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759.【ハル視点】アキトのすごさを伝えたい
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提案を否定しなかった俺の反応がよほど予想外だったのか、ルセフは慌てた様子で口を開いた。
「待て待て、ハル、そこはちゃんと止めてくれよ」
アキトが四人に浄化魔法をかけるなんて言い出したら、確実に俺が止めると思っていたんだろうな。もしアキトが普通の魔力量だったら、そうしていただろうな。
「いやぁ、まあ止めても良いんだが…」
「良いんだが…?」
「アキトの浄化魔法のすごさを、お前らにも味わって欲しいって気持ちがあるからついな」
思わず笑いながらそう告げた俺に、アキトは不思議そうに首を傾げた。自分の浄化魔法のすごさを理解してないから、そんな反応にもなるよな。
「そんな理由かよ!アキトが疲れても良いのか!?」
「え、でも、浄化魔法ならそんなに疲れないから、そんなに心配してもらわなくても大丈夫ですよ。それに俺、今日は魔法も使ってないですし…」
あっさりとそう断言したアキトは、俺以外の全員が驚いた顔をしている事にも気づいていなかった。
一番最初に我に返ったのはウォルターだった。
「は!?待ってくれ。浄化魔法ってかなり疲れる魔法なんだよな?」
「え、うん。かなり疲れるよ」
そう、本来なら浄化魔法はそうそう連発できる魔法ではないんだよな。明らかに戸惑っている魔法に詳しいファリーマの反応に、アキトはもう一度ゆるりと首を傾げた。
「疲れないですけど」
あっさりとそう答えるアキトに、俺以外の全員が絶句した。うん、びっくりするよな。少しだけ申し訳ない気持ちになった俺は、説明をしてやるべく口を開いた。
「あー…俺から説明するけどな、アキトは綺麗好きというか…とにかく頻繁に浄化魔法を使ってるから制御がかなり上手いんだよ」
「え、そうなの?」
反射的にそう聞き返したアキトに、ウォルターはお前が聞くのかよと力いっぱい叫んだ。
「ああ、俺が見てきた中で一番浄化魔法が上手いのは、アキトだと思うよ?」
「ハルが見てきた中でって事は…もしかして騎士団も含めてか?」
「そうだな。辺境領とトライプールの騎士団を含めても、間違いなくアキトが一番だ」
そう言いきれば、ルセフとウォルターは揃って興味深そうにアキトを見た。その隣のブレイズはキラキラと尊敬の眼差しを向けているし、ファリーマに至っては今にもとびついてきそうなギラギラした目を向けている。
「アキト、ハル。もう昼食は食べたか?」
不意にルセフが尋ねてきた予想外の質問に、アキトと俺はフルフルと首を振った。
「そうか…それじゃあ俺達四人への浄化魔法をかけてくれたら、昼食は俺が用意するってのはどうだ?」
興味があるから見てみたいが、きちんと対価は払うからという提案か。ニヤリと笑ったルセフの提案に、アキトは元気に手をあげて答えた。
「それでお願いします!」
「おい、飯に釣られて良いのか?」
「ルセフさんの料理、本当に美味しかったですからね!俺の方が得な取引だと思います!」
ニコニコ笑顔でそう言ったアキトに、ルセフは心から嬉しそうな笑みを浮かべた。ルセフの料理ならそれだけの価値があると、断言されたようなものだからな。
これを狙っていってるわけじゃないんだから、アキトはすごいと思う。
「うわーちょっと元気出てきた!!アキト、頼んだぞー!」
どこまでも魔法馬鹿なファリーマは、嬉しそうに笑って立ち上がった。魔法への期待だけで元気になるんだな。
「俺も楽しみ!」
ブレイズはキラキラと目を輝かせてアキトを見つめた。アキトはすごいからねと言いたげなのが、視線だけでも伝わってくるな。
「よっし、じゃあ行きます!」
アキトはすぐに魔力を練り上げると、四人の身体と棚にある装備の方にも浄化魔法をかけた。最近は浄化魔法も同時にいくつか発動できるようになっているんだよな。俺も初めて知った時はかなり驚いたのを覚えている。
「はい、終わりました!」
アキトは笑顔でそう声をかけたが、四人は何も言わずに固まったままだった。
うんうん、アキトの規格外さを知らないと、そうなるよな。
「ハル…何かまずかった?」
「いや、ちょっと四人に時間をやってくれ…もうすぐまた動き出すからな」
苦笑しながら告げた俺の予想通り、数十秒の沈黙の後、四人はびっくり顔でアキトを凝視した。いや三人がびっくり顔の中、ファリーマだけはキラキラと目を輝かせてすごい勢いでアキトに詰め寄っていたな。
「アキト、すごいな!しかもこれ!汚れを落とすとかじゃなくて服も髪も綺麗になってないか!?」
アキトが使ったのは精度こそおかしいがただの浄化魔法なんだが、ファリーマはどうやらすっかり元気になったらしい。
「え、うん、そう想像しながらやってるから」
「うわーそうか、感覚派だから余計に浄化の質が良いのか!」
あまりの勢いに圧倒されているアキトの前で、ファリーマは俺の浄化魔法ももしかしてまだまだ改良の余地があるのではと騒いでいる。
まあなんだ、元気そうで何よりだな。
「待て待て、ハル、そこはちゃんと止めてくれよ」
アキトが四人に浄化魔法をかけるなんて言い出したら、確実に俺が止めると思っていたんだろうな。もしアキトが普通の魔力量だったら、そうしていただろうな。
「いやぁ、まあ止めても良いんだが…」
「良いんだが…?」
「アキトの浄化魔法のすごさを、お前らにも味わって欲しいって気持ちがあるからついな」
思わず笑いながらそう告げた俺に、アキトは不思議そうに首を傾げた。自分の浄化魔法のすごさを理解してないから、そんな反応にもなるよな。
「そんな理由かよ!アキトが疲れても良いのか!?」
「え、でも、浄化魔法ならそんなに疲れないから、そんなに心配してもらわなくても大丈夫ですよ。それに俺、今日は魔法も使ってないですし…」
あっさりとそう断言したアキトは、俺以外の全員が驚いた顔をしている事にも気づいていなかった。
一番最初に我に返ったのはウォルターだった。
「は!?待ってくれ。浄化魔法ってかなり疲れる魔法なんだよな?」
「え、うん。かなり疲れるよ」
そう、本来なら浄化魔法はそうそう連発できる魔法ではないんだよな。明らかに戸惑っている魔法に詳しいファリーマの反応に、アキトはもう一度ゆるりと首を傾げた。
「疲れないですけど」
あっさりとそう答えるアキトに、俺以外の全員が絶句した。うん、びっくりするよな。少しだけ申し訳ない気持ちになった俺は、説明をしてやるべく口を開いた。
「あー…俺から説明するけどな、アキトは綺麗好きというか…とにかく頻繁に浄化魔法を使ってるから制御がかなり上手いんだよ」
「え、そうなの?」
反射的にそう聞き返したアキトに、ウォルターはお前が聞くのかよと力いっぱい叫んだ。
「ああ、俺が見てきた中で一番浄化魔法が上手いのは、アキトだと思うよ?」
「ハルが見てきた中でって事は…もしかして騎士団も含めてか?」
「そうだな。辺境領とトライプールの騎士団を含めても、間違いなくアキトが一番だ」
そう言いきれば、ルセフとウォルターは揃って興味深そうにアキトを見た。その隣のブレイズはキラキラと尊敬の眼差しを向けているし、ファリーマに至っては今にもとびついてきそうなギラギラした目を向けている。
「アキト、ハル。もう昼食は食べたか?」
不意にルセフが尋ねてきた予想外の質問に、アキトと俺はフルフルと首を振った。
「そうか…それじゃあ俺達四人への浄化魔法をかけてくれたら、昼食は俺が用意するってのはどうだ?」
興味があるから見てみたいが、きちんと対価は払うからという提案か。ニヤリと笑ったルセフの提案に、アキトは元気に手をあげて答えた。
「それでお願いします!」
「おい、飯に釣られて良いのか?」
「ルセフさんの料理、本当に美味しかったですからね!俺の方が得な取引だと思います!」
ニコニコ笑顔でそう言ったアキトに、ルセフは心から嬉しそうな笑みを浮かべた。ルセフの料理ならそれだけの価値があると、断言されたようなものだからな。
これを狙っていってるわけじゃないんだから、アキトはすごいと思う。
「うわーちょっと元気出てきた!!アキト、頼んだぞー!」
どこまでも魔法馬鹿なファリーマは、嬉しそうに笑って立ち上がった。魔法への期待だけで元気になるんだな。
「俺も楽しみ!」
ブレイズはキラキラと目を輝かせてアキトを見つめた。アキトはすごいからねと言いたげなのが、視線だけでも伝わってくるな。
「よっし、じゃあ行きます!」
アキトはすぐに魔力を練り上げると、四人の身体と棚にある装備の方にも浄化魔法をかけた。最近は浄化魔法も同時にいくつか発動できるようになっているんだよな。俺も初めて知った時はかなり驚いたのを覚えている。
「はい、終わりました!」
アキトは笑顔でそう声をかけたが、四人は何も言わずに固まったままだった。
うんうん、アキトの規格外さを知らないと、そうなるよな。
「ハル…何かまずかった?」
「いや、ちょっと四人に時間をやってくれ…もうすぐまた動き出すからな」
苦笑しながら告げた俺の予想通り、数十秒の沈黙の後、四人はびっくり顔でアキトを凝視した。いや三人がびっくり顔の中、ファリーマだけはキラキラと目を輝かせてすごい勢いでアキトに詰め寄っていたな。
「アキト、すごいな!しかもこれ!汚れを落とすとかじゃなくて服も髪も綺麗になってないか!?」
アキトが使ったのは精度こそおかしいがただの浄化魔法なんだが、ファリーマはどうやらすっかり元気になったらしい。
「え、うん、そう想像しながらやってるから」
「うわーそうか、感覚派だから余計に浄化の質が良いのか!」
あまりの勢いに圧倒されているアキトの前で、ファリーマは俺の浄化魔法ももしかしてまだまだ改良の余地があるのではと騒いでいる。
まあなんだ、元気そうで何よりだな。
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