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970.ウィリアムさんの戦い方
あれだけ大勢の騎士の人たちに一斉に狙われて、あんな風に弾き飛ばせるとかミルゴさんって本当にすごい人なんだな。
申し訳ないけど俺の中では解体の上手な、明るいお兄さんってイメージだったからさ。ちょっとだけ意外に感じてしまう。
まあ、あの時は軽装だったけど今日はしっかりした装備を見につけているせいか、見た目からして強そうだって事は分かるんだけどね。
「あの方は…もしかしてダンジョンの攻略をしている冒険者の方ですか?」
ジルさんの質問に、俺はこくりと頷いた。
「あ、そうです。ムレングのダンジョンを攻略しているパーティーの一員らしいです」
「ムレングのダンジョンですか…道理で強いわけですね。あの強さはすごいです」
感心した様子のジルさんがじっと見つめる先、弾かれた騎士さん達がさっと場所を開けた。え、何その動きと思った次の瞬間には、どこから現れたのか剣を構えたウィリアムさんがミルゴさんに切りかかっていた。
「あ、ウィリアムさん!」
「ええ、やはりあそこにいましたね」
ウィリアムさんは、ケイリーさんやファーガスさん、それにハルと比べれば、かなり細めに見える。俺と違って筋肉がちゃんとついてる感じはあるんだけど、ムキムキに見えないんだよね。
そんなウィリアムさんだから、何となくハルのような手数が多くて翻弄するような戦い方なのかなーと思ってたんだけど、これが全然予想と違ってた。
あの腕でどこからそんなに力が出せるんだろうってぐらいの、力に物を言わせたワイルドな戦い方だ。
音は全く聞こえないんだけど、あれぜったいガキンガキンものすごい音がしてるよね。そう思わせるぐらいには、激しく盾と剣がぶつかり合っている。たまに火花が見えるんだよね。
少し離れた所に集まっている隊員だという騎士さん達も、ぐっと拳に力を込めて二人の対決を見守っている。
「ウィリアムさん…強いですね」
「滅多に本気は出さないですが…相手の方が強いからでしょうね」
ミルゴさんに弾かれても弾かれても、気にした様子もなく果敢に攻め込んでいく。一体どれだけ体力があるんだろうと思うぐらいの猛攻だ。
勝敗はほんの些細な事で決まる。
ウィリアムさんの猛攻に押しこまれる形になったミルゴさんが、不意にぐらっと体勢を崩したんだ。あの崩れ方は、足元に石かほんの少しの段差でもあったのかな。
それでも盾がすこし揺らいだぐらいだったんだけど、ウィリアムさんはその一瞬で盾の中へとするりと回り込んでミルゴさんに剣を突きつけた。
ミルゴさんは苦笑しながら盾を下ろし、ウィリアムさんもすぐに剣を下ろした。そのままの姿勢で何かを話しているみたいなんだけど、お互いの健闘を称えあってるのかな。
ハァーと息が漏れる音にちらりと隣を見れば、頬を赤らめたジルさんの姿があった。伴侶のあんな格好良い姿を見たら、そりゃあそういう反応になるよね。
「すごかったですね、ウィリアムさん」
俺の言葉に何度も頷いたジルさんは、あれだけ本気のウィルを見れるのは久しぶりでしたと幸せそうに笑ってくれた。
「あ、すみません。私ばっかり。一緒にハルさんを探しましょうか」
少し慌てた様子でジルさんはそう言ってくれたけど、俺は丁重にその申し出を断った。だって滅多に見れないウィリアムさんの真剣な戦い方だよ?そんなの見たいに決まってるもんね。
今度は訓練場を端から見ていこうかな。そう決めて視線を動かしていると、不意にハルの姿が目に飛び込んできた。
「あっ!」
ようやく発見できたハルの姿に、思わず反射的に声をあげてしまった。
「アキトさん、もしかして見つかりましたか?」
「はい!ハルがいました!」
「それは良かったです!」
ジルさんはまるで自分の事のように、嬉しそうに笑って喜んでくれた。
「それでは、お互いにじっくりと見学させてもらいましょう」
「はい、じっくりですね」
顔を見合わせて笑い合ってから、俺達はそれぞれの愛しい人へと視線を向けた。
訓練場の隅の方にまで移動していたハルは、一人きりでは無かった。
隣に大きな斧を担いだサイクさんが立っているんだ。ミルゴさんがいたからもしかして…とは思ってたけど、やっぱりサイクさんも早朝訓練に来てたんだ。
ミルゴさんと同じく今日はきちんとした装備を見に着けているせいで、サイクさんもすごく強そうに見える。周りにいる騎士の人とか衛兵の人も、驚いた様子で巨大斧を見てたりするぐらいだ。
あ、でもこれはもしかしたらサイクさんが有名だからって可能性もあるか。
ハルはというと、近くにある的めがけて何度も何度も攻撃を繰り返している。一瞬で切り裂かれた的が次の瞬間には修復されてるんだけど、あれってそういう魔道具なのかな。きっとそうなんだろうな。
