生まれつき幽霊が見える俺が異世界転移をしたら、精霊が見える人と誤解されています

根古川ゆい

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1148.お礼の言葉

シュリに魔力をあげた描写、更新時にどうやら一話飛ばしていたようです…
さきほど1034話にかなり加筆修正させて頂きました。
気になる方はご確認お願いします!
教えていただきありがとうございました!
(こちらの文章はしばらくしたら消します)


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 俺とキースくんからの感謝の言葉に、その場にいた七人の人たちはぽかんとしたまま固まってしまった。

 口が開いたままの人とか、目を大きく見開いている人とかね。反応はそれぞれ違うんだけど、みんな驚いた様子なのだけは共通してる。

「あれ…?」

 これはどうすれば良いんだろうと首を傾げていると、我に返ったみなさんが慌てた様子でこちらに向き直った。

 何か言いたそうにはしてるんだけど、なかなか誰も口を開かない。

「あの、キース様とアキト様に、ひとつ質問をよろしいでしょうか?」

 沈黙を破ってそう尋ねてきたのは、最初に俺達に気づいて声をかけてくれたあの侍従さんだった。

「うん、なぁに?」

 キースくんは、すぐにニッコリと笑顔を浮かべて答えた。まるでそんな質問をされる事を、最初から予想していたみたいな反応だ。

 キースくんの反応に驚いていると、侍従さんの視線がちらりと俺の方を向いた。あ、俺も返事しないとだね。

「はい。俺も、もちろん大丈夫です」
「ハロルド様も…よろしいですか?」
「ああ、どうぞ」

 ハルにまで律儀にそう尋ねた侍従さんは、ぴんっと背筋を伸ばしてから尋ねた。

「皆様は探索隊に参加した者に、お礼を言うためにわざわざここまで来られたという事で間違いないでしょうか?」
「うん、そうだよ」
「はい。志願して来てくれたと聞いたので、お礼が言いたくて…」

 キースくんと俺の返答に、みんなは更に慌ててしまった。

「確かに私たちは志願してあのルティルーの森に行きましたが、それぞれの理由があっての事ですから、そんなに気にしないで下さい」
「理由…ですか?」
「もちろんお二人の事を助けたいという気持ちは全員にありました。ただそれ以外にも、その…憧れの人と一緒に行きたいとか…ですね」

 憧れの人って言うのはファーガスさんとかウィリアムさんの事なのかなと考えていると、騎士さんがちらりと目線だけでハルの方を見たのに気が付いた。あ、この騎士さんの憧れの人ってハルなのか。

 うん。でもその気持ちは、俺にもよく分かる。だって、ハルだもんね。優しくて格好良い上に、強いなんて憧れている騎士さんはこの人以外にもたくさんいるだろう。

「あー衛兵はですねー職務上、どうしても盗賊と関わる事が多いんです。だから俺達の方は、やっと見つかった拠点に行きたいって理由の人もいましたね」

 苦笑しながらそう教えてくれた衛兵さんは、あとはよく分からないんですが――階段を一緒にのぼった縁がどうとか何とか言ってましたよと続けた。

 ああ、そっか。参加してくれていた衛兵の人たちは、たしかに一緒に階段をのぼった人が多かったもんね。縁があるからって参加してくれてたんだ。

「それに…言葉は悪いかもしれませんが、攫われた所を見たと通報が来た場合、例えその人がキース様とアキト様でなくても助けに行ってましたよ?」

 普段からそういう仕事もしているのでと、衛兵さんは困り顔でそう教えてくれた。

「えーでも、助けに来てくれたのは本当でしょう?」

 キースくんの一歩も譲らない言葉に、俺もうんうんと大きく頷いて同意を示した。

 例えなにか他の理由があったとしても、この人たちが俺達を助けに来てくれた事自体は本当の事だもんね。例え他の人でも助けていたし普段からしている事だと教えられても、じゃあお礼を言わなくて良いかーとはならないよ。

「えっと…でも……」
「あ、でもね、僕達はお礼を言いたかっただけなんだー」
「そうだね。別にお礼を押し付けたいわけじゃないですから…」

 とりあえず言えたから良いかとキースくんと話し合っていると、侍従さんが困り顔でハルに尋ねた。

「ハル様、この感謝は…その、私たちが受け入れて良いもの…でしょうか?」

 つっかえながらもそう尋ねた侍従さんに、ハルは笑って答えた。

「二人の感謝に他意は無いよ。本当にただお礼を言いたいだけだから」

 受け入れるも聞くだけにとどめるも好きにして良いよと続けたハルに、侍従さんはふうと息を吐いてから口を開いた。

「お礼など不要ですと言いたい所ですが、お二人のお気持ちを受け入れます」
「…俺も受け入れます」
「あ、じゃあ俺も」
「お礼を言っていただけるとは思っていなかったので驚きましたが…嬉しいものですね」
「普段は感謝の言葉なんて滅多に聞けないもんな」

 そんな風にその場にいた人たちは、笑顔で俺達の言葉を受け入れてくれた。
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