とハルと顔を見合わせれば、不意に会話が途切れた。ゆっくりと近づいてくるハルの顔にそっと目を閉じれば、唐突に軽やかなメロディが室内に流れた。
「え、何!?」
「ああ、これは呼び出し音だと思うよ。ちょっと待ってて見てくるよ」
ハルはそう言うなり、すっと立ち上がって入口のドアの方へと向かってしまった。
えー…ちょっとタイミング悪すぎない?今すごく良い雰囲気だったのに。
少しだけ残念に思いながら俺も入口の方へと歩いていけば、ちょうどハルがドアを閉めるところだった。
「何だった?」
「ああ、夕食だって」
ハルが見せてくれたのは小さなワゴンだった。ぱっと見た感じは何も入ってないように見えるんだけど、これも魔道収納鞄みたいな作りなのかな。
「夕食って食べに出るのかと思ってたよ」
確か食堂があるって言ってなかったっけ?と口にすれば、ハルは苦笑を浮かべた。
「それが…クリスからの配慮らしいよ?」
「クリスさんの?」
ハルが見せてくれたカードには、流れるような文字で『護衛対象と一緒にいたら落ち着かないだろうから、大事な恋人と二人だけの夕食を楽しんでくれ』と書いてあった。
「しかもここ見てよ、アキト。私も大事な伴侶と二人だけの夕食を楽しむよだって」
ああ、ウィリアムさんの件で落ち込んでたハルに、俺と二人でゆっくり食事して欲しかったって感じかな。でもハルにそう言ったら断るかもって思ったから、勝手に手配したと。良い友達なんだな。
「クリスさんと本当に友達になったんだね?」
「あー…うん、まあそうだね」
苦笑しながらも同意してくれたハルは、ちらりと俺の方を見てから尋ねた。
「どうする?」
「せっかくだし、食事にしようか?」
ハルとイチャイチャしたい気持ちもあるけど、正直に言うとさっきの良い雰囲気をこの状態からどうやって作れば良いのかが分からない。そんな気持ちから食事を選んだ俺だけど、ハルも笑って頷いてくれた。
食事の用意にとりかかる事に決めた俺達は、まずはテーブルの横へとワゴンを移動させた。一番上の引き出し部分を開けてみると、そこにはテーブルクロスらしき布が畳まれていた。
「テーブルに敷くのかな?」
「多分、そうだろうね」
ハルは慣れた様子で、ふぁさりとテーブルの上に布を広げてくれた。二つ目の引き出しにはカトラリーが並べられていて、三つ目の引き出しには花瓶とお花まで入っていた。
「はーすごいね、このワゴン」
「すごいね。これもエルフとドワーフの作った魔道具かな」
「そうなんだ?」
「ただの予想だけど、魔道収納鞄みたいな機能のついたワゴンって聞いた事ないから、多分そうだと思うよ」
そんな事を話しながらテーブルの上にカトラリーを並べ、真ん中にはお花を活けた花瓶を置いた。なんだかちょっとお洒落なレストランみたいになってきた。
「本当はね、このワゴンを持ってきた給仕の人が並べる事もできるって言われたんだけど、断ったんだ」
勝手に断ってごめんねと唐突にハルに謝られた俺は、ううんと首を振った。
「こうやって二人で相談しながら並べるのも、ちょっと楽しいよね。滅多にできない経験だと思うし」
「そう?アキトがそう言ってくれるなら良かった」
折角のアキトと二人きりの時間だから、邪魔して欲しくなくてね。なんてさらりとそんな事を言われた俺は、頬を赤くしながらごまかすように次の引き出しを開いた。
「あ、ここからは料理の載ったお皿みたいだよ」
色鮮やかな野菜に木の実らしきものがかかったサラダのお皿、まだ湯気の出ているスープ皿に、香ばしい香りのする大きなステーキのお皿、食べやすそうな小ぶりのパンがいくつもつまったカゴに、付け合わせらしき彩り豊かな野菜のお皿もあるみたいだ。
「すごいご馳走だよ」
「ああ、本当だ。しかもデザートまである」
楽し気に笑ったハルと一緒に、どんどんお皿を並べていけばテーブルの上はすぐにいっぱいになってしまった。何とかギリギリ載せられたって感じだけど、うん、美味しそうだ。
クリスさんとカーディの事は友人として大好きだし、護衛任務も楽しいと思う。でもどれだけ楽しくても、やっぱりハルと二人きりになれる今は特別な時間なんだよね。久しぶりにハルと二人だけで話しができたのが嬉しくて、ついつい話が弾んでしまった。
ここに来るまでに見た景色の話や、カーディとの見張りの話、クリスさんとの見張りの話、船着き場の複雑すぎる道の話、そしてあの美味しい串焼きの話まで。
