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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第2部 《精霊の紋章》
1話 旅立ちの日
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俺は英雄に憧れている。
子供の頃から稀に村を訪れる吟遊詩人の歌う冒険譚に心を踊らせ、冒険者の語る自慢話しを聞き、両親にせがみ行商人から買って貰った絵本『至高の冒険譚』を読んでは、自分の未来を夢想した。
大人になった暁には、この山奥の小さな村を飛び出して冒険者として、数々の大冒険を繰り広げるのだと、心に強く刻んで生きて来た。
すでに俺は成人している。
俺は何度も村から出たいと言っているのだが、両親と村長は首を縦に振ることは無かった。
正直、両親や村の大人達は過保護だと思う。
村に俺と同年代の奴が居なかったからだろうが、村のすぐ横の林で、薪を拾うだけでも数人の大人が付いて来るのはやりすぎだろう。
この村には子供が居ない。
俺に1番年が近い人でも15も離れている。
「は~」
俺は何時もの日課である、素振りを終えて、深くため息をつく。
父さんが男として大切な者を守れる様に剣くらいは覚えておけと用意してくれた鉄製の剣だ。
「おい、エリオ、なにため息なんかついてんだ?」
「メル兄ィ」
村はずれの広場にやって来たのは近所に住んでいるメルビンだった。
メルビンは見た目は俺とそう変わらないが、彼はエルフであり、噂では村長より年上だと聞いたことがあるが真実はわからない。
「また父さんに冒険者に成りたいって言ったんだけどさ、今はまだ駄目だって、もっと鍛錬を積んでからじゃないとすぐに死んでしまうってさ」
「まぁ、確かにな、お前、弱っちいからな」
「そんなことないさ!」
「くっくっく、分かった、分かった。
ほら、そろそろ暗くなるぞ、さっさと帰りな」
「また、そうやって子供扱いしやがって」
「俺から見れば人間なんてみんな子供と同じさ」
「メル! あんたエリオを探しに行くって、どんだけ時間が掛かってんだい!」
俺達の姿が見えた途端怒声を上げたのはウチの隣の家に住んでいるラーナおばさんだ。
料理上手で、恰幅の良いおばさんだ。
「ほら、エリオ、バルとリンダが心配してるよ!」
「村の広場に居ただけなのにやっぱりみんな過保護すぎるよ」
「くっくっく、大事にされてるってことだろ、じゃあなエリオ、また明日」
「また明日、メル兄ィ」
「あんまり心配かけちゃいけないよ」
「分かったよラーナおばさん」
俺は何度も繰り返したやり取りを経て、自宅のドアを開ける。
「ただいま」
「おかえり、エリオ」
「あまり遅くなるんじゃないぞ」
「ごめん、でも、俺はもう大人だぜ」
「分かってるわよ、ほら夕飯よ」
「は~」
コレが今までずっと繰り返して来た俺の日常だった。
「ふぁぁあ! おはよ」
「「⁉︎」」
俺が声を掛けると2人でヒソヒソと話していた父さんと母さんが驚いた様に俺を見た。
「どうしたの?」
「い、いや、なんでもない」
「さ、さあ、ご飯にしましょう」
「?」
今日の2人はどこかおかしい。
朝食が終わり、俺は畑に向かおうと腰を上げる。
「エリオ、どこに行くんだ?」
「え、畑に決まってるだろ?」
「あーそうか、そうだな」
「どうしたんだよ、今日は朝から父さんも母さんもおかしいぞ」
「い、いや、なんでもない。
今日は畑には行かなくていい。
家に居なさい」
「え、なんで?」
「後で話すわ、今日は家に居てちょうだい」
「わ、分かったよ」
「父さん達は村長の所に行く。
お前は家に居なさい。
いいね」
「…………分かった」
「後で話す、それまで待ってくれ」
「分かったよ」
よく分からないが今日は言う事をいて置いた方が良さそうだ。
そして、そわそわとした両親と夕食をとった翌日、俺は両親に連れられて村長の家にいった。
村長のフリジオ爺さんは昔は王都に住んで居たらしい。
よくイタズラをした俺やメル兄ィに拳骨を落とす元気な爺さんだ。
「よく来たな、エリオ」
「なんです、村長?
わざわざ呼び出すなんて」
「うむ、実はな、お主は前々から冒険者に成りたいと言っておっただろう?」
「え?
うん、そうだけど……」
「そこで、村から旅立つ事を許そうと思ってな」
「本当に⁉︎」
「うむ、お主に装備と幾らかの路銀を用意した。
ますば村から1番近いインベの町に向かい冒険者ギルドに入ると良かろう」
「本当にいいの?」
「ああ、明日にでも旅立つが良い。
今日は両親と過ごしてやれ」
その日はフリジオ爺さんの言う通り、両親と過ごし、翌日の昼村の入り口には装備を整えて旅立つ俺と見送りに来てくれた村人達が集まっていた。
村人全員が集まって居るのではないだろうか?
「気を付けろよ」
「すぐに戻って来るんじゃないぞ」
「お金は大事に使うんだよ」
「知らない人について行っちゃダメだよ」
「分かってるって、子供じゃないんだから……」
口々に注意してくる村人に少しうんざりしながら答える。
「じゃあ行ってくるよ」
俺は両親や村長、村人達に別れを告げて旅だった。
これが俺の英雄譚の始まりなのだ!
