13 / 418
神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》
12話 薬草採取とわたし
しおりを挟む
ロック鳥のさえずり亭で朝食を頂いたあと、わたしはギルド来ています。
ギルドランクがEランクに上がったことで受けられる依頼が増えました。
「《鉄鉱石の納品》ですか…《シャドードックの討伐》も良いですね」
「嬢ちゃん、ちょっといいか?」
わたしが依頼ボードを見ていたところにギルドマスターからお呼びがかかりました。
「何でしょうか?」
カウンターに移動してギルドマスターのお話を聞きます。
「嬢ちゃん、確かギルド登録の書類に薬師だって書いてたな」
「はい。書きましたよ」
「《遥かな大地》の連中から大体の事情を聞いたんだが嬢ちゃんは大陸の外の国から来たんだってな。」
「はい。大和と言う国の出身です。ご存知ですか?」
「悪いが大和と言う国はしらねぇな」
「そうですか…それで、わたしが他国の出身だと何か問題が有りましたか?」
「いや。それは何も問題ない。ただ嬢ちゃんは凄腕の薬師だとも聞いてな」
「凄腕かどうかは分かりませんが、わたしの国は薬術が発展していたのでそれなりに自信はあります」
「その腕を見込んで嬢ちゃんに指名依頼が有る」
「指名依頼ですか?」
「依頼主は俺…と言うかギルドだ。依頼内容は薬草採取を頼みたい」
「薬草採取ですか?それなら常時依頼として買取しているじゃないですか?」
「確かに買取っているが冒険者が依頼の序でに採取して来る薬草は見分けが簡単で効果の低いものが殆どだ。
嬢ちゃんは昨日、扱いの難しい薬草や見分け難いキノコをギルドに持ち込んだだろ。ああ言った効果の高く、専門知識が必要な物を採取して貰いたい。
それに嬢ちゃんはマジックバックを持っているからな」
「なるほど分かりました。
お引き受けしても良いですがなんでそんなに薬が必要なんですか?」
「今年は例年よりゴブリン供が多いみたいでな、ギルドの備蓄の薬が少し心許ないんだ」
今年のゴブリンは多いのですか。
ダムドの森にも多くのゴブリンがいました。被害も多いのですね。
「報酬は銀貨3枚しか出せないが薬草などの買取額に色を付ける。
沢山採取すれば報酬も上がるってことだ」
「分かりました、お引き受けします」
「そうか、助かる」
わたしはそのまま手続きをして薬草採取に向かいます。
今回は街のすぐ近くの森に行きますので日帰りです。
真上に有った太陽がだんだんと沈み始めた頃、わたしのアイテムボックスの中にはかなりの数の薬草やキノコ、木ノ実など、薬の材料が集まっていました。
全て納品する必要は有りませんね。自分用に少し残しておきましょう。
そろそろ切り上げて帰りましょうか。
!!
マッピングの地図に数体の魔物の反応が有りました。そして、3人の人間が追われています。
「う~ん、見捨てるのは寝覚めが悪いですね」
わたしは追われている3人の下に駆け出します。
神様に頂いたスキルのお陰でぐんぐん加速していく自分に驚きを覚えます。
わたしの視界に3人の人間が見えて来ました。
身に付けている物から冒険者の様です。
3人を追っているのは、5匹のゴブリンです。その内2匹はゴブリンアーチャーとゴブリンメイジですね。
わたしは冒険者とゴブリンの間に割り込みます。
「木の陰に隠れて下さい」
冒険者達に叫ぶと、急に現れたわたしに驚き、一瞬動きが止まったゴブリンの首を斬りつけ、後ろに跳びながら魔法を放ちます。
「穿て 水の槍 アクアランス!」
高速で飛翔した水の槍にゴブリンが貫かれます。
瞬く間に2匹の仲間が殺されたゴブリンは怒り狂いわたしに狙いを定めます。
ゴブリンアーチャーの矢を斬りはらい、厄介なゴブリンメイジを始末しようと接近します。
するとゴブリンメイジをかばう様にゴブリンがわたしの前に立ちはだかります。
ゴブリンは手にした棍棒を振り上げます。
棍棒……ただの木の枝ですね。『ひのきのぼう』と言うやつです。
檜かどうか分かりませんが。
あ!鑑定すれば分かります。
「まぁそんな面倒なことしませんけど」
『ひのきのぼう』ごとゴブリンを真っ二つにします。
!?
