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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
118話 先客とわたし
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盗賊共を討伐してから丸1日、カルバン伯爵領の領都であるカルバンの街に到着しました。
ガスト程ではないですが、なかなか大きな街です。
わたしは、身分証を提示して街に入ると真っ直ぐ貴族街を目指します。
しかし、不思議な街です。
やけに見回りの衛兵さんが多いのです。
何か事件でも有ったのでしょうか?
その割には街の住人達は、なんだか楽しそうです。
祭りの前というか、遊園地でアトラクションに並んでいるときの様な浮足だった感じがします。
わたしは疑問に思いながら貴族街の入り口に到着しました。
簡易的な門の前には複数の衛兵さんが立ち、行き交う人々を鋭い視線で見つめています。
ガストの貴族街の入り口より、遥かに警備が厳しいですね。
「あの~すみません、貴族街に入りたいのですが」
わたしが話しかけると、ガッシリとした体格の衛兵さんが対応してくれました。
「済まないが現在は許可がない限り平民は貴族街に出入りすることは出来ない。
君は見た所冒険者の様だが誰かの使いか?」
「はい、フレイド・フォン・ガスト辺境伯様の使いで来ました。Aランク冒険者のユウです」
わたしはギルドカードとガスト辺境伯家の、メダルを取り出します。
「これは辺境伯家の家紋、分かった。
Aランク冒険者ならば問題無いだろう。
通って良いぞ」
「ありがとうございます」
やけに警備が厳重ですね。
しばらく歩くと領主であるカルバン伯爵の邸宅に到着しました。
門を守っている門番さんに身分証とメダルを見せ、要件を告げます。
しばらく待たされたあと、邸宅から執事らしき人物がやって来ました。
「お待たせいたしました。
私は伯爵家に仕える執事長のカールトンと申すます」
「フレイド・フォン・ガスト辺境伯様の使いで来ました、Aランク冒険者のユウです」
「我が主人に当てた荷を預かっているとお聞きしましたが?」
「はい、カルバン伯爵様に直接渡す様に言われています。
お会いできますか?」
「それが……申し訳ありません。
主人はただいま来客中でございます」
先客が有りましたか。
仕方ないですね。
出直すとしましょう。
「では、いつぐらいならお時間が出来ますか?」
「申し訳ありません、いつ時間が空くかは未定でございます。
もし、よろしければ部屋をご用意致しますのでそちらでお待ち頂けないでしょうか?」
「分かりました、伯爵様のお時間が取れるまで待たせて頂きます」
執事長さんに案内され屋敷に入って行きます。
屋敷に入って直ぐの部屋のドアが開くとフレイド様と同年代の男性が出て来ました。
「カート、少し出てくる。
ん? そちらのお嬢さんは来客か?」
「旦那様、こちらはフレイド・フォン・ガスト辺境伯様の使いで来られたAランク冒険者のユウ様です」
「フレイド卿の使いか、遠路ご苦労だった。
済まないが私は少し出なければならない。
カールトン、部屋を用意してしばし休んで貰え」
「畏まりました」
「ありがとうございます」
「今、ユウと言わなかったかしら」
カルバン伯爵が出て来た部屋からもう1人、恐らく伯爵様が会っていた先客が声を掛けて来ました。
「あ! やっぱり、久しぶりねユウちゃん。
左眼どうしたの?」
私を視界に入れた途端、怒涛のトークを仕掛けてきたのは美しい金髪を持ち、高貴な雰囲気を纏った女性でした。
すぐ後ろには無表情なメイドさんも居ます。
「テレサ様……」
街の警備が厳重だった理由が分かりました。
王族がやって来たのなら当然の事です。
「お久しぶりです、なぜこの街に?」
「王族として各街に訪れて領主との友好を深めるのが私の仕事だからね。
そして、今回もまた余計な仕事が増えそうなのよ」
「それはもしかして……」
「ええ、また、怪人108面相からの予告状が届いたのよ」
これは、もしかしたらわたし以外の日本人に会えるかも知れませんね。
ガスト程ではないですが、なかなか大きな街です。
わたしは、身分証を提示して街に入ると真っ直ぐ貴族街を目指します。
しかし、不思議な街です。
やけに見回りの衛兵さんが多いのです。
何か事件でも有ったのでしょうか?
