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1305.【ハル視点】報告会の後
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今回の報告会は、俺が想像していたよりも各段に早く終わった。
外部から客人が来ると聞いた時から、もっと時間がかかるだろうと覚悟していたんだが…これは嬉しい誤算だな。
報告会が終わった後は、あっさりと解散になったのも良かった。
せっかくの機会だから交流したいなどと言い出す客人が来ている場合には、さすがに断る事も出来ず長々と世間話に付き合う事になる。あれはどれだけ時間がかかるかも分からないし、かなり面倒なんだよな。
幸いにも今回の客人である四人は、むしろ報告会が終わったと聞いた途端にさっと立ち上がった。そしてすぐに準備に取り掛かると言って、あっという間に侍従に案内されて部屋から出ていってしまった。
続いてジーラルとネルバ、そしてダンが、部屋に戻って報告書を作りますと声をかけてから退室していった。
これで部屋に残っているのは父さんとファーガス兄さん、ウィル兄とジルさんだけだ。
「思っていたよりも、かなり早く終わったね」
思わずそう呟いた俺に、父さんはそうだなと笑って答えた。
「ここまで早いとは…さすがに思わなかったな」
「だよねー話が早い人ばっかりだったからかな?」
早く終わったのが嬉しいようで、ウィル兄さんの表情は満面の笑みだ。
「特にマルクさんがすぐに本隊への参加を決めてくれたのが、大きかったんじゃないか?」
ファーガス兄さんの返答に、部屋にいた全員が思わず頷いた。
「あーそれはあるかも。まさかあんなに即決で参加を決めてくれるとはねー」
「あの信頼に答えるためにも、護衛はきっちりと付けてくれ」
父さんからの要望に、ウィル兄はもちろんと答えた。
「ジルがきっちり手配してくれるから、そこは安心してー」
「はい。近くに配置する騎士たちにも最優先で守るようにと伝えますが、うちの隊員の中でも気配探知が上手い者を常に側にいるようにします」
「そうか、頼んだ」
マルクさんの護衛の件についての話が終わったなら、もう今相談すべき事は全て終わったかな。そろそろ部屋を出ると言っても良い頃だろうかと考えながら視線をあげると、面白そうに笑っているウィル兄と目が合った。
「ハル、はやくアキトくんの所に行きたいって顔に出てるよー?」
悪戯っぽくそう揶揄ってくるウィル兄さんに、俺はにっこりと笑ってみせた。
「愛しの伴侶候補に会いたいのは、当然の事だよね?ここに伴侶がいるウィル兄とは違うんだから。ファーガス兄さんだって、父さんだってそうだと思うんだけど?」
そう言い放てば、ファーガス兄さんが真顔で答えた。
「たしかに、会いたくなってきたな」
「お前たちはまだ会おうと思えば会えるんだから良いだろう。グレース…早く帰って来ないかな」
寂しそうな父さんの発言にウィル兄が慌てている間に、俺はすっと立ち上がった。
「じゃあお先に。時間が決まったら教えてくれ」
「あ、ハル。クレットはここには来ていないんだよな?」
「ああ、今はここにはいないよ」
「そうか。では出発までにクレットに会ったら、明後日には出発すると言っておいてくれないか?」
クレットにもきちんと伝えて欲しいとお願いしてきた父さんに、俺はすぐに分かったと頷いてから部屋を後にした。
「ハロルド様」
さあアキトを探しに行くぞと思った俺に、部屋の外で待機していたボルトが声をかけてきた。
「どうかしたか?」
「先ほどアキト様を厩舎に向かう道で見かけたと報告がありましたので、お伝えしておこうかと思いまして」
「そうなのか。それはわざわざ伝えに来てくれてありがとう。今一番必要な情報だよ」
その報告をしてくれた人にも礼を言っておいてくれと言った所で、ふと思い出した。
「ボルト、いますこし良いか?」
「ええ、もちろん大丈夫ですが…」
「昨日俺達が帰ってきた時、ウィル兄の誘いを止めてくれてありがとう。おかげで二人だけで、アキトの初めての手料理を味わわせてもらえたよ」
一体何を言われるんだろうと身構えていたらしいボルトは、ふわりと優しい笑みを浮かべた。
「それは良かったです。アキト様もせっかくなら二人だけで食べて貰えた方が嬉しいかと思いましたので」
