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677.楽しい時間
テーブルの上に並んでいるのは、レーブンさんとローガンさんが腕を振るった種類豊富な美味しい料理だ。さらにそれに加えて、世界各地の美味しいお酒もずらりと並んでいる。
ハルがこっそり教えてくれたんだけど、すっごく珍しいお酒も混ざってたりするらしいよ。レーブンさんとローガンさんの秘蔵の酒なんてのも混ざっているんだって。
美味しい料理と美味しいお酒。
それだけでも幸せな空間なんだけど、一緒にテーブルを囲んでいるのは大好きな伴侶候補であるハルと、異世界での父親代わりのレーブンさん、それにレーブンが父親なら俺は叔父だなと笑って言ってくれたローガンさんだ。
防音結界も完璧で、何かの邪魔が入る心配も無い。
この状況で楽しめないわけが無いよね。
「あ、こっちも美味しい!」
「うん、本当に美味しいね。これはアキトの好きそうな味だな」
ハルがそう返せば、レーブンさんとローガンさんも興味深そうに料理を口に運んでいる。
「なるほど、アキトはこういう味付が好きなのか」
「次はこういう味付けに挑戦してみても良いかもな…この味ならサラダにも合う…か?」
「ああ、それは美味そうだな。サラダなら油にこだわらないと駄目だろう」
「俺はこの味付けならリブ油が合うと思うんだが…
「絶対に合うな」
「よし、さっそく今度試作してみよう!」
真剣な表情を付き合わせて次に作る料理について話し合っている兄弟は、手元にしっかりメモを取りながら食べ進めている。
最初はメモを取りながらな事に驚いたけど、これは二人の食事会の時は毎回なんだって。ちょっとした会話から飛び出してきたメニュー案や思いつきを、忘れないようにメモをするらしい。
そうしないと安心して飲めないからなと声をそろえて言われた時には、ちょっと笑ってしまった。二人ともすごく真剣な表情で言うから、余計に面白かったんだ。
「あーマルックスのグリルも美味いな!これにはやっぱり麦酒だろう」
そう言ったハルが鞄の中から冷えた麦酒を取り出せば、レーブンさんは嬉しそうに叫んだ。
「よく分かってるな、ハロルド!」
「しかもここまでしっかり冷えてるのを出してくるとは、さすがハロルドだな!」
「ああ、まかせてくれ!はい、アキトもどうぞ」
「ありがと、ハル」
もう何杯目かもわからない杯をぐいっと飲み干してから、また違う料理に手を伸ばす。
「あ、これ、このパンもすっごく美味しいです!」
「ああ、これはナーパ草を練りこんでみたんだ」
見た目があまりに蛍光黄緑だったからちょっと怯んだけど、食べてみたらすごく美味しかったんだ。我ながら、原色の食べ物にもだいぶ慣れてきたよね。
「は?ナーパ草を?」
「ああ、あれは栄養があるからな」
「それでこの味とは…ローガン、やるな」
「これはステーキにも合うんじゃないか?」
「やっぱりそう思うか?」
ハロルドが言うならメニューに入れるかと、ローガンさんは笑顔で頷いた。
「さて次に食べて欲しいのは、こっちの川魚の料理なんだが…これに合う酒は何だろうな?」
「あのエクサの果実酒じゃないか?」
「俺が思ったのは、メルボーの酒…かな」
「メルボーの酒!!」
「それだな!」
わいわいと相談しながら、その料理に合うお酒が選ばれていくのは見ていて楽しい。
俺はこの世界の料理にもお酒にも詳しくないから、こういう会話には参加できないんだけどね。でもハルが笑顔で説明してくれるから、どんどんお酒にも詳しくなってる気がする。気がするだけでちゃんと名前まで覚えられてる自信は無いんだけどね。
俺もレーブンさんとローガンさんみたいにメモを取っておくべきだったかな?
