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569.俺の番
「ありがとう、じゃあ大事に使わせてもらうね」
ブレイズは大事にとっておくとかより、使って欲しいって言いそうな気がするな。なんとなくだけどそう思って口にした俺の言葉に、ブレイズは嬉しそうに目を細めて笑ってくれた。
「どういたしまして」
へへーと笑いながら差し出されたお土産の鞄を大事に両手で受け取って、それじゃあ今度は俺の番だなと自分の魔導収納鞄に手を入れた。
喜んでくれるかなとワクワクしてたんだけど、そこでふと気になる事に気づいてしまった。ブレイズ達のパーティーはは依頼を受けてイーシャルに来たんだって言ってたけど、トリク祭り自体には参加してたのかな。
いや、だって俺の持ってるお土産って、ほとんどがイーシャル領で買ったものだからね。変わった物もいくつかは買ってるけど、トリク祭りで人気のお土産とかも選んでるから、もし参加してたなら自分で買ってるかもしれないってことだよね。
うーん、こうなったら先に聞くしかないかな。
そう決意した俺は、自分の魔道収納鞄の中に手を入れたまま視線をあげた。
「えーと、ごめんなさい。二人に一個質問があるんですけど…」
「うん?」
「どうしたの、アキト?」
「あのさ、みんなってトリク祭りには参加してたんですか?」
なんでいきなりそんな事を聞かれるんだろう?そう言いたげにきょとんと見つめてくるブレイズとファリーマさんに、俺は慌てて付け加える。
「よく考えたら、俺の持ってるお土産ってほとんどがトリク祭りで買ったものなんだよね。だからみんなも参加してたならもしかしてもう買ってるかもしれないなーって…今気づいたんだけど」
先に我に返ってくれたのはファリーマさんだった。俺を安心させるような笑みを浮かべて口を開いた。
「アキト、俺達はさ、昨日の夜中にギリギリでイーシャルに着いたんだ」
「あ、そうなんですか?」
「そうなんだよ。なんならもしかして依頼に間に合わないかもなーって、途中で考えちゃったぐらいにギリギリだったよ」
あのルセフさんがリーダーとして時間を管理してるのに?と一瞬だけ考えてしまったけど、ルセフさん達のパーティーはその前にも依頼を受けてたらしいから、それで…かな。しかもファリーマさんいわく最悪の依頼人だったって言ってたし、それはもう色々あったんだろうな。
想像するだけでも疲れてきそうだ。そんな事を考えていると、不意にブレイズがびっくりした様子でファリーマさんに話しかけた。
「え、ファリーマさん、もしかしたら間に合わないかもーって考えてたの?」
「なんだよ、さすがにあれは考えても仕方ないだろ?」
いくら俺でも転移魔法は使えないんだしさと少し悔しそうに呟いたファリーマさんに、ブレイズはむしろ尊敬の眼差しで続けた。
「そうじゃなくてさー、俺なんて一回完全に諦めたよ?」
「は?おまえ、途中で諦めてたのか?」
いつでも前向きなブレイズが!?と俺もファリーマさんも思わず驚いてしまった。
「だってさ、トリク祭りのせいでウマぜーんぶ出払ってて借りれなかったし、かといって徒歩で移動しようとしても道はトリク祭りに向かう人で混んでるし…あれは諦めるよ」
「あー…そうだよなぁ」
なるほど。あれだけの人がイーシャルに集まってるんだから、周りの街や村からも移動手段が無くなってたりするのか。それだけトリク祭りが人気って事もあるんだろうけど。
「まさかウォルター兄ちゃんが、知り合いの冒険者と交渉して人数分のウマを調達してくるとは思わなかったからね」
「あーそれにリーダーがウマの通れる抜け道知ってたのもかなり予想外だったよな」
「うん、あれはびっくりした」
そんな大変な思いをして、みんなはようやくイーシャルに辿り着いたんだな。
「すごく大変だったんですね」
「ああいや、ごめん。ちょっと話がそれてたな」
「いえ。二人のお話楽しかったので気にしないでください」
ああ、仲良しなんだなーって伝わってくるから、二人がパーティーメンバーの事を話してるのを聞くのは本当に楽しかった。
「ありがとうな。まあ、それでな、疲れてたから到着後はすぐに宿に向かったから、店は前を通ったぐらいで買い物はほとんどできてないな」
「夜食だけ屋台で買って、食べたらすぐに寝ちゃったんだ…ちょっと残念だったな」
初めてのトリク祭りだったのにと、ブレイズはちょっと不満そうだ。へたりと寝てしまっている耳が見える気がしてくる。美味しいものとか珍しいものとかいっぱい探したかったというブレイズに、俺はあわてて鞄に入れたままだった手を動かした。
「あ、じゃあこれ!」
そういいながら俺が魔導収納鞄から取り出したのは、カラフルな色んな果物飴の入った大きめの瓶だ。カットしてある果物に薄めの飴がかかってるあの果物飴、本当に美味しかったんだよね。すっかり気に入ったから、みんなへのお土産用にたくさん買ってきたんだ。
