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555.野営の準備完了
テント張りにももちろん経験値というのはあるので間違っては無い筈だなんて真剣な顔で続けるハルに、俺は我慢できずに声をあげて笑いだした。ツボにはまって笑ってる俺を、ハルは嬉しそうに見つめて一緒になって笑ってくれた。
やっと笑いがひと段落した所で、馬車の影からカーディとクリスさんがひょこっと顔を出した。ハルがこっちだと手を振れば、二人はすぐに俺達の方へと歩いてきた。
「わ、もうこんなに用意が終わってるのか」
「すこし時間をかけ過ぎましたかね…?」
困り顔でそう言ったクリスさんに、ハルは笑って答えた。
「気にしなくて良いと思うぞ。あっちのパーティーの手際が良いからな」
ハルの視線につられるようにして視線を動かせば、焚火を使って器用に調理を進めているルセフさんの周りに、他の三人が集まっているのが見えた。
「それに俺とアキトも、テントを張っただけだよ」
苦笑したハルの言葉に、俺もうんうんと頷いて同意を示す。
「そうなのか…すごいな」
「すごいよねー俺のやる事なくなるかと思ったよ」
冒険者時代も臨時パーティーぐらいしか組んだ事がないらしいカーディは、本当のパーティーがやっぱりすごいんだなと素直に感心している。
「あ、一応聞いておくけど、クリスとカーディさんは、今日は馬車で良いんだよな?」
「ええ、折角なら今日は皆さんと一緒にテントっていうのもありかと思ったんですが…カーディに叱られましたから諦めます」
「なんだ、そうなのか?」
ハルがちらりと視線を向ければ、カーディは苦笑を浮かべた。
「いくらテントの方が楽しそうでも、依頼人なら馬車で寝るべき…そうだろ?」
「あー…うん、まあ二人の事はそういう意味で心配はしてないけど、馬車の方が守りやすくはなるから護衛としては助かるよ」
「馬車で寝てくれって説得するのは面倒すぎるからな…」
遠い目をしたカーディに、クリスさんは今日はちゃんと馬車で寝ますからねと宣言した。
「あ、馬車の中のベッドの組み立ては、私がしてきますね。カーディはゆっくりしててください」
クリスさんはにっこりと笑ってそう言い置くと、カーディを俺達の前に残したまま軽い足取りで馬車の方へと歩いていった。
ゆっくりと言われても、この停留場には他の野営地みたいに腰を下ろせる切り株とかが無いんだよね。馬車の移動の邪魔になるからって、そもそも停留場には無いのが普通らしいんだけど。
「こういう時は、マントだな」
「うん、そうだね」
ハルとカーディの言葉に、俺もすぐに魔導収納鞄からマントを取り出した。なるほど。防水加工されてるんから、ビニールシート代わりにも使えるのか。
それぞれの鞄から取り出したマントを地面に敷くと、俺達はそこに腰を下ろした。
「あ、馬車の中のベッド見てみたかったんだけど…言うの忘れてた」
「ああ、馬車自体が初めてなんだっけ。じゃあ組み立て終わってから覗きにいくか」
「良いの?」
「ああ、別に良いと思うぞ。ハルとアキトなら、クリスも別に気にしないだろ!」
カーディはあっさりとそう断言した。
約束通りあとで見せてもらった馬車の中の簡易ベッドは、正直驚きだらけだったよ。え、そこが外れてそこにはまるの?とかえ、そこに枕が収納されてたの?とかそんなのばっかりだった。しかもこれが簡易ベッド?と首を傾げてしまうぐらいには立派なベッドでした。
大興奮で馬車の中を見て回っていたら、控え目なノックの音が響いた。慌てて馬車のドアを開けてみれば、そこにはブレイズの姿があった。
「みんな!そろそろ食事の用意ができるってルセフさんが呼んでるよ!」
にっこりと人懐っこく笑って教えてくれたブレイズに、俺は慌てて馬車から飛び降りた。
「わざわざ呼びに来てもらってごめん、ブレイズ!」
「気にしなくて良いよー伝令も俺の担当だからね」
胸を張ってそういったブレイズは、自分の仕事にこだわりがあるみたいだ。誘導するように先頭を行くブレイズを追って、俺達はルセフさん達のいる焚火の近くへと近づいていった。
「おまたせしました。調理おまかせしてすみません」
「いや、調理は俺の趣味だから気にしないでくれ。それより許可をくれて助かったよ。ブレイズの狩ったあの魔鳥は、味の劣化が速い種だったから…」
そう言ったルセフさんは、焚火の上で固定されていた鍋の蓋をそっと開いた。途端に広がった食欲をそそる香りに、ルセフさん以外の全員から歓声が漏れた。
