生まれつき幽霊が見える俺が異世界転移をしたら、精霊が見える人と誤解されています

根古川ゆい

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724.【ハル視点】舐める許可※

 俺が我に返った時には、アキトは脱力状態でベッドの上にくったりと転がっていた。すっかり全身の力が抜けてしまったらしい。

 どこまでも無防備な状態で転がりながら、それでもじっとひたむきに俺を見つめてくる。

 アキトからの口づけと煽るような言葉に火をつけられたとは言え、さすがにここまでくったりしてしまうほど口づけを続けるつもりは無かったんだ。だが、アキトの反応があまりに可愛くて途中では止められなかった。

 以前ならされるがままだったのに、最近では少しずつ口づけに答えようと頑張ってくれるのがたまらない。舌先で口内の気持ち良い場所を探してみたり、俺の舌をジュッと吸い上げてみたりとつたないながらも努力が見えるんだ。

 それだけならまだ何とかギリギリの所で我慢はできたかもしれないが、不意にそこで俺は気づいてしまったんだ。アキトがするのは、自分がされて気持ち良かった事だけなんだって。

 そんなの愛おしさが爆発するに決まっているだろう?

 これが気持ち良かったのかと確認しながらやり返し続けているうちに、気づけばアキトはこんな風にとろけきってしまった。

 やり過ぎたかなと申し訳ない気持ちで、俺はアキトの背中を優しくそっと撫でた。色を含まない触れ方で、ただ落ち着いてと撫で続ける。

 しばらくしてようやく息を整えたアキトをそっと覗きこんで、俺はにっこりと笑みを浮かべた。

「アキトさ、キス上手くなったよね」
「え…そう?」
「うん、ぐんぐん上達してるよ」

 本当に?と言いたげな表情のアキトに、俺は笑顔で続けた。嘘やお世辞ってわけじゃない。本当に上達してるんだ。

「さっきのは俺もかなり気持ち良かった」

 こそりとそう告げれば、俺の本気に気づいたのかアキトはふにゃりと嬉しそうに笑った。気の抜けたような笑顔も可愛いな。

 アキトの口づけが上達してきた理由が、慣れてきたからだと思うとたまらない気分になる。まっさらだったアキトが、俺に変えられているという証だ。

 ふにゃりと笑ったままのアキトをこのまま堪能していたい気持ちもあるけれど、もうそろそろ我慢も限界だな。

 俺はそっと手を動かすと、アキトの腰骨をするりと撫で上げた。ぴくりと分かりやすく揺れたアキトの身体に、自然と笑みがこぼれてしまう。

 こういう触れ方の違いにも気づけるようになったんだな。

 今まではただ優しく肌を撫でて確かめるように触れるだけだったのを、欲望のままに意思をこめて触れた瞬間に大きく反応してくれるのか。

 嬉しくなった俺がわざと乳首をかすめるように手を動かせば、アキトは驚いた様子で嬌声をあげた。

「っあ!」

 今のはただびっくりしたとか、痛かったとかそういう声じゃなかったな。明らかに気持ち良いから漏れた、そんな声だった。

 ああ、もしかしてやっと乳首でも感じてくれるようになったんだろうか。

 え、なんで?と戸惑うような表情を浮かべたアキトに、もっともっと触れたくなってくる。指で触れるのももちろん良いけれど、快感を拾えるようになった乳首を、口で可愛がったらアキトはどんな反応をするんだろう。

 そんな考えが頭から離れなくなった。

「アキト」
「ん?」

 名前を呼べば、アキトはそっと顔をあげてくれた。無防備な表情で見上げてくるアキトをまっすぐに見下ろして、俺は欲望のままに尋ねた。

「舐めても良い?」

 無理だと即答で拒絶されるかも。そう思ったけれど、アキトの口から出てきたのは拒絶の言葉では無かった。

「…えっと、どこを?」

 答えを出さずに質問を返したアキトに、俺は悪戯っぽい笑みを浮かべて答えた。

「全身かな」
「ぜ、全身…?」

 乳首ももちろんだが、他にも舐めたい場所はいっぱいある。

 今までは嫌がるかもなと我慢していたんだが、アキト本人があんな事をしてくれたんだからな。それならもう我慢しなくて良いかなと。

「そう、全身」

 あっさりとそう答えれば、アキトは黙り込んでしまった。嫌そうでは無いな。それなら背中を押す一言を告げてみようか。

「それに、さっきアキトも俺の太もも、舐めてたよね?」
「う」

 小さく呻いたアキトは、ぐるぐると何かを考えている。悩んでいる姿さえ可愛くて、俺は静かにその姿を見つめていた。

 ああ、でももし本当に嫌なら、逃げ道も必要だな。

「どうしても嫌なら諦めるけど…駄目?」

 ここで駄目だと言われたなら、また次以降に延期するだけの事だ。そう思って半ば諦めながらの質問に、アキトは躊躇いながらも口を開いた。

「ハルがしたいならいいよ」
「え、いいの!?」
「うん、ハルだから良いよ。ハルは俺にひどいことはしないって信じてるから」

 もちろんひどいことなんてするつもりは、かけらも無い。かけらも無いんだけど、それでもそこまでの信頼を向けられると少しだけ慌ててしまう。

「あーうん。ありがとう。信頼に背かないように頑張るよ」

 我を忘れてアキトが泣き出すまで追い詰めたりしないように、せめて気をつけようと俺は自分に言い聞かせた。
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