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458.寝坊
ふと目を覚ました俺は、まだ寝ぼけたままぼんやりと上を見上げていた。
ん?テントじゃなくて、これって天井…?あれ?室内が薄暗いせいでよく見えないけど、これって天井だよね?
寝起きすぎてまだ上手く働かない頭で、俺はゆっくりと思考を巡らせる。
ここってどこだっけ?えーと、確か…いまは護衛任務中だったよね。で、イーシャル領都には、無事に辿り着いた筈。それで四人で街を見て回ってから…宿に移動した。あ、そっか、ここって黄昏の館って宿だ。だからテントじゃなくて天井なんだな。よしよし、だいぶ頭が動き出した気がする。
たしかクリスさんとカーディと一緒に、ごはんにいく予定になって…て…?
そこまで考えた俺は、大慌てでガバッと上半身を起こした。限界まで手を伸ばして、ベッドの枕元にある筈の魔道具のスイッチを必死で探す。何度か空ぶってからようやく手にふれたそのスイッチのおかげで、薄暗い室内は一気に魔道具の灯りによって照らし出された。
明るくなった室内に焦って視線を巡らせれば、俺の隣には眩しいと言いたげに眉間を寄せながらもまだ寝息を立てているハルの姿があった。
「ハル、起きて!」
思わず叫んだ俺の声に反応して、ハルはすぐに飛び起きた。しかもきっちりと周りを警戒しながら。そういう所がさすがハルだなと思う。
「アキト!どうしたの!?」
「ハル、どうしよう…クリスさんとカーディさんとのごはんの約束!」
「え…俺…寝てたのか?嘘だろ…?」
「嘘じゃないよ、俺もハルも二人とも寝てた!もう時間過ぎちゃってる?」
この世界にはまるで懐中時計みたいな時間が分かる魔道具はあるんだけど、壁掛け時計は無いんだよね。誰か作ってくれないかな。絶対にいくつか購入するのにと、思わず現実逃避をしてしまった。
俺の質問に大急ぎで時計の魔道具を取り出したハルは、時間を確認するなりふうーっと息を吐き出した。
「良かった!アキト、時間は、まだギリギリ大丈夫みたいだよ!」
ハルのその言葉に、俺もふうと息を吐きながらそっと肩の力を抜いた。クリスさんとカーディに何で来ないんだって心配されてるかと思って取り乱しちゃったけど、まだ約束の時間前なのか。
「そっか…良かったー!」
時間分からなかったから慌てて叩き起こしちゃってごめんねと謝った俺に、ハルはむしろ申し訳なさそうにゆるりと首を振った。
「ううん、起こすって約束したのに…眠っちゃってた俺が悪いよ」
寝てるアキトの顔を近くで見たいなって思って、隣に寝転がったのが間違いだったよ。ごめんねと申し訳なさそうに続けたハルに、俺はブンブンと激しく首を振った。謝る必要なんてないのに。
「いやいや、二人とも疲れてたってだけなんだから、ハルは悪くないよ」
ありがとうと言いながらもまだ申し訳なさそうな顔をしているハルに、俺はあえて明るく声をかけた。
「ねえ、ハル。それよりさ…ほんのちょっとの時間しか眠ってないとは思えないぐらい、すごく身体が軽くなった気がしない?」
「…うん。そう言われれば、俺もそうだな」
「そうだよね!疲れが取れたらお腹も減ってきた気がするし」
「ああ、そうだな」
「よし、じゃあ用意して行こ!」
時間ギリギリなんでしょうと声をかけて、俺はすぐにベッドから立ち上がった。そっとハルの前に手を伸ばせば、ハルは嬉しそうに笑ってその手を取ってくれた。ぐいっと力を込めて引っ張れば、すぐにハルも起き上がった。
「そうだな、急ごうか」
仮眠したせいで乱れた服装と髪型を大急ぎで整えて、俺達は部屋を後にした。
約束していた時間ちょうどに受付前まで辿り着けば、もうクリスさんとカーディはそここで俺達を待ってくれていた。
「待たせてすまない」
「すみません」
「いえ、時間ちょうどですから気にしないで下さい」
クリスさんはそう言うと、優しく笑ってくれた。
「そうだぞー俺達は明日からの予定相談してたし気にしなくて良い……って、何かアキトの顔色が良くなった気がするな?」
不意にそう問いかけられた俺は、びっくりし過ぎて言葉も無くまじまじとカーディを見返してしまった。
「え、待って。俺って…そんなに顔色悪かったの?」
そう尋ねながらちらりと視線を向ければ、カーディにもクリスさんにも、そしてハルにまで小さく頷かれてしまった。
えー自分が疲れてるのに気づいてなかったのって、俺だけなのか。だからハルは夕食を別にしないかって提案してくれてたって事なのか。
「今はだいぶ元気そうだけどなー何かあった?」
「えっと、多分ちょっと部屋で仮眠したからかな?」
今はだいぶ疲れが取れた気がすると続ければ、三人からは温かい笑みが返ってきた。
ん?テントじゃなくて、これって天井…?あれ?室内が薄暗いせいでよく見えないけど、これって天井だよね?
