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1125.ウィリアムさんの秘密?
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どれも美味しそうだねとキースくんと二人ではしゃぎながら食べたい料理を取り分けていけば、お皿の上はすこしずつ色んな料理が乗った見ているだけでも楽しい状態になった。
ラスさんが作ってくれたものだから、どの料理もしっかり彩りを考えて作られているんだよね。どこをとっても美味しそうになるってすごい事だと思う。それに俺は野菜の料理も大好きだから、結構良い感じに盛り付けられたんじゃないかなと自画自賛してみた。
串に刺さったおかず系もあるのが、やっぱりお弁当感があって何だか嬉しいな。
遠くから聞こえてきた鳥の鳴き声に耳を澄ましていると、向かい側に座ったキースくんが声をかけてくれた。
「アキトくん」
「ん?なぁに?」
「アキトくんの盛り付け上手だね!」
「ありがとう。キースくんのも美味しそうだね」
これは別に褒められたからお世辞で返したとかってわけじゃなくて、心からそう思って口にした言葉だよ。
だってキースくんは、野菜料理と魚料理、肉料理をすごくバランスよく盛り付けてるんだ。お世辞とか抜きに、本当に美味しそうなんだよ。そういう才能があるんじゃないかなと思うぐらいだ。
俺がキースくんぐらいの歳の頃にバイキングなんて連れていってもらったら、好きな物しか取らなかったよなーとか思わず考えちゃったよ。小さい頃は野菜の料理もそこまで好きじゃなかったしなー。
そんな事を懐かしく思い出していると、褒められたキースくんは嬉しそうにへへーと満面の笑みを見せてくれた。うん、今日もキースくんの笑顔は可愛いね。
ちなみにジルさんとハルはというと、騒がしい俺達のやりとりを笑顔で見守りつつ落ち着いた大人な感じで料理を取り分けてたよ。俺もそういう格好良さも身につけたいんだけどな。
二人とも野菜料理ももちろん取ってるんだけど、ハルはやっぱり肉料理が多め、逆にジルさんは魚料理が多めみたいだ。ジルさんって魚料理が好きなのかな。
それぞれが目当ての料理を口に運んでは感想を言い合う。これが美味しかった、あれが美味しいと大騒ぎだ。
俺もそうなんだけど、ハルの家族はみんな美味しいものほど他の人と分かち合おうとしてくれるんだよね。
ジルさんにお勧めされた魚料理をいそいそと自分のお皿に足して、キースくんが美味しいと笑顔を見せたヌキプルのスープもしっかりと堪能した。
ちなみにハルはお勧めの肉料理を、普通にあーんと目の前に差し出してくれたんだ。キースくんとジルさんがいるのにうっかりぱくっと食べてしまったのはちょっと恥ずかしかったな。
まあジルさんもキースくんも、慣れた様子で笑っただけでスルーしてくれたんだけどね。これもきっと、伴侶や伴侶候補を大事にするウェルマール一家では普通の事なんだろうな。
「あ、このサラダ…すごく美味しい」
思わずそう呟いた俺に、みんなの視線がそっと皿の上に集まってきた。
ぱっと見た感じだと、このサラダは葉物の野菜をベースに数種類の細切り野菜を入れた至って普通のサラダにしか見えない。でもサラダの上には、小さなダイス状の物がたくさん乗ってたんだよね。
あまりにも普通の見た目だから、逆にラスさんのこだわりが詰まってる料理なのかなーと思って取ってみたんだ。
取って正解だった。
上に乗っていたのはどうやら何種類かの木の実を細かく刻んだものだったみたいで、野菜のシャキシャキ感にカリカリの木の実の食感がアクセントになってる。
かかってるドレッシングが濃厚な風味のものなのも、このサラダにはすごく合ってる。ごまの風味じゃないんだけど、俺の頭の中に浮かんだのはごまドレッシングだったよ。
「これ?」
「うん、それ」
「じゃあ僕も食べてみよー」
最初に動いたのはキースくんだ。さっと手を伸ばして俺が教えたサラダをお皿に増やしてくれている。
「では、私もそのサラダに挑戦します」
「俺も、もらおうかな」
ジルさんもハルもそう言ってから、俺がお勧めしたサラダにすぐに手を伸ばしてくれた。まさかの誰も取ってなかったんだ。
「っ!これ美味しいね!この木の実は…えっと、アウユだけ分かった!」
「ああ、これは確かに美味しいですね。…ウィルもこれならサラダを食べてくれそうですね」
え、と思わずじっと見つめれば、ジルさんは苦笑しながら答えた。
「ウィルは火が通してあれば問題なく食べれるんですが、生野菜が得意じゃないんですよ」
「そうなんですか?あれ…でも前にみんなで食事した時は…食べてなかったですか?」
人が何を食べてるかなんてじっくり見てないけど、食べてたような気がするんだよね。そう思って尋ねれば、ジルさんは楽し気にクスクスと笑い声をあげた。
