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1070.保護
王家が、シュリくんを保護してる…?
「えっと…ケイリーさん、それってどういう事…ですか?」
「父さま…それってどういう事?」
キースくんと俺が揃って首を傾げながら尋ねれば、ケイリーさんはふふと楽し気に笑った。
「本来ならね、これは領主を務めている者とその妻しか知る事が出来ない、そんな話しなんだが…」
そう話しを切り出したケイリーさんの声を、慌てた様子のハルが遮った。
「ちょっと待ってくれ、父さん!」
言われた通りに素直にそこで言葉を止めたケイリーさんは、ん?と言いたげにハルをじっと見つめている。
「もしその話しを聞いたせいで、二人に少しでも不利な事があるかもしれなら、気にはなるけどここで聞くのを止めるよ?」
「いやいや、さすがに何か問題があるなら私も話そうとはしないよ。そこはきちんと線引きするから、少しは信じてくれ」
苦笑を浮かべたケイリーさんは、ただしこの制限には一部の例外があるんだよと続けた。
「人の言葉を話せるウマの方から声をかけられた人には、何を話しても良いっていう決まりがあるんだ」
俺とキースくん、そしてハルは、シュリくんと普通に話をしている。だから、ここで詳しい事を知っても何の問題も無いらしい。
「ああ、なるほど。そういう事か…話しを遮ってすまなかった」
「いや、大事な人を守るためには、そういう確認も必要だからな」
むしろ俺達相手なら確認はどんどんすれば良いと、ケイリーさんは優しい笑顔でそう返している。息子に疑われたって怒るんじゃないあたりに、ケイリーさんの懐の深さを感じるな。
「えーとな、まず前提としてシュリのように人の言葉を喋れるウマは、かなり珍しい存在だ。だがこの世界に一頭しかいないとか、そういうレベルの希少性という訳じゃない。今は…たしかシュリを入れて六頭…だったかな?」
「うん、ろくとうだよー」
シュリくんみたいに喋れる馬さんが、六頭もいるんだ。それはちょっとびっくりな光景だろうな。でもできる事なら、会ってみたいとも思うんだけど。
他の馬さんたちも、俺と会話してくれたりするんだろうか。
「もちろん野生のウマの中にも喋れるウマはいるだろうし、喋る事を隠してどこかで誰かの相棒になっているウマもいたりすると思うんだが…とりあえず王家がいま保護してるのは、六頭だけなんだ」
ちなみにケイリーさんの説明によると、人の言葉を喋れる馬はみんな珍しい魔法が使えたり、普通の馬と比べても力がすごく強かったりするんだって。
そっか。シュリくんのあの気配を消す魔法とかも、もしかしたらそういう魔法だったのかもしれないな。そう考えていたのは、どうやら俺だけじゃなかったみたいだ。
「シュリくんの魔法も、すごかったもんねー!」
「へへ、ありがとう」
ニコニコ笑顔で褒めるキースくんに、シュリくんは照れくさそうにしながらも嬉しそうだ。
「普通の馬よりも強い…とは。それほど強いなら保護は必要無い…のでは?」
納得がいかなかったのか不思議そうにハルがそう尋ねれば、ケイリーさんはあっさりとまあそうだなと頷いた。
「シュリくんのような人の言葉を喋れる馬は、精霊に近い存在なんじゃないかと言われているんだよ」
ハルが言った通り、強い存在だから別に保護は必要無いらしいんだけど、それでも大事にしたいからと王家が交渉して納得したウマだけを保護しているらしい。
ちなみに保護なんて必要ないと、交渉が決裂するウマもやっぱりいるらしいよ。その場合はそのウマの好きなように生きてもらうんだって。ウマの意思が第一に優先されるのは、良い事なのかもしれないな。
「えっと…じゃあ母さまは、何をしてるの?」
そうだよね。さっきグレースさんがいなかった理由が分かったって言ったって事は、シュリくんの事に関わってるって事だよね。
「グレースは、不思議とウマに好かれる体質だからな。友人である王妃様に頼まれて、昔から定期的に保護施設まで足を運んでいるんだ」
なかでもシュリくんはかなり珍しい、人の言葉を話せるウマ同士のこどもらしい。
身を守る術の無い幼いシュリくんが人の言葉を話し始めた時、両親は一気に人を警戒するようになったんだって。
「そんな中でも、王妃様とグレース、そしてたった一人の世話役の人だけが近づけたんだ」
「へー母さま、すごいね!」
「ああ、グレースはすごいんだよ!」
そんなに大事にしてたシュリくんが攫われてしまったら、ご両親はどれだけ心配しているだろう。
「だからおそらく…シュリが攫われてしまったせいで暴れるご両親ウマを宥めるために、グレースは呼び出されているんだと思うんだ」
「あー…」
「父さん、はやくシュリの両親に伝えた方が良いのでは?」
「ああ、この後、すぐに領主城に戻って魔道具で連絡するよ」
ケイリーさんはシュリも無事だったし、きっとグレースもすぐに帰ってくるなと嬉しそうな笑みを浮かべた。
