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1201.先行部隊
次の作戦のあれこれが驚くぐらいあっさりと決まっていったから、俺はてっきり数日以内には準備を終わらせて出発するつもりなんだと思ってみんなの話を聞いてたんだ。
でもそう簡単には、行かないらしい。
「本隊についてはそれで良いとして、先行部隊についても相談が必要だな」
「そうですね」
え、先行部隊?と疑問に思ったのは、どうやら俺だけみたいだ。みんなはと視線を巡らせてみれば、普通に全員が頷いてたからね。
俺も思わず反射的に首は傾げちゃったけど、ぎりぎりのところで何とか踏みとどまって声には出さなかったよ。こうやって会議に参加させてもらってはいるけど、ここにいる人の中で俺が一番の部外者だからね。できるだけ邪魔はしたくないなって思ったんだ。
でも、さすがハルとハルの家族のみんなだよね。俺の動きにすぐに気付いて、説明してくれちゃったんだけど。
「アキトくん、今回の作戦はアキトくんとキースの探索隊、兼盗賊団の殲滅部隊よりも大人数が参加する事になるんだ」
ケイリーさんの言葉に、はいと答えながら俺はこくりと頷いた。
だって行先が何階まであるかまだ分かってないって言ってた、あの最難関ダンジョンなんだもんね。そりゃあ人数も多くなると、ダンジョンに詳しくない俺でも分かる。
「それだけの人数を動かすなら、まず下調べが必要になるんだ」
ファーガスさんはそう言うと、少し申し訳なさそうに視線を彷徨わせながら続けた。
「これは決してクレットの情報や、ハルとアキトくんの言葉を信じていないというわけではないんだよ」
「はい、確認が必要なのは当然だと思います」
むしろ聞いた情報をそのまま鵜呑みにするって言われた方が、驚くかもしれないな。俺は先行部隊を出すんだ?って思っただけで、信用されてないのかもなんて思ってないからね。
「ああ、分かってくれて良かった」
「ファグ兄さんは心配性だなー。クレットも先行部隊の大事さは分かってるから。信じて貰えてないなんて絶対言わないよ」
ウィリアムさんの笑いまじりの言葉に、ジルさんも深く頷いている。あ、クレットさんも分かってますと頷いてるから、ちゃんとみんなに通訳しておこう。
「だよなー」
「ええ、分かってくれると知ってました」
ウィリアムさんとジルさんは、そう言い合いながら楽しそうに笑ってたよ。
「先行部隊に確認して欲しいのは、そのダンジョンが本当にムレングダンジョンなのかどうか。それと、入ってすぐの場所に怪しい罠や場所が無いか…だな」
ケイリーさんの言葉に、ジルさんはすぐに私も同意見ですと答えた。
あれ?ムレングダンジョンじゃない可能性もあるんだ?そういえばクレットさんもムレングダンジョンだって断言はしてなかったな。
そんな事を考えていると、ジルさんが口を開いた。
「転移後に目に入るだろう場所にミザの鉱石をわざと設置して、あえて誤解をさせようとしているという可能性もありますからね」
あーなるほど。そのミザの鉱石すら、盗賊団が仕組んでる可能性があるのか。
「問題は先行部隊の選抜だが…」
「俺と父さんは行かない方が良いだろうな」
予想外にも、そう口にしたのはファーガスさんだった。
「その方が良いだろうな、ファーグもケイリーさんも目立つからな」
ダンジョンに出入りしていると目撃された場合にバレやすいからと、マティさんもその方が良いと頷いている。
確かに二人が揃っていたら、目立つだろうな。
ちなみに作戦の本隊はちゃんと騎士団の装備で行くけど、先行部隊はその場に馴染む格好で行くらしいよ。ハルがこっそり教えてくれたんだ。ちょっと偵察みたいで格好良いな、なんて思ってしまったよ。
「うん。調査だけなら俺が行くよーでもできれば陰護衛組からも誰かを連れて行きたいなー?あそこの隊員の方が怪しい場所とかには気づくだろうからね」
「ああ、もちろんだ。後で連絡を入れておこう」
ファーガスさんは、ウィリアムさんの希望をあっさりとそう請け負った。
「俺の隊からは数人の精鋭と俺だけで行くつもりだからねー、あまり人数はいらないってのも伝えておいて欲しいな」
「そうか、ああ、分かった。きっと後で連絡が入るから対応してくれ」
「うん、お願い。あ、後で誰を連れていくか、ジルは相談に乗ってね」
「もちろんです、ウィリアム隊長」
「…うう…ジルが仕事モードだー」
突然しょんぼりと肩を落としたウィリアムさんを、ジルさんはジロリと睨むようにしながら仕事中ですからと返している。あ、でもジルさんの手が、テーブルの下でウィリアムさんの手を撫でたのを見てしまった。
ウィリアムさんがパァァッと笑顔になったから、見えてなくても皆にバレてるような気もするな。
いや、指摘はしないぞ。
「あ、ハルもちゃんと冒険者装備で来てね?」
「ああ、もちろんだ。現役冒険者でもあるからまかせてくれ」
