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1132.シュリくんとタユさん
挨拶を交わしていると、ふとシュリくんの後ろに座り込んでいる馬さんと目が合った。
さっきギュームさんからタユさんって名前なんだと教えてもらった、シュリくんを守ろうとしてくれていたあの馬さんだ。
「おはようございます、タユさん」
すこし緊張しながらもそう声をかけると、タユさんはすっと立ち上がった。そのままスタスタとこちらに近づいてくると、すりっと優しく頭をすり寄せてくれた。
わ、俺のおはように返事してくれたんだ。
無視されても良いやと思って声をかけたのに、思った以上のサービスを返された俺は思わずニコニコ笑ってしまった。
「おお、タユが人に懐くのはちょっと珍しいですよ」
「ああ、前にも言ったが、アキトはとにかくウマに好かれるんだよ…」
ハルは妬けると呟いてすこし複雑そうな顔をしながらも、タユさんにおはようと声をかけている。タユさんはというとすこし呆れた顔をしながらも、ハルの肩にこつんと軽く頭を当てにいった。
「きみはタユさんっていうんだね、僕はキースっていうんだよ。よろしくねー」
ニコニコ笑顔を浮かべたキースくんからの自己紹介に、タユさんはそっと頭を下げて撫でても良いよとアピールを始めた。
もしかしたらキースくんにも母性本能が働いてたりするのかな。あれ、もしかして俺も…?いやもしそうだとしても優しくしてくれるのは、すごく嬉しいんだけどね。
「キース様もかなり気に入られていますし、それにハロルド様も気に入られていますね」
「え?俺もか…?」
アキトとキースが好かれているのはよく分かるが、俺は違うだろうとハルは不思議そうに首を傾げながら尋ねた。
「いえいえ、タユは気に入らない人はそもそも一切相手にしませんから」
ニコッと笑顔でそう断言したギュームさんは、馬の世話をする使用人の中にすら無視される人もいますよとさらりと続けた。
「そう…なのか」
「その方も馬が好きなら…落ち込んでないですか?」
少し心配になって尋ねてみれば、ギュームさんはお優しいと喜びながら答えてくれた。
「いえ、むしろいつかタユに認められてみせると、毎日声をかけてますよ」
「そうか、頑張ってくれと伝えてくれ」
ハルの言葉に、ギュームさんはきっと伝えますと笑顔で答えた。
「ああ、すみませんでした。立ち話になってしまって…」
そう切り出したギュームさんは、部屋の隅にあった木箱から椅子を取り出した。あのサイズの木箱から出てきて良い椅子の大きさじゃないな。あれも魔導収納箱なのか。
ギュームさんはシュリくんの向かい側に、三脚の椅子を並べた。
「どうぞみなさん、お座りください」
えっと…ギュームさんの椅子は?
「ギューム、自分の椅子も出せ」
「いえ、それは…」
「アキトが気にするからな。俺もさすがに一人だけ立たせておくのも気になる」
「僕も嫌だなー一緒に座って話そうよ」
さっきからちょっと思ってたんだけど、キースくんってギュームさんには結構普通に話すよね。人見知り発動の対象外の人なんだな。
「…それでは」
いそいそと取り出した椅子に座ったのを確認してから、ハルはシュリくんに声をかけた。
「それにしてもシュリ、ギュームに声をかけたんだな」
「うん、ギュームいいひとだよ」
「ああ、シュリが誰かに話しかけるとしたら、きっとギュームだろうなとは思っていたんだが…」
「そうなの?」
首を傾げてるシュリくんとハルからは見えてないみたいだけど、いまギュームさんプルプル震えてるよ。そう思ってくださっていたのかとか思ってそうな表情だ。
「だが想像以上に早かったなと思ってな。何か理由でもあるのか?」
「あのね、からだをふいてくれたぬのが、すっごくやわらかかったの」
「布が…?」
あまりに予想外の答えに、俺とハル、キースくんは揃って首を傾げてしまった。
「ふつううまにはつかわない、じょうとうなぬのだったんだよ」
「…そ、そうなのか」
とりあえず頷いたハルに、僕だけじゃなくてタユにも使ってたからお客さんだからとかの理由じゃないと思うんだとシュリくんは続けた。
