571 / 1,561
570.果物飴の反応は
手渡した果物飴の瓶を目の高さまで持ち上げて、ブレイズはまじまじと観察し始めた。こうして見ると中身もカラフルで綺麗だし、見た目も可愛らしいんだよな。お土産に渡したら喜ばれそうな華やかな見た目だ。
さあどんな反応がかえってくるかな。こっそりと横目で見つめていると、次の瞬間にはブレイズは満面の笑みを浮かべて俺の方を振り返った。盗み見してたからばっちりと目が合っちゃったよね。
「うわー!すっごい綺麗!アキト、これってなに?」
素早くこちらを振り返ったブレイズの目は、好奇心でキラキラと輝いていた。
えっと、この反応は果物飴を食べた事がないって事で良いんだよね?もし食べた事あったら、これってなにとはさすがに聞かないと思うんだ。
内心では喜んでもらえるかなとちょっとだけそわそわワクワクしながら、それでも俺はできるだけ普通の表情を作ってから口を開いた。ハルにだったらいくら表情を取り繕ってもすぐにバレちゃうからしないんだけど、今はここにハルはいないからバレない…筈。
「これはね、果物飴っていうんだ」
「へー果物飴…?」
ぼそりとそう繰り返しながら、ブレイズは不思議そうな表情で瓶にそっと顔を近づけた。おでこが瓶に当たってしまいそうなぐらいの近い距離だ。
「あっ!本当だ!近くでみたらちゃんと果物だ!」
見た事のある果物があるとブレイズは何とも嬉しそうだ。その反応の良さに嬉しくなりながら俺は続けた。
「四角く切り出した新鮮な果物に、薄く飴をかけてあるっていうお菓子だよ」
「そうなんだ!すっごく美味しそう!」
「うん、俺も食べたけど本当に美味しかったよ。あ、ハルいわく、薄い飴だから舐めるよりも噛んだ方が美味しいって」
「なるほど、つまりこれは噛んで食べる果物の飴か」
「ブレイズも気に入ると良いんだけど…」
「俺、果物は基本的に何でも好きだから、きっと気に入ると思うよ!ありがとな、アキト」
太陽のように輝く笑顔には、嘘もごまかしも一切無さそうだ。うんうん、とりあえずこのお土産は合格かな。ブレイズに喜んでもらえたみたいで良かった。ホッと息を吐いた俺の後ろから、ファリーマさんが声をかけてくる。
「果物飴とは、ブレイズ良い物もらったなー」
「え、ファリーマさん、これ知ってるの?」
ひょこっと俺の後ろから顔を出したファリーマさんに、ブレイズは手に持ったままの瓶を持ち上げて尋ねる。
「ああ。果物飴だろう?もちろん知って…」
そう言いかけたファリーマさんはブレイズの手の瓶をじーっと見つめると、不思議そうに首をゆるりと傾げた。あれ、どうしたんだろう?知ってるんだよね?
