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407.お祝いすべき事
俺は全く知らなかったんだけど、伴侶候補の儀式をしたという事実はこの世界では皆でお祝いすべき、ものすごくおめでたい事にあたるみたいだ。
「すまない、話が聞こえてしまったんだが…」
最初にそう声をかけてきたのは、後ろの席に座っていたおじいさんだった。はしゃいでうるさくし過ぎたのかなと慌てて振り返れば、そこには優しい笑みを浮かたおじいさんがいたんだ。
「お二人は伴侶候補の儀式をしたんだってね?おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
あれ?苦情じゃなくてお祝いの言葉を貰えるとは思ってなかった。俺はびっくりしながらもなんとかお礼の言葉を口にしたんだけど、嬉しそうに答えたハルとぴたりと声が重なった。
おじいさんは既に息がぴったりだなと微笑ましそうに笑っている。隣に座っていたきっと伴侶だろうおじいさんも、ふふと控え目に笑ってから口を開いた。
「僕からも、おめでとう。二人がずっと幸せでありますように」
寄り添っているおふたりを見ていると、お年寄りになるまでずっとハルと一緒にいられたら幸せだろうなと思ってしまった。
「「ありがとうございます」」
お二人に丁寧にお礼を言っていると、近くのテーブルの人たちからも口々にお祝いの言葉が届けられる。
「伴侶候補おめでとう」
「幸せになー」
「お似合いの二人だと思うよ」
「おめでとうー!」
まさかただ会話が聞こえていただけの人にまで、ここまでお祝いしてもらえるとは思ってもみなかった。
全員にお礼の言葉を述べてから椅子に座りなおすと、カーディがなあと声をかけてきた。
「ん?」
「ハルさんとアキトさえ良ければなんだけど…」
「うん?」
「どうしたんだ?」
「腕輪、もっとちゃんと見せてくれないか?」
ワクワクした様子のカーディのお願いに、俺はちらりとハルに視線を向けた。
「俺は良いけど、アキトは?」
「俺ももちろん良いよ」
腕輪が見やすいようにと、俺はテーブルの上に乗せた手をぐいっとカーディの方へと伸ばした。触らないから安心してねと言いながら、カーディはじっと腕輪を覗き込んできた。別にちょっとぐらい触ってくれても良いんだけどな。
「私も良いですか?」
律儀に尋ねてくるクリスさんに、俺は笑って答えた。
「どうぞ」
「うん、見れば見るほど良い腕輪だなー!」
俺にもハルにもすごく似合ってると、カーディは笑顔で褒めてくれた。
「石も良いですね。お二人にぴったりの色で…」
「だろう?それはかなりこだわったからな」
ハルとクリスさんは、二人で石について話しているみたいだ。
「俺達のも見るか?」
カーディの提案に、俺はぜひ見せて欲しいと即答した。今までは腕輪が伴侶候補の印とか知らなかったからさ、カーディとクリスさんがお揃いの腕輪をしてるかーなんて気にした事なかったんだ。二人はもう伴侶なんだから、指輪もしてるのかな?
「俺達のはこれだ!」
さっきの俺と同じようにテーブルの上に乗せた手をぐいっと伸ばしてくれたカーディに、俺もじっと腕輪を覗き込んだ。
カーディのつけている腕輪は俺のものよりも少し幅広で、表面には幾何学模様がずらりと彫りこまれていた。石はカーディの緑の瞳と、クリスさんの灰色の瞳の色だ。
「すごい、格好良いね!」
「クリスが自分で模様を描いて作ってもらったらしいんだよ」
「え、そうなの!?」
「全て自分でというわけじゃないんです。これは魔道具作りで使う魔法陣から発想を得てるんですよ」
「それでもすごいです!」
「ありがとう」
クリスさんは苦笑しながらそう答えてくれた。
「あとはこっちだな」
カーディの手が、はまっている指輪を軽く撫でるように動いた。その愛おしそうな触れ方に、何だか見てはいけないものを見てしまった気分になった。
「あ、私のも見てください!」
自慢したいですと言いきったクリスさんも、カーディの隣に手を並べてくれた。カーディの指輪には大き目の灰色の石が、クリスさんの指輪には大き目の緑色の石がはまっている。腕輪と同じく幾何学模様が刻まれているんだけど、最初に石に目が行った。
「すごいね」
「こっちは模様は俺が選んだんだけど、石はクリスが譲らなくてな」