「ああ、あれは必死で格好つけてただけですよ」
「…ジルさん、言って良かったのか?」
「ええ、あれはただの我儘ですから」
体質的に食べられないならともかく、ただ生野菜は苦手というだけですしとジルさんはさらりと続けた。そっか、アレルギーとかってわけじゃないんだな。
ラスさんが作ってくれたものだから、どの料理もしっかり彩りを考えて作られているんだよね。どこをとっても美味しそうになるってすごい事だと思う。それに俺は野菜の料理も大好きだから、結構良い感じに盛り付けられたんじゃないかなと自画自賛してみた。
串に刺さったおかず系もあるのが、やっぱりお弁当感があって何だか嬉しいな。
遠くから聞こえてきた鳥の鳴き声に耳を澄ましていると、向かい側に座ったキースくんが声をかけてくれた。
「アキトくん」
「ん?なぁに?」
「アキトくんの盛り付け上手だね!」
「ありがとう。キースくんのも美味しそうだね」
これは別に褒められたからお世辞で返したとかってわけじゃなくて、心からそう思って口にした言葉だよ。
だってキースくんは、野菜料理と魚料理、肉料理をすごくバランスよく盛り付けてるんだ。お世辞とか抜きに、本当に美味しそうなんだよ。そういう才能があるんじゃないかなと思うぐらいだ。
俺がキースくんぐらいの歳の頃にバイキングなんて連れていってもらったら、好きな物しか取らなかったよなーとか思わず考えちゃったよ。小さい頃は野菜の料理もそこまで好きじゃなかったしなー。
そんな事を懐かしく思い出していると、褒められたキースくんは嬉しそうにへへーと満面の笑みを見せてくれた。うん、今日もキースくんの笑顔は可愛いね。
ちなみにジルさんとハルはというと、騒がしい俺達のやりとりを笑顔で見守りつつ落ち着いた大人な感じで料理を取り分けてたよ。俺もそういう格好良さも身につけたいんだけどな。
二人とも野菜料理ももちろん取ってるんだけど、ハルはやっぱり肉料理が多め、逆にジルさんは魚料理が多めみたいだ。ジルさんって魚料理が好きなのかな。
それぞれが目当ての料理を口に運んでは感想を言い合う。これが美味しかった、あれが美味しいと大騒ぎだ。
俺もそうなんだけど、ハルの家族はみんな美味しいものほど他の人と分かち合おうとしてくれるんだよね。
ジルさんにお勧めされた魚料理をいそいそと自分のお皿に足して、キースくんが美味しいと笑顔を見せたヌキプルのスープもしっかりと堪能した。
ちなみにハルはお勧めの肉料理を、普通にあーんと目の前に差し出してくれたんだ。キースくんとジルさんがいるのにうっかりぱくっと食べてしまったのはちょっと恥ずかしかったな。
まあジルさんもキースくんも、慣れた様子で笑っただけでスルーしてくれたんだけどね。これもきっと、伴侶や伴侶候補を大事にするウェルマール一家では普通の事なんだろうな。
「あ、このサラダ…すごく美味しい」
思わずそう呟いた俺に、みんなの視線がそっと皿の上に集まってきた。
ぱっと見た感じだと、このサラダは葉物の野菜をベースに数種類の細切り野菜を入れた至って普通のサラダにしか見えない。でもサラダの上には、小さなダイス状の物がたくさん乗ってたんだよね。
あまりにも普通の見た目だから、逆にラスさんのこだわりが詰まってる料理なのかなーと思って取ってみたんだ。
取って正解だった。
上に乗っていたのはどうやら何種類かの木の実を細かく刻んだものだったみたいで、野菜のシャキシャキ感にカリカリの木の実の食感がアクセントになってる。
かかってるドレッシングが濃厚な風味のものなのも、このサラダにはすごく合ってる。ごまの風味じゃないんだけど、俺の頭の中に浮かんだのはごまドレッシングだったよ。
「これ?」
「うん、それ」
「じゃあ僕も食べてみよー」
最初に動いたのはキースくんだ。さっと手を伸ばして俺が教えたサラダをお皿に増やしてくれている。
「では、私もそのサラダに挑戦します」
「俺も、もらおうかな」
ジルさんもハルもそう言ってから、俺がお勧めしたサラダにすぐに手を伸ばしてくれた。まさかの誰も取ってなかったんだ。
「っ!これ美味しいね!この木の実は…えっと、アウユだけ分かった!」
「ああ、これは確かに美味しいですね。…ウィルもこれならサラダを食べてくれそうですね」
え、と思わずじっと見つめれば、ジルさんは苦笑しながら答えた。
「ウィルは火が通してあれば問題なく食べれるんですが、生野菜が得意じゃないんですよ」
「そうなんですか?あれ…でも前にみんなで食事した時は…食べてなかったですか?」
人が何を食べてるかなんてじっくり見てないけど、食べてたような気がするんだよね。そう思って尋ねれば、ジルさんは楽し気にクスクスと笑い声をあげた。
「ああ、あれは必死で格好つけてただけですよ」
「…ジルさん、言って良かったのか?」
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