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1274.【ハル視点】スープとクラッカー
一緒に作りたいとは言ったが、もちろんラスの許可なくアキトから直接作り方を教えてもらうつもりは無い。
「もしアキトさえ良ければ、俺も一緒に許可を貰いに行きたいな」
ラスは相手がアキトだからこそ、大事なソースの作り方を教えたのかもしれないからな。ラスのソースの作り方なら、いくら積んでも良いと思う料理人もいるかもしれない。
「あんなに美味しいソースの作り方を教えてもらえる可能性があるなら」
笑顔でそう言いきれば、アキトは分かる分かると言いたげに何度も頷いてくれた。あのソースは美味しいもんねと考えているんだろう。いや、ラスはすごいからとかも考えてるかな。
そんな事を考えていた俺は、不意に衝撃的な事に気が着いた。
「ごめん、アキト。俺ばっかり食べてたよ…」
あまりに美味しい肉料理とソースに浮かれてしまって気づいていなかったが、アキトはまだ何も食べていない。慌てて謝れば、アキトも慌てた様子で口を開いた。
「え、謝らなくて良いよ。単に俺がハルの反応が気になって、食べる所をじっと見ちゃってたからだし!気にしないで!」
「でもごめんね。作ってくれた人に作ってもらった俺が言うのもおかしいけど、アキトも一緒に食べよう?」
その方が更に美味しくなると言えば、アキトは笑顔を浮かべた。
「うん、一緒に食べる」
どうやらアキトは、具だくさんのスープから食べるつもりのようだ。
アキトがスプーンを手に取ったのを見て、俺もそっとスプーンに持ちかえる。どうせなら言葉通り同じものを食べたいからな。
「このスープは、彩りも綺麗だね」
「ね、ラスさんが選んでくれた野菜の組み合わせなんだよ。食材の選択もラスさんなんだけど、色々と見分け方も教えてくれたんだ」
ラスさんはすごいんだよと嬉しそうに教えてくれるアキトと話しながら、そっとスープを口に運ぶ。
一見しただけでもたくさんの具材が入っているのが分かる料理だが、その味は驚くほどにまとまっている。食感や風味もバラバラな野菜をごれでもかと使っているようなのに、なぜこんなに一体感があるんだろうか。
スプーンが止まらない美味しさに何口か食べ進めてから、俺はしみじみと呟いた。
「これは…こんなにたくさんの食材を使ってるのに、まとまりのある味だね…本当に美味しいな」
「あ、それはラスさんが教えてくれたランカーブっていう香草のおかげかも!」
ランカーブ自体は知っている香草が、そんな効果があったか?
不思議に思いつつも黙って説明を聞いていると、どうやら生の葉っぱの状態で鍋の一番底に仕込むとまとまりが出るらしい。
初めて聞く話に、俺は思わず大きく目を見開いた。
「名前はもちろん知っていたし、トライプールの市場でも売ってるのを見た事があるんだが…まさかそんな効果があるとは知らなかったな」
「あ、トライプールでも売ってるの?」
「ああ、でもトライプールでは砕いたものしか無かったかもしれないな」
トライプールの市場の様子をしっかりと思い出してみたが、やはり屋台にも店舗にも砕いたものしか売っていなかったと思う。
だがレーブンやローガンなら、生のままで売っている所を知っているかもしれないし、手にいれる伝手があるかもしれないな。むしろ知らないだけで二人は使っていたりするんだろうか。
トライプールに帰ったら、忘れずに聞いてみよう。
「料理に入れるとコクが出るという話は聞いた事があるんだが、底に敷くとまとまりが出るって話は、いま初めて聞いたよ」
「ハルも知らなかったんだ?」
「ああ。トライプール騎士団でもランカーブを使ってはいたが…コクを足す方でしか使われてなかったな」
「そうなんだ」
そんな事を話しながら、もう一口スープを口に運ぶ。
「うん、美味しい」
「クラッカーも食べて…みよっか?」
俺が一緒に食べようと言ったからか、アキトは途中で言葉を変えてくれた。
「ああ、一緒に食べようか」
「うん」
ニコニコ笑顔のアキトと一緒にクラッカーを食べてみたんだが、これがまた絶品だった。
二種類あるクラッカーはどちらも特別な美味しさだったが、特にザクザクした食感のルクの実をたっぷり入れてあるクラッカーが俺の好みだ。
これもきっと俺がルクの実を好きだからと入れてくれたんだろうな。
これだけおいしいクラッカーなら、そのまま食べるだけではもったいない。
俺はルクの実入りのクラッカーの上に薄切りのチーズをのせて、その上に飾り切りの中から野菜を一枚とお肉を一枚のせた。さらにその上に特製ソースをかけて食べると、美味しすぎて手が止まらなくなってしまう。
信じられないぐらい美味しいと説明すれば、アキトはそうなの?と嬉しそうに笑ってくれた。
「アキトも食べてみて」
俺はさっき自分が感動したクラッカーのせを作って、そっとアキトの前に差し出した。
