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642.【ハル視点】カーディさんと遭遇
店員からすれば客を呼んでくれたわけだし、周りの客も美味しそうだと自分で決めて買うんだから何も問題は無い。俺はそう思うんだが、アキトはなかば逃げるようにして俺の手を引きながら屋台から離れた。
「あー恥ずかしい」
距離をとってからぽつりと呟いたアキトの頬は、まだ真っ赤なままだ。
「そんなに恥ずかしがらなくて良いのに。あれはただアキトの説明で食べてみたくなった人が集まってきただけだろう?」
「えーそうかな…?」
「ああ、もしあのハーレの串焼きを食べる前にあの説明を聞いたら、俺も絶対食べてみたいと屋台の前の列に並んでたよ」
それぐらい美味しそうな説明だったからなと続ければ、アキトはへにゃりと笑ってから口を開いた。
「あーハル、慰めてくれてありがとう」
「別に慰めたわけじゃないんだが…まあ良いか。それじゃあ次に行こうか。もう少しぐらい食べても大丈夫だろう?」
そんなに恥ずかしいなら話題を変えようと声をかければ、アキトは嬉しそうに目を輝かせてすぐに頷いてくれた。
よし、アキトも乗り気のようだし、このまま屋台巡りを続けようか。
次に見えてきた屋台は果実水を売っているお店のようだ。
果実水が大好きなアキトなら寄りたいかなと思ったんだが、ゆるりと小さく首を振って断られた。さっき飲んだばかりだから今はいらないのか。
変わった果実水もあるみたいだから、この屋台はいつかのために覚えておこう。
「そういえば、カーディさんのお気に入りの屋台ってどんな料理なんだろうな?」
しっかりと料理の内容まで聞かなかったんだよなとこぼせば、アキトはんーと声を出しながら考え込んだ。
「あ、そういえば、カーディはマルックスの香草焼きが好きだって言ってたよ!」
「ん?そうだったか?」
カーディさんの好物なんて話題に出ただろうか?そこまで覚えてないなと素直に言葉にすれば、レーブンさんがもたせてくれたお弁当を食べた時に聞いたんだとアキトは胸を張って教えてくれた。
ああ、レーブンの作ってくれた弁当を食べていた時か。あの時は嬉しそうにお弁当の説明をするアキトばかり見ていたから、記憶に残ってないんだろうな。
「やっぱりカーディさんのお気に入りのお店は気になるよね?」
アキトにそう声をかければ、返事はすぐに返ってきた。
「そうだね、何のお店かも分からないってなると、余計に気になる」
「それじゃあ、先にカーディさんのお気に入りのお店に行ってみようか。いつも奥の方にあるんだって行ってたから…」
少なくともこの辺りでは無いだろうと提案すれば、アキトはすぐに満面の笑みを浮かべて頷いてくれた。
「うん!行ってみよう!」
トライプール領都の大門前にある広場は、北と南どちらの広場もかなり広い敷地を有している。どこの領都にもいざという時のためにと広場自体はあるんだが、その広さはバラバラだ。トライプールは他の街と比べても広い方だろう。
そんな広場の入口から遠い奥の方へと進んでいくと、どんどん人が増えていく。アキトは驚いた様子で俺をじっと見つめて口を開いた。
「ねえ、ハル。何か…奥の方が人が多い…?」
「ああ、人気の店なら奥に場所をとっても客が来るからね」
むしろのんびりと食べて欲しいからと、わざとこの辺りに出店する人気屋台なんかもある。当然客もそれを知っているから、手軽にささっと食べるなら入口近く、ゆっくりと楽しむなら奥の方と使い分けてる人も多い。
南大門の広場は早い者勝ちで場所取りをしているから、北大門と南大門でもその辺りはだいぶ違うんだよな。
のんびりと話ながら更に奥を目指して歩いていると、不意にアキトが声をあげた。
「あれ?あれって…カーディじゃない?」
アキトの視線の先を追えば、そこには一人で歩いているカーディさんの姿が目に飛び込んできた。
「あ、本当だな」
アキトは俺の手を引いて、慌てた様子で前を歩くカーディさんの背中を追いかけた。小走りで近づいていけば、あっという間に距離は埋まる。
「カーディ!」
「お、アキトにハルじゃないか!」
パッと振り返ったカーディさんは、嬉しそうに笑って手を上げた。
「カーディさん、こんにちは」
「おう、こんにちは。二人も今日は屋台飯か?」
「うん!」
「そうか、ここまで来たならお勧めがあるぞ」
得意げに笑ったカーディさんに、アキトと俺は顔を見合わせた。
「俺たちはちょうどカーディお勧めの店を目指してたんだよ」
