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984.廊下を歩きながら
この後はハルの家族のみんなと一緒に朝食を食べる予定なんだけど、俺とハル、それにジルさんとウィリアムさんは、それぞれが一度自分たちの部屋へと戻る事に決まった。
浄化魔法があるから汗も砂ぼこりも一瞬で綺麗になるんだけど、やっぱり服は着替えたいってハルとウィリアムさんが言うんだ。
なんでも二人が着ていたウェルマール騎士団の訓練服って、普段は本当に訓練の時しか着ないものなんだって。ハルにすっごく似合ってて格好良かった、あの黒い訓練服ね。
「え、そうなんだ?」
「確かにあれは、訓練の時しか着ませんね」
ジルさんも所属しているのは騎士団だから同じ服を持っているらしく、気持ちは分かりますと納得顔で頷いている。
「これはあくまで感覚の話しになっちゃうんだけど…あの服だと、落ち着いて食事は取れないような気がするんだよねー」
ウィリアムさんが困り顔でそう告げれば、ハルもうんうんと頷いた。
「ああ、俺も同じ意見だよ。気分が切り替えられないって感じがするんだ…この後も訓練があるような気になるというか…」
「うんうん、まさにそれだね!」
ついさっきまで訓練を頑張っていた二人がそう言うなら、俺とジルさんに文句なんてあるわけが無い。
まだ朝食の時間まではすこし時間もあるし、それぞれ部屋に戻って着替えてからまた食堂で集合しようって話しになったんだ。
「それじゃあ、ハル、アキトくん、また後でねー」
「後ほど、食堂でお会いしましょう」
ニコニコ嬉しそうなウィリアムさんと優しく微笑んだジルさんの声かけに、俺とハルも笑顔ですぐに頷いた。
「ああ、また後で」
「はい!ジルさん、お誘いありがとうございました!」
仲良く並んで歩くジルさんとウィリアムさんを見送ってから、俺達も二人並んで歩き出す。見学場所に向かうまでに通ったのは裏の廊下だったけど、今進んでいるのは表の廊下の方だ。
いつもと違う廊下でここまで来てるから、今いる場所がよく分からないんだよね。さてここはいったいどこの廊下だろう?
目印になるものでも無いかなと無意識のうちに視線をうろうろと彷徨わせていたんだけど、不意にハルが尋ねてきた。
「アキト、答えたくなかったら答えなくて良いんだけどね…?」
「え、うん、何?」
そんな前振りをされると、どんな質問が来るんだろうって思わず身構えちゃうよね。
歩きながらそっとハルに目線を向ければ、そこには悪戯っぽい笑みが浮かんでいた。
「…もしかして、見学する場所に向かう時に裏の廊下も…通った?」
「あ、うん!通った!よくわかったね!」
俺そんなに分かりやすかった?と首を傾げれば、ハルは楽し気に笑って答えた。
「最近はこの城にも詳しくなってきたアキトが、ここはどこだろうって感じで視線を彷徨わせてたからね」
「えー、そんな事で分かっちゃったんだ」
「裏の廊下はもう少し慣れたら教えようかと思ってたんだけど…かなり複雑だったでしょ?」
「うん、ボルトさんすごいなーって思いながら案内してもらってた」
もし教えてもらっても、あの廊下はとても覚えれる気がしないとは言わなかった。だって幼い頃のハルも覚えたんだもんね。俺もできるだけ頑張りたい。
「ボルトはあの廊下にもかなり詳しいからね」
「え、でもハルも詳しいんでしょ?ファーガスさんとウィリアムさんに体格で負けてたまだちっちゃい頃に、裏の廊下を覚えて対抗してたって話し、聞いたよ?」
そう声をかければ、ハルは少しだけ照れくさそうな表情を浮かべた。
「あー…その話ね」
「あんなに複雑そうな廊下なのにちっちゃい頃に覚えたとか、ハルってやっぱりすごいね」
「うん、えっと…ありがとう」
そんなにまっすぐに褒められると照れると、ハルは恥ずかしそうに視線を反らしながらぽつりとそう続けた。
えー、何その反応、可愛いな。抱き着きたい気持ちをぐぐっと堪えて、俺は口を開いた。
「えっと、もしハルさえ良ければ、裏の廊下の事もっと教えてくれると嬉しい」
さっきもう少し慣れたら教えようと思ってたって言ってたから、聞いても大丈夫なんだよね?確認も込めて尋ねてみれば、ハルはすぐにああと頷いてくれた。
「そうだね。もしもの時のためにも覚えておいて損は無いから、まずはいくつか使いやすそうなのを絞り込んで教えるよ」
「うん、お願い!」
