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十三輪目
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「…………」
目を覚ませば、見慣れぬ部屋にいた。
毛布をめくればパンツだけ履いた自身の身体があり、シーツには血の痕のようなものも。
パジャマはベッドの脇に散らばっている。
そこで昨夜何があったのかを思い出し。
ベッド上での行為というより、その前に口走ってしまった言葉に羞恥が込み上げ。
枕に顔を押し付けて恥ずかしさを誤魔化すためにただ声を出す。
……あ、枕からいい香りが。
この恥ずかしさは一生引きずっていくものだと半ば諦め、多少は落ち着いた。
体がベタつくけれども自分の家ではないので、流石にパンツだけの姿でうろつくわけにはいかない。
床に散らばっているパジャマを身につけてリビングへと向かえば、キッチンで飲み物を飲んでいる常磐さん……いや、夏月さんの姿が。
「おはよっ! よく眠れた?」
「お、おはようございます。まあ……グッスリと」
いざ対面すると昨夜の行為を思い出し、恥ずかしさが出てくる。
今回が初めてというわけでもないが、それだけ夏月さんを特別に思っている事なのだろうか。
窓へと目を向ければ、既に太陽は真上のあたりにある。
昼まで寝ていたというのに、まだ少し頭が重い。
「シャワーをお借りしても」
「うん、いいよー。昨日着ていたのも乾いていたから、カゴに入ってるよ」
「ありがとうございます。夏月さん」
脱衣所のカゴに昨日着ていた服が畳まれて置いてあるのを見て、なんだか不思議な気分になりながらも服を脱いで風呂場へ。
その時、すごい声が聞こえたような気がしたけれど、気のせいだろうか。
夏月さんは寝起きにあまり食べないらしく、先ほど飲んでいた野菜ジュースで十分だと。
わざわざ俺のためにサンドイッチを作ってくれたそうなので、それをいただいているのだが。
「…………」
「…………」
向かいに夏月さんが座っているのに、先ほどから会話が無い。
何度か視線は合うものの、互いに照れて顔を背けるを繰り返している。
シャワーを借りる前は普通な感じだったのに、今はどうしてダメなのだろうか。
「…………ゲームの続き、やります?」
「…………うん」
食事もそんなに長くかかるものではないため、早々に食べ終え。
昨日と同じようにソファーへ並んで座るが、昨日よりもその距離は近い。というより、くっついている。
チラリと横を見てみれば、顔を真っ赤にした夏月さんの顔が。
触れ合っている部分から感じる夏月さんの体温に幸せを感じながらもゲームを進めていき、それほど時間をかけずに最後のチャプターを終えた。
そのまま解放された無限武器などを使って二周目を始め、ビックリポイントも知っているのでサクサク進めていく。
「やっぱり、こういう系はこの先何があるか分からない不安が大事ですよね」
「私はこの無双してる感じも好きだけど」
先程まであった、ぎこちなさのようなものは少しずつ無くなっていき、また普通に会話する程度には戻った。
それでもまだ、目が合えば照れくさいのだが。
「ゆ、優くん」
「どうかしました?」
二周目は途中で切り上げ、追加コンテンツにあったサブストーリーのようなものをクリアしたところで夏月さんが俺の膝に手を乗せながら口をひらく。
夏月さんと呼び始めたからか俺も下の名前で呼ばれるようになったが、破壊力が凄まじい。
何かおねだりでもされるのならば、俺に断れる自信など無い。
「──私と一緒に、住もっ?」
目を覚ませば、見慣れぬ部屋にいた。
毛布をめくればパンツだけ履いた自身の身体があり、シーツには血の痕のようなものも。
パジャマはベッドの脇に散らばっている。
そこで昨夜何があったのかを思い出し。
ベッド上での行為というより、その前に口走ってしまった言葉に羞恥が込み上げ。
枕に顔を押し付けて恥ずかしさを誤魔化すためにただ声を出す。
……あ、枕からいい香りが。
この恥ずかしさは一生引きずっていくものだと半ば諦め、多少は落ち着いた。
体がベタつくけれども自分の家ではないので、流石にパンツだけの姿でうろつくわけにはいかない。
床に散らばっているパジャマを身につけてリビングへと向かえば、キッチンで飲み物を飲んでいる常磐さん……いや、夏月さんの姿が。
「おはよっ! よく眠れた?」
「お、おはようございます。まあ……グッスリと」
いざ対面すると昨夜の行為を思い出し、恥ずかしさが出てくる。
今回が初めてというわけでもないが、それだけ夏月さんを特別に思っている事なのだろうか。
窓へと目を向ければ、既に太陽は真上のあたりにある。
昼まで寝ていたというのに、まだ少し頭が重い。
「シャワーをお借りしても」
「うん、いいよー。昨日着ていたのも乾いていたから、カゴに入ってるよ」
「ありがとうございます。夏月さん」
脱衣所のカゴに昨日着ていた服が畳まれて置いてあるのを見て、なんだか不思議な気分になりながらも服を脱いで風呂場へ。
その時、すごい声が聞こえたような気がしたけれど、気のせいだろうか。
夏月さんは寝起きにあまり食べないらしく、先ほど飲んでいた野菜ジュースで十分だと。
わざわざ俺のためにサンドイッチを作ってくれたそうなので、それをいただいているのだが。
「…………」
「…………」
向かいに夏月さんが座っているのに、先ほどから会話が無い。
何度か視線は合うものの、互いに照れて顔を背けるを繰り返している。
シャワーを借りる前は普通な感じだったのに、今はどうしてダメなのだろうか。
「…………ゲームの続き、やります?」
「…………うん」
食事もそんなに長くかかるものではないため、早々に食べ終え。
昨日と同じようにソファーへ並んで座るが、昨日よりもその距離は近い。というより、くっついている。
チラリと横を見てみれば、顔を真っ赤にした夏月さんの顔が。
触れ合っている部分から感じる夏月さんの体温に幸せを感じながらもゲームを進めていき、それほど時間をかけずに最後のチャプターを終えた。
そのまま解放された無限武器などを使って二周目を始め、ビックリポイントも知っているのでサクサク進めていく。
「やっぱり、こういう系はこの先何があるか分からない不安が大事ですよね」
「私はこの無双してる感じも好きだけど」
先程まであった、ぎこちなさのようなものは少しずつ無くなっていき、また普通に会話する程度には戻った。
それでもまだ、目が合えば照れくさいのだが。
「ゆ、優くん」
「どうかしました?」
二周目は途中で切り上げ、追加コンテンツにあったサブストーリーのようなものをクリアしたところで夏月さんが俺の膝に手を乗せながら口をひらく。
夏月さんと呼び始めたからか俺も下の名前で呼ばれるようになったが、破壊力が凄まじい。
何かおねだりでもされるのならば、俺に断れる自信など無い。
「──私と一緒に、住もっ?」
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