「…知ってるんだけど、あのさ、これってアキトが色んな味を混ぜて選んだのか?」
あ、気になってたのはそこなんだ。そういえばハルも、珍しい売り方だって店員さんの発想力を褒めてたな。
「いえ、最初からこうやって色んな味を混ぜた状態で売ってました」
「そうなのか…なあ、ブレイズ、よければちょっと見せてくれるか?」
「うん、どうぞ」
すっと差し出された瓶を落とさないように慎重に受け取ったファリーマさんは、ひとしきり観察してから感心した様子で口を開いた。
「へーすごいな、これ。俺が知ってるのは一種類の味が袋とか瓶に入ってるって果物だったんだが…こんなのがあるんだな?」
王都でも他の国でも見た事があるけど、こんな分け方がされてるのは初めてみたらしい。
「選ぶのが大変だって毎年言われるから、今年から試験的に作ってみたんだって屋台の人が言ってました!」
そこまで説明したところで、俺はハッと大事な事を思いだした。慌てて魔導収納鞄に手を入れて小さなカードの用な紙を取り出す。味の説明の紙、混ざったのを買った数だけ付けてくれたのにすっかり忘れてた。
「ブレイズ、ごめん。これ忘れてたよ…色ごとに味が違うからって、ちゃんと味の説明がついてるんだって」
ファリーマさんが混ざってるのを珍しがってくれなかったら、完全に忘れる所だった。
「へー面白いね。ありがと!パーティーのみんなで楽しむね!」
ファリーマさんの手から戻ってきた果物飴の瓶を大事そうに受け取ると、ブレイズはそーっと慎重に自分の鞄にしまい込んだ。そこまで丁寧に扱わなくても大丈夫だよと笑いそうになるぐらい慎重な動きだった。
「ブレイズ、別に一人で全部食べても俺もルセフもウォルターも怒らないぞ?」
「別に怒られるとは思って無いけどさ…みんなで食べた方が絶対に美味しいからね!」
それでも良いかな?と視線だけで尋ねてくるブレイズに、俺はもちろんと笑みを返した。
多分ブレイズはみんなで食べるって言うだろうなと思ったから、大きめの瓶にしたんだよね。俺の読みはあってたみたいだ。
さあどんな反応がかえってくるかな。こっそりと横目で見つめていると、次の瞬間にはブレイズは満面の笑みを浮かべて俺の方を振り返った。盗み見してたからばっちりと目が合っちゃったよね。
「うわー!すっごい綺麗!アキト、これってなに?」
素早くこちらを振り返ったブレイズの目は、好奇心でキラキラと輝いていた。
えっと、この反応は果物飴を食べた事がないって事で良いんだよね?もし食べた事あったら、これってなにとはさすがに聞かないと思うんだ。
内心では喜んでもらえるかなとちょっとだけそわそわワクワクしながら、それでも俺はできるだけ普通の表情を作ってから口を開いた。ハルにだったらいくら表情を取り繕ってもすぐにバレちゃうからしないんだけど、今はここにハルはいないからバレない…筈。
「これはね、果物飴っていうんだ」
「へー果物飴…?」
ぼそりとそう繰り返しながら、ブレイズは不思議そうな表情で瓶にそっと顔を近づけた。おでこが瓶に当たってしまいそうなぐらいの近い距離だ。
「あっ!本当だ!近くでみたらちゃんと果物だ!」
見た事のある果物があるとブレイズは何とも嬉しそうだ。その反応の良さに嬉しくなりながら俺は続けた。
「四角く切り出した新鮮な果物に、薄く飴をかけてあるっていうお菓子だよ」
「そうなんだ!すっごく美味しそう!」
「うん、俺も食べたけど本当に美味しかったよ。あ、ハルいわく、薄い飴だから舐めるよりも噛んだ方が美味しいって」
「なるほど、つまりこれは噛んで食べる果物の飴か」
「ブレイズも気に入ると良いんだけど…」
「俺、果物は基本的に何でも好きだから、きっと気に入ると思うよ!ありがとな、アキト」
太陽のように輝く笑顔には、嘘もごまかしも一切無さそうだ。うんうん、とりあえずこのお土産は合格かな。ブレイズに喜んでもらえたみたいで良かった。ホッと息を吐いた俺の後ろから、ファリーマさんが声をかけてくる。
「果物飴とは、ブレイズ良い物もらったなー」
「え、ファリーマさん、これ知ってるの?」
ひょこっと俺の後ろから顔を出したファリーマさんに、ブレイズは手に持ったままの瓶を持ち上げて尋ねる。
「ああ。果物飴だろう?もちろん知って…」
そう言いかけたファリーマさんはブレイズの手の瓶をじーっと見つめると、不思議そうに首をゆるりと傾げた。あれ、どうしたんだろう?知ってるんだよね?