あの裏の廊下の複雑な構造も、ハルが教えてくれるなら気合で覚えられそうな気がするよ。
浄化魔法があるから汗も砂ぼこりも一瞬で綺麗になるんだけど、やっぱり服は着替えたいってハルとウィリアムさんが言うんだ。
なんでも二人が着ていたウェルマール騎士団の訓練服って、普段は本当に訓練の時しか着ないものなんだって。ハルにすっごく似合ってて格好良かった、あの黒い訓練服ね。
「え、そうなんだ?」
「確かにあれは、訓練の時しか着ませんね」
ジルさんも所属しているのは騎士団だから同じ服を持っているらしく、気持ちは分かりますと納得顔で頷いている。
「これはあくまで感覚の話しになっちゃうんだけど…あの服だと、落ち着いて食事は取れないような気がするんだよねー」
ウィリアムさんが困り顔でそう告げれば、ハルもうんうんと頷いた。
「ああ、俺も同じ意見だよ。気分が切り替えられないって感じがするんだ…この後も訓練があるような気になるというか…」
「うんうん、まさにそれだね!」
ついさっきまで訓練を頑張っていた二人がそう言うなら、俺とジルさんに文句なんてあるわけが無い。
まだ朝食の時間まではすこし時間もあるし、それぞれ部屋に戻って着替えてからまた食堂で集合しようって話しになったんだ。
「それじゃあ、ハル、アキトくん、また後でねー」
「後ほど、食堂でお会いしましょう」
ニコニコ嬉しそうなウィリアムさんと優しく微笑んだジルさんの声かけに、俺とハルも笑顔ですぐに頷いた。
「ああ、また後で」
「はい!ジルさん、お誘いありがとうございました!」
仲良く並んで歩くジルさんとウィリアムさんを見送ってから、俺達も二人並んで歩き出す。見学場所に向かうまでに通ったのは裏の廊下だったけど、今進んでいるのは表の廊下の方だ。
いつもと違う廊下でここまで来てるから、今いる場所がよく分からないんだよね。さてここはいったいどこの廊下だろう?
目印になるものでも無いかなと無意識のうちに視線をうろうろと彷徨わせていたんだけど、不意にハルが尋ねてきた。
「アキト、答えたくなかったら答えなくて良いんだけどね…?」
「え、うん、何?」
そんな前振りをされると、どんな質問が来るんだろうって思わず身構えちゃうよね。
歩きながらそっとハルに目線を向ければ、そこには悪戯っぽい笑みが浮かんでいた。
「…もしかして、見学する場所に向かう時に裏の廊下も…通った?」
「あ、うん!通った!よくわかったね!」
俺そんなに分かりやすかった?と首を傾げれば、ハルは楽し気に笑って答えた。
「最近はこの城にも詳しくなってきたアキトが、ここはどこだろうって感じで視線を彷徨わせてたからね」
「えー、そんな事で分かっちゃったんだ」
「裏の廊下はもう少し慣れたら教えようかと思ってたんだけど…かなり複雑だったでしょ?」
「うん、ボルトさんすごいなーって思いながら案内してもらってた」
もし教えてもらっても、あの廊下はとても覚えれる気がしないとは言わなかった。だって幼い頃のハルも覚えたんだもんね。俺もできるだけ頑張りたい。
「ボルトはあの廊下にもかなり詳しいからね」
「え、でもハルも詳しいんでしょ?ファーガスさんとウィリアムさんに体格で負けてたまだちっちゃい頃に、裏の廊下を覚えて対抗してたって話し、聞いたよ?」
そう声をかければ、ハルは少しだけ照れくさそうな表情を浮かべた。
「あー…その話ね」
「あんなに複雑そうな廊下なのにちっちゃい頃に覚えたとか、ハルってやっぱりすごいね」
「うん、えっと…ありがとう」
そんなにまっすぐに褒められると照れると、ハルは恥ずかしそうに視線を反らしながらぽつりとそう続けた。
えー、何その反応、可愛いな。抱き着きたい気持ちをぐぐっと堪えて、俺は口を開いた。
「えっと、もしハルさえ良ければ、裏の廊下の事もっと教えてくれると嬉しい」
さっきもう少し慣れたら教えようと思ってたって言ってたから、聞いても大丈夫なんだよね?確認も込めて尋ねてみれば、ハルはすぐにああと頷いてくれた。
「そうだね。もしもの時のためにも覚えておいて損は無いから、まずはいくつか使いやすそうなのを絞り込んで教えるよ」
「うん、お願い!」
あの裏の廊下の複雑な構造も、ハルが教えてくれるなら気合で覚えられそうな気がするよ。
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