「クレットも頼んだよ?」
「はっ、光栄です!」
ピンッと背筋を伸ばしたクレットさんの返事をハルがみんなに伝えて、それで会議は終了となった。
でもそう簡単には、行かないらしい。
「本隊についてはそれで良いとして、先行部隊についても相談が必要だな」
「そうですね」
え、先行部隊?と疑問に思ったのは、どうやら俺だけみたいだ。みんなはと視線を巡らせてみれば、普通に全員が頷いてたからね。
俺も思わず反射的に首は傾げちゃったけど、ぎりぎりのところで何とか踏みとどまって声には出さなかったよ。こうやって会議に参加させてもらってはいるけど、ここにいる人の中で俺が一番の部外者だからね。できるだけ邪魔はしたくないなって思ったんだ。
でも、さすがハルとハルの家族のみんなだよね。俺の動きにすぐに気付いて、説明してくれちゃったんだけど。
「アキトくん、今回の作戦はアキトくんとキースの探索隊、兼盗賊団の殲滅部隊よりも大人数が参加する事になるんだ」
ケイリーさんの言葉に、はいと答えながら俺はこくりと頷いた。
だって行先が何階まであるかまだ分かってないって言ってた、あの最難関ダンジョンなんだもんね。そりゃあ人数も多くなると、ダンジョンに詳しくない俺でも分かる。
「それだけの人数を動かすなら、まず下調べが必要になるんだ」
ファーガスさんはそう言うと、少し申し訳なさそうに視線を彷徨わせながら続けた。
「これは決してクレットの情報や、ハルとアキトくんの言葉を信じていないというわけではないんだよ」
「はい、確認が必要なのは当然だと思います」
むしろ聞いた情報をそのまま鵜呑みにするって言われた方が、驚くかもしれないな。俺は先行部隊を出すんだ?って思っただけで、信用されてないのかもなんて思ってないからね。
「ああ、分かってくれて良かった」
「ファグ兄さんは心配性だなー。クレットも先行部隊の大事さは分かってるから。信じて貰えてないなんて絶対言わないよ」
ウィリアムさんの笑いまじりの言葉に、ジルさんも深く頷いている。あ、クレットさんも分かってますと頷いてるから、ちゃんとみんなに通訳しておこう。
「だよなー」
「ええ、分かってくれると知ってました」
ウィリアムさんとジルさんは、そう言い合いながら楽しそうに笑ってたよ。
「先行部隊に確認して欲しいのは、そのダンジョンが本当にムレングダンジョンなのかどうか。それと、入ってすぐの場所に怪しい罠や場所が無いか…だな」
ケイリーさんの言葉に、ジルさんはすぐに私も同意見ですと答えた。
あれ?ムレングダンジョンじゃない可能性もあるんだ?そういえばクレットさんもムレングダンジョンだって断言はしてなかったな。
そんな事を考えていると、ジルさんが口を開いた。
「転移後に目に入るだろう場所にミザの鉱石をわざと設置して、あえて誤解をさせようとしているという可能性もありますからね」
あーなるほど。そのミザの鉱石すら、盗賊団が仕組んでる可能性があるのか。
「問題は先行部隊の選抜だが…」
「俺と父さんは行かない方が良いだろうな」
予想外にも、そう口にしたのはファーガスさんだった。
「その方が良いだろうな、ファーグもケイリーさんも目立つからな」
ダンジョンに出入りしていると目撃された場合にバレやすいからと、マティさんもその方が良いと頷いている。
確かに二人が揃っていたら、目立つだろうな。
ちなみに作戦の本隊はちゃんと騎士団の装備で行くけど、先行部隊はその場に馴染む格好で行くらしいよ。ハルがこっそり教えてくれたんだ。ちょっと偵察みたいで格好良いな、なんて思ってしまったよ。
「うん。調査だけなら俺が行くよーでもできれば陰護衛組からも誰かを連れて行きたいなー?あそこの隊員の方が怪しい場所とかには気づくだろうからね」
「ああ、もちろんだ。後で連絡を入れておこう」
ファーガスさんは、ウィリアムさんの希望をあっさりとそう請け負った。
「俺の隊からは数人の精鋭と俺だけで行くつもりだからねー、あまり人数はいらないってのも伝えておいて欲しいな」
「そうか、ああ、分かった。きっと後で連絡が入るから対応してくれ」
「うん、お願い。あ、後で誰を連れていくか、ジルは相談に乗ってね」
「もちろんです、ウィリアム隊長」
「…うう…ジルが仕事モードだー」
突然しょんぼりと肩を落としたウィリアムさんを、ジルさんはジロリと睨むようにしながら仕事中ですからと返している。あ、でもジルさんの手が、テーブルの下でウィリアムさんの手を撫でたのを見てしまった。
ウィリアムさんがパァァッと笑顔になったから、見えてなくても皆にバレてるような気もするな。
いや、指摘はしないぞ。
「あ、ハルもちゃんと冒険者装備で来てね?」
「ああ、もちろんだ。現役冒険者でもあるからまかせてくれ」
「クレットも頼んだよ?」
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