今、ショートソードに違和感を感じました。
普通のショートソードをスキルで得た技術と力で性能以上の使い方をしてしまった反動かも知れません。
目の前で慌てて呪文を詠唱しようとしているゴブリンメイジを袈裟斬りに斬りつけます。
ゴブリンメイジが倒れるのと同時にわたしの頭を狙った矢を躱わし、ショートソードを投擲します。
ショートソードはゴブリンアーチャーの胸に突き刺ささり、ゴブリンアーチャーの命を奪いました。
マッピングで周囲の安全を確かめてショートソードを回収するわたしの視界にこちらに駆け寄ってくる3人の冒険者達が見えました。
一応、事情を聞いておきましょうか。
ギルドランクがEランクに上がったことで受けられる依頼が増えました。
「《鉄鉱石の納品》ですか…《シャドードックの討伐》も良いですね」
「嬢ちゃん、ちょっといいか?」
わたしが依頼ボードを見ていたところにギルドマスターからお呼びがかかりました。
「何でしょうか?」
カウンターに移動してギルドマスターのお話を聞きます。
「嬢ちゃん、確かギルド登録の書類に薬師だって書いてたな」
「はい。書きましたよ」
「《遥かな大地》の連中から大体の事情を聞いたんだが嬢ちゃんは大陸の外の国から来たんだってな。」
「はい。大和と言う国の出身です。ご存知ですか?」
「悪いが大和と言う国はしらねぇな」
「そうですか…それで、わたしが他国の出身だと何か問題が有りましたか?」
「いや。それは何も問題ない。ただ嬢ちゃんは凄腕の薬師だとも聞いてな」
「凄腕かどうかは分かりませんが、わたしの国は薬術が発展していたのでそれなりに自信はあります」
「その腕を見込んで嬢ちゃんに指名依頼が有る」
「指名依頼ですか?」
「依頼主は俺…と言うかギルドだ。依頼内容は薬草採取を頼みたい」
「薬草採取ですか?それなら常時依頼として買取しているじゃないですか?」
「確かに買取っているが冒険者が依頼の序でに採取して来る薬草は見分けが簡単で効果の低いものが殆どだ。
嬢ちゃんは昨日、扱いの難しい薬草や見分け難いキノコをギルドに持ち込んだだろ。ああ言った効果の高く、専門知識が必要な物を採取して貰いたい。
それに嬢ちゃんはマジックバックを持っているからな」
「なるほど分かりました。
お引き受けしても良いですがなんでそんなに薬が必要なんですか?」
「今年は例年よりゴブリン供が多いみたいでな、ギルドの備蓄の薬が少し心許ないんだ」
今年のゴブリンは多いのですか。
ダムドの森にも多くのゴブリンがいました。被害も多いのですね。
「報酬は銀貨3枚しか出せないが薬草などの買取額に色を付ける。
沢山採取すれば報酬も上がるってことだ」
「分かりました、お引き受けします」
「そうか、助かる」
わたしはそのまま手続きをして薬草採取に向かいます。
今回は街のすぐ近くの森に行きますので日帰りです。
真上に有った太陽がだんだんと沈み始めた頃、わたしのアイテムボックスの中にはかなりの数の薬草やキノコ、木ノ実など、薬の材料が集まっていました。
全て納品する必要は有りませんね。自分用に少し残しておきましょう。
そろそろ切り上げて帰りましょうか。
!!
マッピングの地図に数体の魔物の反応が有りました。そして、3人の人間が追われています。
「う~ん、見捨てるのは寝覚めが悪いですね」
わたしは追われている3人の下に駆け出します。
神様に頂いたスキルのお陰でぐんぐん加速していく自分に驚きを覚えます。
わたしの視界に3人の人間が見えて来ました。
身に付けている物から冒険者の様です。
3人を追っているのは、5匹のゴブリンです。その内2匹はゴブリンアーチャーとゴブリンメイジですね。
わたしは冒険者とゴブリンの間に割り込みます。
「木の陰に隠れて下さい」
冒険者達に叫ぶと、急に現れたわたしに驚き、一瞬動きが止まったゴブリンの首を斬りつけ、後ろに跳びながら魔法を放ちます。
「穿て 水の槍 アクアランス!」
高速で飛翔した水の槍にゴブリンが貫かれます。
瞬く間に2匹の仲間が殺されたゴブリンは怒り狂いわたしに狙いを定めます。
ゴブリンアーチャーの矢を斬りはらい、厄介なゴブリンメイジを始末しようと接近します。
するとゴブリンメイジをかばう様にゴブリンがわたしの前に立ちはだかります。
ゴブリンは手にした棍棒を振り上げます。
棍棒……ただの木の枝ですね。『ひのきのぼう』と言うやつです。
檜かどうか分かりませんが。
あ!鑑定すれば分かります。
「まぁそんな面倒なことしませんけど」
『ひのきのぼう』ごとゴブリンを真っ二つにします。
!?
今、ショートソードに違和感を感じました。
普通のショートソードをスキルで得た技術と力で性能以上の使い方をしてしまった反動かも知れません。
目の前で慌てて呪文を詠唱しようとしているゴブリンメイジを袈裟斬りに斬りつけます。
ゴブリンメイジが倒れるのと同時にわたしの頭を狙った矢を躱わし、ショートソードを投擲します。
ショートソードはゴブリンアーチャーの胸に突き刺ささり、ゴブリンアーチャーの命を奪いました。
マッピングで周囲の安全を確かめてショートソードを回収するわたしの視界にこちらに駆け寄ってくる3人の冒険者達が見えました。
一応、事情を聞いておきましょうか。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
2,337
1 / 5
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる