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553.野営の準備
ゆっくりと夕陽が沈みつつある停留場で、俺達は急いで野営の準備を始める事になった。さすがに停留所に魔道具みたいな便利な灯りは無い。太陽が完全に沈んで真っ暗になってしまう前に、せめてある程度の準備を済ませておかないと駄目だからね。
「えっと、ハル、こういう時って何から始めるもの?」
「うーん、暗くなる前にって言うと、焚火用の枯れ枝探しと、テント張り、魔物避けの設置と、後は食事の準備かな」
ハルによると、例えウマがいても普段の冒険の野営とするべき事はあまり変わらないらしい。へーそうなのか。
あ、肉食のウマ達の食事である鮮度抜群な血の滴るようなお肉類なんかは、クリスさんがばっちり用意してくれてたんだって。というかそもそも食事の用意が無いと、ウマは借りれないものらしい。そういう所はしっかりしてるんだな。
カーディとクリスさんが二人でウマの食事の世話をしてくれているから、今はウマたちはみんな馬車の裏手でお食事中だ。
食事中のウマを眺めに行きたい気持ちをぐっと我慢して、まずは何をしようかと視線を巡らせた俺は目に飛び込んできた予想外の光景に驚いてしまった。
自分の魔導収納鞄から大量の枯れ枝を無造作に取り出しているのは、ウォルターさんだ。
「ウォルター、用意が良いな」
まさか焚火用の枯れ枝まで持参してるとは思わなかったと褒めるハルに、ウォルターさんはあっさりと答えた。
「ああ、ウマ移動だと集めるのが面倒だからな。こないだの依頼の時にちょっと貯めておいたんだ。だから今日は枯れ枝探しはいらないぞ」
そうか、魔導収納鞄があるんだからそういう事もできるのか。もしかして俺も鞄の隅っこにでも貯めておくべきなんだろうか。そんな事を考えながら、俺達はウォルターさんに二人揃ってお礼を言った。
それじゃあ魔物避けの設置をしようかな。やり方も分かってるしと思ったんだけど、そっちはもうファリーマさんが野営地の四隅を巡り始めていた。す、素早いな。
後できる事っていうと食事の用意かな?と思ったんだけど、そこはルセフさんが責任を持って担当するからまかせて欲しいと言われてしまった。
「さっきクリスさんとカーディさんにも許可を貰ったからな」
俺を信じてまかせてくれるらしいから腕を振るうぞと、ルセフさんは嬉しそうに笑ってみせた。
「あ、ルセフさーん!」
どこに行っていたのか、元気にルセフさんめがけて駆け寄ってきたブレイズは、大きなお肉の塊を差し出した。
これは鶏肉かな。弾力のありそうな良いお肉だ。
「これ!お待たせ!」
「お、待ってたぞー」
「解体は近くでしたけど、肉以外は全部ウマが食べてくれたから、魔物が寄ってきたりはしないよ」
「それは良かったな。じゃあ今日はこれを使わせてもらうな。今夜の夕食はブレイズのおかげで豪華になりそうだ」
えらいえらいとルセフさんに褒められたブレイズは、へへーと嬉しそうに笑っている。ぶんぶんと振られる尻尾が見える気がするな。って…あれ?
「解体…?」
「うん、さっき仕留めたやつだから、鮮度抜群だよ」
ブレイズはにっこりと邪気の無い笑顔で笑ってそう言った。
なんでもウマでの移動中に襲い掛かってきた大きな魔鳥を、ブレイズはしっかりと倒してその上回収までしていたらしい。しかもさっきルセフさんとハルが挨拶に行ってる間に離脱して、ささっとさばいておいたと言うんだからすごいよね。そういえば、ブレイズは元狩人だったって言ってたな。
「すごいね」
「へへーでも料理は俺がするより、ルセフさんが作った方が絶対に美味しいからまかせるんだ」
「お、嬉しい事言うなーブレイズは。ここはまかせてくれ!」
ルセフさんはそう言うと、嬉しそうに下ごしらえを始めた。俺に手伝える事なんて無いなと思うぐらいの包丁さばきだ。
「みんな…すごいな」
クリスさんとカーディはウマの食事、ウォルターさんは焚火の用意、ファリーマさんは魔物避けの設置、ブレイズは食材の調達、ルセフさんは食事の用意か。あっという間に用意がされてしまって、俺は何もできてない。
反省していた俺に、ハルは笑って声をかけてくれた。
「アキト、一緒にテント張りに行こう?」
「あ、そうだね!」
そうだ、それがあった。
「ハル、アキト、俺達のテントもあそこに出てるから、頼んで良いか?」
調理を続けながら、ルセフさんは俺達にそう声をかけてくれた。