「すごく助かった。ありがとう」
素直にそう礼を言えば、ボルトは微笑みながら頷いてくれた。
外部から客人が来ると聞いた時から、もっと時間がかかるだろうと覚悟していたんだが…これは嬉しい誤算だな。
報告会が終わった後は、あっさりと解散になったのも良かった。
せっかくの機会だから交流したいなどと言い出す客人が来ている場合には、さすがに断る事も出来ず長々と世間話に付き合う事になる。あれはどれだけ時間がかかるかも分からないし、かなり面倒なんだよな。
幸いにも今回の客人である四人は、むしろ報告会が終わったと聞いた途端にさっと立ち上がった。そしてすぐに準備に取り掛かると言って、あっという間に侍従に案内されて部屋から出ていってしまった。
続いてジーラルとネルバ、そしてダンが、部屋に戻って報告書を作りますと声をかけてから退室していった。
これで部屋に残っているのは父さんとファーガス兄さん、ウィル兄とジルさんだけだ。
「思っていたよりも、かなり早く終わったね」
思わずそう呟いた俺に、父さんはそうだなと笑って答えた。
「ここまで早いとは…さすがに思わなかったな」
「だよねー話が早い人ばっかりだったからかな?」
早く終わったのが嬉しいようで、ウィル兄さんの表情は満面の笑みだ。
「特にマルクさんがすぐに本隊への参加を決めてくれたのが、大きかったんじゃないか?」
ファーガス兄さんの返答に、部屋にいた全員が思わず頷いた。
「あーそれはあるかも。まさかあんなに即決で参加を決めてくれるとはねー」
「あの信頼に答えるためにも、護衛はきっちりと付けてくれ」
父さんからの要望に、ウィル兄はもちろんと答えた。
「ジルがきっちり手配してくれるから、そこは安心してー」
「はい。近くに配置する騎士たちにも最優先で守るようにと伝えますが、うちの隊員の中でも気配探知が上手い者を常に側にいるようにします」
「そうか、頼んだ」
マルクさんの護衛の件についての話が終わったなら、もう今相談すべき事は全て終わったかな。そろそろ部屋を出ると言っても良い頃だろうかと考えながら視線をあげると、面白そうに笑っているウィル兄と目が合った。
「ハル、はやくアキトくんの所に行きたいって顔に出てるよー?」
悪戯っぽくそう揶揄ってくるウィル兄さんに、俺はにっこりと笑ってみせた。
「愛しの伴侶候補に会いたいのは、当然の事だよね?ここに伴侶がいるウィル兄とは違うんだから。ファーガス兄さんだって、父さんだってそうだと思うんだけど?」
そう言い放てば、ファーガス兄さんが真顔で答えた。
「たしかに、会いたくなってきたな」
「お前たちはまだ会おうと思えば会えるんだから良いだろう。グレース…早く帰って来ないかな」
寂しそうな父さんの発言にウィル兄が慌てている間に、俺はすっと立ち上がった。
「じゃあお先に。時間が決まったら教えてくれ」
「あ、ハル。クレットはここには来ていないんだよな?」
「ああ、今はここにはいないよ」
「そうか。では出発までにクレットに会ったら、明後日には出発すると言っておいてくれないか?」
クレットにもきちんと伝えて欲しいとお願いしてきた父さんに、俺はすぐに分かったと頷いてから部屋を後にした。
「ハロルド様」
さあアキトを探しに行くぞと思った俺に、部屋の外で待機していたボルトが声をかけてきた。
「どうかしたか?」
「先ほどアキト様を厩舎に向かう道で見かけたと報告がありましたので、お伝えしておこうかと思いまして」
「そうなのか。それはわざわざ伝えに来てくれてありがとう。今一番必要な情報だよ」
その報告をしてくれた人にも礼を言っておいてくれと言った所で、ふと思い出した。
「ボルト、いますこし良いか?」
「ええ、もちろん大丈夫ですが…」
「昨日俺達が帰ってきた時、ウィル兄の誘いを止めてくれてありがとう。おかげで二人だけで、アキトの初めての手料理を味わわせてもらえたよ」
一体何を言われるんだろうと身構えていたらしいボルトは、ふわりと優しい笑みを浮かべた。
「それは良かったです。アキト様もせっかくなら二人だけで食べて貰えた方が嬉しいかと思いましたので」
「すごく助かった。ありがとう」
素直にそう礼を言えば、ボルトは微笑みながら頷いてくれた。
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