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1128.厩舎への道
魔道具のベルで呼んだメイドさんたちにその場の後片付けをお願いして、俺たちは早速馬たちのいる所を目指して歩きだした。
ちなみに右手はハルの手に、左手はキースくんの手に繋がれてるから、三人で手を繋いで歩くという何とも微笑ましい状況だ。
俺としては、やっぱり真ん中はキースくんが良いじゃないのかなーと思ったんだけどね。でもキースくんから『アキトくんが真ん中が良い』って恥ずかしそうに言われたら、嫌だとは言えないでしょう?
「次はそこの道を左に行くよ」
「そっち?」
「ああ、そっちだ」
今回も厩舎までの案内役を買って出てくれたのはハルだ。
なんでも庭を抜けて行く厩舎までの近道があるらしいんだけど、さっきから俺にはどの道も違いがよく分からない。どこを見ても植物ばっかりだし、これといった目印が無いんだよね。
ハルはすこしの迷いもなく、道を教えてくれるんだけどね。
「うーん…俺にはさっきから全部同じ道に見える」
俺が綺麗な花に気を取られてるからって可能性も、ちょっとだけあるかな。
「まあ似て見えるよね」
「うん、ハルはよく覚えられるよね」
「そうかな?」
「うん、ハル兄はすごいよ。僕もここの庭の道はよく分からないから」
俺の横からひょこっと身を乗り出して笑顔で褒めてくれたキースくんに、ハルは優しく笑って褒めてくれてありがとうと答えた。
「あのね、アキトくん。ここは季節によって植物を植え替えたりするから余計に分かり難いんだよ」
キースくんは、どこか誇らし気な笑顔でそう教えてくれた。えーそうなんだ。それは難易度がよりいっそう上がるって事だよね。
「ねぇ、ハルはどこを見てここの道を覚えてるの?」
「とりあえずは方角と歩数、後は床に敷き詰めてあるレンガかな」
「レンガ…?」
そう言われて見てみれば、たしかにここの床のレンガには白い線で模様が入っている。思わずさっき来た道のレンガをさっと見てみたけど、曲がる前の場所の床には黒い模様が小さく入っていた。
「ああ、そういう事か!」
「たまにはレンガも交換されたりするから、そればかりに頼るのは難しいけどね」
あくまで目安程度だよと笑うハルに、俺とキースくんはあれこれと質問しながらゆっくりと近道を進んでいった。
ハルの案内で辿り着いた先には、想像していたものよりも数倍は立派な建物があった。
「到着したね。ここがウマたちのいる厩舎だよ」
「僕、ここ好きなんだ」
格好良いからと呟いたキースくんの声に、俺も笑って頷いた。
「うん、格好良い場所だね」
どうやらここの建物にも、辺境領の特産である黒いヴァコクの木が使われているみたいなんだよね。そのおかげで落ち着いた雰囲気のある、客観的に見てもすごく格好良い建物だと思う。
ちなみに周りには木の実や果物がなっている木が多い気がするんだけど、もしかしたらあれは馬が好きなものとかだったりするのかな。
そんな事を考えながら、まじまじと周りの様子を眺めてみる。
トライプールの馬車乗り場にもあったような広い放牧場のような場所が作られていて、馬たちがそこで自由に過ごしているのが遠くに見えた。走り回っている馬もいれば、木陰で眠っている馬もいたりと本当に自由だ。
「ここでは騎士団と俺の家族のウマ、全ての世話を受け持ってくれているんだ」
「え、そうなんだ?」
「ああ、別々にするよりも、その方がウマたちも楽しそうだからな」
なるほど。馬目線で色々と決めてるんだ。感心しながら遠くの馬の姿をついつい眺めていると、不意に後ろから声をかけられた。
「あ、あの…」
掠れた声の呼びかけにはいと答えて振り返れば、そこには食事会で会った馬の世話係の人の姿があった。昨日シュリくんの食事の心配を真っ先にしてくれたから、きっと良い人なんだろうなと思ってた人だ。
馬の事に詳しいって言ってたし色々とお話を聞かせてくれるかなーと考えた所で、世話係の人の顔色がひどく悪い事に気がついた。しかも昨日はニコニコしていたその顔も、今日はやけにこわばっている気がする。
何かあったんだろうかと思った次の瞬間、世話係の男性はガバッとものすごい勢いで頭を下げた。
「アキト様。失礼を致しました事を、心からお詫び申し上げます!」
すごく丁寧に謝罪をされてしまったんだけど、えっと…何が?
俺の名前を呼ばれてなかったら、ハルかキースくんに謝ってるんだろうなーと楽観的でいられたんだけどね。名前を呼ばれたって事は俺…なんだよね?
