飴と薬と鎖鎌

はぐれメタボ

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アルタリア大陸編

13話 ギルドからの依頼

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  サリナさんに連れていかれた部屋は簡素ではあるが、応接室のようだ。
  大きめのテーブルにいくつかの椅子が置かれている。
  その内の1つに座る様に言われ、腰を落ち着けると、私の向かい側にサリナさんと先程の男性が腰を下ろした。

「こちらは依頼者のテオロさんです。
  テオロさん、彼女はDランク薬師のリンさんです」

  サリナさんが男性を紹介してくれる。

「彼の村で急病が発生したそうです。
  その為、医療ギルドは緊急依頼としてリンさんに治療を依頼します」

  つまり、現地に行って治療をして欲しいって事か。

「取り敢えず詳細を聞いてから依頼を受けるかを決めさせて」

「はい、勿論です。
  テオロさん、お願いします」

「あ、ああ……4日前……いや、もう5日前になるか、村の子供が1人体調を崩して倒れたんだ」

  男の説明をサリナさんが補足する。

「症状は現在、嘔吐、下痢、発熱、手足の痺れが確認されています」

「……食中毒じゃないの?」

「ああ、初めは悪い物を食ったんだろうと思ってゆっくり寝ている様にと言ったんだ。
  だが翌日……更に3人が倒れた。
  同じ症状で子供が2人と女が1人。更に翌日には7人、子供が1人、女が2人、男が1人に老人が3人だ。
  それで野菜を売るために村を出ていて病人との接触が1番少なかった俺が助けを呼びに来たんだ」

「それって⁉︎」

  驚く私にサリナさんがゆっくりと頷く。

「はい、伝染病が発生した可能性があります。
  現在、医療ギルドでは対策チームを編成しているのですが、リンさんには現地に先行して後発の対策チームが合流するまで病人の治療と原因の調査を行って頂きたいのです。
  勿論、リンさんが魔力が高く、人族よりも伝染病に掛かりにくいエルフ族とのハーフとは言え、伝染病が発生した可能性がある村への派遣ですので、ギルドは強制する事は出来ません。
  リンさんにはこの依頼を断わる権利があります。
  その上で、この依頼を受けて頂きたいのです!」

「…………」

  さて、どうしようか?
  あの残念な神が用意してくれたこの身体は高性能。
  更に細菌やウイルスによる伝染病は魔力によって抵抗出来るらしく、多分エルフ基準でもかなり高い魔力を持つであろう私ならまず感染する事はないと思う。
  それでいて周囲から見ると伝染病かも知れない村に真っ先に治療に行く勇敢な正義の薬師である。
  当然、ギルドからも評価されるに違いない。
  
「対策チームの編成にはどれくらいかかりますか?」

「王都に居る魔力の高い専門家の到着を待たなければいけないのでおそらく10日から15日程かと……」

「そうですか…………わかりました、お引き受けします」

「本当ですか⁉︎」

「ええ、村人が全滅している訳ではないですし、私の魔力量なら大丈夫でしょう。
  それに対策チームの編成を待っていたら間に合わないかも知れないしね」

  こうして私は謎の病気が発症した村へと向かう事になったのだ。
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