「はい、あーん」
アキトはふふと笑うと、あーんと口を開いてくれた。
「もしアキトさえ良ければ、俺も一緒に許可を貰いに行きたいな」
ラスは相手がアキトだからこそ、大事なソースの作り方を教えたのかもしれないからな。ラスのソースの作り方なら、いくら積んでも良いと思う料理人もいるかもしれない。
「あんなに美味しいソースの作り方を教えてもらえる可能性があるなら」
笑顔でそう言いきれば、アキトは分かる分かると言いたげに何度も頷いてくれた。あのソースは美味しいもんねと考えているんだろう。いや、ラスはすごいからとかも考えてるかな。
そんな事を考えていた俺は、不意に衝撃的な事に気が着いた。
「ごめん、アキト。俺ばっかり食べてたよ…」
あまりに美味しい肉料理とソースに浮かれてしまって気づいていなかったが、アキトはまだ何も食べていない。慌てて謝れば、アキトも慌てた様子で口を開いた。
「え、謝らなくて良いよ。単に俺がハルの反応が気になって、食べる所をじっと見ちゃってたからだし!気にしないで!」
「でもごめんね。作ってくれた人に作ってもらった俺が言うのもおかしいけど、アキトも一緒に食べよう?」
その方が更に美味しくなると言えば、アキトは笑顔を浮かべた。
「うん、一緒に食べる」
どうやらアキトは、具だくさんのスープから食べるつもりのようだ。
アキトがスプーンを手に取ったのを見て、俺もそっとスプーンに持ちかえる。どうせなら言葉通り同じものを食べたいからな。
「このスープは、彩りも綺麗だね」
「ね、ラスさんが選んでくれた野菜の組み合わせなんだよ。食材の選択もラスさんなんだけど、色々と見分け方も教えてくれたんだ」
ラスさんはすごいんだよと嬉しそうに教えてくれるアキトと話しながら、そっとスープを口に運ぶ。
一見しただけでもたくさんの具材が入っているのが分かる料理だが、その味は驚くほどにまとまっている。食感や風味もバラバラな野菜をごれでもかと使っているようなのに、なぜこんなに一体感があるんだろうか。
スプーンが止まらない美味しさに何口か食べ進めてから、俺はしみじみと呟いた。
「これは…こんなにたくさんの食材を使ってるのに、まとまりのある味だね…本当に美味しいな」
「あ、それはラスさんが教えてくれたランカーブっていう香草のおかげかも!」
ランカーブ自体は知っている香草が、そんな効果があったか?
不思議に思いつつも黙って説明を聞いていると、どうやら生の葉っぱの状態で鍋の一番底に仕込むとまとまりが出るらしい。
初めて聞く話に、俺は思わず大きく目を見開いた。
「名前はもちろん知っていたし、トライプールの市場でも売ってるのを見た事があるんだが…まさかそんな効果があるとは知らなかったな」
「あ、トライプールでも売ってるの?」
「ああ、でもトライプールでは砕いたものしか無かったかもしれないな」
トライプールの市場の様子をしっかりと思い出してみたが、やはり屋台にも店舗にも砕いたものしか売っていなかったと思う。
だがレーブンやローガンなら、生のままで売っている所を知っているかもしれないし、手にいれる伝手があるかもしれないな。むしろ知らないだけで二人は使っていたりするんだろうか。
トライプールに帰ったら、忘れずに聞いてみよう。
「料理に入れるとコクが出るという話は聞いた事があるんだが、底に敷くとまとまりが出るって話は、いま初めて聞いたよ」
「ハルも知らなかったんだ?」
「ああ。トライプール騎士団でもランカーブを使ってはいたが…コクを足す方でしか使われてなかったな」
「そうなんだ」
そんな事を話しながら、もう一口スープを口に運ぶ。
「うん、美味しい」
「クラッカーも食べて…みよっか?」
俺が一緒に食べようと言ったからか、アキトは途中で言葉を変えてくれた。
「ああ、一緒に食べようか」
「うん」
ニコニコ笑顔のアキトと一緒にクラッカーを食べてみたんだが、これがまた絶品だった。
二種類あるクラッカーはどちらも特別な美味しさだったが、特にザクザクした食感のルクの実をたっぷり入れてあるクラッカーが俺の好みだ。
これもきっと俺がルクの実を好きだからと入れてくれたんだろうな。
これだけおいしいクラッカーなら、そのまま食べるだけではもったいない。
俺はルクの実入りのクラッカーの上に薄切りのチーズをのせて、その上に飾り切りの中から野菜を一枚とお肉を一枚のせた。さらにその上に特製ソースをかけて食べると、美味しすぎて手が止まらなくなってしまう。
信じられないぐらい美味しいと説明すれば、アキトはそうなの?と嬉しそうに笑ってくれた。
「アキトも食べてみて」
俺はさっき自分が感動したクラッカーのせを作って、そっとアキトの前に差し出した。
「はい、あーん」
アキトはふふと笑うと、あーんと口を開いてくれた。
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