13 / 36
アルタリア大陸編
13話 ギルドからの依頼
しおりを挟む
サリナさんに連れていかれた部屋は簡素ではあるが、応接室のようだ。
大きめのテーブルにいくつかの椅子が置かれている。
その内の1つに座る様に言われ、腰を落ち着けると、私の向かい側にサリナさんと先程の男性が腰を下ろした。
「こちらは依頼者のテオロさんです。
テオロさん、彼女はDランク薬師のリンさんです」
サリナさんが男性を紹介してくれる。
「彼の村で急病が発生したそうです。
その為、医療ギルドは緊急依頼としてリンさんに治療を依頼します」
つまり、現地に行って治療をして欲しいって事か。
「取り敢えず詳細を聞いてから依頼を受けるかを決めさせて」
「はい、勿論です。
テオロさん、お願いします」
「あ、ああ……4日前……いや、もう5日前になるか、村の子供が1人体調を崩して倒れたんだ」
男の説明をサリナさんが補足する。
「症状は現在、嘔吐、下痢、発熱、手足の痺れが確認されています」
「……食中毒じゃないの?」
「ああ、初めは悪い物を食ったんだろうと思ってゆっくり寝ている様にと言ったんだ。
だが翌日……更に3人が倒れた。
同じ症状で子供が2人と女が1人。更に翌日には7人、子供が1人、女が2人、男が1人に老人が3人だ。
それで野菜を売るために村を出ていて病人との接触が1番少なかった俺が助けを呼びに来たんだ」
「それって⁉︎」
驚く私にサリナさんがゆっくりと頷く。
「はい、伝染病が発生した可能性があります。
現在、医療ギルドでは対策チームを編成しているのですが、リンさんには現地に先行して後発の対策チームが合流するまで病人の治療と原因の調査を行って頂きたいのです。
勿論、リンさんが魔力が高く、人族よりも伝染病に掛かりにくいエルフ族とのハーフとは言え、伝染病が発生した可能性がある村への派遣ですので、ギルドは強制する事は出来ません。
リンさんにはこの依頼を断わる権利があります。
その上で、この依頼を受けて頂きたいのです!」
「…………」
さて、どうしようか?
あの残念な神が用意してくれたこの身体は高性能。
更に細菌やウイルスによる伝染病は魔力によって抵抗出来るらしく、多分エルフ基準でもかなり高い魔力を持つであろう私ならまず感染する事はないと思う。
それでいて周囲から見ると伝染病かも知れない村に真っ先に治療に行く勇敢な正義の薬師である。
当然、ギルドからも評価されるに違いない。
「対策チームの編成にはどれくらいかかりますか?」
「王都に居る魔力の高い専門家の到着を待たなければいけないのでおそらく10日から15日程かと……」
「そうですか…………わかりました、お引き受けします」
「本当ですか⁉︎」
「ええ、村人が全滅している訳ではないですし、私の魔力量なら大丈夫でしょう。
それに対策チームの編成を待っていたら間に合わないかも知れないしね」
こうして私は謎の病気が発症した村へと向かう事になったのだ。
大きめのテーブルにいくつかの椅子が置かれている。
その内の1つに座る様に言われ、腰を落ち着けると、私の向かい側にサリナさんと先程の男性が腰を下ろした。
「こちらは依頼者のテオロさんです。
テオロさん、彼女はDランク薬師のリンさんです」
サリナさんが男性を紹介してくれる。
「彼の村で急病が発生したそうです。
その為、医療ギルドは緊急依頼としてリンさんに治療を依頼します」
つまり、現地に行って治療をして欲しいって事か。
「取り敢えず詳細を聞いてから依頼を受けるかを決めさせて」
「はい、勿論です。
テオロさん、お願いします」
「あ、ああ……4日前……いや、もう5日前になるか、村の子供が1人体調を崩して倒れたんだ」
男の説明をサリナさんが補足する。
「症状は現在、嘔吐、下痢、発熱、手足の痺れが確認されています」
「……食中毒じゃないの?」
「ああ、初めは悪い物を食ったんだろうと思ってゆっくり寝ている様にと言ったんだ。
だが翌日……更に3人が倒れた。
同じ症状で子供が2人と女が1人。更に翌日には7人、子供が1人、女が2人、男が1人に老人が3人だ。
それで野菜を売るために村を出ていて病人との接触が1番少なかった俺が助けを呼びに来たんだ」
「それって⁉︎」
驚く私にサリナさんがゆっくりと頷く。
「はい、伝染病が発生した可能性があります。
現在、医療ギルドでは対策チームを編成しているのですが、リンさんには現地に先行して後発の対策チームが合流するまで病人の治療と原因の調査を行って頂きたいのです。
勿論、リンさんが魔力が高く、人族よりも伝染病に掛かりにくいエルフ族とのハーフとは言え、伝染病が発生した可能性がある村への派遣ですので、ギルドは強制する事は出来ません。
リンさんにはこの依頼を断わる権利があります。
その上で、この依頼を受けて頂きたいのです!」
「…………」
さて、どうしようか?