エリオが旅ったのを見送ると村長のフリジオは振り返り村人達に尋ねる。
「皆、分かっておるな」
すると集まっていた村人達は皆頷き、肯定する。
「では、客人を迎える準備をするとしよう」
村人達は準備の為、戻って行くのだった。
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本日、サイドストーリーを更新しています。
子供の頃から稀に村を訪れる吟遊詩人の歌う冒険譚に心を踊らせ、冒険者の語る自慢話しを聞き、両親にせがみ行商人から買って貰った絵本『至高の冒険譚』を読んでは、自分の未来を夢想した。
大人になった暁には、この山奥の小さな村を飛び出して冒険者として、数々の大冒険を繰り広げるのだと、心に強く刻んで生きて来た。
すでに俺は成人している。
俺は何度も村から出たいと言っているのだが、両親と村長は首を縦に振ることは無かった。
正直、両親や村の大人達は過保護だと思う。
村に俺と同年代の奴が居なかったからだろうが、村のすぐ横の林で、薪を拾うだけでも数人の大人が付いて来るのはやりすぎだろう。
この村には子供が居ない。
俺に1番年が近い人でも15も離れている。
「は~」
俺は何時もの日課である、素振りを終えて、深くため息をつく。
父さんが男として大切な者を守れる様に剣くらいは覚えておけと用意してくれた鉄製の剣だ。
「おい、エリオ、なにため息なんかついてんだ?」
「メル兄ィ」
村はずれの広場にやって来たのは近所に住んでいるメルビンだった。
メルビンは見た目は俺とそう変わらないが、彼はエルフであり、噂では村長より年上だと聞いたことがあるが真実はわからない。
「また父さんに冒険者に成りたいって言ったんだけどさ、今はまだ駄目だって、もっと鍛錬を積んでからじゃないとすぐに死んでしまうってさ」
「まぁ、確かにな、お前、弱っちいからな」
「そんなことないさ!」
「くっくっく、分かった、分かった。
ほら、そろそろ暗くなるぞ、さっさと帰りな」
「また、そうやって子供扱いしやがって」
「俺から見れば人間なんてみんな子供と同じさ」
「メル! あんたエリオを探しに行くって、どんだけ時間が掛かってんだい!」
俺達の姿が見えた途端怒声を上げたのはウチの隣の家に住んでいるラーナおばさんだ。
料理上手で、恰幅の良いおばさんだ。
「ほら、エリオ、バルとリンダが心配してるよ!」
「村の広場に居ただけなのにやっぱりみんな過保護すぎるよ」
「くっくっく、大事にされてるってことだろ、じゃあなエリオ、また明日」
「また明日、メル兄ィ」
「あんまり心配かけちゃいけないよ」
「分かったよラーナおばさん」
俺は何度も繰り返したやり取りを経て、自宅のドアを開ける。
「ただいま」
「おかえり、エリオ」
「あまり遅くなるんじゃないぞ」
「ごめん、でも、俺はもう大人だぜ」
「分かってるわよ、ほら夕飯よ」
「は~」
コレが今までずっと繰り返して来た俺の日常だった。
「ふぁぁあ! おはよ」
「「⁉︎」」
俺が声を掛けると2人でヒソヒソと話していた父さんと母さんが驚いた様に俺を見た。
「どうしたの?」
「い、いや、なんでもない」
「さ、さあ、ご飯にしましょう」
「?」
今日の2人はどこかおかしい。
朝食が終わり、俺は畑に向かおうと腰を上げる。
「エリオ、どこに行くんだ?」
「え、畑に決まってるだろ?」
「あーそうか、そうだな」
「どうしたんだよ、今日は朝から父さんも母さんもおかしいぞ」
「い、いや、なんでもない。
今日は畑には行かなくていい。
家に居なさい」
「え、なんで?」
「後で話すわ、今日は家に居てちょうだい」
「わ、分かったよ」
「父さん達は村長の所に行く。
お前は家に居なさい。
いいね」
「…………分かった」
「後で話す、それまで待ってくれ」
「分かったよ」
よく分からないが今日は言う事をいて置いた方が良さそうだ。
そして、そわそわとした両親と夕食をとった翌日、俺は両親に連れられて村長の家にいった。
村長のフリジオ爺さんは昔は王都に住んで居たらしい。
よくイタズラをした俺やメル兄ィに拳骨を落とす元気な爺さんだ。
「よく来たな、エリオ」
「なんです、村長?
わざわざ呼び出すなんて」
「うむ、実はな、お主は前々から冒険者に成りたいと言っておっただろう?」
「え?
うん、そうだけど……」
「そこで、村から旅立つ事を許そうと思ってな」
「本当に⁉︎」
「うむ、お主に装備と幾らかの路銀を用意した。
ますば村から1番近いインベの町に向かい冒険者ギルドに入ると良かろう」
「本当にいいの?」
「ああ、明日にでも旅立つが良い。
今日は両親と過ごしてやれ」
その日はフリジオ爺さんの言う通り、両親と過ごし、翌日の昼村の入り口には装備を整えて旅立つ俺と見送りに来てくれた村人達が集まっていた。
村人全員が集まって居るのではないだろうか?
「気を付けろよ」
「すぐに戻って来るんじゃないぞ」
「お金は大事に使うんだよ」
「知らない人について行っちゃダメだよ」
「分かってるって、子供じゃないんだから……」
口々に注意してくる村人に少しうんざりしながら答える。
「じゃあ行ってくるよ」
俺は両親や村長、村人達に別れを告げて旅だった。
これが俺の英雄譚の始まりなのだ!
エリオが旅ったのを見送ると村長のフリジオは振り返り村人達に尋ねる。
「皆、分かっておるな」
すると集まっていた村人達は皆頷き、肯定する。
「では、客人を迎える準備をするとしよう」
村人達は準備の為、戻って行くのだった。
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