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479.果物飴
まだ幽霊だった頃から、ハルは俺の食の好みをしっかりと把握してくれてた。今までハルにお勧めされたもので、これはちょっと合わないかもってなった事なんてただの一度も無いんだよね。
そのハルがここまで言うんだよ?
果物飴を買う事は、俺の中では既に決定事項だ。
「ハル、行こう!お勧めの味があったら教えてね」
「うん、分かった」
ハルに手を引かれて、俺はゆっくりと賑わっている屋台の方へと近づいて行った。
「ねーこれいくらー?」
「それは500グルだよ」
「こっちのは?」
「それは750グル」
「じゃあこれはー?」
「そっちは1000グルだね」
はしゃぐ子どもたちの質問に優しく答えていた女性は、俺たちに気づくとすぐに柔らかい笑みを浮かべた。
「いらっしゃい、ゆっくり選んでね」
子どもたち以外にもたくさんのお客さんがいるのに、ちゃんと全員を見てるんだな。この人すごいな。
感心しながらぺこりと会釈を返した俺は、遠慮なく目の前の飴へと視線を向けた。
遠くから見た時は全くの正体不明だったあの謎の四角は、近くで見ると薄い飴でコーティングされている事がようやく分かった。それぞれの飴の色も違うし、中の果肉の色もバラバラみたいだ。
うーん、どれが何味なのかなんて一々聞けないぐらいの種類があるな。
赤、白、黄色、緑、水色、紫、青にオレンジ。色とりどり過ぎて味の想像もできそうにない。どうしようかなと悩んでいると、子どもたちが楽し気に飴の袋を握りしめて屋台から離れていった。
「お兄さんたち、うちは初めて?」
「ああ」
「そうです」
「自分の好みの果実飴だけを買うって人ももちろんいるんだけど…こういうのも用意してあるんだけど、どうかな?」
そう前置きをした店員さんが教えてくれたのは、あえて色んな味を混ぜて販売しているというコーナーだった。
「なるほど、この売り方は面白いな」
「これなら楽しんで色々食べれそう」
俺とハルの感想を聞いて、店員さんは嬉しそうに笑ってくれた。
「一応ね、色で味が分かるようにって説明の紙もつけてあるのよ」
自慢げに教えてくれた店員さんの言葉に、俺はすぐにハルを見上げた。
「アキトが選んで良いよ」
「えーっと、じゃあ…」
見た目もキラキラしてて綺麗だからお土産にもできそうだし、これなら依頼中とかにも気軽に食べれそうだよね。疲れた時の甘い物ってありだと思うんだ。
悩んだ末に俺はお土産用にいくつかの小袋入りと、自分たち用には大きめの瓶詰めの果物飴をいくつか選んだ。
そんなにいっぱい?と店員さんにはちょっと驚かれてしまったけれど、ハルはそれぐらい買っておいて良いと思うよと笑って頷いてくれた。
屋台を後にした俺達は、道の隅っこで買ったばかりの袋を取り出した。
「どれにする?」
「俺はこの黒いのにしようかな」
「あ、じゃあ俺はこの黄色のにする」
口に入れただけでもふわりと果物の香りが広がった事に、俺は素直に驚いた。
「ん、美味しいね」
「果実飴は舐めても良いけど、噛んでも美味しいよ」
ハルはそう言うと、口の中に放り込んだ飴を軽く嚙み砕いてみせた。こんなに硬そうなのに?と思いながらも軽く歯を当ててみると、薄い飴のコーティングはパリッと簡単に砕けてしまった。途端にぶわりと広がった果汁は本当に生の果物みたいなジューシーさだった。
「わっ、美味しいっ!?」
「驚いた?」
「うん、俺のはさっぱり酸味のある果物みたいだ」
「そうなんだ?黒は思ったよりも甘いな」
店員さんのつけてくれた紙を覗き込んで、二人で黄色と黒の説明を探すのもなんだか宝探し気分ですごく楽しかった。
果物飴はもっと買っても良かったかもしれないな。
そのハルがここまで言うんだよ?