その割には街の住人達は、なんだか楽しそうです。
祭りの前というか、遊園地でアトラクションに並んでいるときの様な浮足だった感じがします。
わたしは疑問に思いながら貴族街の入り口に到着しました。
簡易的な門の前には複数の衛兵さんが立ち、行き交う人々を鋭い視線で見つめています。
ガストの貴族街の入り口より、遥かに警備が厳しいですね。
「あの~すみません、貴族街に入りたいのですが」
わたしが話しかけると、ガッシリとした体格の衛兵さんが対応してくれました。
「済まないが現在は許可がない限り平民は貴族街に出入りすることは出来ない。
君は見た所冒険者の様だが誰かの使いか?」
「はい、フレイド・フォン・ガスト辺境伯様の使いで来ました。Aランク冒険者のユウです」
わたしはギルドカードとガスト辺境伯家の、メダルを取り出します。
「これは辺境伯家の家紋、分かった。
Aランク冒険者ならば問題無いだろう。
通って良いぞ」
「ありがとうございます」
やけに警備が厳重ですね。
しばらく歩くと領主であるカルバン伯爵の邸宅に到着しました。
門を守っている門番さんに身分証とメダルを見せ、要件を告げます。
しばらく待たされたあと、邸宅から執事らしき人物がやって来ました。
「お待たせいたしました。
私は伯爵家に仕える執事長のカールトンと申すます」
「フレイド・フォン・ガスト辺境伯様の使いで来ました、Aランク冒険者のユウです」
「我が主人に当てた荷を預かっているとお聞きしましたが?」
「はい、カルバン伯爵様に直接渡す様に言われています。
お会いできますか?」
「それが……申し訳ありません。
主人はただいま来客中でございます」
先客が有りましたか。
仕方ないですね。
出直すとしましょう。
「では、いつぐらいならお時間が出来ますか?」
「申し訳ありません、いつ時間が空くかは未定でございます。
もし、よろしければ部屋をご用意致しますのでそちらでお待ち頂けないでしょうか?」
「分かりました、伯爵様のお時間が取れるまで待たせて頂きます」
執事長さんに案内され屋敷に入って行きます。
屋敷に入って直ぐの部屋のドアが開くとフレイド様と同年代の男性が出て来ました。
「カート、少し出てくる。
ん? そちらのお嬢さんは来客か?」
「旦那様、こちらはフレイド・フォン・ガスト辺境伯様の使いで来られたAランク冒険者のユウ様です」
「フレイド卿の使いか、遠路ご苦労だった。
済まないが私は少し出なければならない。
カールトン、部屋を用意してしばし休んで貰え」
「畏まりました」
「ありがとうございます」
「今、ユウと言わなかったかしら」
カルバン伯爵が出て来た部屋からもう1人、恐らく伯爵様が会っていた先客が声を掛けて来ました。
「あ! やっぱり、久しぶりねユウちゃん。
左眼どうしたの?」
私を視界に入れた途端、怒涛のトークを仕掛けてきたのは美しい金髪を持ち、高貴な雰囲気を纏った女性でした。
すぐ後ろには無表情なメイドさんも居ます。
「テレサ様……」
街の警備が厳重だった理由が分かりました。
王族がやって来たのなら当然の事です。
「お久しぶりです、なぜこの街に?」
「王族として各街に訪れて領主との友好を深めるのが私の仕事だからね。
そして、今回もまた余計な仕事が増えそうなのよ」
「それはもしかして……」
「ええ、また、怪人108面相からの予告状が届いたのよ」
これは、もしかしたらわたし以外の日本人に会えるかも知れませんね。
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