「それじゃあ、北ノールの酒もそろそろ行くか」
「ああ、アキトの土産だからな、味わうためにはそろそろだな」
もう結構飲んだと思うんだけど、酔う前にってニュアンスだったから二人とも強いんだな。俺も弱くないけど、ちょっとふわふわしてる気がする。
「木の実とチーズも出して…よし」
「アキト、ハル。ありがとな!」
「ありがとう」
嬉しそうに杯を持ち上げる二人に、俺とハルも杯を持ち上げて答えた。
「いえ、お二人も料理ありがとうございます」
「ああ、やっぱりレーブンとローガンの料理は美味いな」
「おい。聞いたか、ローガン」
「聞いたぞ、レーブン」
「…なんだよ?」
「ハロルドが素直に俺達の料理を褒めるとはなぁ…」
「やっぱり伴侶候補を得ると人は変わるんだろうか…」
レーブンさんとローガンさんは、息ぴったりでハルを揶揄いだした。
「うるさいぞ、ほら味わって飲むんだろう?」
「ああ…えーと、いただきます…だったか?」
不意にレーブンさんが口にした予想外の言葉に、俺はびっくりしてしまった。
「え…」
「いつもアキトとハルが食事の前に言うだろう?アキトのいた地域の食前の挨拶であってるか?」
「あ、はい!そう…です」
「よし、じゃあいただきます」
「「いただきます」」
すこしぎこちないレーブンさんの声に続いて、ローガンさんとハルが声を合わせる。
「俺も…いただきます」
何だか胸がいっぱいで、何とか呟いた声は少しだけ震えていた。
ハルがこっそり教えてくれたんだけど、すっごく珍しいお酒も混ざってたりするらしいよ。レーブンさんとローガンさんの秘蔵の酒なんてのも混ざっているんだって。
美味しい料理と美味しいお酒。
それだけでも幸せな空間なんだけど、一緒にテーブルを囲んでいるのは大好きな伴侶候補であるハルと、異世界での父親代わりのレーブンさん、それにレーブンが父親なら俺は叔父だなと笑って言ってくれたローガンさんだ。
防音結界も完璧で、何かの邪魔が入る心配も無い。
この状況で楽しめないわけが無いよね。
「あ、こっちも美味しい!」
「うん、本当に美味しいね。これはアキトの好きそうな味だな」
ハルがそう返せば、レーブンさんとローガンさんも興味深そうに料理を口に運んでいる。
「なるほど、アキトはこういう味付が好きなのか」
「次はこういう味付けに挑戦してみても良いかもな…この味ならサラダにも合う…か?」
「ああ、それは美味そうだな。サラダなら油にこだわらないと駄目だろう」
「俺はこの味付けならリブ油が合うと思うんだが…
「絶対に合うな」
「よし、さっそく今度試作してみよう!」
真剣な表情を付き合わせて次に作る料理について話し合っている兄弟は、手元にしっかりメモを取りながら食べ進めている。
最初はメモを取りながらな事に驚いたけど、これは二人の食事会の時は毎回なんだって。ちょっとした会話から飛び出してきたメニュー案や思いつきを、忘れないようにメモをするらしい。
そうしないと安心して飲めないからなと声をそろえて言われた時には、ちょっと笑ってしまった。二人ともすごく真剣な表情で言うから、余計に面白かったんだ。
「あーマルックスのグリルも美味いな!これにはやっぱり麦酒だろう」
そう言ったハルが鞄の中から冷えた麦酒を取り出せば、レーブンさんは嬉しそうに叫んだ。
「よく分かってるな、ハロルド!」
「しかもここまでしっかり冷えてるのを出してくるとは、さすがハロルドだな!」
「ああ、まかせてくれ!はい、アキトもどうぞ」
「ありがと、ハル」
もう何杯目かもわからない杯をぐいっと飲み干してから、また違う料理に手を伸ばす。
「あ、これ、このパンもすっごく美味しいです!」
「ああ、これはナーパ草を練りこんでみたんだ」
見た目があまりに蛍光黄緑だったからちょっと怯んだけど、食べてみたらすごく美味しかったんだ。我ながら、原色の食べ物にもだいぶ慣れてきたよね。
「は?ナーパ草を?」
「ああ、あれは栄養があるからな」
「それでこの味とは…ローガン、やるな」
「これはステーキにも合うんじゃないか?」
「やっぱりそう思うか?」
ハロルドが言うならメニューに入れるかと、ローガンさんは笑顔で頷いた。
「さて次に食べて欲しいのは、こっちの川魚の料理なんだが…これに合う酒は何だろうな?」
「あのエクサの果実酒じゃないか?」
「俺が思ったのは、メルボーの酒…かな」
「メルボーの酒!!」
「それだな!」
わいわいと相談しながら、その料理に合うお酒が選ばれていくのは見ていて楽しい。
俺はこの世界の料理にもお酒にも詳しくないから、こういう会話には参加できないんだけどね。でもハルが笑顔で説明してくれるから、どんどんお酒にも詳しくなってる気がする。気がするだけでちゃんと名前まで覚えられてる自信は無いんだけどね。
俺もレーブンさんとローガンさんみたいにメモを取っておくべきだったかな?
「それじゃあ、北ノールの酒もそろそろ行くか」
「ああ、アキトの土産だからな、味わうためにはそろそろだな」
もう結構飲んだと思うんだけど、酔う前にってニュアンスだったから二人とも強いんだな。俺も弱くないけど、ちょっとふわふわしてる気がする。
「木の実とチーズも出して…よし」
「アキト、ハル。ありがとな!」
「ありがとう」
嬉しそうに杯を持ち上げる二人に、俺とハルも杯を持ち上げて答えた。
「いえ、お二人も料理ありがとうございます」
「ああ、やっぱりレーブンとローガンの料理は美味いな」
「おい。聞いたか、ローガン」
「聞いたぞ、レーブン」
「…なんだよ?」
「ハロルドが素直に俺達の料理を褒めるとはなぁ…」
「やっぱり伴侶候補を得ると人は変わるんだろうか…」
レーブンさんとローガンさんは、息ぴったりでハルを揶揄いだした。
「うるさいぞ、ほら味わって飲むんだろう?」
「ああ…えーと、いただきます…だったか?」
不意にレーブンさんが口にした予想外の言葉に、俺はびっくりしてしまった。
「え…」
「いつもアキトとハルが食事の前に言うだろう?アキトのいた地域の食前の挨拶であってるか?」
「あ、はい!そう…です」
「よし、じゃあいただきます」
「「いただきます」」
すこしぎこちないレーブンさんの声に続いて、ローガンさんとハルが声を合わせる。
「俺も…いただきます」
何だか胸がいっぱいで、何とか呟いた声は少しだけ震えていた。
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