「なんだ、そうなのか?」
そんな話をしたかと少し不思議そうな表情を浮かべたカーディさんに、俺は横からクリスから聞いたんだよと口を挟んだ。
「あー恥ずかしい」
距離をとってからぽつりと呟いたアキトの頬は、まだ真っ赤なままだ。
「そんなに恥ずかしがらなくて良いのに。あれはただアキトの説明で食べてみたくなった人が集まってきただけだろう?」
「えーそうかな…?」
「ああ、もしあのハーレの串焼きを食べる前にあの説明を聞いたら、俺も絶対食べてみたいと屋台の前の列に並んでたよ」
それぐらい美味しそうな説明だったからなと続ければ、アキトはへにゃりと笑ってから口を開いた。
「あーハル、慰めてくれてありがとう」
「別に慰めたわけじゃないんだが…まあ良いか。それじゃあ次に行こうか。もう少しぐらい食べても大丈夫だろう?」
そんなに恥ずかしいなら話題を変えようと声をかければ、アキトは嬉しそうに目を輝かせてすぐに頷いてくれた。
よし、アキトも乗り気のようだし、このまま屋台巡りを続けようか。
次に見えてきた屋台は果実水を売っているお店のようだ。
果実水が大好きなアキトなら寄りたいかなと思ったんだが、ゆるりと小さく首を振って断られた。さっき飲んだばかりだから今はいらないのか。
変わった果実水もあるみたいだから、この屋台はいつかのために覚えておこう。
「そういえば、カーディさんのお気に入りの屋台ってどんな料理なんだろうな?」
しっかりと料理の内容まで聞かなかったんだよなとこぼせば、アキトはんーと声を出しながら考え込んだ。
「あ、そういえば、カーディはマルックスの香草焼きが好きだって言ってたよ!」
「ん?そうだったか?」
カーディさんの好物なんて話題に出ただろうか?そこまで覚えてないなと素直に言葉にすれば、レーブンさんがもたせてくれたお弁当を食べた時に聞いたんだとアキトは胸を張って教えてくれた。
ああ、レーブンの作ってくれた弁当を食べていた時か。あの時は嬉しそうにお弁当の説明をするアキトばかり見ていたから、記憶に残ってないんだろうな。
「やっぱりカーディさんのお気に入りのお店は気になるよね?」
アキトにそう声をかければ、返事はすぐに返ってきた。
「そうだね、何のお店かも分からないってなると、余計に気になる」
「それじゃあ、先にカーディさんのお気に入りのお店に行ってみようか。いつも奥の方にあるんだって行ってたから…」
少なくともこの辺りでは無いだろうと提案すれば、アキトはすぐに満面の笑みを浮かべて頷いてくれた。
「うん!行ってみよう!」
トライプール領都の大門前にある広場は、北と南どちらの広場もかなり広い敷地を有している。どこの領都にもいざという時のためにと広場自体はあるんだが、その広さはバラバラだ。トライプールは他の街と比べても広い方だろう。
そんな広場の入口から遠い奥の方へと進んでいくと、どんどん人が増えていく。アキトは驚いた様子で俺をじっと見つめて口を開いた。
「ねえ、ハル。何か…奥の方が人が多い…?」
「ああ、人気の店なら奥に場所をとっても客が来るからね」
むしろのんびりと食べて欲しいからと、わざとこの辺りに出店する人気屋台なんかもある。当然客もそれを知っているから、手軽にささっと食べるなら入口近く、ゆっくりと楽しむなら奥の方と使い分けてる人も多い。
南大門の広場は早い者勝ちで場所取りをしているから、北大門と南大門でもその辺りはだいぶ違うんだよな。
のんびりと話ながら更に奥を目指して歩いていると、不意にアキトが声をあげた。
「あれ?あれって…カーディじゃない?」
アキトの視線の先を追えば、そこには一人で歩いているカーディさんの姿が目に飛び込んできた。
「あ、本当だな」
アキトは俺の手を引いて、慌てた様子で前を歩くカーディさんの背中を追いかけた。小走りで近づいていけば、あっという間に距離は埋まる。
「カーディ!」
「お、アキトにハルじゃないか!」
パッと振り返ったカーディさんは、嬉しそうに笑って手を上げた。
「カーディさん、こんにちは」
「おう、こんにちは。二人も今日は屋台飯か?」
「うん!」
「そうか、ここまで来たならお勧めがあるぞ」
得意げに笑ったカーディさんに、アキトと俺は顔を見合わせた。
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「なんだ、そうなのか?」
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