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493.衛兵の休憩
「それにしても衛兵の制服って事は、今も仕事中か?」
「ああ、今日と明日は衛兵は全員祭りの巡回だよ。あ、一応言っておくけど今は休憩時間中だからな」
「あー…うん。人が増えると色々あるからなぁ…」
実感のこもったハルの言葉に、ティーさんは嫌そうに眉間にしわを寄せた。
「まあ色々あるな…」
「でも大事な仕事だからな」
「そうだな。あー…アキト…さんも、トリク祭り楽しめてるか?」
二人の会話を興味深く聞いていたんだけど、ティーさんは不意に俺にそう声をかけてくれた。二人で話し込んでるからって気を使わせちゃったかな。
「はいっ!すごく楽しいです!」
「そっか、なら良かった。楽しんでくれてる人がいるなら俺達も頑張ろうって思えるからな」
そう言いきったティーさんに、ハルは笑って答えた。
「立派な衛兵になったんだな」
「あー…ありがとう?」
ティーさんは照れくさそうにしながらも嬉しそうに笑ってみせた。その素直な反応から、ハルの事を尊敬してくれてるんだなと伝わってくる。俺とハルより大きい身体なのになんだか可愛らしい人だな。
「あ、そういえばハルに会わせたい奴がいるんだ」
「ん?」
「あれ、どこ行った?」
「どうも、ハルさん、おひさしぶりです」
ひょこっとティーさんの近くにある木の後ろから現れた男性の顔を見て、ハルは驚いたように大きく目を見開いた。ティーさんと同じ制服を着てるから、多分この人も衛兵さんなんだろうな。
「なんだ、アッシュもこの街にいたのか」
「ええ、いましたよ。どうせ気配で気づいていたんでしょう?」
「敵意が無い奴が隠れてるのには気づいてたけど…さすがに気配でアッシュだとまでは分からないぞ?」
「そうですか。それにしても、何でよりによって俺が非番の日にイーシャルに来ちゃったんですか?」
「いやいや、お前の都合なんて知らないからな」
「しかも盗品持ってたやつハルさんが捕まえたんでしょう?俺も見たかったです」
「それこそ偶然だから」
アッシュさんとやりとりをするハルの少し珍しい姿に、俺はじっと見入ってしまった。どんなハルも格好良いんだけど、こういうちょっと砕けた対応をするハルの姿って結構珍しい気がするから。
「あのー、ハルさんが伴侶候補を連れてるって聞いたんですが…」
そう口にしたアッシュさんは、盗み見るようにちらりと俺の方を見つめてきた。目があったのでとりあえず会釈をすると、アッシュさんも丁寧に会釈を返してくれた。
「ああ、紹介する。俺の伴侶候補のアキトだ」
「初めまして、アキトです」
「どうも、俺はアッシュと言います。ティーと同期でハルさんに指導してもらってたんです」
あ、アッシュさんもハルの指導していたという新人の中の一人なのか。
「ハルさんの指導は厳しかったですけど、おかげで実力はついたので感謝してるんです」
「そんなに厳しくした覚えは無いんだが」
不思議そうに言ったハルの発言に、アッシュさんの隣に立っていたティーさんは大きく目を見開いている。
あ、うん、この反応からしてかなり厳しかったんだろうな。
「あれで厳しくなかったら、本気で厳しくしたらどうなるんだよ」
「三日寝ずに野営とかはさせなかっただろう?」
「は?」
「辺境領では当たり前にやる訓練だぞ?」
「だからいつも言ってるけど、辺境領基準で語るな」
わいわいと言い合うティーさんとハルの会話を聞いている間、アッシュさんの視線は俺に固定されていた。そんなに見られると困る。そう思うぐらいの凝視っぷりだ。
「あの…」
「あ、すみません。見つめすぎましたか」
そう言ったアッシュさんは、大きく息を吐いてからしみじみと呟いた。
「はー…本当にハルさんの伴侶候補って実在してたんですね?」
どういう意味だろうと思う間もなく、ティーさんが声を上げた。
「本当に実在してるってお前、俺があれだけ説明したのに信じてなかったのか?」
「いやー実際に見るまで信じられるかよ。お前いつだって話を盛るだろうが!」
「いつ話を盛ったよ!」
「いつもだろうが!」
元気に言い合うティーさんとアッシュさんに、ハルは呆れた顔で苦笑を洩らした。
「びっくりした?この二人はいつもこんな感じだよ」