果物飴を買う事は、俺の中では既に決定事項だ。
「ハル、行こう!お勧めの味があったら教えてね」
「うん、分かった」
ハルに手を引かれて、俺はゆっくりと賑わっている屋台の方へと近づいて行った。
「ねーこれいくらー?」
「それは500グルだよ」
「こっちのは?」
「それは750グル」
「じゃあこれはー?」
「そっちは1000グルだね」
はしゃぐ子どもたちの質問に優しく答えていた女性は、俺たちに気づくとすぐに柔らかい笑みを浮かべた。
「いらっしゃい、ゆっくり選んでね」
子どもたち以外にもたくさんのお客さんがいるのに、ちゃんと全員を見てるんだな。この人すごいな。
感心しながらぺこりと会釈を返した俺は、遠慮なく目の前の飴へと視線を向けた。
遠くから見た時は全くの正体不明だったあの謎の四角は、近くで見ると薄い飴でコーティングされている事がようやく分かった。それぞれの飴の色も違うし、中の果肉の色もバラバラみたいだ。
うーん、どれが何味なのかなんて一々聞けないぐらいの種類があるな。
赤、白、黄色、緑、水色、紫、青にオレンジ。色とりどり過ぎて味の想像もできそうにない。どうしようかなと悩んでいると、子どもたちが楽し気に飴の袋を握りしめて屋台から離れていった。
「お兄さんたち、うちは初めて?」
「ああ」
「そうです」
「自分の好みの果実飴だけを買うって人ももちろんいるんだけど…こういうのも用意してあるんだけど、どうかな?」
そう前置きをした店員さんが教えてくれたのは、あえて色んな味を混ぜて販売しているというコーナーだった。
「なるほど、この売り方は面白いな」
「これなら楽しんで色々食べれそう」
俺とハルの感想を聞いて、店員さんは嬉しそうに笑ってくれた。
「一応ね、色で味が分かるようにって説明の紙もつけてあるのよ」
自慢げに教えてくれた店員さんの言葉に、俺はすぐにハルを見上げた。
「アキトが選んで良いよ」
「えーっと、じゃあ…」
見た目もキラキラしてて綺麗だからお土産にもできそうだし、これなら依頼中とかにも気軽に食べれそうだよね。疲れた時の甘い物ってありだと思うんだ。
悩んだ末に俺はお土産用にいくつかの小袋入りと、自分たち用には大きめの瓶詰めの果物飴をいくつか選んだ。
そんなにいっぱい?と店員さんにはちょっと驚かれてしまったけれど、ハルはそれぐらい買っておいて良いと思うよと笑って頷いてくれた。
屋台を後にした俺達は、道の隅っこで買ったばかりの袋を取り出した。
「どれにする?」
「俺はこの黒いのにしようかな」
「あ、じゃあ俺はこの黄色のにする」
口に入れただけでもふわりと果物の香りが広がった事に、俺は素直に驚いた。
「ん、美味しいね」
「果実飴は舐めても良いけど、噛んでも美味しいよ」
ハルはそう言うと、口の中に放り込んだ飴を軽く嚙み砕いてみせた。こんなに硬そうなのに?と思いながらも軽く歯を当ててみると、薄い飴のコーティングはパリッと簡単に砕けてしまった。途端にぶわりと広がった果汁は本当に生の果物みたいなジューシーさだった。
「わっ、美味しいっ!?」
「驚いた?」
「うん、俺のはさっぱり酸味のある果物みたいだ」
「そうなんだ?黒は思ったよりも甘いな」
店員さんのつけてくれた紙を覗き込んで、二人で黄色と黒の説明を探すのもなんだか宝探し気分ですごく楽しかった。
果物飴はもっと買っても良かったかもしれないな。
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