「良い反応をありがとう。皆の食器を出してくれるか?」
ルセフさんのその一声で、俺達は自分の食器を用意すべく揃って魔導収納鞄に手をつっこんだ。
やっと笑いがひと段落した所で、馬車の影からカーディとクリスさんがひょこっと顔を出した。ハルがこっちだと手を振れば、二人はすぐに俺達の方へと歩いてきた。
「わ、もうこんなに用意が終わってるのか」
「すこし時間をかけ過ぎましたかね…?」
困り顔でそう言ったクリスさんに、ハルは笑って答えた。
「気にしなくて良いと思うぞ。あっちのパーティーの手際が良いからな」
ハルの視線につられるようにして視線を動かせば、焚火を使って器用に調理を進めているルセフさんの周りに、他の三人が集まっているのが見えた。
「それに俺とアキトも、テントを張っただけだよ」
苦笑したハルの言葉に、俺もうんうんと頷いて同意を示す。
「そうなのか…すごいな」
「すごいよねー俺のやる事なくなるかと思ったよ」
冒険者時代も臨時パーティーぐらいしか組んだ事がないらしいカーディは、本当のパーティーがやっぱりすごいんだなと素直に感心している。
「あ、一応聞いておくけど、クリスとカーディさんは、今日は馬車で良いんだよな?」
「ええ、折角なら今日は皆さんと一緒にテントっていうのもありかと思ったんですが…カーディに叱られましたから諦めます」
「なんだ、そうなのか?」
ハルがちらりと視線を向ければ、カーディは苦笑を浮かべた。
「いくらテントの方が楽しそうでも、依頼人なら馬車で寝るべき…そうだろ?」
「あー…うん、まあ二人の事はそういう意味で心配はしてないけど、馬車の方が守りやすくはなるから護衛としては助かるよ」
「馬車で寝てくれって説得するのは面倒すぎるからな…」
遠い目をしたカーディに、クリスさんは今日はちゃんと馬車で寝ますからねと宣言した。
「あ、馬車の中のベッドの組み立ては、私がしてきますね。カーディはゆっくりしててください」
クリスさんはにっこりと笑ってそう言い置くと、カーディを俺達の前に残したまま軽い足取りで馬車の方へと歩いていった。
ゆっくりと言われても、この停留場には他の野営地みたいに腰を下ろせる切り株とかが無いんだよね。馬車の移動の邪魔になるからって、そもそも停留場には無いのが普通らしいんだけど。
「こういう時は、マントだな」
「うん、そうだね」
ハルとカーディの言葉に、俺もすぐに魔導収納鞄からマントを取り出した。なるほど。防水加工されてるんから、ビニールシート代わりにも使えるのか。
それぞれの鞄から取り出したマントを地面に敷くと、俺達はそこに腰を下ろした。
「あ、馬車の中のベッド見てみたかったんだけど…言うの忘れてた」
「ああ、馬車自体が初めてなんだっけ。じゃあ組み立て終わってから覗きにいくか」
「良いの?」
「ああ、別に良いと思うぞ。ハルとアキトなら、クリスも別に気にしないだろ!」
カーディはあっさりとそう断言した。
約束通りあとで見せてもらった馬車の中の簡易ベッドは、正直驚きだらけだったよ。え、そこが外れてそこにはまるの?とかえ、そこに枕が収納されてたの?とかそんなのばっかりだった。しかもこれが簡易ベッド?と首を傾げてしまうぐらいには立派なベッドでした。
大興奮で馬車の中を見て回っていたら、控え目なノックの音が響いた。慌てて馬車のドアを開けてみれば、そこにはブレイズの姿があった。
「みんな!そろそろ食事の用意ができるってルセフさんが呼んでるよ!」
にっこりと人懐っこく笑って教えてくれたブレイズに、俺は慌てて馬車から飛び降りた。
「わざわざ呼びに来てもらってごめん、ブレイズ!」
「気にしなくて良いよー伝令も俺の担当だからね」
胸を張ってそういったブレイズは、自分の仕事にこだわりがあるみたいだ。誘導するように先頭を行くブレイズを追って、俺達はルセフさん達のいる焚火の近くへと近づいていった。
「おまたせしました。調理おまかせしてすみません」
「いや、調理は俺の趣味だから気にしないでくれ。それより許可をくれて助かったよ。ブレイズの狩ったあの魔鳥は、味の劣化が速い種だったから…」
そう言ったルセフさんは、焚火の上で固定されていた鍋の蓋をそっと開いた。途端に広がった食欲をそそる香りに、ルセフさん以外の全員から歓声が漏れた。
「良い反応をありがとう。皆の食器を出してくれるか?」
ルセフさんのその一声で、俺達は自分の食器を用意すべく揃って魔導収納鞄に手をつっこんだ。
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