ハルと俺相手には敬語だったのに、ティーさん相手だと口調が崩れるんだな。多分こっちが素なんだろうなと思いながら、俺は二人の言い合いに耳を傾けていた。
「ああ、今日と明日は衛兵は全員祭りの巡回だよ。あ、一応言っておくけど今は休憩時間中だからな」
「あー…うん。人が増えると色々あるからなぁ…」
実感のこもったハルの言葉に、ティーさんは嫌そうに眉間にしわを寄せた。
「まあ色々あるな…」
「でも大事な仕事だからな」
「そうだな。あー…アキト…さんも、トリク祭り楽しめてるか?」
二人の会話を興味深く聞いていたんだけど、ティーさんは不意に俺にそう声をかけてくれた。二人で話し込んでるからって気を使わせちゃったかな。
「はいっ!すごく楽しいです!」
「そっか、なら良かった。楽しんでくれてる人がいるなら俺達も頑張ろうって思えるからな」
そう言いきったティーさんに、ハルは笑って答えた。
「立派な衛兵になったんだな」
「あー…ありがとう?」
ティーさんは照れくさそうにしながらも嬉しそうに笑ってみせた。その素直な反応から、ハルの事を尊敬してくれてるんだなと伝わってくる。俺とハルより大きい身体なのになんだか可愛らしい人だな。
「あ、そういえばハルに会わせたい奴がいるんだ」
「ん?」
「あれ、どこ行った?」
「どうも、ハルさん、おひさしぶりです」
ひょこっとティーさんの近くにある木の後ろから現れた男性の顔を見て、ハルは驚いたように大きく目を見開いた。ティーさんと同じ制服を着てるから、多分この人も衛兵さんなんだろうな。
「なんだ、アッシュもこの街にいたのか」
「ええ、いましたよ。どうせ気配で気づいていたんでしょう?」
「敵意が無い奴が隠れてるのには気づいてたけど…さすがに気配でアッシュだとまでは分からないぞ?」
「そうですか。それにしても、何でよりによって俺が非番の日にイーシャルに来ちゃったんですか?」
「いやいや、お前の都合なんて知らないからな」
「しかも盗品持ってたやつハルさんが捕まえたんでしょう?俺も見たかったです」
「それこそ偶然だから」
アッシュさんとやりとりをするハルの少し珍しい姿に、俺はじっと見入ってしまった。どんなハルも格好良いんだけど、こういうちょっと砕けた対応をするハルの姿って結構珍しい気がするから。
「あのー、ハルさんが伴侶候補を連れてるって聞いたんですが…」
そう口にしたアッシュさんは、盗み見るようにちらりと俺の方を見つめてきた。目があったのでとりあえず会釈をすると、アッシュさんも丁寧に会釈を返してくれた。
「ああ、紹介する。俺の伴侶候補のアキトだ」
「初めまして、アキトです」
「どうも、俺はアッシュと言います。ティーと同期でハルさんに指導してもらってたんです」
あ、アッシュさんもハルの指導していたという新人の中の一人なのか。
「ハルさんの指導は厳しかったですけど、おかげで実力はついたので感謝してるんです」
「そんなに厳しくした覚えは無いんだが」
不思議そうに言ったハルの発言に、アッシュさんの隣に立っていたティーさんは大きく目を見開いている。
あ、うん、この反応からしてかなり厳しかったんだろうな。
「あれで厳しくなかったら、本気で厳しくしたらどうなるんだよ」
「三日寝ずに野営とかはさせなかっただろう?」
「は?」
「辺境領では当たり前にやる訓練だぞ?」
「だからいつも言ってるけど、辺境領基準で語るな」
わいわいと言い合うティーさんとハルの会話を聞いている間、アッシュさんの視線は俺に固定されていた。そんなに見られると困る。そう思うぐらいの凝視っぷりだ。
「あの…」
「あ、すみません。見つめすぎましたか」
そう言ったアッシュさんは、大きく息を吐いてからしみじみと呟いた。
「はー…本当にハルさんの伴侶候補って実在してたんですね?」
どういう意味だろうと思う間もなく、ティーさんが声を上げた。
「本当に実在してるってお前、俺があれだけ説明したのに信じてなかったのか?」
「いやー実際に見るまで信じられるかよ。お前いつだって話を盛るだろうが!」
「いつ話を盛ったよ!」
「いつもだろうが!」
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「びっくりした?この二人はいつもこんな感じだよ」
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