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1297.【ハル視点】友人と呼び方
一番最初に我に返ったのは、おそらくこの中で人生経験が一番豊富なギルマスだった。ある意味、予想通りだな。
「ケイリー、色々と聞きたい事はあるが、一つだけ聞かせてもらって良いか?」
真剣な声と表情で、リヤンはそう尋ねた。
「ああ、なんだ?リヤン」
「二人とも…無事なんだよな?」
父さんとリヤンは年齢も近く、お互いに領主とギルマスになる前からの顔なじみらしい。
まだ無名だった頃の父さんは、母さんに会うためだけにギルドに登録し、冒険者として活動していた事があるらしい。まあ父さんらしい動機と行動力だなと、俺達兄弟は誰も驚きはしなかったんだが。
その頃に、同じく無名だったリヤンと知り合ったと聞いた事がある。
今では友人と呼べるような間柄の二人だが、今回の報告会のような公の場では一線を引いて接している。
リヤンは言葉使いこそ普段通りだが、決して名前は呼ばず領主様と呼びかけるのが常だ。
そんなリヤンが父さんの名前を、しかも呼び捨てにするとは。いったいリヤンがどれだけ動揺しているのかが、よく伝わってくる質問だ。
同時にそれはキースとアキトの身を、心から心配してくれているという証明でもあるわけだ。父さんも兄さんたちも、それに俺も自然と笑みを浮かべてしまった。
「もちろん、二人とも無事だ。情報を元にアジトを割り出し、怪我一つない状態で保護できたよ」
実際にはシュリの力を借りて三人で自力で逃げてきたわけだが、それを言うとまた話がややこしくなるからな。今回は父さんもそこは説明しないつもりのようだ。
「そうか…それは良かった…俺が伴侶候補について話した時のさっきのハルの反応で、大丈夫だとは思ったんだが、やはり不安でな」
ふうとひとつ息を吐くリヤンと同じタイミングで、ルピカさんとコーデリアさん、そしてマルクさんも大きく息を吐いた。
直接面識があるわけでも無いのに、この三人もキースとアキトの事を心配してくれていたんだな。
温かい気持ちになりながら皆の行動を見つめていると、不意にリヤンが声をあげた。
「あ…失礼した、領主様」
何故急にと思ってリヤンの視線の先を辿ってみれば、まじまじとリヤンを見つめているボルトの姿があった。
たぶんボルトは裏表なくキースとアキトの心配をした事で、リヤンの事を見直しているんだと思うんだが…あれだけ見つめられたら咎められていると受け取るのも無理は無いか。
「いや、リヤン、ルピカさん、コーデリアさん、マルクさん。私の家族二人の事を、心から心配してくれてありがとう」
それは領主としての言葉ではなく、ただ家族を大切に思っている父としての言葉だった。リヤンには驚いた様子はかけらも無いが、他の三人は大きく目を見開いて驚いていた。
英雄ケイリー・ウェルマールのイメージとは、かなり違っていたんだろうな。
「いや、気にするな」
リヤンは照れくさそうに笑いながら、ぶんぶんと手を振ってそう答えた。ボルトさんも父さんの言葉に合わせて丁寧に礼をしているから、責められているわけでは無いと分かったみたいだな。
「ご無事で何よりです」
真面目な返答を返したのは、ルピカさんだ。言葉自体は硬いものだが、その目は優しく微笑んでいる。
「とんでもないです。それにしても、やっぱり情報収集能力がすごいんですね。すぐにアジトを割り出すなんて…」
コーデリアさんは、さすが騎士団と衛兵だと感心した様子でそう答えた。礼を言われた事よりも、そちらの方が気になったらしい。
言う事はできないが、もしクレットがいなかったら、俺達ももっと苦戦していたからな。そう考えながら俺達は曖昧に笑って頷いた。
「お二人とも怪我も無くご無事で良かったです」
自分も探索の一端を担っていたとは匂わせもせずに、マルクさんはあっさりとそう答えた。
