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926.初めてのダンジョン
周りの人達のたくましさに圧倒されているうちにあっさりと辿り着いたオ・アレシュのダンジョンへの入口は、まるで普通の洞窟のような見た目をしていた。
もし門番のように武器を持って警戒している衛兵さん達が立っていなかったら、もし入口の横に詰所のような小さな建物がなかったら、もしかしたら気づかなかったかもしれない。
そう思ってしまうぐらいには、目立たない入口だった。
「ここがダンジョンの入口…?」
「ああ、そうだよ」
さっと周りを見てみれば、これからダンジョンに入るのか荷物を整えている冒険者の集団や、今まさに洞窟から外へと出てきたらしい冒険者達の姿が目に入った。
衛兵さん達は出てきた人達にダンジョンの中の様子を尋ねたり、入って行く人達に気をつけろよと声をかけたりと忙しそうだ。
「アキト、それじゃあ行こうか」
「うん!行こう!」
今回は初のダンジョンだから、今日の俺の目標はひとつだけ。
ハルに迷惑をかけないように、しっかりと気をつけながら進むこと!
いくら危険が少ないって言われてる場所でも、油断はしちゃいけない。
ちゃんと警戒をし続けないとなと気合を入れ直してダンジョンに足を踏み入れたんだけど、浅い階層は湧いてくる魔物よりもむしろ冒険者の方が多いような状態だった。
湧いた瞬間にささっと近くにいた冒険者によって倒されてしまうから、どんな魔物がいたのかもよく見えない。
「なんか、想像と違う…」
思わずそう訴えれば、ハルは苦笑しながら答えてくれた。
「ここは魔物がそれほど強くないから、むしろダンジョンの外よりも安全かもしれないんだ」
だから駆け出しの冒険者や他の土地から流れてきた冒険者の、腕慣らしの場所として人気があるダンジョンらしい。
「そうなんだ」
そう言われて周りをよくよく観察してみれば、確かにまだ初々しい冒険者が多い気がする。
中には俺でも分かるぐらい明らかに強そうな人も何人かいるんだけど、そういう人は手は一切出さずに静かに周りを見て危険が無いか観察しているみたいだ。
もしかしたらあの人達は、衛兵さんとか騎士さんとかなのかもしれないな。
そんな事を考えながら、俺は周りの様子をぐるりと見回してみた。
「うーん…」
「どうしたの?」
「これってさ、ハルの家族のみんなと来てたら、本当に過剰戦力だったんだね…」
思わずぼそりとそう呟いてしまった俺に、ハルはブハッと思いっきり噴き出した。
だってこんな初心者の腕慣らしの場所に、英雄と騎士団長二人って。しかもハルも一緒にいるんだよ?絶対に過剰戦力だったよ。
グレースさんがいないのに魔法披露は駄目じゃないって理由だったけど、もしかしたら断って良かったのかもしれない。
「10階層まではこういう状態だから、どんどん進もうか」
まだ少し笑っているハルに促されて、俺は発見したばかりの階段へと足を進めた。
最初に階段を発見した時は、ここは本当にダンジョンなんだってワクワクしたよ。ゲームで出てくるダンジョンそのままだー!ってテンションが上がったんだ。
まるで森の中にいるかのような階層でも、ごつごつとした鉱山のような階層でも、階段は普通に石で作られてるのがちょっとだけ不思議だ。
まあダンジョンだからそういうものだと言われたら、それまでなんだけど。
魔物への警戒は一応は続けてるけど、相変わらず冒険者が多いから差し迫った危険は無さそうだ。となるとダンジョンの事、もっと知りたくなってくるよね。
「ね、ハル。ここ以外のダンジョンってどんな場所なの?」
好奇心に負けて尋ねてみれば、ハルはそうだなと考えながら口を開いた。
「ここは20階層までなんだが、もう一つは120階層まであるんだ」
「え、一気に6倍の深さになるの?」
驚いてハルを見返せば、しかも魔物もぐんっと強くなるよと教えてくれた。
「ちなみに、もっと深いダンジョンもあるよ」
悪戯っぽく笑ったハルに、俺はどきどきしながらそこはいったい何階層まであるのと尋ねてみた。
「現時点で212階層までは踏破されているんだが、底はどこまであるかまだ分かっていないんだ」
「212階層!?」
それはもう、俺には想像することもできないぐらいの深さだね。
もし門番のように武器を持って警戒している衛兵さん達が立っていなかったら、もし入口の横に詰所のような小さな建物がなかったら、もしかしたら気づかなかったかもしれない。
そう思ってしまうぐらいには、目立たない入口だった。
「ここがダンジョンの入口…?」
「ああ、そうだよ」
さっと周りを見てみれば、これからダンジョンに入るのか荷物を整えている冒険者の集団や、今まさに洞窟から外へと出てきたらしい冒険者達の姿が目に入った。
衛兵さん達は出てきた人達にダンジョンの中の様子を尋ねたり、入って行く人達に気をつけろよと声をかけたりと忙しそうだ。
「アキト、それじゃあ行こうか」
「うん!行こう!」
今回は初のダンジョンだから、今日の俺の目標はひとつだけ。
ハルに迷惑をかけないように、しっかりと気をつけながら進むこと!
