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1167.フェレさん
寄せてくれたイワンさんの頭を許可を貰ってから撫でさせてもらっていると、今度はギュームさんが優しく尋ねた。
「フェレはどう?アキト様を乗せられるかな?」
俺はその言葉に、本気で驚いてしまった。
え、だってフェレさんって、乗る人を選ぶって言うぐらいの人見知りだってさっき言ってたよね。それなのにそんな事を聞いて良いの?
「あの、イワンさんのおかげで乗せてくれる馬もいるんだってもう分かりましたから、フェレさんに無理して貰わなくても大丈夫ですよ…?」
人見知りなのに俺のせいで無理をさせる事になるのは嫌だと思わず口を挟めば、フェレさんがぶんぶんと首を振った。
「あ、フェレもやってみるっていってるよ」
「え、本当に良いんですか?」
「…うん、フェレはやってみたいらしいよ」
やってみるとやってみたいは意味が違うもんね。本人が納得してるなら、俺が嫌だって言っても仕方ないか。
シュリくんがそう言うならとハラハラしながらも何も言わずにいると、イワンさんはすっと下がって場所を空けてくれた。
かわりにフェレさんはそーっと恐る恐る近づいてくると、俺の顔の近くに自分の顔を寄せてくれた。
行動自体はイワンさんと同じなんだけど、その動きはかなりゆっくりだ。きっと人見知りなのに、今すっごく頑張ってくれているんだろうな。
急に動いて驚かせないようにと、とりあえずピタッとその場で動きを止める。
それに人見知りなら、あんまりまじまじと見つめられても緊張するかもしれない。それならと視線の先にいるシュリくんだけを、じっと見つめる事にした。
ちなみにシュリくんは、なんでアキトは俺を見てるんだろうと言いたげに首を傾げてこちらを見ていてすごく可愛い。あ、シュリくんの隣にいるキースくんにも、首傾げが感染した。
そんな事を考えながらじっと待っていると、しばらくしてからフェレさんは本当に小さな声で嘶いた。あ、もしかしたら今初めてフェレさんの声を聞いたかもしれない。
「あ、フェレもアキトなら、のせてもいいって」
「え、乗せてくれるんですか?」
慌ててそう尋ねれば、シュリくん経由でうんと控え目な返事が返ってきた。
「わーありがとうございます」
「あ、アキト、フェレがぼくのあたまもなでてほしいって」
そんな可愛い事を言われたら、有難く撫でさせてもらうしか無いよね。俺は驚かせないようにと細心の注意を払って、そっとフェレさんの頭を撫でさせてもらう事になった。
「ああ、さすがアキト様…!」
ギュームさんは、感激した様子でそんな事を呟いている。ハルがちょっと大げさじゃないかと尋ねれば、初対面で撫でされてもらえたのはギュームさんとグレースさん以外には数人しかいないんだって答えてた。
そっか。俺もその例外に入れてくれたんだ。それは素直に嬉しいな。
タユさんとイワンさんは、俺たちのやりとりをただ微笑ましそうに見守ってくれている。
あれ、そういえばキースくんとシュリくんが静かだな?と頭を撫でながらそっと視線を向ければ、二人は思ったよりも近い場所で俺達を見つめていた。
いつの間にこんな距離まで近づいてきてたんだろう。全く気配に気づかなかったよ。
シュリくんはただ嬉しそうに俺達を見てるだけだから良いんだけど、キースくんは何か言いたそうに口をもごもごと動かしている。
どうしたの?と聞くよりも前に、キースくんは何かを決意した様子で口を開いた。
「ね、シュリくん、通訳してくれる?」
「うん、もちろん」
「ねぇ、フェレ?もし嫌じゃなければなんだけど…僕も頭を撫でても良いかな?」
上目遣いでそう尋ねたキースくんに、フェレさんはすぐに答えた。
「うん、いやじゃないって。キースもなでていいみたいだよ」
「ありがとう、シュリくん。それに許可をくれてありがとう、フェレ」
撫でやすいようにと頭を下げてくれた優しいフェレさんに、キースくんはそーっと手を伸ばした。
「あのね僕も人見知りだから、すっごく頑張ったんだろうなーって思ったら…撫でたくなったんだ」
頑張った時に兄さんたちに撫でてもらうと、すっごく嬉しいから。
明るい笑顔でそう続けたキースくんに、ハルがぐうっと唸ったのが聞こえてきた。
うん、今のは仕方ないよね。もし俺が兄の立場で今のを聞いてたら、何なら泣いてたかもしれないぐらいの破壊力だったよ。
「最近は僕もちょっとだけマシになってきたんだけど――初対面の人に近づいたり話しかけたりするのってすっごく緊張するよね」
さっき何か言いたそうにしてたのは、フェレさんの気持ちは分かるよっていう話だったんだね。
「フェレが、すっごくわかるっていってる」
「別に人が嫌いってわけじゃないんだけどね…」
「ぼくもそうだだってさ」
慣れてきたら大丈夫なんだけどとか、共通の知り合いがいるとちょっとだけ気が楽だとか。そんな人見知りあるあるらしい話で、キースくんとフェレさんはあっという間にすっごく仲良くなっちゃったよ。
和やかな休憩時間の後は、俺はイワンさんやフェレさんにも乗せてもらったよ。どちらもタユさんと同じぐらい俺の事を考えて走ってくれて、本当に楽しい時間だった。
ギュームさんからはいつでも馬を信じて乗せてもらえば大丈夫って言われて、無事に訓練は終わったよ。
「フェレはどう?アキト様を乗せられるかな?」
俺はその言葉に、本気で驚いてしまった。
え、だってフェレさんって、乗る人を選ぶって言うぐらいの人見知りだってさっき言ってたよね。それなのにそんな事を聞いて良いの?