三人とも、本当に気の良い人たちなんだな。
「ケイリー、色々と聞きたい事はあるが、一つだけ聞かせてもらって良いか?」
真剣な声と表情で、リヤンはそう尋ねた。
「ああ、なんだ?リヤン」
「二人とも…無事なんだよな?」
父さんとリヤンは年齢も近く、お互いに領主とギルマスになる前からの顔なじみらしい。
まだ無名だった頃の父さんは、母さんに会うためだけにギルドに登録し、冒険者として活動していた事があるらしい。まあ父さんらしい動機と行動力だなと、俺達兄弟は誰も驚きはしなかったんだが。
その頃に、同じく無名だったリヤンと知り合ったと聞いた事がある。
今では友人と呼べるような間柄の二人だが、今回の報告会のような公の場では一線を引いて接している。
リヤンは言葉使いこそ普段通りだが、決して名前は呼ばず領主様と呼びかけるのが常だ。
そんなリヤンが父さんの名前を、しかも呼び捨てにするとは。いったいリヤンがどれだけ動揺しているのかが、よく伝わってくる質問だ。
同時にそれはキースとアキトの身を、心から心配してくれているという証明でもあるわけだ。父さんも兄さんたちも、それに俺も自然と笑みを浮かべてしまった。
「もちろん、二人とも無事だ。情報を元にアジトを割り出し、怪我一つない状態で保護できたよ」
実際にはシュリの力を借りて三人で自力で逃げてきたわけだが、それを言うとまた話がややこしくなるからな。今回は父さんもそこは説明しないつもりのようだ。
「そうか…それは良かった…俺が伴侶候補について話した時のさっきのハルの反応で、大丈夫だとは思ったんだが、やはり不安でな」
ふうとひとつ息を吐くリヤンと同じタイミングで、ルピカさんとコーデリアさん、そしてマルクさんも大きく息を吐いた。
直接面識があるわけでも無いのに、この三人もキースとアキトの事を心配してくれていたんだな。
温かい気持ちになりながら皆の行動を見つめていると、不意にリヤンが声をあげた。
「あ…失礼した、領主様」
何故急にと思ってリヤンの視線の先を辿ってみれば、まじまじとリヤンを見つめているボルトの姿があった。
たぶんボルトは裏表なくキースとアキトの心配をした事で、リヤンの事を見直しているんだと思うんだが…あれだけ見つめられたら咎められていると受け取るのも無理は無いか。
「いや、リヤン、ルピカさん、コーデリアさん、マルクさん。私の家族二人の事を、心から心配してくれてありがとう」
それは領主としての言葉ではなく、ただ家族を大切に思っている父としての言葉だった。リヤンには驚いた様子はかけらも無いが、他の三人は大きく目を見開いて驚いていた。
英雄ケイリー・ウェルマールのイメージとは、かなり違っていたんだろうな。
「いや、気にするな」
リヤンは照れくさそうに笑いながら、ぶんぶんと手を振ってそう答えた。ボルトさんも父さんの言葉に合わせて丁寧に礼をしているから、責められているわけでは無いと分かったみたいだな。
「ご無事で何よりです」
真面目な返答を返したのは、ルピカさんだ。言葉自体は硬いものだが、その目は優しく微笑んでいる。
「とんでもないです。それにしても、やっぱり情報収集能力がすごいんですね。すぐにアジトを割り出すなんて…」
コーデリアさんは、さすが騎士団と衛兵だと感心した様子でそう答えた。礼を言われた事よりも、そちらの方が気になったらしい。
言う事はできないが、もしクレットがいなかったら、俺達ももっと苦戦していたからな。そう考えながら俺達は曖昧に笑って頷いた。
「お二人とも怪我も無くご無事で良かったです」
自分も探索の一端を担っていたとは匂わせもせずに、マルクさんはあっさりとそう答えた。
三人とも、本当に気の良い人たちなんだな。
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