あれこれと盛り上がっているうちにあっという間に時間は過ぎてしまって、気づけば窓の外の景色もすっかり綺麗な夕陽に照らされていた。
「綺麗だね」
「ああ、綺麗な夕陽だな」
自然とハルと顔を見合わせれば、不意に会話が途切れた。ゆっくりと近づいてくるハルの顔にそっと目を閉じれば、唐突に軽やかなメロディが室内に流れた。
「え、何!?」
「ああ、これは呼び出し音だと思うよ。ちょっと待ってて見てくるよ」
ハルはそう言うなり、すっと立ち上がって入口のドアの方へと向かってしまった。
えー…ちょっとタイミング悪すぎない?今すごく良い雰囲気だったのに。
少しだけ残念に思いながら俺も入口の方へと歩いていけば、ちょうどハルがドアを閉めるところだった。
「何だった?」
「ああ、夕食だって」
ハルが見せてくれたのは小さなワゴンだった。ぱっと見た感じは何も入ってないように見えるんだけど、これも魔道収納鞄みたいな作りなのかな。
「夕食って食べに出るのかと思ってたよ」
確か食堂があるって言ってなかったっけ?と口にすれば、ハルは苦笑を浮かべた。
「それが…クリスからの配慮らしいよ?」
「クリスさんの?」
ハルが見せてくれたカードには、流れるような文字で『護衛対象と一緒にいたら落ち着かないだろうから、大事な恋人と二人だけの夕食を楽しんでくれ』と書いてあった。
「しかもここ見てよ、アキト。私も大事な伴侶と二人だけの夕食を楽しむよだって」
ああ、ウィリアムさんの件で落ち込んでたハルに、俺と二人でゆっくり食事して欲しかったって感じかな。でもハルにそう言ったら断るかもって思ったから、勝手に手配したと。良い友達なんだな。
「クリスさんと本当に友達になったんだね?」
「あー…うん、まあそうだね」
苦笑しながらも同意してくれたハルは、ちらりと俺の方を見てから尋ねた。
「どうする?」
「せっかくだし、食事にしようか?」
ハルとイチャイチャしたい気持ちもあるけど、正直に言うとさっきの良い雰囲気をこの状態からどうやって作れば良いのかが分からない。そんな気持ちから食事を選んだ俺だけど、ハルも笑って頷いてくれた。
食事の用意にとりかかる事に決めた俺達は、まずはテーブルの横へとワゴンを移動させた。一番上の引き出し部分を開けてみると、そこにはテーブルクロスらしき布が畳まれていた。
「テーブルに敷くのかな?」
「多分、そうだろうね」
ハルは慣れた様子で、ふぁさりとテーブルの上に布を広げてくれた。二つ目の引き出しにはカトラリーが並べられていて、三つ目の引き出しには花瓶とお花まで入っていた。
「はーすごいね、このワゴン」
「すごいね。これもエルフとドワーフの作った魔道具かな」
「そうなんだ?」
「ただの予想だけど、魔道収納鞄みたいな機能のついたワゴンって聞いた事ないから、多分そうだと思うよ」
そんな事を話しながらテーブルの上にカトラリーを並べ、真ん中にはお花を活けた花瓶を置いた。なんだかちょっとお洒落なレストランみたいになってきた。
「本当はね、このワゴンを持ってきた給仕の人が並べる事もできるって言われたんだけど、断ったんだ」
勝手に断ってごめんねと唐突にハルに謝られた俺は、ううんと首を振った。
「こうやって二人で相談しながら並べるのも、ちょっと楽しいよね。滅多にできない経験だと思うし」
「そう?アキトがそう言ってくれるなら良かった」
折角のアキトと二人きりの時間だから、邪魔して欲しくなくてね。なんてさらりとそんな事を言われた俺は、頬を赤くしながらごまかすように次の引き出しを開いた。
「あ、ここからは料理の載ったお皿みたいだよ」
色鮮やかな野菜に木の実らしきものがかかったサラダのお皿、まだ湯気の出ているスープ皿に、香ばしい香りのする大きなステーキのお皿、食べやすそうな小ぶりのパンがいくつもつまったカゴに、付け合わせらしき彩り豊かな野菜のお皿もあるみたいだ。
「すごいご馳走だよ」
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楽し気に笑ったハルと一緒に、どんどんお皿を並べていけばテーブルの上はすぐにいっぱいになってしまった。何とかギリギリ載せられたって感じだけど、うん、美味しそうだ。
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