あの残念な神が用意してくれたこの身体は高性能。
更に細菌やウイルスによる伝染病は魔力によって抵抗出来るらしく、多分エルフ基準でもかなり高い魔力を持つであろう私ならまず感染する事はないと思う。
それでいて周囲から見ると伝染病かも知れない村に真っ先に治療に行く勇敢な正義の薬師である。
当然、ギルドからも評価されるに違いない。
「対策チームの編成にはどれくらいかかりますか?」
「王都に居る魔力の高い専門家の到着を待たなければいけないのでおそらく10日から15日程かと……」
「そうですか…………わかりました、お引き受けします」
「本当ですか⁉︎」
「ええ、村人が全滅している訳ではないですし、私の魔力量なら大丈夫でしょう。
それに対策チームの編成を待っていたら間に合わないかも知れないしね」
こうして私は謎の病気が発症した村へと向かう事になったのだ。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『召喚ニートの異世界草原記』
KAORUwithAI
ファンタジー
ゲーム三昧の毎日を送る元ニート、佐々木二郎。
ある夜、三度目のゲームオーバーで眠りに落ちた彼が目を覚ますと、そこは見たこともない広大な草原だった。
剣と魔法が当たり前に存在する世界。だが二郎には、そのどちらの才能もない。
――代わりに与えられていたのは、**「自分が見た・聞いた・触れたことのあるものなら“召喚”できる」**という不思議な能力だった。
面倒なことはしたくない、楽をして生きたい。
そんな彼が、偶然出会ったのは――痩せた辺境・アセトン村でひとり生きる少女、レン。
「逃げて!」と叫ぶ彼女を前に、逃げようとした二郎の足は動かなかった。
昔の記憶が疼く。いじめられていたあの日、助けを求める自分を誰も救ってくれなかったあの光景。
……だから、今度は俺が――。
現代の知恵と召喚の力を武器に、ただの元ニートが異世界を駆け抜ける。
少女との出会いが、二郎を“召喚者”へと変えていく。
引きこもりの俺が、異世界で誰かを救う物語が始まる。
※こんな物も召喚して欲しいなって
言うのがあればリクエストして下さい。
出せるか分かりませんがやってみます。
クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…
生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。
水定ゆう
ファンタジー
村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。
異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。
そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。
生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!
※とりあえず、一時完結いたしました。
今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。
その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
盾の間違った使い方
KeyBow
ファンタジー
その日は快晴で、DIY日和だった。
まさかあんな形で日常が終わるだなんて、誰に想像できただろうか。
マンションの屋上から落ちてきた女子高生と、運が悪く――いや、悪すぎることに激突して、俺は死んだはずだった。
しかし、当たった次の瞬間。
気がつけば、今にも動き出しそうなドラゴンの骨の前にいた。
周囲は白骨死体だらけ。
慌てて武器になりそうなものを探すが、剣はすべて折れ曲がり、鎧は胸に大穴が空いたりひしゃげたりしている。
仏様から脱がすのは、物理的にも気持ち的にも無理だった。
ここは――
多分、ボス部屋。
しかもこの部屋には入り口しかなく、本来ドラゴンを倒すために進んできた道を、逆進行するしかなかった。
与えられた能力は、現代日本の商品を異世界に取り寄せる
【異世界ショッピング】。
一見チートだが、完成された日用品も、人が口にできる食べ物も飲料水もない。買えるのは素材と道具、作業関連品、農作業関連の品や種、苗等だ。
魔物を倒して魔石をポイントに換えなければ、
水一滴すら買えない。
ダンジョン最奥スタートの、ハード・・・どころか鬼モードだった。
そんな中、盾だけが違った。
傷はあっても、バンドの残った盾はいくつも使えた。
両手に円盾、背中に大盾、そして両肩に装着したL字型とスパイク付きのそれは、俺をリアルザクに仕立てた。
盾で殴り
盾で守り
腹が減れば・・・盾で焼く。
フライパン代わりにし、竈の一部にし、用途は盛大に間違っているが、生きるためには、それが正解だった。
ボス部屋手前のセーフエリアを拠点に、俺はひとりダンジョンを生き延びていく。
――そんなある日。
聞こえるはずのない女性の悲鳴が、ボス部屋から響いた。
盾のまちがった使い方から始まる異世界サバイバル、ここに開幕。
【AIの使用について】
本作は執筆補助ツールとして生成AIを使用しています。
主な用途は「誤字脱字のチェック」「表現の推敲」「壁打ち(アイデア出しの補助)」です。
ストーリー構成および本文の執筆は作者自身が行っております。
異世界配信〜幼馴染みに捨てられた俺を導く神々の声(視聴者)
葉月
ファンタジー
コルネ村で、幼なじみであり恋人でもあったユリアナと、ささやかな幸福を分かち合って生きていたロイド。
だがある日、ユリアナは女神の愛子として目覚め、国王の命により王都へと連れ去られる。
突然、日常を奪われ、運命に引き裂かれたロイドは、抗う術も持たぬまま、否応なく大きな流れへと呑み込まれていく。
これは、奪われたものを取り戻すため、そして理不尽な運命に抗おうとする、一人の少年の物語である。
【完結】おじいちゃんは元勇者
三園 七詩
ファンタジー
元勇者のおじいさんに拾われた子供の話…
親に捨てられ、周りからも見放され生きる事をあきらめた子供の前に国から追放された元勇者のおじいさんが現れる。
エイトを息子のように可愛がり…いつしか子供は強くなり過ぎてしまっていた…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる