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820.【ハル視点】兄弟たちとアキト
楽しげに話し込んでいる兄弟達とアキトにこっそりと近づいていけば、ちょうどキースが兄さんたちに頭を撫でられいるところだった。
俺にとってはいつもの光景だが、アキトは微笑ましそうにそんなやりとりを見守っている。
特に問題はなさそうかな。
そう思いながらさらに近づいていくと、不意にキースが慌てた様子で視線をうろうろと動かした。
ああ、予期せぬタイミングでアキトと目が合ったのか。
どうやら人見知りが発動してしまったらしい。二人の間をきちんと取り持たないとな。
慌てて歩く速度をあげようとしたが、それよりも前にキースが意を決したように視線をあげた。
「あの…えっと、階段、大変じゃなかった…ですか?」
ああ、アキトの心配をしてくれていたのか。うん、キースはやっぱり可愛いな。
そう思いながら見守っていると、アキトはさっとその場にしゃがみこんだ。
近い距離からキースの目をまっすぐ見つめて、笑顔で答える。
「すごく大変だったけどなんとか最後まで頑張りました。キースくん、心配してくれてありがとうございます」
アキトの感謝の言葉に、キースはふわりと嬉しそうに笑みを浮かべた。
照れ笑いを浮かべたキースを、ファーガス兄さんとウィル兄さんも微笑まし気に見つめている。
それにしても兄弟たちとアキトの性格は分かっているからそこまで心配はしていなかったが、想像以上に気が合ったようだ。
「アキト、勝手に両親と話こんじゃってごめんね。退屈してない?」
背後からそう声をかければ、アキトは笑顔で振り返った。慣れない場所なのに、ほったらかしにされたと怒っていないんだろうか。
「ううん、別に気にしなくて良いよ。皆さんと話してたから大丈夫」
むしろ楽しかったよと笑顔でそう教えてくれるアキトの姿に、肩の力が抜けた。
「みんな、アキトを退屈させないようにしてくれてありがとう」
心からの感謝をこめた言葉だったけれど、ファーガス兄さんは不服そうに眉間にしわを寄せながら口を開いた。
「ハル、俺達は別にアキトを退屈させないようにと話をしてたわけじゃないぞ」
本気で怒っているわけじゃなくただのポーズだと俺には分かるが、じろりと睨んでくるファーガス兄さんの視線はかなり鋭い。
この視線を向けられたら、普通の人ならまず間違いなく怯えるだろうなと思うぐらいの迫力だ。
まぁレーブンやローガンの強面にも一切動じないアキトには、全く問題はないようで俺たちのやりとりを興味深そうに観察している。
「そうそう、俺達はただアキト君と話したかっただけだから!」
明るい笑みを浮かべながらウィル兄さんは、そう言いきった。ちらりと視線を向ければ、アキトは嬉しそうに照れ笑いを浮かべている。
「まあ皆がアキト君と話したくなった原因は、俺が皆にアキト君の事いっぱい話したからだけどね」
へへーと笑ったウィリアム兄さんの横から、キースもひょこっと顔を出した。
「僕もアキトさんとお話してみたかったから」
「そうか。でも、ありがとう」
自分たちが話したかっただけというのは、きっと本当なんだろう。
それでも慣れない場所でアキトが一人にならなかった理由が、ここにいるみんななのは事実だから。
そっと手を伸ばして頭を撫でれば、キースは嬉しそうに声をあげて笑い出した。うん、俺の弟はやっぱり可愛いな。そしてそんなキースを微笑ましそうに笑いながら見つめるアキトも、たまらなく可愛い。
「まあ普段なら伴侶候補を放置するなと言いたい所なんだが――今回は仕方ないだろう」
もっと叱られるかと思っていたんだが、ファーガス兄さんはそう言うなり苦笑を浮かべるだけだった。
「もし俺が伴侶候補を連れてきたあの時に同じ事をされていたら、本気で怒って反撃していたし絶対に父に言いつけていたよ」
そうか、ファーガス兄さんの時は出会い頭の腕試しはなかったのか。
それにしてもファーガス兄さんの伴侶はかなり強い戦える人だが、それでも許せないものらしい。まぁアキトも戦える人なのに許せなかったんだから、そんなものか。
「あーそれは確かに。一人の時ならいくらでもって言えるんだけどな。愛しい伴侶に怪我させたら、いくら母さんでも許せない」
ウィル兄も笑顔を消した真剣な表情で同意している。
ウィル兄の場合は伴侶のジルさんが戦えない人だから、余計になんだろうな。
想像しただけでも不快だったのか、ウィル兄の眉間にくっきりと皺がよっていた。
