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過去の自分
第4話
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恐ろしい夢を見た。内容は覚えていないけど。
目が覚めたのは、部屋の窓から強烈な日差しが差し込む頃だった。部屋の様子は何一つ変わっていない。どうやら、今日も一一歳のままらしい。
この時、夢であるという考えを捨て、この時代をもう一度生きる覚悟を決めた。
どうして僕が、もう一度人生を送ることを拒んでいるのか。どうしてこの素晴らしい光景が夢であることを望んだのか。
それはこれから先の人生で、僕には耐えられない苦痛が待っているからだった。
来年の夏、妹の優香はいじめられてしまう。
それを家族が知ることになったのは、いじめられてから一年半が経ったときだった。優香は誰にも相談することなく一年半もの間、一人でいじめと戦っていた。僕らはそれに気付くことも助けてあげることもできず、結果的に長期的ないじめに発展してしまった。
それでも優香は、家では平然を装い、元気な姿を見せ、家族の一員として演じていた。
僕を含めた当時の家族は、本当に何も気付けなかった訳ではないと思う。
「もしかしたら」と思うことは、いくつかあった気もする。だが、優香に限ってそんなことはないと高を括っていた。
その後、優香は私立の中学校に通うことになり、いじめていた同級生から離れることはできた。だが、優香の優しかった笑顔や明るい立ち振る舞いは、小学校に置いてきてしまったようだった。それ以来笑顔はなく、家族での会話も無くなった。
両親もそんな優香の姿を見て、自分達を責めた。だから、母が笑っているのも、父がお酒を飲んでいるのも何十年ぶりの光景だった。
皮肉にも、僕が現在教師になっている要因の一つだった。
優香のような生徒を守りたかった。近くで見ているはずの先生がどうして手を差し伸べなかったのか。僕にはその事実が許せなかった。
これは、救えなかったものを救うために神様がくれたチャンスなのかもしれない。もう二度とあんな目には合わせない。もう一度僕は、優香を救う覚悟を決めた。
昼食をとった後、出かける準備に取り掛かかる。
小学生の時に着ていたものの中から、ましなものを手に取り、急いで支度する。日頃の習慣で髭を剃ろうとしてしまったが、顔の下半分に毛は一本も生えていなかった。逆に眉毛は全く整えられていない。父が使う剃刀と小さい鋏を使い、少しだけ整える。髪にも整髪剤をつけセットして、家から飛び出した。
学校は明日からだ。この世界で生きていくなら準備も必要だろう。
今朝、母に貰った財布を握り、学校での必需品を買いに行くことにした。家から自転車で二十分ほどのところに、確かホームセンターがあったはずだ。真新しい自転車に乗り、目的地を目指す。
久しぶりに自転車に乗った。春の風が背中を押し上げてくれるような感覚があった。新しい自転車は、ペダルやチェーンの隙間から雑音を立てることなく、滑らかに進んでいく。
今から約四ヶ月前のクリスマスに、自転車を買ってもらったことを思い出した。過去に戻ってから今まで、僕の記憶とこの世界に食い違いは発生していない。本当に過去の世界であるということを確認するためにも、現状を覚えている範囲で調査する必要があった。
ホームセンターに到着し、学校で必要なものを探す。筆箱やノートはもちろん、雑巾や上履き、洗濯バサミに連絡帳も必要だ。生徒に持ってくるように頼んだものを自分が準備しているのは、不思議な気分だった。
プリントを見ながら順番に探していると、随分と懐かしい声で、自分の名前を呼ぶのが聞こえてくる。
「まなとー!」
振り返ると、当時仲の良かった山田拓哉と、隣にはその母親がいた。
拓哉は明るくて、女子からも人気のある少年だった。小学一年生からサッカーをやっていて、徒競走や持久走、運動会でもヒーローだった。そんな拓哉は、なぜだか僕といつも一緒にいてくれた。放課後はよく、フリーキックの練習に付き合わされて、何度も手を痛めたのを覚えている。拓哉も所属する地元のサッカークラブに何度か誘われたが、サッカーは得意ではなかったので、ずっと断り続けて入部することはなかった。