申し訳ないけど俺の中では解体の上手な、明るいお兄さんってイメージだったからさ。ちょっとだけ意外に感じてしまう。
まあ、あの時は軽装だったけど今日はしっかりした装備を見につけているせいか、見た目からして強そうだって事は分かるんだけどね。
「あの方は…もしかしてダンジョンの攻略をしている冒険者の方ですか?」
ジルさんの質問に、俺はこくりと頷いた。
「あ、そうです。ムレングのダンジョンを攻略しているパーティーの一員らしいです」
「ムレングのダンジョンですか…道理で強いわけですね。あの強さはすごいです」
感心した様子のジルさんがじっと見つめる先、弾かれた騎士さん達がさっと場所を開けた。え、何その動きと思った次の瞬間には、どこから現れたのか剣を構えたウィリアムさんがミルゴさんに切りかかっていた。
「あ、ウィリアムさん!」
「ええ、やはりあそこにいましたね」
ウィリアムさんは、ケイリーさんやファーガスさん、それにハルと比べれば、かなり細めに見える。俺と違って筋肉がちゃんとついてる感じはあるんだけど、ムキムキに見えないんだよね。
そんなウィリアムさんだから、何となくハルのような手数が多くて翻弄するような戦い方なのかなーと思ってたんだけど、これが全然予想と違ってた。
あの腕でどこからそんなに力が出せるんだろうってぐらいの、力に物を言わせたワイルドな戦い方だ。
音は全く聞こえないんだけど、あれぜったいガキンガキンものすごい音がしてるよね。そう思わせるぐらいには、激しく盾と剣がぶつかり合っている。たまに火花が見えるんだよね。
少し離れた所に集まっている隊員だという騎士さん達も、ぐっと拳に力を込めて二人の対決を見守っている。
「ウィリアムさん…強いですね」
「滅多に本気は出さないですが…相手の方が強いからでしょうね」
ミルゴさんに弾かれても弾かれても、気にした様子もなく果敢に攻め込んでいく。一体どれだけ体力があるんだろうと思うぐらいの猛攻だ。
勝敗はほんの些細な事で決まる。
ウィリアムさんの猛攻に押しこまれる形になったミルゴさんが、不意にぐらっと体勢を崩したんだ。あの崩れ方は、足元に石かほんの少しの段差でもあったのかな。
それでも盾がすこし揺らいだぐらいだったんだけど、ウィリアムさんはその一瞬で盾の中へとするりと回り込んでミルゴさんに剣を突きつけた。
ミルゴさんは苦笑しながら盾を下ろし、ウィリアムさんもすぐに剣を下ろした。そのままの姿勢で何かを話しているみたいなんだけど、お互いの健闘を称えあってるのかな。
ハァーと息が漏れる音にちらりと隣を見れば、頬を赤らめたジルさんの姿があった。伴侶のあんな格好良い姿を見たら、そりゃあそういう反応になるよね。
「すごかったですね、ウィリアムさん」
俺の言葉に何度も頷いたジルさんは、あれだけ本気のウィルを見れるのは久しぶりでしたと幸せそうに笑ってくれた。
「あ、すみません。私ばっかり。一緒にハルさんを探しましょうか」
少し慌てた様子でジルさんはそう言ってくれたけど、俺は丁重にその申し出を断った。だって滅多に見れないウィリアムさんの真剣な戦い方だよ?そんなの見たいに決まってるもんね。
今度は訓練場を端から見ていこうかな。そう決めて視線を動かしていると、不意にハルの姿が目に飛び込んできた。
「あっ!」
ようやく発見できたハルの姿に、思わず反射的に声をあげてしまった。
「アキトさん、もしかして見つかりましたか?」
「はい!ハルがいました!」
「それは良かったです!」
ジルさんはまるで自分の事のように、嬉しそうに笑って喜んでくれた。
「それでは、お互いにじっくりと見学させてもらいましょう」
「はい、じっくりですね」
顔を見合わせて笑い合ってから、俺達はそれぞれの愛しい人へと視線を向けた。
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隣に大きな斧を担いだサイクさんが立っているんだ。ミルゴさんがいたからもしかして…とは思ってたけど、やっぱりサイクさんも早朝訓練に来てたんだ。
ミルゴさんと同じく今日はきちんとした装備を見に着けているせいで、サイクさんもすごく強そうに見える。周りにいる騎士の人とか衛兵の人も、驚いた様子で巨大斧を見てたりするぐらいだ。
あ、でもこれはもしかしたらサイクさんが有名だからって可能性もあるか。
ハルはというと、近くにある的めがけて何度も何度も攻撃を繰り返している。一瞬で切り裂かれた的が次の瞬間には修復されてるんだけど、あれってそういう魔道具なのかな。きっとそうなんだろうな。
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