ちなみに右手はハルの手に、左手はキースくんの手に繋がれてるから、三人で手を繋いで歩くという何とも微笑ましい状況だ。
俺としては、やっぱり真ん中はキースくんが良いじゃないのかなーと思ったんだけどね。でもキースくんから『アキトくんが真ん中が良い』って恥ずかしそうに言われたら、嫌だとは言えないでしょう?
「次はそこの道を左に行くよ」
「そっち?」
「ああ、そっちだ」
今回も厩舎までの案内役を買って出てくれたのはハルだ。
なんでも庭を抜けて行く厩舎までの近道があるらしいんだけど、さっきから俺にはどの道も違いがよく分からない。どこを見ても植物ばっかりだし、これといった目印が無いんだよね。
ハルはすこしの迷いもなく、道を教えてくれるんだけどね。
「うーん…俺にはさっきから全部同じ道に見える」
俺が綺麗な花に気を取られてるからって可能性も、ちょっとだけあるかな。
「まあ似て見えるよね」
「うん、ハルはよく覚えられるよね」
「そうかな?」
「うん、ハル兄はすごいよ。僕もここの庭の道はよく分からないから」
俺の横からひょこっと身を乗り出して笑顔で褒めてくれたキースくんに、ハルは優しく笑って褒めてくれてありがとうと答えた。
「あのね、アキトくん。ここは季節によって植物を植え替えたりするから余計に分かり難いんだよ」
キースくんは、どこか誇らし気な笑顔でそう教えてくれた。えーそうなんだ。それは難易度がよりいっそう上がるって事だよね。
「ねぇ、ハルはどこを見てここの道を覚えてるの?」
「とりあえずは方角と歩数、後は床に敷き詰めてあるレンガかな」
「レンガ…?」
そう言われて見てみれば、たしかにここの床のレンガには白い線で模様が入っている。思わずさっき来た道のレンガをさっと見てみたけど、曲がる前の場所の床には黒い模様が小さく入っていた。
「ああ、そういう事か!」
「たまにはレンガも交換されたりするから、そればかりに頼るのは難しいけどね」
あくまで目安程度だよと笑うハルに、俺とキースくんはあれこれと質問しながらゆっくりと近道を進んでいった。
ハルの案内で辿り着いた先には、想像していたものよりも数倍は立派な建物があった。
「到着したね。ここがウマたちのいる厩舎だよ」
「僕、ここ好きなんだ」
格好良いからと呟いたキースくんの声に、俺も笑って頷いた。
「うん、格好良い場所だね」
どうやらここの建物にも、辺境領の特産である黒いヴァコクの木が使われているみたいなんだよね。そのおかげで落ち着いた雰囲気のある、客観的に見てもすごく格好良い建物だと思う。
ちなみに周りには木の実や果物がなっている木が多い気がするんだけど、もしかしたらあれは馬が好きなものとかだったりするのかな。
そんな事を考えながら、まじまじと周りの様子を眺めてみる。
トライプールの馬車乗り場にもあったような広い放牧場のような場所が作られていて、馬たちがそこで自由に過ごしているのが遠くに見えた。走り回っている馬もいれば、木陰で眠っている馬もいたりと本当に自由だ。
「ここでは騎士団と俺の家族のウマ、全ての世話を受け持ってくれているんだ」
「え、そうなんだ?」
「ああ、別々にするよりも、その方がウマたちも楽しそうだからな」
なるほど。馬目線で色々と決めてるんだ。感心しながら遠くの馬の姿をついつい眺めていると、不意に後ろから声をかけられた。
「あ、あの…」
掠れた声の呼びかけにはいと答えて振り返れば、そこには食事会で会った馬の世話係の人の姿があった。昨日シュリくんの食事の心配を真っ先にしてくれたから、きっと良い人なんだろうなと思ってた人だ。
馬の事に詳しいって言ってたし色々とお話を聞かせてくれるかなーと考えた所で、世話係の人の顔色がひどく悪い事に気がついた。しかも昨日はニコニコしていたその顔も、今日はやけにこわばっている気がする。
何かあったんだろうかと思った次の瞬間、世話係の男性はガバッとものすごい勢いで頭を下げた。
「アキト様。失礼を致しました事を、心からお詫び申し上げます!」
すごく丁寧に謝罪をされてしまったんだけど、えっと…何が?
俺の名前を呼ばれてなかったら、ハルかキースくんに謝ってるんだろうなーと楽観的でいられたんだけどね。名前を呼ばれたって事は俺…なんだよね?
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