「拓哉!」
久しぶりの再会に心が弾む。
隣いた拓哉の母親に挨拶をして、拓哉に話しかける。
「久しぶりだなー、何年ぶりだよ」
喜びのあまり、迂闊なことを口にしてしまった。
「何年ぶり?この間遊んだばっかりじゃん」
この頃の拓哉の姿を見るのも、当然何十年ぶりなのだが、元いた世界の僕らも、高校を卒業してからは一度も会っていない。実に九年ぶりと言ったところか。
「いやー、ごめんごめん。春休み長くてさ、時間感覚狂っちゃて」
慌てて惚けたふりをする。
横にいた拓哉の母親と会うのは、それこそ何十年ぶりだ。
「愛斗君は今日一人できたの?」
心配そうに拓哉の母親は言った。
「あ、はい。明日の準備の買い出しです!」
「危ないから、気をつけて帰りなさいね。事故したら学校に通報いっちゃうわよ」
困った顔をしていたが心配してくれた。
「はい、気をつけて帰ります」
その後、拓哉達とはすぐに別れた。
別れ際に、「明日学校で」と伝えると、拓哉は不安な表情を浮かべていた。
ホームセンターから出て、街の様子を確認しに行った。大学時代に見た時とは、少しだけ違う景色が映る。コンビニや大型のスーパーなどは、まだ建てられていない。逆に商店街や八百屋が活気よく残っていて、空き地や公園なんかも当時のままだった。
しかし、最後に訪れた時と一五年前のこの時代の雰囲気は、僕にはあまり変わらないように感じる。人は存外、自分が思っている以上に周りの状況に興味がないのだろう。ここの商店街も、いずれ多くの人で賑わうスーパーに代わり、あちこちにコンビニができる。だが今日、この街を見るまで、僕はここに商店街があったことをすっかりと忘れてしまっていた。
全体をぐるりと見渡しながら、そんなことを考えていた。僕が覚えている限り、街や風景は当時のままだ。
拓哉に会えたことは好都合だった。明日はこの頃の友人や知人に会える。小学校の頃の旧友に会うことは、なんだかとても楽しみだった。
少し不思議な同窓会に、僕は心が弾んでいた。
目が覚めたのは、部屋の窓から強烈な日差しが差し込む頃だった。部屋の様子は何一つ変わっていない。どうやら、今日も一一歳のままらしい。
この時、夢であるという考えを捨て、この時代をもう一度生きる覚悟を決めた。
どうして僕が、もう一度人生を送ることを拒んでいるのか。どうしてこの素晴らしい光景が夢であることを望んだのか。
それはこれから先の人生で、僕には耐えられない苦痛が待っているからだった。
来年の夏、妹の優香はいじめられてしまう。
それを家族が知ることになったのは、いじめられてから一年半が経ったときだった。優香は誰にも相談することなく一年半もの間、一人でいじめと戦っていた。僕らはそれに気付くことも助けてあげることもできず、結果的に長期的ないじめに発展してしまった。
それでも優香は、家では平然を装い、元気な姿を見せ、家族の一員として演じていた。
僕を含めた当時の家族は、本当に何も気付けなかった訳ではないと思う。
「もしかしたら」と思うことは、いくつかあった気もする。だが、優香に限ってそんなことはないと高を括っていた。
その後、優香は私立の中学校に通うことになり、いじめていた同級生から離れることはできた。だが、優香の優しかった笑顔や明るい立ち振る舞いは、小学校に置いてきてしまったようだった。それ以来笑顔はなく、家族での会話も無くなった。
両親もそんな優香の姿を見て、自分達を責めた。だから、母が笑っているのも、父がお酒を飲んでいるのも何十年ぶりの光景だった。
皮肉にも、僕が現在教師になっている要因の一つだった。
優香のような生徒を守りたかった。近くで見ているはずの先生がどうして手を差し伸べなかったのか。僕にはその事実が許せなかった。
これは、救えなかったものを救うために神様がくれたチャンスなのかもしれない。もう二度とあんな目には合わせない。もう一度僕は、優香を救う覚悟を決めた。
昼食をとった後、出かける準備に取り掛かかる。