いくら危険が少ないって言われてる場所でも、油断はしちゃいけない。
ちゃんと警戒をし続けないとなと気合を入れ直してダンジョンに足を踏み入れたんだけど、浅い階層は湧いてくる魔物よりもむしろ冒険者の方が多いような状態だった。
湧いた瞬間にささっと近くにいた冒険者によって倒されてしまうから、どんな魔物がいたのかもよく見えない。
「なんか、想像と違う…」
思わずそう訴えれば、ハルは苦笑しながら答えてくれた。
「ここは魔物がそれほど強くないから、むしろダンジョンの外よりも安全かもしれないんだ」
だから駆け出しの冒険者や他の土地から流れてきた冒険者の、腕慣らしの場所として人気があるダンジョンらしい。
「そうなんだ」
そう言われて周りをよくよく観察してみれば、確かにまだ初々しい冒険者が多い気がする。
中には俺でも分かるぐらい明らかに強そうな人も何人かいるんだけど、そういう人は手は一切出さずに静かに周りを見て危険が無いか観察しているみたいだ。
もしかしたらあの人達は、衛兵さんとか騎士さんとかなのかもしれないな。
そんな事を考えながら、俺は周りの様子をぐるりと見回してみた。
「うーん…」
「どうしたの?」
「これってさ、ハルの家族のみんなと来てたら、本当に過剰戦力だったんだね…」
思わずぼそりとそう呟いてしまった俺に、ハルはブハッと思いっきり噴き出した。
だってこんな初心者の腕慣らしの場所に、英雄と騎士団長二人って。しかもハルも一緒にいるんだよ?絶対に過剰戦力だったよ。
グレースさんがいないのに魔法披露は駄目じゃないって理由だったけど、もしかしたら断って良かったのかもしれない。
「10階層まではこういう状態だから、どんどん進もうか」
まだ少し笑っているハルに促されて、俺は発見したばかりの階段へと足を進めた。
最初に階段を発見した時は、ここは本当にダンジョンなんだってワクワクしたよ。ゲームで出てくるダンジョンそのままだー!ってテンションが上がったんだ。
まるで森の中にいるかのような階層でも、ごつごつとした鉱山のような階層でも、階段は普通に石で作られてるのがちょっとだけ不思議だ。
まあダンジョンだからそういうものだと言われたら、それまでなんだけど。
魔物への警戒は一応は続けてるけど、相変わらず冒険者が多いから差し迫った危険は無さそうだ。となるとダンジョンの事、もっと知りたくなってくるよね。
「ね、ハル。ここ以外のダンジョンってどんな場所なの?」
好奇心に負けて尋ねてみれば、ハルはそうだなと考えながら口を開いた。
「ここは20階層までなんだが、もう一つは120階層まであるんだ」
「え、一気に6倍の深さになるの?」
驚いてハルを見返せば、しかも魔物もぐんっと強くなるよと教えてくれた。
「ちなみに、もっと深いダンジョンもあるよ」
悪戯っぽく笑ったハルに、俺はどきどきしながらそこはいったい何階層まであるのと尋ねてみた。
「現時点で212階層までは踏破されているんだが、底はどこまであるかまだ分かっていないんだ」
「212階層!?」
それはもう、俺には想像することもできないぐらいの深さだね。
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