この話は一体どこに着地するんだろう。ちょっと不思議に思いながらも、俺達はシュリくんの話に耳を傾けた。
さっきギュームさんからタユさんって名前なんだと教えてもらった、シュリくんを守ろうとしてくれていたあの馬さんだ。
「おはようございます、タユさん」
すこし緊張しながらもそう声をかけると、タユさんはすっと立ち上がった。そのままスタスタとこちらに近づいてくると、すりっと優しく頭をすり寄せてくれた。
わ、俺のおはように返事してくれたんだ。
無視されても良いやと思って声をかけたのに、思った以上のサービスを返された俺は思わずニコニコ笑ってしまった。
「おお、タユが人に懐くのはちょっと珍しいですよ」
「ああ、前にも言ったが、アキトはとにかくウマに好かれるんだよ…」
ハルは妬けると呟いてすこし複雑そうな顔をしながらも、タユさんにおはようと声をかけている。タユさんはというとすこし呆れた顔をしながらも、ハルの肩にこつんと軽く頭を当てにいった。
「きみはタユさんっていうんだね、僕はキースっていうんだよ。よろしくねー」
ニコニコ笑顔を浮かべたキースくんからの自己紹介に、タユさんはそっと頭を下げて撫でても良いよとアピールを始めた。
もしかしたらキースくんにも母性本能が働いてたりするのかな。あれ、もしかして俺も…?いやもしそうだとしても優しくしてくれるのは、すごく嬉しいんだけどね。
「キース様もかなり気に入られていますし、それにハロルド様も気に入られていますね」
「え?俺もか…?」
アキトとキースが好かれているのはよく分かるが、俺は違うだろうとハルは不思議そうに首を傾げながら尋ねた。
「いえいえ、タユは気に入らない人はそもそも一切相手にしませんから」
ニコッと笑顔でそう断言したギュームさんは、馬の世話をする使用人の中にすら無視される人もいますよとさらりと続けた。
「そう…なのか」
「その方も馬が好きなら…落ち込んでないですか?」
少し心配になって尋ねてみれば、ギュームさんはお優しいと喜びながら答えてくれた。
「いえ、むしろいつかタユに認められてみせると、毎日声をかけてますよ」
「そうか、頑張ってくれと伝えてくれ」
ハルの言葉に、ギュームさんはきっと伝えますと笑顔で答えた。
「ああ、すみませんでした。立ち話になってしまって…」
そう切り出したギュームさんは、部屋の隅にあった木箱から椅子を取り出した。あのサイズの木箱から出てきて良い椅子の大きさじゃないな。あれも魔導収納箱なのか。
ギュームさんはシュリくんの向かい側に、三脚の椅子を並べた。
「どうぞみなさん、お座りください」
えっと…ギュームさんの椅子は?
「ギューム、自分の椅子も出せ」
「いえ、それは…」
「アキトが気にするからな。俺もさすがに一人だけ立たせておくのも気になる」
「僕も嫌だなー一緒に座って話そうよ」
さっきからちょっと思ってたんだけど、キースくんってギュームさんには結構普通に話すよね。人見知り発動の対象外の人なんだな。
「…それでは」
いそいそと取り出した椅子に座ったのを確認してから、ハルはシュリくんに声をかけた。
「それにしてもシュリ、ギュームに声をかけたんだな」
「うん、ギュームいいひとだよ」
「ああ、シュリが誰かに話しかけるとしたら、きっとギュームだろうなとは思っていたんだが…」
「そうなの?」
首を傾げてるシュリくんとハルからは見えてないみたいだけど、いまギュームさんプルプル震えてるよ。そう思ってくださっていたのかとか思ってそうな表情だ。
「だが想像以上に早かったなと思ってな。何か理由でもあるのか?」
「あのね、からだをふいてくれたぬのが、すっごくやわらかかったの」
「布が…?」
あまりに予想外の答えに、俺とハル、キースくんは揃って首を傾げてしまった。
「ふつううまにはつかわない、じょうとうなぬのだったんだよ」
「…そ、そうなのか」
とりあえず頷いたハルに、僕だけじゃなくてタユにも使ってたからお客さんだからとかの理由じゃないと思うんだとシュリくんは続けた。
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