うん、二人とも相変わらず伴侶を大事にしているみたいだ。
俺にとってはいつもの光景だが、アキトは微笑ましそうにそんなやりとりを見守っている。
特に問題はなさそうかな。
そう思いながらさらに近づいていくと、不意にキースが慌てた様子で視線をうろうろと動かした。
ああ、予期せぬタイミングでアキトと目が合ったのか。
どうやら人見知りが発動してしまったらしい。二人の間をきちんと取り持たないとな。
慌てて歩く速度をあげようとしたが、それよりも前にキースが意を決したように視線をあげた。
「あの…えっと、階段、大変じゃなかった…ですか?」
ああ、アキトの心配をしてくれていたのか。うん、キースはやっぱり可愛いな。
そう思いながら見守っていると、アキトはさっとその場にしゃがみこんだ。
近い距離からキースの目をまっすぐ見つめて、笑顔で答える。
「すごく大変だったけどなんとか最後まで頑張りました。キースくん、心配してくれてありがとうございます」
アキトの感謝の言葉に、キースはふわりと嬉しそうに笑みを浮かべた。
照れ笑いを浮かべたキースを、ファーガス兄さんとウィル兄さんも微笑まし気に見つめている。
それにしても兄弟たちとアキトの性格は分かっているからそこまで心配はしていなかったが、想像以上に気が合ったようだ。
「アキト、勝手に両親と話こんじゃってごめんね。退屈してない?」
背後からそう声をかければ、アキトは笑顔で振り返った。慣れない場所なのに、ほったらかしにされたと怒っていないんだろうか。
「ううん、別に気にしなくて良いよ。皆さんと話してたから大丈夫」
むしろ楽しかったよと笑顔でそう教えてくれるアキトの姿に、肩の力が抜けた。
「みんな、アキトを退屈させないようにしてくれてありがとう」
心からの感謝をこめた言葉だったけれど、ファーガス兄さんは不服そうに眉間にしわを寄せながら口を開いた。
「ハル、俺達は別にアキトを退屈させないようにと話をしてたわけじゃないぞ」
本気で怒っているわけじゃなくただのポーズだと俺には分かるが、じろりと睨んでくるファーガス兄さんの視線はかなり鋭い。
この視線を向けられたら、普通の人ならまず間違いなく怯えるだろうなと思うぐらいの迫力だ。
まぁレーブンやローガンの強面にも一切動じないアキトには、全く問題はないようで俺たちのやりとりを興味深そうに観察している。
「そうそう、俺達はただアキト君と話したかっただけだから!」
明るい笑みを浮かべながらウィル兄さんは、そう言いきった。ちらりと視線を向ければ、アキトは嬉しそうに照れ笑いを浮かべている。
「まあ皆がアキト君と話したくなった原因は、俺が皆にアキト君の事いっぱい話したからだけどね」
へへーと笑ったウィリアム兄さんの横から、キースもひょこっと顔を出した。
「僕もアキトさんとお話してみたかったから」
「そうか。でも、ありがとう」
自分たちが話したかっただけというのは、きっと本当なんだろう。
それでも慣れない場所でアキトが一人にならなかった理由が、ここにいるみんななのは事実だから。
そっと手を伸ばして頭を撫でれば、キースは嬉しそうに声をあげて笑い出した。うん、俺の弟はやっぱり可愛いな。そしてそんなキースを微笑ましそうに笑いながら見つめるアキトも、たまらなく可愛い。
「まあ普段なら伴侶候補を放置するなと言いたい所なんだが――今回は仕方ないだろう」
もっと叱られるかと思っていたんだが、ファーガス兄さんはそう言うなり苦笑を浮かべるだけだった。
「もし俺が伴侶候補を連れてきたあの時に同じ事をされていたら、本気で怒って反撃していたし絶対に父に言いつけていたよ」
そうか、ファーガス兄さんの時は出会い頭の腕試しはなかったのか。
それにしてもファーガス兄さんの伴侶はかなり強い戦える人だが、それでも許せないものらしい。まぁアキトも戦える人なのに許せなかったんだから、そんなものか。
「あーそれは確かに。一人の時ならいくらでもって言えるんだけどな。愛しい伴侶に怪我させたら、いくら母さんでも許せない」
ウィル兄も笑顔を消した真剣な表情で同意している。
ウィル兄の場合は伴侶のジルさんが戦えない人だから、余計になんだろうな。
想像しただけでも不快だったのか、ウィル兄の眉間にくっきりと皺がよっていた。
うん、二人とも相変わらず伴侶を大事にしているみたいだ。
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