小学生の時に着ていたものの中から、ましなものを手に取り、急いで支度する。日頃の習慣で髭を剃ろうとしてしまったが、顔の下半分に毛は一本も生えていなかった。逆に眉毛は全く整えられていない。父が使う剃刀と小さい鋏を使い、少しだけ整える。髪にも整髪剤をつけセットして、家から飛び出した。
学校は明日からだ。この世界で生きていくなら準備も必要だろう。
今朝、母に貰った財布を握り、学校での必需品を買いに行くことにした。家から自転車で二十分ほどのところに、確かホームセンターがあったはずだ。真新しい自転車に乗り、目的地を目指す。
久しぶりに自転車に乗った。春の風が背中を押し上げてくれるような感覚があった。新しい自転車は、ペダルやチェーンの隙間から雑音を立てることなく、滑らかに進んでいく。
今から約四ヶ月前のクリスマスに、自転車を買ってもらったことを思い出した。過去に戻ってから今まで、僕の記憶とこの世界に食い違いは発生していない。本当に過去の世界であるということを確認するためにも、現状を覚えている範囲で調査する必要があった。
ホームセンターに到着し、学校で必要なものを探す。筆箱やノートはもちろん、雑巾や上履き、洗濯バサミに連絡帳も必要だ。生徒に持ってくるように頼んだものを自分が準備しているのは、不思議な気分だった。
プリントを見ながら順番に探していると、随分と懐かしい声で、自分の名前を呼ぶのが聞こえてくる。
「まなとー!」
振り返ると、当時仲の良かった山田拓哉と、隣にはその母親がいた。
拓哉は明るくて、女子からも人気のある少年だった。小学一年生からサッカーをやっていて、徒競走や持久走、運動会でもヒーローだった。そんな拓哉は、なぜだか僕といつも一緒にいてくれた。放課後はよく、フリーキックの練習に付き合わされて、何度も手を痛めたのを覚えている。拓哉も所属する地元のサッカークラブに何度か誘われたが、サッカーは得意ではなかったので、ずっと断り続けて入部することはなかった。
「拓哉!」
久しぶりの再会に心が弾む。
隣いた拓哉の母親に挨拶をして、拓哉に話しかける。
「久しぶりだなー、何年ぶりだよ」
喜びのあまり、迂闊なことを口にしてしまった。
「何年ぶり?この間遊んだばっかりじゃん」
この頃の拓哉の姿を見るのも、当然何十年ぶりなのだが、元いた世界の僕らも、高校を卒業してからは一度も会っていない。実に九年ぶりと言ったところか。
「いやー、ごめんごめん。春休み長くてさ、時間感覚狂っちゃて」
慌てて惚けたふりをする。
横にいた拓哉の母親と会うのは、それこそ何十年ぶりだ。
「愛斗君は今日一人できたの?」
心配そうに拓哉の母親は言った。
「あ、はい。明日の準備の買い出しです!」
「危ないから、気をつけて帰りなさいね。事故したら学校に通報いっちゃうわよ」
困った顔をしていたが心配してくれた。
「はい、気をつけて帰ります」
その後、拓哉達とはすぐに別れた。
別れ際に、「明日学校で」と伝えると、拓哉は不安な表情を浮かべていた。
ホームセンターから出て、街の様子を確認しに行った。大学時代に見た時とは、少しだけ違う景色が映る。コンビニや大型のスーパーなどは、まだ建てられていない。逆に商店街や八百屋が活気よく残っていて、空き地や公園なんかも当時のままだった。
しかし、最後に訪れた時と一五年前のこの時代の雰囲気は、僕にはあまり変わらないように感じる。人は存外、自分が思っている以上に周りの状況に興味がないのだろう。ここの商店街も、いずれ多くの人で賑わうスーパーに代わり、あちこちにコンビニができる。だが今日、この街を見るまで、僕はここに商店街があったことをすっかりと忘れてしまっていた。
全体をぐるりと見渡しながら、そんなことを考えていた。僕が覚えている限り、街や風景は当時のままだ。
拓哉に会えたことは好都合だった。明日はこの頃の友人や知人に会える。小学校の頃の旧友に会うことは、なんだかとても楽しみだった。
少し不思議な同窓会に、僕は心が弾んでいた。
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