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744.ブレイズ達にも報告
書類仕事の続きをするという忙しそうなメロウさんに別れを告げて、俺達はすぐに冒険者ギルドを後にした。今日は俺達にもあまり時間の余裕があるってわけじゃないからね。
「次はカルツさんと、ブレイズ達の所にしようか」
ハルはそう言うと迷いなく俺の手を引いて歩き出した。
そういえば幽霊のカルツさんがいるスラテール商会と、ブレイズ達が借りている家は近所だって前に言ってたな。だからカルツさんはブレイズ達を見かけた事があるって話してくれたんだもんな。
ギルド前の大通りには今日もたくさんの人がいたけど、裏路地に入れば人の流れも穏やかだ。ハルは路地に入るなり、俺に向かって笑顔を見せた。
「それにしても、メロウに会えてよかったね」
「うん。忙しそうだったけど、挨拶できて良かった」
「ああ、ああいう書類の対応はギルマスよりもメロウの方が得意だろうからな…」
「そっか…それは大変そうだね…」
すこし心配になったけど、ハルはまだメロウにも笑う余裕があったから大丈夫だと思うよとさらりと続けた。
なんでもハルが見た今までで一番忙しそうだった時のメロウさんは、笑顔なんてかけらも無かったらしい。
えー想像できないけど、もしそんな一切笑顔のない顔でメロウさんに対応されたら、もしかしたら俺は泣くかもしれない。
メロウさんは俺の中では、とにかく穏やかで優しい人だからな。
さっきの報告だって、なんならただ了解しましたと言うだけでも良かったんだよね。それなのに辺境領に行く俺達の事を心配してくれた上に、いってらっしゃいと笑顔で送り出してくれた。
それがすごく嬉しくて、胸がポカポカする気がする。
「アキト、なんだか嬉しそうだね」
「うん。メロウさんが心配してくれて、いってらっしゃいって言ってくれたのが嬉しかったんだ」
「…そうだね。帰ってきたら忘れずにただいまって言いに行こうか」
優しい笑顔でそう提案してくれたハルに、俺は満面の笑みを返す。
「うん、絶対に二人で来ようね!」
抜け道を通った俺達はすぐにスラテール商会の店の前に到着したけど、そこにカルツさんの姿は無かった。
「いない…ね?」
「ああ、でも小道にいるのかもしれないよ」
そういえばこの前会ったのは小道の方だったなと二人で店の横の道を入ってみたけど、やっぱりそこにもカルツさんの姿は無かった。
「あーここにもいないか…残念だね…?」
そう言いながら、ハルはちらりと俺を見た。うーん、これは明らかに俺が気落ちしないかなと心配してくれてるやつだね。心配そうなその視線に、俺はあえてにっこりと笑顔で答えた。
「残念だけど…絶対にずっとここにいるってわけじゃないから仕方ないよね」
心残りから離れられなくなっていた昔はともかく、今のカルツさんなら結構自由に動けるみたいだからね。ずっとここにいるって決まってるわけじゃない。
それは分かってるよと主張すれば、ハルはそうだねと頷いてくれた。
「後で、もう一度のぞきに来ようか」
「うん、そうしよ」
「それじゃあ、先にブレイズ達の家に行ってみよう」
迷いなく歩き出したハルは、スラテール商会の裏に続く路地から更に奥へと進んで行った。
黒酒を売っているお店のさらに裏側に、ブレイズ達が借りているという家はあった。話しを聞いて想像していたよりも、なんだか可愛らしい作りの家だ。
「アキト…もしかしたらこっちもいないかも…?」
どうやら家の前から中の気配を探っていたらしいハルが少し困り顔で呟いた瞬間、真後ろから声がかかった。
「あー!アキトだ!会いにきてくれたの?」
嬉しそうに笑って駆け寄ってくるブレイズは、やっぱりどこまでもワンコ系だ。
「あ、本当にアキトだ…って、お、ハルもいるじゃねぇか!」
お前に教わった盾の使い方、最近実戦でも練習してるんだぜと叫んだのはウォルターさんだ。
「おおー元気だったかーアキト!新しい魔法覚えたか!?」
やっぱり気になるのはそこなんだと笑ってしまいそうなぐらい、ファリーマさんは相変わらずぶれないな。
変わらない皆から矢継ぎ早にかけられる声に俺とハルが反応するよりも先に、ルセフさんがウォルターさんとファリーマさんの頭をぺしりと叩いた。
「いって!おい、何するんだよ、ルセフ!」
元気いっぱいに言い返すウォルターさんの横では、静かに悶絶しているファリーマさんの姿がある。音は軽そうだったけど、かなり痛かったみたいだ。
「お前ら、声がでかいんだよ…近所迷惑だろうが」
「…ブレイズも叫んでたのに…」
「ブレイズのは友達にあえて嬉しかっただけだろ」
それはひいきだとまたしても大声で騒ごうとしたウォルターさんとファリーマさんに、ルセフさんはぐっと拳を握ってから満面の笑みで答えた。
「次は、拳で、全力で、行くからな?」
低く脅すようなルセフさんの言葉に、二人はぐっと言葉を飲み込んだ。