もっと小さい石でも良いと俺は思ったんだけどと笑うカーディの横で、誰が見ても分かるぐらいでないと意味が無いでしょうとクリスさんがボソリと呟いた。
「すまない、話が聞こえてしまったんだが…」
最初にそう声をかけてきたのは、後ろの席に座っていたおじいさんだった。はしゃいでうるさくし過ぎたのかなと慌てて振り返れば、そこには優しい笑みを浮かたおじいさんがいたんだ。
「お二人は伴侶候補の儀式をしたんだってね?おめでとう」
「あ、ありがとうございます」
「ありがとうございます」
あれ?苦情じゃなくてお祝いの言葉を貰えるとは思ってなかった。俺はびっくりしながらもなんとかお礼の言葉を口にしたんだけど、嬉しそうに答えたハルとぴたりと声が重なった。
おじいさんは既に息がぴったりだなと微笑ましそうに笑っている。隣に座っていたきっと伴侶だろうおじいさんも、ふふと控え目に笑ってから口を開いた。
「僕からも、おめでとう。二人がずっと幸せでありますように」
寄り添っているおふたりを見ていると、お年寄りになるまでずっとハルと一緒にいられたら幸せだろうなと思ってしまった。
「「ありがとうございます」」
お二人に丁寧にお礼を言っていると、近くのテーブルの人たちからも口々にお祝いの言葉が届けられる。
「伴侶候補おめでとう」
「幸せになー」
「お似合いの二人だと思うよ」
「おめでとうー!」
まさかただ会話が聞こえていただけの人にまで、ここまでお祝いしてもらえるとは思ってもみなかった。
全員にお礼の言葉を述べてから椅子に座りなおすと、カーディがなあと声をかけてきた。
「ん?」
「ハルさんとアキトさえ良ければなんだけど…」
「うん?」
「どうしたんだ?」
「腕輪、もっとちゃんと見せてくれないか?」
ワクワクした様子のカーディのお願いに、俺はちらりとハルに視線を向けた。
「俺は良いけど、アキトは?」
「俺ももちろん良いよ」
腕輪が見やすいようにと、俺はテーブルの上に乗せた手をぐいっとカーディの方へと伸ばした。触らないから安心してねと言いながら、カーディはじっと腕輪を覗き込んできた。別にちょっとぐらい触ってくれても良いんだけどな。
「私も良いですか?」
律儀に尋ねてくるクリスさんに、俺は笑って答えた。
「どうぞ」
「うん、見れば見るほど良い腕輪だなー!」
俺にもハルにもすごく似合ってると、カーディは笑顔で褒めてくれた。
「石も良いですね。お二人にぴったりの色で…」
「だろう?それはかなりこだわったからな」
ハルとクリスさんは、二人で石について話しているみたいだ。
「俺達のも見るか?」
カーディの提案に、俺はぜひ見せて欲しいと即答した。今までは腕輪が伴侶候補の印とか知らなかったからさ、カーディとクリスさんがお揃いの腕輪をしてるかーなんて気にした事なかったんだ。二人はもう伴侶なんだから、指輪もしてるのかな?
「俺達のはこれだ!」
さっきの俺と同じようにテーブルの上に乗せた手をぐいっと伸ばしてくれたカーディに、俺もじっと腕輪を覗き込んだ。
カーディのつけている腕輪は俺のものよりも少し幅広で、表面には幾何学模様がずらりと彫りこまれていた。石はカーディの緑の瞳と、クリスさんの灰色の瞳の色だ。
「すごい、格好良いね!」
「クリスが自分で模様を描いて作ってもらったらしいんだよ」
「え、そうなの!?」
「全て自分でというわけじゃないんです。これは魔道具作りで使う魔法陣から発想を得てるんですよ」
「それでもすごいです!」
「ありがとう」
クリスさんは苦笑しながらそう答えてくれた。
「あとはこっちだな」
カーディの手が、はまっている指輪を軽く撫でるように動いた。その愛おしそうな触れ方に、何だか見てはいけないものを見てしまった気分になった。
「あ、私のも見てください!」
自慢したいですと言いきったクリスさんも、カーディの隣に手を並べてくれた。カーディの指輪には大き目の灰色の石が、クリスさんの指輪には大き目の緑色の石がはまっている。腕輪と同じく幾何学模様が刻まれているんだけど、最初に石に目が行った。
「すごいね」
「こっちは模様は俺が選んだんだけど、石はクリスが譲らなくてな」
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