「あの、イワンさんのおかげで乗せてくれる馬もいるんだってもう分かりましたから、フェレさんに無理して貰わなくても大丈夫ですよ…?」
人見知りなのに俺のせいで無理をさせる事になるのは嫌だと思わず口を挟めば、フェレさんがぶんぶんと首を振った。
「あ、フェレもやってみるっていってるよ」
「え、本当に良いんですか?」
「…うん、フェレはやってみたいらしいよ」
やってみるとやってみたいは意味が違うもんね。本人が納得してるなら、俺が嫌だって言っても仕方ないか。
シュリくんがそう言うならとハラハラしながらも何も言わずにいると、イワンさんはすっと下がって場所を空けてくれた。
かわりにフェレさんはそーっと恐る恐る近づいてくると、俺の顔の近くに自分の顔を寄せてくれた。
行動自体はイワンさんと同じなんだけど、その動きはかなりゆっくりだ。きっと人見知りなのに、今すっごく頑張ってくれているんだろうな。
急に動いて驚かせないようにと、とりあえずピタッとその場で動きを止める。
それに人見知りなら、あんまりまじまじと見つめられても緊張するかもしれない。それならと視線の先にいるシュリくんだけを、じっと見つめる事にした。
ちなみにシュリくんは、なんでアキトは俺を見てるんだろうと言いたげに首を傾げてこちらを見ていてすごく可愛い。あ、シュリくんの隣にいるキースくんにも、首傾げが感染した。
そんな事を考えながらじっと待っていると、しばらくしてからフェレさんは本当に小さな声で嘶いた。あ、もしかしたら今初めてフェレさんの声を聞いたかもしれない。
「あ、フェレもアキトなら、のせてもいいって」
「え、乗せてくれるんですか?」
慌ててそう尋ねれば、シュリくん経由でうんと控え目な返事が返ってきた。
「わーありがとうございます」
「あ、アキト、フェレがぼくのあたまもなでてほしいって」
そんな可愛い事を言われたら、有難く撫でさせてもらうしか無いよね。俺は驚かせないようにと細心の注意を払って、そっとフェレさんの頭を撫でさせてもらう事になった。
「ああ、さすがアキト様…!」
ギュームさんは、感激した様子でそんな事を呟いている。ハルがちょっと大げさじゃないかと尋ねれば、初対面で撫でされてもらえたのはギュームさんとグレースさん以外には数人しかいないんだって答えてた。
そっか。俺もその例外に入れてくれたんだ。それは素直に嬉しいな。
タユさんとイワンさんは、俺たちのやりとりをただ微笑ましそうに見守ってくれている。
あれ、そういえばキースくんとシュリくんが静かだな?と頭を撫でながらそっと視線を向ければ、二人は思ったよりも近い場所で俺達を見つめていた。
いつの間にこんな距離まで近づいてきてたんだろう。全く気配に気づかなかったよ。
シュリくんはただ嬉しそうに俺達を見てるだけだから良いんだけど、キースくんは何か言いたそうに口をもごもごと動かしている。
どうしたの?と聞くよりも前に、キースくんは何かを決意した様子で口を開いた。
「ね、シュリくん、通訳してくれる?」
「うん、もちろん」
「ねぇ、フェレ?もし嫌じゃなければなんだけど…僕も頭を撫でても良いかな?」
上目遣いでそう尋ねたキースくんに、フェレさんはすぐに答えた。
「うん、いやじゃないって。キースもなでていいみたいだよ」
「ありがとう、シュリくん。それに許可をくれてありがとう、フェレ」
撫でやすいようにと頭を下げてくれた優しいフェレさんに、キースくんはそーっと手を伸ばした。
「あのね僕も人見知りだから、すっごく頑張ったんだろうなーって思ったら…撫でたくなったんだ」
頑張った時に兄さんたちに撫でてもらうと、すっごく嬉しいから。
明るい笑顔でそう続けたキースくんに、ハルがぐうっと唸ったのが聞こえてきた。
うん、今のは仕方ないよね。もし俺が兄の立場で今のを聞いてたら、何なら泣いてたかもしれないぐらいの破壊力だったよ。
「最近は僕もちょっとだけマシになってきたんだけど――初対面の人に近づいたり話しかけたりするのってすっごく緊張するよね」
さっき何か言いたそうにしてたのは、フェレさんの気持ちは分かるよっていう話だったんだね。
「フェレが、すっごくわかるっていってる」
「別に人が嫌いってわけじゃないんだけどね…」
「ぼくもそうだだってさ」
慣れてきたら大丈夫なんだけどとか、共通の知り合いがいるとちょっとだけ気が楽だとか。そんな人見知りあるあるらしい話で、キースくんとフェレさんはあっという間にすっごく仲良くなっちゃったよ。
和やかな休憩時間の後は、俺はイワンさんやフェレさんにも乗せてもらったよ。どちらもタユさんと同じぐらい俺の事を考えて走ってくれて、本当に楽しい時間だった。
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