ルセフさんはさすがリーダーだけあって、強いな。
「次はカルツさんと、ブレイズ達の所にしようか」
ハルはそう言うと迷いなく俺の手を引いて歩き出した。
そういえば幽霊のカルツさんがいるスラテール商会と、ブレイズ達が借りている家は近所だって前に言ってたな。だからカルツさんはブレイズ達を見かけた事があるって話してくれたんだもんな。
ギルド前の大通りには今日もたくさんの人がいたけど、裏路地に入れば人の流れも穏やかだ。ハルは路地に入るなり、俺に向かって笑顔を見せた。
「それにしても、メロウに会えてよかったね」
「うん。忙しそうだったけど、挨拶できて良かった」
「ああ、ああいう書類の対応はギルマスよりもメロウの方が得意だろうからな…」
「そっか…それは大変そうだね…」
すこし心配になったけど、ハルはまだメロウにも笑う余裕があったから大丈夫だと思うよとさらりと続けた。
なんでもハルが見た今までで一番忙しそうだった時のメロウさんは、笑顔なんてかけらも無かったらしい。
えー想像できないけど、もしそんな一切笑顔のない顔でメロウさんに対応されたら、もしかしたら俺は泣くかもしれない。
メロウさんは俺の中では、とにかく穏やかで優しい人だからな。
さっきの報告だって、なんならただ了解しましたと言うだけでも良かったんだよね。それなのに辺境領に行く俺達の事を心配してくれた上に、いってらっしゃいと笑顔で送り出してくれた。
それがすごく嬉しくて、胸がポカポカする気がする。
「アキト、なんだか嬉しそうだね」
「うん。メロウさんが心配してくれて、いってらっしゃいって言ってくれたのが嬉しかったんだ」
「…そうだね。帰ってきたら忘れずにただいまって言いに行こうか」
優しい笑顔でそう提案してくれたハルに、俺は満面の笑みを返す。
「うん、絶対に二人で来ようね!」
抜け道を通った俺達はすぐにスラテール商会の店の前に到着したけど、そこにカルツさんの姿は無かった。
「いない…ね?」
「ああ、でも小道にいるのかもしれないよ」
そういえばこの前会ったのは小道の方だったなと二人で店の横の道を入ってみたけど、やっぱりそこにもカルツさんの姿は無かった。
「あーここにもいないか…残念だね…?」
そう言いながら、ハルはちらりと俺を見た。うーん、これは明らかに俺が気落ちしないかなと心配してくれてるやつだね。心配そうなその視線に、俺はあえてにっこりと笑顔で答えた。
「残念だけど…絶対にずっとここにいるってわけじゃないから仕方ないよね」
心残りから離れられなくなっていた昔はともかく、今のカルツさんなら結構自由に動けるみたいだからね。ずっとここにいるって決まってるわけじゃない。
それは分かってるよと主張すれば、ハルはそうだねと頷いてくれた。
「後で、もう一度のぞきに来ようか」
「うん、そうしよ」
「それじゃあ、先にブレイズ達の家に行ってみよう」
迷いなく歩き出したハルは、スラテール商会の裏に続く路地から更に奥へと進んで行った。
黒酒を売っているお店のさらに裏側に、ブレイズ達が借りているという家はあった。話しを聞いて想像していたよりも、なんだか可愛らしい作りの家だ。
「アキト…もしかしたらこっちもいないかも…?」
どうやら家の前から中の気配を探っていたらしいハルが少し困り顔で呟いた瞬間、真後ろから声がかかった。
「あー!アキトだ!会いにきてくれたの?」
嬉しそうに笑って駆け寄ってくるブレイズは、やっぱりどこまでもワンコ系だ。
「あ、本当にアキトだ…って、お、ハルもいるじゃねぇか!」
お前に教わった盾の使い方、最近実戦でも練習してるんだぜと叫んだのはウォルターさんだ。
「おおー元気だったかーアキト!新しい魔法覚えたか!?」
やっぱり気になるのはそこなんだと笑ってしまいそうなぐらい、ファリーマさんは相変わらずぶれないな。
変わらない皆から矢継ぎ早にかけられる声に俺とハルが反応するよりも先に、ルセフさんがウォルターさんとファリーマさんの頭をぺしりと叩いた。
「いって!おい、何するんだよ、ルセフ!」
元気いっぱいに言い返すウォルターさんの横では、静かに悶絶しているファリーマさんの姿がある。音は軽そうだったけど、かなり痛かったみたいだ。
「お前ら、声がでかいんだよ…近所迷惑だろうが」
「…ブレイズも叫んでたのに…」
「ブレイズのは友達にあえて嬉しかっただけだろ」
それはひいきだとまたしても大声で騒ごうとしたウォルターさんとファリーマさんに、ルセフさんはぐっと拳を握ってから満面の笑みで答えた。
「次は、拳で、全力で、行くからな?」
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ルセフさんはさすがリーダーだけあって、強いな。
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