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405.クリスさんの誤解
和やかな朝の挨拶を終えるなり、クリスさんは急に表情を変えた。一体何事かと身構えてしまうぐらい真剣な表情を浮かべて、俺とハルをじっと見据えてくる。
「それで…無事に仲直りはできたんですか?」
一瞬の表情の変化も見逃さないぞと言いたげな強い視線を受けながら、俺とハルはゆっくりと顔を見合わせた。あまりに予想外の言葉だったから、二人とも咄嗟に理解が出来なかったんだ。俺達の沈黙に、クリスさんは更に心配そうに言葉を続けた。
「食堂に入ってきた時、手を繋いでいなかったでしょう?だから気になったんです」
「あー、うん。そういえば繋いでなかったな」
カーディがのんびりとそう合いの手を入れた。
手を繋いでなかったのはただここの食堂が混雑してたからなんだけど、そのせいで余計に誤解させてしまったみたいだ。
「えーと…仲直りというか…」
答えようとした俺は、そこで言い淀んだ。
確かにハルのお兄さんの件で少しすれ違ったりはしたけど、別に喧嘩してたわけじゃないから仲直りってのも何か違う気がする。かといってここまで心配してくれてるクリスさんに、実はお互いの伴侶候補になりましたといきなり報告しても良いものなんだろうか。
ちらりとハルを見たら、ハルもどう説明するべきかと首を傾げて悩んでいるみたいだ。
「え、まさか………仲直り、出来てないんですか?」
クリスさんは顔を真っ白にしてそう言うと、すぐに俺の方に体ごと向き直った。
「あの、アキトさん!ハルは本当にあなたの事を大事に思っているんですよ。ハルのアキトさんへの気持ちを聞いていたら、俺もカーディと出会った頃の事を思い出したぐらいです。あなたを大事にしたいと言っていた、あの言葉に嘘は無いと思うんです。それに…」
怒涛のようにハルへの援護を口にしだしたクリスさんは、やっぱり良い友人だと思う。ハルの良い所を次々と上げてくれるから、俺も自然と笑みが浮かんでしまう。
俺達を仲直りさせようとここまで必死になってくれてるんだと思うと、本当にありがたい。早く誤解を解きたいけれど、この状態のクリスさんを一体どうやって止めれば良いんだろう。
褒めちぎられているせいかハルは恥ずかしそうにうつむいてしまっているし、俺が何とか言葉を遮るべきなんだろうか。そう悩んでいた俺の耳に、カーディの声が届いた。
「クリス、待って!」
「カーディ、でも、二人を仲直りさせないと!」
「あー…それ必要ないと思うよ。俺、気づいちゃったんだけどさ」
そう言いながら、カーディはニヤニヤと楽し気に笑って俺達の方を指差した。
「クリス、二人の腕、見てみ?」
「あ…」
どうやらカーディは、俺達のお揃いの腕輪に気づいたらしい。言葉で説明できないなら見せれば良いのか。ハルと二人で見えやすいようにと並んで腕輪をかざせば、何だかテレビとかで見た事のある、結婚の記者会見みたいな状態になってしまった。まあ似たようなものか。
「それは伴侶候補の腕輪…じゃあっ!?」
「ああ、説明が遅くなってすまない。アキトと俺は伴侶候補になったんだ」
あれだけ心配させてしまったんだから、もっと早く説明しろと怒られてもおかしくないと思ったけれど、クリスさんは怒らなかった。むしろ呆然と腕輪を見つめてから、ふうと一つ息を吐いて、良かったとぽつりと呟いた。
「あの、クリスさん。心配してくれてありがとうございます」
「あー…いえいえ、勝手に勘違いしてすみません」
「いえっ!俺達を仲直りさせるために言葉を尽くしてくれたの、嬉しかったです」
お礼を言った俺の頭に、ハルがぽふりと手を乗せた。
「俺からも、ありがとう。クリス」
「いいんですよ…ちなみに、手を繋いでなかったのは何故だったんです?」
「ああ、ここに来るまでは繋いでたんだが、食堂内が混んでたから…な」
苦笑交じりで答えたハルに、クリスさんはそういえば私たちもこの中では手を繋いでなかったですねと苦笑を浮かべた。
「昨日からさ、俺達の依頼のせいで二人が別れてしまったらどうしようって言いまくってたんだよ」
「カーディ!言わないで下さい!」