「はいっ!」
俺にもできる事があって良かったと思いながら、俺は無造作に積み上げられているテントの方へと近づいていった。
「えっと、ハル、こういう時って何から始めるもの?」
「うーん、暗くなる前にって言うと、焚火用の枯れ枝探しと、テント張り、魔物避けの設置と、後は食事の準備かな」
ハルによると、例えウマがいても普段の冒険の野営とするべき事はあまり変わらないらしい。へーそうなのか。
あ、肉食のウマ達の食事である鮮度抜群な血の滴るようなお肉類なんかは、クリスさんがばっちり用意してくれてたんだって。というかそもそも食事の用意が無いと、ウマは借りれないものらしい。そういう所はしっかりしてるんだな。
カーディとクリスさんが二人でウマの食事の世話をしてくれているから、今はウマたちはみんな馬車の裏手でお食事中だ。
食事中のウマを眺めに行きたい気持ちをぐっと我慢して、まずは何をしようかと視線を巡らせた俺は目に飛び込んできた予想外の光景に驚いてしまった。
自分の魔導収納鞄から大量の枯れ枝を無造作に取り出しているのは、ウォルターさんだ。
「ウォルター、用意が良いな」
まさか焚火用の枯れ枝まで持参してるとは思わなかったと褒めるハルに、ウォルターさんはあっさりと答えた。
「ああ、ウマ移動だと集めるのが面倒だからな。こないだの依頼の時にちょっと貯めておいたんだ。だから今日は枯れ枝探しはいらないぞ」
そうか、魔導収納鞄があるんだからそういう事もできるのか。もしかして俺も鞄の隅っこにでも貯めておくべきなんだろうか。そんな事を考えながら、俺達はウォルターさんに二人揃ってお礼を言った。
それじゃあ魔物避けの設置をしようかな。やり方も分かってるしと思ったんだけど、そっちはもうファリーマさんが野営地の四隅を巡り始めていた。す、素早いな。
後できる事っていうと食事の用意かな?と思ったんだけど、そこはルセフさんが責任を持って担当するからまかせて欲しいと言われてしまった。
「さっきクリスさんとカーディさんにも許可を貰ったからな」
俺を信じてまかせてくれるらしいから腕を振るうぞと、ルセフさんは嬉しそうに笑ってみせた。
「あ、ルセフさーん!」
どこに行っていたのか、元気にルセフさんめがけて駆け寄ってきたブレイズは、大きなお肉の塊を差し出した。
これは鶏肉かな。弾力のありそうな良いお肉だ。
「これ!お待たせ!」
「お、待ってたぞー」
「解体は近くでしたけど、肉以外は全部ウマが食べてくれたから、魔物が寄ってきたりはしないよ」
「それは良かったな。じゃあ今日はこれを使わせてもらうな。今夜の夕食はブレイズのおかげで豪華になりそうだ」
えらいえらいとルセフさんに褒められたブレイズは、へへーと嬉しそうに笑っている。ぶんぶんと振られる尻尾が見える気がするな。って…あれ?
「解体…?」
「うん、さっき仕留めたやつだから、鮮度抜群だよ」
ブレイズはにっこりと邪気の無い笑顔で笑ってそう言った。
なんでもウマでの移動中に襲い掛かってきた大きな魔鳥を、ブレイズはしっかりと倒してその上回収までしていたらしい。しかもさっきルセフさんとハルが挨拶に行ってる間に離脱して、ささっとさばいておいたと言うんだからすごいよね。そういえば、ブレイズは元狩人だったって言ってたな。
「すごいね」
「へへーでも料理は俺がするより、ルセフさんが作った方が絶対に美味しいからまかせるんだ」
「お、嬉しい事言うなーブレイズは。ここはまかせてくれ!」
ルセフさんはそう言うと、嬉しそうに下ごしらえを始めた。俺に手伝える事なんて無いなと思うぐらいの包丁さばきだ。
「みんな…すごいな」
クリスさんとカーディはウマの食事、ウォルターさんは焚火の用意、ファリーマさんは魔物避けの設置、ブレイズは食材の調達、ルセフさんは食事の用意か。あっという間に用意がされてしまって、俺は何もできてない。
反省していた俺に、ハルは笑って声をかけてくれた。
「アキト、一緒にテント張りに行こう?」
「あ、そうだね!」
そうだ、それがあった。
「ハル、アキト、俺達のテントもあそこに出てるから、頼んで良いか?」
調理を続けながら、ルセフさんは俺達にそう声をかけてくれた。
「はいっ!」
俺にもできる事があって良かったと思いながら、俺は無造作に積み上げられているテントの方へと近づいていった。
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