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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第3部《交錯する戦場》
4話 聖銀傭兵団団長バルバロッサ・ブリッツ
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バルバロッサはかつて、周囲を魔境に囲まれたイザール神聖国において最強の騎士団であった聖騎士団の団長を務めていた。
だか、スタンピードによってイザール神聖国が滅亡し、主君と家族を同時に失った事で酒に溺れる様になってしまった。
しかし、帝国の迷宮都市アリアドネで出会ったドワーフとエルフの冒険者達に諭され家族の生存を信じ旅に出る事になった。
その旅の中、有名になれば家族の方から見つけてくれるかも知れないと考えたバルバロッサは、イザール出身の冒険者や元騎士と傭兵団を結成したのだった。
イザール出身の者達を中心に結成された傭兵団は聖銀傭兵団と名付けられ、各地の貧しい村々を魔物や盗賊の脅威から救いながら旅を続けていた。
そんな折、魔族との戦争が始まり、国が広く戦力を求めている事を知った。
この戦争を戦い抜けば更に聖銀傭兵団の名を上げる事が出来る。
そう考えたバルバロッサは、傭兵ギルドを通じて参戦を伝えた。
そして、戦の舞台となるグリント帝国へ向けて出発した。
情報によると、魔族の軍勢はイザール神聖国の聖都跡を拠点にしているらしい。
故郷を蹂躙する魔族に、バルバロッサは、湧き上がる怒りを抑えながら帝国へ急いでいた。
「団長、従魔が手紙を持ってきました」
「手紙?」
「はい、連合軍の総指揮官リゼッタ殿からです」
バルバロッサは部下から手紙を受け取ると中身をあらためる。
そこには魔族がトリス王国に魔物を送り込む可能性について書かれていた。
そして、現在トリス王国に近い聖銀傭兵団にトリス王国の防衛に加わって欲しいと書かれていた。
「目的地を変更する。
トリス王国へ向かう」
バルバロッサはすぐさま指示を出した。
もし、この手紙に書かれていた事が実際に起きればトリス王国はイザール神聖国と同じ運命をだ取る事になってしまう。
それはバルバロッサにとって決して許容できない事だった。
トリス王国に向かって進む事数日、前方から多数の馬車や旅人がやって来た。
多数の商人からなるキャラバンにしても、不自然な程の数だ。
バルバロッサは部下に指示を出し、彼らの素性を訪ねる様に指示を出した。
「団長、彼らはトリス王国の国民だそうです」
「トリス王国の国民だと?」
「はい、トリス王国に近い魔境で魔物の軍勢が発見された為、国王が避難を指示したそうです」
「そうか、リゼッタ殿の予想が当たったって事か…………急ぐぞ!」
「はい!」
トリス王国の王都に到着した聖銀傭兵団は広場で陣地を設営し始める。
それに指示を出していたバルバロッサの元に団員が駆けてきた。
「団長、トリス王国の名誉兵士長って人が来てやす」
「ん、そうか、案内してくれ」
設営の指示の後、横に布陣していたトリス王国の兵士達の指揮官に接触するつもりだったのだが、先に向こうから接触して来たようだ。
トリス王国の兵達を率いていたのはなんとトリス王国の国王その人だった。
彼は王として民を逃がすために戦う事を決意し、死兵と共に王都に残ったらしい。
かつての主人である聖女と同じ選択をした王に敬意を表したバルバロッサは 共に戦う事を約束した。
そして、数日後王都の城壁の上でトリス王国のルドベキア名誉兵士長と言葉を交わしていた時、けたたましい鐘の音が鳴り響いた。
「来たか……」
バルバロッサは城壁の上から遥か遠くに見える砂埃に目をやった。
「バルバロッサ殿、御武運を祈るよ」
「ルドベキア殿こそ、共に生きて帰りましょう」
バルバロッサは仲間の下に戻ると戦いの指示を出す。
後数時間程で戦いが始まるだろう。
だか、スタンピードによってイザール神聖国が滅亡し、主君と家族を同時に失った事で酒に溺れる様になってしまった。
しかし、帝国の迷宮都市アリアドネで出会ったドワーフとエルフの冒険者達に諭され家族の生存を信じ旅に出る事になった。
その旅の中、有名になれば家族の方から見つけてくれるかも知れないと考えたバルバロッサは、イザール出身の冒険者や元騎士と傭兵団を結成したのだった。
イザール出身の者達を中心に結成された傭兵団は聖銀傭兵団と名付けられ、各地の貧しい村々を魔物や盗賊の脅威から救いながら旅を続けていた。
そんな折、魔族との戦争が始まり、国が広く戦力を求めている事を知った。
この戦争を戦い抜けば更に聖銀傭兵団の名を上げる事が出来る。
そう考えたバルバロッサは、傭兵ギルドを通じて参戦を伝えた。
そして、戦の舞台となるグリント帝国へ向けて出発した。
情報によると、魔族の軍勢はイザール神聖国の聖都跡を拠点にしているらしい。
故郷を蹂躙する魔族に、バルバロッサは、湧き上がる怒りを抑えながら帝国へ急いでいた。
「団長、従魔が手紙を持ってきました」
「手紙?」
「はい、連合軍の総指揮官リゼッタ殿からです」
バルバロッサは部下から手紙を受け取ると中身をあらためる。
そこには魔族がトリス王国に魔物を送り込む可能性について書かれていた。
そして、現在トリス王国に近い聖銀傭兵団にトリス王国の防衛に加わって欲しいと書かれていた。
「目的地を変更する。
トリス王国へ向かう」
バルバロッサはすぐさま指示を出した。
もし、この手紙に書かれていた事が実際に起きればトリス王国はイザール神聖国と同じ運命をだ取る事になってしまう。
それはバルバロッサにとって決して許容できない事だった。
トリス王国に向かって進む事数日、前方から多数の馬車や旅人がやって来た。
多数の商人からなるキャラバンにしても、不自然な程の数だ。
バルバロッサは部下に指示を出し、彼らの素性を訪ねる様に指示を出した。
「団長、彼らはトリス王国の国民だそうです」
「トリス王国の国民だと?」
「はい、トリス王国に近い魔境で魔物の軍勢が発見された為、国王が避難を指示したそうです」
「そうか、リゼッタ殿の予想が当たったって事か…………急ぐぞ!」
「はい!」
トリス王国の王都に到着した聖銀傭兵団は広場で陣地を設営し始める。
それに指示を出していたバルバロッサの元に団員が駆けてきた。
「団長、トリス王国の名誉兵士長って人が来てやす」
「ん、そうか、案内してくれ」
設営の指示の後、横に布陣していたトリス王国の兵士達の指揮官に接触するつもりだったのだが、先に向こうから接触して来たようだ。
トリス王国の兵達を率いていたのはなんとトリス王国の国王その人だった。
彼は王として民を逃がすために戦う事を決意し、死兵と共に王都に残ったらしい。
かつての主人である聖女と同じ選択をした王に敬意を表したバルバロッサは 共に戦う事を約束した。
そして、数日後王都の城壁の上でトリス王国のルドベキア名誉兵士長と言葉を交わしていた時、けたたましい鐘の音が鳴り響いた。
「来たか……」
バルバロッサは城壁の上から遥か遠くに見える砂埃に目をやった。
「バルバロッサ殿、御武運を祈るよ」
「ルドベキア殿こそ、共に生きて帰りましょう」
バルバロッサは仲間の下に戻ると戦いの指示を出す。
後数時間程で戦いが始まるだろう。
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