「なんでだよ、本当の事だろ?」
にっこり笑顔でそう言いきったカーディに、クリスさんは本当の事だからこそ言わないで欲しかったと文句を言いながらテーブルに突っ伏した。
「それで…無事に仲直りはできたんですか?」
一瞬の表情の変化も見逃さないぞと言いたげな強い視線を受けながら、俺とハルはゆっくりと顔を見合わせた。あまりに予想外の言葉だったから、二人とも咄嗟に理解が出来なかったんだ。俺達の沈黙に、クリスさんは更に心配そうに言葉を続けた。
「食堂に入ってきた時、手を繋いでいなかったでしょう?だから気になったんです」
「あー、うん。そういえば繋いでなかったな」
カーディがのんびりとそう合いの手を入れた。
手を繋いでなかったのはただここの食堂が混雑してたからなんだけど、そのせいで余計に誤解させてしまったみたいだ。
「えーと…仲直りというか…」
答えようとした俺は、そこで言い淀んだ。
確かにハルのお兄さんの件で少しすれ違ったりはしたけど、別に喧嘩してたわけじゃないから仲直りってのも何か違う気がする。かといってここまで心配してくれてるクリスさんに、実はお互いの伴侶候補になりましたといきなり報告しても良いものなんだろうか。
ちらりとハルを見たら、ハルもどう説明するべきかと首を傾げて悩んでいるみたいだ。
「え、まさか………仲直り、出来てないんですか?」
クリスさんは顔を真っ白にしてそう言うと、すぐに俺の方に体ごと向き直った。
「あの、アキトさん!ハルは本当にあなたの事を大事に思っているんですよ。ハルのアキトさんへの気持ちを聞いていたら、俺もカーディと出会った頃の事を思い出したぐらいです。あなたを大事にしたいと言っていた、あの言葉に嘘は無いと思うんです。それに…」
怒涛のようにハルへの援護を口にしだしたクリスさんは、やっぱり良い友人だと思う。ハルの良い所を次々と上げてくれるから、俺も自然と笑みが浮かんでしまう。
俺達を仲直りさせようとここまで必死になってくれてるんだと思うと、本当にありがたい。早く誤解を解きたいけれど、この状態のクリスさんを一体どうやって止めれば良いんだろう。
褒めちぎられているせいかハルは恥ずかしそうにうつむいてしまっているし、俺が何とか言葉を遮るべきなんだろうか。そう悩んでいた俺の耳に、カーディの声が届いた。
「クリス、待って!」
「カーディ、でも、二人を仲直りさせないと!」
「あー…それ必要ないと思うよ。俺、気づいちゃったんだけどさ」
そう言いながら、カーディはニヤニヤと楽し気に笑って俺達の方を指差した。
「クリス、二人の腕、見てみ?」
「あ…」
どうやらカーディは、俺達のお揃いの腕輪に気づいたらしい。言葉で説明できないなら見せれば良いのか。ハルと二人で見えやすいようにと並んで腕輪をかざせば、何だかテレビとかで見た事のある、結婚の記者会見みたいな状態になってしまった。まあ似たようなものか。
「それは伴侶候補の腕輪…じゃあっ!?」
「ああ、説明が遅くなってすまない。アキトと俺は伴侶候補になったんだ」
あれだけ心配させてしまったんだから、もっと早く説明しろと怒られてもおかしくないと思ったけれど、クリスさんは怒らなかった。むしろ呆然と腕輪を見つめてから、ふうと一つ息を吐いて、良かったとぽつりと呟いた。
「あの、クリスさん。心配してくれてありがとうございます」
「あー…いえいえ、勝手に勘違いしてすみません」
「いえっ!俺達を仲直りさせるために言葉を尽くしてくれたの、嬉しかったです」
お礼を言った俺の頭に、ハルがぽふりと手を乗せた。
「俺からも、ありがとう。クリス」
「いいんですよ…ちなみに、手を繋いでなかったのは何故だったんです?」
「ああ、ここに来るまでは繋いでたんだが、食堂内が混んでたから…な」
苦笑交じりで答えたハルに、クリスさんはそういえば私たちもこの中では手を繋いでなかったですねと苦笑を浮かべた。
「昨日からさ、俺達の依頼のせいで二人が別れてしまったらどうしようって言いまくってたんだよ」
「カーディ!言わないで下さい!」
「なんでだよ、本当の事だろ?」
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