寝起きすぎてまだ上手く働かない頭で、俺はゆっくりと思考を巡らせる。
ここってどこだっけ?えーと、確か…いまは護衛任務中だったよね。で、イーシャル領都には、無事に辿り着いた筈。それで四人で街を見て回ってから…宿に移動した。あ、そっか、ここって黄昏の館って宿だ。だからテントじゃなくて天井なんだな。よしよし、だいぶ頭が動き出した気がする。
たしかクリスさんとカーディと一緒に、ごはんにいく予定になって…て…?
そこまで考えた俺は、大慌てでガバッと上半身を起こした。限界まで手を伸ばして、ベッドの枕元にある筈の魔道具のスイッチを必死で探す。何度か空ぶってからようやく手にふれたそのスイッチのおかげで、薄暗い室内は一気に魔道具の灯りによって照らし出された。
明るくなった室内に焦って視線を巡らせれば、俺の隣には眩しいと言いたげに眉間を寄せながらもまだ寝息を立てているハルの姿があった。
「ハル、起きて!」
思わず叫んだ俺の声に反応して、ハルはすぐに飛び起きた。しかもきっちりと周りを警戒しながら。そういう所がさすがハルだなと思う。
「アキト!どうしたの!?」
「ハル、どうしよう…クリスさんとカーディさんとのごはんの約束!」
「え…俺…寝てたのか?嘘だろ…?」
「嘘じゃないよ、俺もハルも二人とも寝てた!もう時間過ぎちゃってる?」
この世界にはまるで懐中時計みたいな時間が分かる魔道具はあるんだけど、壁掛け時計は無いんだよね。誰か作ってくれないかな。絶対にいくつか購入するのにと、思わず現実逃避をしてしまった。
俺の質問に大急ぎで時計の魔道具を取り出したハルは、時間を確認するなりふうーっと息を吐き出した。
「良かった!アキト、時間は、まだギリギリ大丈夫みたいだよ!」
ハルのその言葉に、俺もふうと息を吐きながらそっと肩の力を抜いた。クリスさんとカーディに何で来ないんだって心配されてるかと思って取り乱しちゃったけど、まだ約束の時間前なのか。
「そっか…良かったー!」
時間分からなかったから慌てて叩き起こしちゃってごめんねと謝った俺に、ハルはむしろ申し訳なさそうにゆるりと首を振った。
「ううん、起こすって約束したのに…眠っちゃってた俺が悪いよ」
寝てるアキトの顔を近くで見たいなって思って、隣に寝転がったのが間違いだったよ。ごめんねと申し訳なさそうに続けたハルに、俺はブンブンと激しく首を振った。謝る必要なんてないのに。
「いやいや、二人とも疲れてたってだけなんだから、ハルは悪くないよ」
ありがとうと言いながらもまだ申し訳なさそうな顔をしているハルに、俺はあえて明るく声をかけた。
「ねえ、ハル。それよりさ…ほんのちょっとの時間しか眠ってないとは思えないぐらい、すごく身体が軽くなった気がしない?」
「…うん。そう言われれば、俺もそうだな」
「そうだよね!疲れが取れたらお腹も減ってきた気がするし」
「ああ、そうだな」
「よし、じゃあ用意して行こ!」
時間ギリギリなんでしょうと声をかけて、俺はすぐにベッドから立ち上がった。そっとハルの前に手を伸ばせば、ハルは嬉しそうに笑ってその手を取ってくれた。ぐいっと力を込めて引っ張れば、すぐにハルも起き上がった。
「そうだな、急ごうか」
仮眠したせいで乱れた服装と髪型を大急ぎで整えて、俺達は部屋を後にした。
約束していた時間ちょうどに受付前まで辿り着けば、もうクリスさんとカーディはそここで俺達を待ってくれていた。
「待たせてすまない」
「すみません」
「いえ、時間ちょうどですから気にしないで下さい」
クリスさんはそう言うと、優しく笑ってくれた。
「そうだぞー俺達は明日からの予定相談してたし気にしなくて良い……って、何かアキトの顔色が良くなった気がするな?」
不意にそう問いかけられた俺は、びっくりし過ぎて言葉も無くまじまじとカーディを見返してしまった。
「え、待って。俺って…そんなに顔色悪かったの?」
そう尋ねながらちらりと視線を向ければ、カーディにもクリスさんにも、そしてハルにまで小さく頷かれてしまった。
えー自分が疲れてるのに気づいてなかったのって、俺だけなのか。だからハルは夕食を別にしないかって提案してくれてたって事なのか。
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今はだいぶ疲れが取れた気がすると続ければ、三人からは温かい笑みが返ってきた。
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