神々の間では異世界転移がブームらしいです。

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神々の間では異世界転移がブームらしいです。 第1部 《漆黒の少女》

94話 水上の虎団とわたし

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  ミルガンの街の港からオリオンと飛び立つと、3分程でギルドで聞いた海賊が出没する海域に到着しました。
  このあたりで被害を出している大きな海賊団は確認されているもので、3組存在します。 
  水上の虎団、エミット一家、ダスト海賊団の3組です。
  この3組にはそれぞれ頭目に懸賞金が掛かっているので、討伐すると依頼の報酬に加えて賞金が貰えます。
  とてもお得です。

「お! 見つけました」

  沖にあった岩山の陰に隠される様に浮かんでいた海賊船を発見しました。
  オリオンの移動力と、わたしのマッピングスキルのコンボは凶悪なほどの索敵能力を実現します。
  マストに掲げられた海賊旗ジョリーロジャーは刃と虎。
  水上の虎団ですね。
  昨日、この辺りで商船が襲われたと聞いていましたが、奴らが犯人でしょうか?

「ん?」

  よく見ると甲板で何やら騒いでいます。

「へへへ、どうした、手が止まってるぜ」

「早く脱げよ、モタモタしてるとガキの方に相手して貰う事になるぞ」

「ママ!」

「シェリー! お願い、娘には手を出さないで!」

「だったらどうしたら良いか分かるだろ」

「くっ」

  子供を人質にされた女性が辱められようとしているようですね。
  
「オリオン」

「キュ!」

  オリオンはわたしの声に応えると、海賊船の上を横切ります。

「ん?」

「なんだ?」

  オリオンの影を不審に思った海賊達が上を見上げて間抜けな顔を晒しています。

「おげぇ」

  オリオンから飛び降りたわたしは、少女にナイフを突き付けていた男を、雷鳴の鉈で斬りつけながら着地します。

「な、なんだ⁉︎ ふぎょ」

  隣にいた男を斬り捨てながら少女の身柄を確保します。
  驚いて固まっている少女を小脇に抱えて、こちらも状況について行けずにいる母親の元に一足で移動します。

「え、なっ、えがゃ!」

「凍てつく 冷たき棘を アイスニードル!」

  母親の隣でパンツを半分下ろした滑稽な男の首を落とし、氷の棘をつくります。
  これですぐには海賊供も近づけません。

「オリオン!」

「キュキュー」

  氷の棘に囲まれた空間にオリオンが降りてきます。

「しばらくこの子に乗っていて下さい」

「え、あ、あの、あなたは?」

「わたしは冒険者です。
  さあ、この手綱に掴まって下さい。
  この手綱はマジックアイテムです、掴まっていれば落ちる事は有りません。
  お話は後で」

「は、はい」

  エドガーさんに作ってもらったオリオンの手綱は首飾りに成るだけでは有りません。
  手綱を握っている者を振り落とさない様にする事が出来るそうです。
  エドガーさんは空間の固定がどうのこうの、と言っていました。
  理解? してませんよ?

  女性と少女をオリオンに任せると、わたしは氷の棘を消します。
  甲板には海賊供が勢揃いです。

「おう、お嬢ちゃん、舐めた真似してくれたな」

「生きて陸に帰れると思うなよ」

「へへへ、死ぬまで犯しまくってやるよ」

  実力の違いも分からないとは、バカな奴らですね。
  まぁ、バカだから海賊こんな事をやってるのでしょう。
  海賊供の中を割って現れた偉そうな男がわたしを見て口を開きます。
  この男が頭目です。
  手配書で見た事があります。

「俺たち水上の虎団をここまでコケにしたんだ。
  もう『ごめんなさい、許して下さい』っても許されねぇぞ、嬢ちゃん」



  数分後



「ご、ごめんなさい、ゆ、許して、許して下さい」

  血まみれになった頭目が命乞いを始めました。

「ん? もうギブアップですか? 情け無いですね。
  《水上の虎団》……でしたっけ?
  あなた達には些か過分な名前ですね。
  《肥溜めのゴブリン団》くらいが分相応という物ですよ」

「ぐ……この、ガキが!」

「ん? 何か言いましたか?」

「い、いえ、なんでも有りません、すみません、も、もう勘弁して下さい」

  頭目の男……頭目だった男は武器を捨てて両手を頭の上に上げています。
  すでに水上の虎団の構成員の3分の1は死に、3分の1は怪我をして戦闘不能、残りの3分の1ほ完全に戦意喪失し、武器を捨て投降して来ました。
  
「ではお互いに手足を縛って下さい」

  投降してきた海賊供にお互いを拘束させます。

「あなた、何故そんな風に緩く縛っているのですか?」

「え、こ、これは、その」

  仲間をわざと緩く縛ろうとした奴を見つけました。

「あぁ、理由を喋る必要は有りませんよ」

「へ?ぎょ」

  水龍の戦斧は一振りで愚かな行動をした海賊を綺麗に2つに切り分けることができました。

「さて、他のみなさんはきちんと縛って下さいね」

「「「「………………」」」」






「お、終わりました」

  数分後には1人以外縛り終わりました。

「終わりましたか?
  あれ、あなたはまだ縛られていませんね」

「え、そ、それは、自分で自分を縛る事は出来ませんし……」

「ははは、冗談ですよ」

「は、ははは」

「ご苦労様です」

ヒュッ
「ごふ、な、なん……で?」

「え? わたしがいちいち縛るのは面倒じゃないですか」

  自分達で縛らせて最後の1人を殺せば簡単に全員を拘束出来るのです。
  実に合理的です。
  







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