「えっと…ケイリーさん、それってどういう事…ですか?」
「父さま…それってどういう事?」
キースくんと俺が揃って首を傾げながら尋ねれば、ケイリーさんはふふと楽し気に笑った。
「本来ならね、これは領主を務めている者とその妻しか知る事が出来ない、そんな話しなんだが…」
そう話しを切り出したケイリーさんの声を、慌てた様子のハルが遮った。
「ちょっと待ってくれ、父さん!」
言われた通りに素直にそこで言葉を止めたケイリーさんは、ん?と言いたげにハルをじっと見つめている。
「もしその話しを聞いたせいで、二人に少しでも不利な事があるかもしれなら、気にはなるけどここで聞くのを止めるよ?」
「いやいや、さすがに何か問題があるなら私も話そうとはしないよ。そこはきちんと線引きするから、少しは信じてくれ」
苦笑を浮かべたケイリーさんは、ただしこの制限には一部の例外があるんだよと続けた。
「人の言葉を話せるウマの方から声をかけられた人には、何を話しても良いっていう決まりがあるんだ」
俺とキースくん、そしてハルは、シュリくんと普通に話をしている。だから、ここで詳しい事を知っても何の問題も無いらしい。
「ああ、なるほど。そういう事か…話しを遮ってすまなかった」
「いや、大事な人を守るためには、そういう確認も必要だからな」
むしろ俺達相手なら確認はどんどんすれば良いと、ケイリーさんは優しい笑顔でそう返している。息子に疑われたって怒るんじゃないあたりに、ケイリーさんの懐の深さを感じるな。
「えーとな、まず前提としてシュリのように人の言葉を喋れるウマは、かなり珍しい存在だ。だがこの世界に一頭しかいないとか、そういうレベルの希少性という訳じゃない。今は…たしかシュリを入れて六頭…だったかな?」
「うん、ろくとうだよー」
シュリくんみたいに喋れる馬さんが、六頭もいるんだ。それはちょっとびっくりな光景だろうな。でもできる事なら、会ってみたいとも思うんだけど。
他の馬さんたちも、俺と会話してくれたりするんだろうか。
「もちろん野生のウマの中にも喋れるウマはいるだろうし、喋る事を隠してどこかで誰かの相棒になっているウマもいたりすると思うんだが…とりあえず王家がいま保護してるのは、六頭だけなんだ」
ちなみにケイリーさんの説明によると、人の言葉を喋れる馬はみんな珍しい魔法が使えたり、普通の馬と比べても力がすごく強かったりするんだって。
そっか。シュリくんのあの気配を消す魔法とかも、もしかしたらそういう魔法だったのかもしれないな。そう考えていたのは、どうやら俺だけじゃなかったみたいだ。
「シュリくんの魔法も、すごかったもんねー!」
「へへ、ありがとう」
ニコニコ笑顔で褒めるキースくんに、シュリくんは照れくさそうにしながらも嬉しそうだ。
「普通の馬よりも強い…とは。それほど強いなら保護は必要無い…のでは?」
納得がいかなかったのか不思議そうにハルがそう尋ねれば、ケイリーさんはあっさりとまあそうだなと頷いた。
「シュリくんのような人の言葉を喋れる馬は、精霊に近い存在なんじゃないかと言われているんだよ」
ハルが言った通り、強い存在だから別に保護は必要無いらしいんだけど、それでも大事にしたいからと王家が交渉して納得したウマだけを保護しているらしい。
ちなみに保護なんて必要ないと、交渉が決裂するウマもやっぱりいるらしいよ。その場合はそのウマの好きなように生きてもらうんだって。ウマの意思が第一に優先されるのは、良い事なのかもしれないな。
「えっと…じゃあ母さまは、何をしてるの?」
そうだよね。さっきグレースさんがいなかった理由が分かったって言ったって事は、シュリくんの事に関わってるって事だよね。
「グレースは、不思議とウマに好かれる体質だからな。友人である王妃様に頼まれて、昔から定期的に保護施設まで足を運んでいるんだ」
なかでもシュリくんはかなり珍しい、人の言葉を話せるウマ同士のこどもらしい。
身を守る術の無い幼いシュリくんが人の言葉を話し始めた時、両親は一気に人を警戒するようになったんだって。
「そんな中でも、王妃様とグレース、そしてたった一人の世話役の人だけが近づけたんだ」
「へー母さま、すごいね!」
「ああ、グレースはすごいんだよ!」
そんなに大事にしてたシュリくんが攫われてしまったら、ご両親はどれだけ心配しているだろう。
「だからおそらく…シュリが攫われてしまったせいで暴れるご両親ウマを宥めるために、グレースは呼び出されているんだと思うんだ」
「あー…」
「父さん、はやくシュリの両親に伝えた方が良いのでは?」
「ああ、この後、すぐに領主城に戻って魔道具で連絡するよ」
ケイリーさんはシュリも無事だったし、きっとグレースもすぐに帰ってくるなと嬉しそうな笑みを浮かべた。
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