喜んでくれるかなと俺はブレイズの反応を待った。
ブレイズは大事にとっておくとかより、使って欲しいって言いそうな気がするな。なんとなくだけどそう思って口にした俺の言葉に、ブレイズは嬉しそうに目を細めて笑ってくれた。
「どういたしまして」
へへーと笑いながら差し出されたお土産の鞄を大事に両手で受け取って、それじゃあ今度は俺の番だなと自分の魔導収納鞄に手を入れた。
喜んでくれるかなとワクワクしてたんだけど、そこでふと気になる事に気づいてしまった。ブレイズ達のパーティーはは依頼を受けてイーシャルに来たんだって言ってたけど、トリク祭り自体には参加してたのかな。
いや、だって俺の持ってるお土産って、ほとんどがイーシャル領で買ったものだからね。変わった物もいくつかは買ってるけど、トリク祭りで人気のお土産とかも選んでるから、もし参加してたなら自分で買ってるかもしれないってことだよね。
うーん、こうなったら先に聞くしかないかな。
そう決意した俺は、自分の魔道収納鞄の中に手を入れたまま視線をあげた。
「えーと、ごめんなさい。二人に一個質問があるんですけど…」
「うん?」
「どうしたの、アキト?」
「あのさ、みんなってトリク祭りには参加してたんですか?」
なんでいきなりそんな事を聞かれるんだろう?そう言いたげにきょとんと見つめてくるブレイズとファリーマさんに、俺は慌てて付け加える。
「よく考えたら、俺の持ってるお土産ってほとんどがトリク祭りで買ったものなんだよね。だからみんなも参加してたならもしかしてもう買ってるかもしれないなーって…今気づいたんだけど」
先に我に返ってくれたのはファリーマさんだった。俺を安心させるような笑みを浮かべて口を開いた。
「アキト、俺達はさ、昨日の夜中にギリギリでイーシャルに着いたんだ」
「あ、そうなんですか?」
「そうなんだよ。なんならもしかして依頼に間に合わないかもなーって、途中で考えちゃったぐらいにギリギリだったよ」
あのルセフさんがリーダーとして時間を管理してるのに?と一瞬だけ考えてしまったけど、ルセフさん達のパーティーはその前にも依頼を受けてたらしいから、それで…かな。しかもファリーマさんいわく最悪の依頼人だったって言ってたし、それはもう色々あったんだろうな。
想像するだけでも疲れてきそうだ。そんな事を考えていると、不意にブレイズがびっくりした様子でファリーマさんに話しかけた。
「え、ファリーマさん、もしかしたら間に合わないかもーって考えてたの?」
「なんだよ、さすがにあれは考えても仕方ないだろ?」
いくら俺でも転移魔法は使えないんだしさと少し悔しそうに呟いたファリーマさんに、ブレイズはむしろ尊敬の眼差しで続けた。
「そうじゃなくてさー、俺なんて一回完全に諦めたよ?」
「は?おまえ、途中で諦めてたのか?」
いつでも前向きなブレイズが!?と俺もファリーマさんも思わず驚いてしまった。
「だってさ、トリク祭りのせいでウマぜーんぶ出払ってて借りれなかったし、かといって徒歩で移動しようとしても道はトリク祭りに向かう人で混んでるし…あれは諦めるよ」
「あー…そうだよなぁ」
なるほど。あれだけの人がイーシャルに集まってるんだから、周りの街や村からも移動手段が無くなってたりするのか。それだけトリク祭りが人気って事もあるんだろうけど。
「まさかウォルター兄ちゃんが、知り合いの冒険者と交渉して人数分のウマを調達してくるとは思わなかったからね」
「あーそれにリーダーがウマの通れる抜け道知ってたのもかなり予想外だったよな」
「うん、あれはびっくりした」
そんな大変な思いをして、みんなはようやくイーシャルに辿り着いたんだな。
「すごく大変だったんですね」
「ああいや、ごめん。ちょっと話がそれてたな」
「いえ。二人のお話楽しかったので気にしないでください」
ああ、仲良しなんだなーって伝わってくるから、二人がパーティーメンバーの事を話してるのを聞くのは本当に楽しかった。
「ありがとうな。まあ、それでな、疲れてたから到着後はすぐに宿に向かったから、店は前を通ったぐらいで買い物はほとんどできてないな」
「夜食だけ屋台で買って、食べたらすぐに寝ちゃったんだ…ちょっと残念だったな」
初めてのトリク祭りだったのにと、ブレイズはちょっと不満そうだ。へたりと寝てしまっている耳が見える気がしてくる。美味しいものとか珍しいものとかいっぱい探したかったというブレイズに、俺はあわてて鞄に入れたままだった手を動かした。
「あ、じゃあこれ!」
そういいながら俺が魔導収納鞄から取り出したのは、カラフルな色んな果物飴の入った大きめの瓶だ。カットしてある果物に薄めの飴がかかってるあの果物飴、本当に美味しかったんだよね。すっかり気に入ったから、みんなへのお土産用にたくさん買ってきたんだ。
喜んでくれるかなと俺はブレイズの反応を待った。
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