「…知ってるんだけど、あのさ、これってアキトが色んな味を混ぜて選んだのか?」
あ、気になってたのはそこなんだ。そういえばハルも、珍しい売り方だって店員さんの発想力を褒めてたな。
「いえ、最初からこうやって色んな味を混ぜた状態で売ってました」
「そうなのか…なあ、ブレイズ、よければちょっと見せてくれるか?」
「うん、どうぞ」
すっと差し出された瓶を落とさないように慎重に受け取ったファリーマさんは、ひとしきり観察してから感心した様子で口を開いた。
「へーすごいな、これ。俺が知ってるのは一種類の味が袋とか瓶に入ってるって果物だったんだが…こんなのがあるんだな?」
王都でも他の国でも見た事があるけど、こんな分け方がされてるのは初めてみたらしい。
「選ぶのが大変だって毎年言われるから、今年から試験的に作ってみたんだって屋台の人が言ってました!」
そこまで説明したところで、俺はハッと大事な事を思いだした。慌てて魔導収納鞄に手を入れて小さなカードの用な紙を取り出す。味の説明の紙、混ざったのを買った数だけ付けてくれたのにすっかり忘れてた。
「ブレイズ、ごめん。これ忘れてたよ…色ごとに味が違うからって、ちゃんと味の説明がついてるんだって」
ファリーマさんが混ざってるのを珍しがってくれなかったら、完全に忘れる所だった。
「へー面白いね。ありがと!パーティーのみんなで楽しむね!」
ファリーマさんの手から戻ってきた果物飴の瓶を大事そうに受け取ると、ブレイズはそーっと慎重に自分の鞄にしまい込んだ。そこまで丁寧に扱わなくても大丈夫だよと笑いそうになるぐらい慎重な動きだった。
「ブレイズ、別に一人で全部食べても俺もルセフもウォルターも怒らないぞ?」
「別に怒られるとは思って無いけどさ…みんなで食べた方が絶対に美味しいからね!」
それでも良いかな?と視線だけで尋ねてくるブレイズに、俺はもちろんと笑みを返した。
多分ブレイズはみんなで食べるって言うだろうなと思ったから、大きめの瓶にしたんだよね。俺の読みはあってたみたいだ。
あなたにおすすめの小説
異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします
み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。
わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!?
これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。
おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。
※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。
★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★
★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
【完結】転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
拾われたのはたぶん僕です 〜ポンコツ魔法使いと騎士団の平和な大事件〜
ニア。
BL
崖から落ちただけなのに、騎士団長に拾われました。
真面目に生きてきた魔法使いモーネ。
ただ薬草を採ろうとして滑落しただけなのに、なぜか王国最強の騎士団長イグラムに連れて行かれ、騎士団で暮らすことに。
しかしこの魔法使い、少しだけ普通ではありません。
回復魔法を使えば何かが増え、
補助魔法を使えば騎士団が浮き、
気づけば庭はプリンになります。
——本人はちゃんとやっています。
巻き込まれる騎士団と、なぜか楽しそうな団長。
さらに弟子や王子、ドラゴンまで加わって、騎士団は今日も平和に大騒ぎ。
これは、ポンコツ魔法使いが真面目に頑張るたびに世界が少し壊れる、騒がしくて優しいファンタジーです。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
美形×平凡の子供の話
めちゅう
BL
美形公爵アーノルドとその妻で平凡顔のエーリンの間に生まれた双子はエリック、エラと名付けられた。エリックはアーノルドに似た美形、エラはエーリンに似た平凡顔。平凡なエラに幸せはあるのか?
──────────────────
お読みくださりありがとうございます。
お楽しみいただけましたら幸いです。
お話を追加いたしました。
BL世界に転生したけど主人公の弟で悪役だったのでほっといてください
わさび
BL
前世、妹から聞いていたBL世界に転生してしまった主人公。
まだ転生したのはいいとして、何故よりにもよって悪役である弟に転生してしまったのか…!?
悪役の弟が抱えていたであろう嫉妬に抗いつつ転生生活を過ごす物語。