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ルシャードの溺愛 ④
金ノ宮に戻ってガゼボを覗くと、気持ちよさそうに寝息を立てるマイネがいて心底安堵する。
頭を撫でると、目を覚ましたマイネがルシャードの腕をそっと掴んだ。
しまった。起こすつもりはなかったのだが。
「ルシャード様」
目覚めたばかりのマイネは、上半身を起こすと、ルシャードの胸の中でふふっと笑った。
先ほどまでの負の感情が、霧散していく。
「マイネ」
マイネの顎を上げて、口づけを交わした。
くすぐったいような締めつけられるような満たされるような、そんな感覚に身体中が溺れる。
甘酸っぱいとは、このような感覚を指すのだろうか。
「もう陛下とのお話は終わりましたか?」
「あぁ、終わった。……マイネが王都を去ると決めたのは、オティリオが原因だったのだな。どうして俺に言わなかった?」
「あぁ……逃げたのは俺が決めたことですから。ふたりの仲が悪くなるのも望んでません。けれどオティリオ様のことは許したわけじゃないですよ」
ルシャードはマイネの背中に覆い被さるように抱きしめて、うなじの噛み痕に唇を寄せた。
「マイネはオティリオの言葉を疑わなかったのか?」
ルシャードを薄情で不誠実な男だと信じてしまうほど、オティリオを信用していたのだろうか。
ルシャードよりもオティリオのほうを信じたことになる。
「えっと……執務室に行ったら、婚姻の儀の書状を見つけたんです。確か、ルシャード様の署名もされていた記憶がありますが、あれは王女様用でしたか?」
ルシャードはマイネの首筋から顔を上げる。
「あのときの書状を見たのか? あれは俺の婚姻の儀のために取り寄せた。マイネと結婚するつもりだったから」
「え! 俺と! うわぁ、考えもしなかったです」
マイネが頭を抱えて、身悶えた。
「発情期の記憶が曖昧だったと言っていたな……俺は、マイネから好きだと言われて、舞い上がっていたのだ」
はじめてマイネを抱いた日の記憶が蘇る。
発情期のマイネを金ノ宮の寝台に運び、ルシャードは急いでアルファ用の抑制剤を飲んだ。
マイネにも常備していたオメガ用の抑制剤を飲むよう促したにもかかわらず、泣くばかりだった。
そんな泣き顔を見て、ルシャードは我慢できずに唇を奪い、マイネを抱いてしまった。
せめて、好きだと伝えなければ。
そう思って「好きだ」と告げた。
すると、マイネから「俺も」と返事があったのだ。
繰り返し好きだと告げると、マイネも好きだと繰り返した。
無理やり身体を繋げてしまったのかと後悔していたルシャードは、マイネの告白が嬉しくてたまらなかった。
マイネの言葉ひとつでこんなにも心が掻き乱されるものなのかと、ルシャード自身、ひどく驚いた。
「俺、言ってましたか?」
「あぁ、何度も…………俺ははじめて会ったときからマイネを好きだった」
ルシャードが躊躇しつつもそう口にすると、マイネから抗議するような瞳を向けられる。
「それは嘘ですよ。最初に会ったときって、わかってますか? 昼食をご一緒しましたが、俺のこと完全に無視してましたよ?」
マイネとはじめて会ったのは、政務宮の王族専用テラスだった。
昼食の場所に覚えのない顔があった。
あちこちに飛び跳ねたような鳶色の髪に、笑ったように口角が上がった男だ。
「無視はしてない。ちゃんと頷いたし目も合った。マイネは食事に夢中で、俺が見ていることに気づいてなかっただろ」
あの頃、ルシャードの恋愛嫌いは完璧に完成していたはずだった。
それまでは恋愛など愚かで無意味な感情だと思っていた。
結婚もしなければ、父親になることもないだろうと、まわりも諦めはじめていた。
オメガの茶会など、時間の無駄でしかなかった。
容姿が優れているせいで、オメガやベータだけではなくアルファからも好意を寄せられることが多かったが、形のない愛や恋を信じる馬鹿ばかりだと蔑んでいたぐらいだ。
それなのに、一瞬でマイネに心を奪われた。
瞬時にオメガだとわかり不審感が募ったのも事実だ。
でもその一方で、可愛いなと思ったことにひどく動揺していた。
「……はじめてルシャード様と会ったとき、俺はあまりの美しさに驚いて、緊張していました。正直、好きになるとかそんな余裕はありませんでした」
マイネがそう言うと、ルシャードは少し残念に思った。
あのとき、ルシャード以外、誰もマイネをオメガだと疑っていないのが不思議だった。
同席していたアルファであるダイタは、マイネの甘い匂いがわからないようだった。
なぜなのかはわからないが、マイネの甘い香りはルシャードにだけ認識できるのだと気づくと、マイネのすべてを独占したいという執着が心の奥底で生まれた。
戸惑った。
運命の番。
その言葉が脳裏に浮かんだものの、すぐに打ち消した。
けれども、マイネの姿を視線で追うことをやめることはできない。
認めたくなかったが、認めるしかなかった。
ルシャードは一目でマイネを好きになってしまったのだ。
「オティリオと仲がよさそうな様子に嫉妬もしていた。ふたりが図書館で会っていると聞いて、執務室に本を置きふたりが会わないようにしたし、ふたりが王都に遊びに行くと聞けば、邪魔もした」
ルシャードはマイネを抱きしめる腕に力を入れる。
尻尾がマイネの腰に巻きつき、ゆらゆらと揺れた。
マイネは自身の頬を両手で包んだ。
上目遣いでルシャードを見る、その表情は恥ずかしげだった。
「ルシャード様は心の中をあまり見せてくれなかったのに……どうしたんですか?」
マイネが身じろぎして、形のよい双丘が下腹部に当たった。
それだけで、簡単に性欲が高まる。
これまで、ルシャードは王子として閨教育も仕方なく受け、騎士団で娼館に行くことも稀にあった。
しかし、生理現象の処理でしかなく、相手の顔など覚えていない。
当たり前だが、マイネは違う。
違いすぎる。
驚くことに、昨日は初々しいマイネの表情ひとつだけで、ルシャードの中心は完全に勃ち上がっていたのだ。
我慢ができなかった。
それほどに求めていた。
昨夜の記憶を追い払いつつ、ルシャードは無表情で理性を保って咳払いをした。
「どんなに溺愛していても、態度と言葉で伝えなければマイネに誤解されてしまうとわかったからな。マイネは……いつ、俺のことを好きになった?」
「え? ルシャード様がガッタに極秘訪問された日がありましたよね。あのとき……婚約者に会いに行かれたのだと誤解しました。すごく胸が痛くて、ルシャード様を好きだと自覚しました」
思い出す。
マイネの様子がおかしかった記憶がある。
確か、マイネが妊娠中なのではないかとハンがふざけたことを言ったときだ。
あれはルシャードに婚約者がいると知って、気落ちしていたのか。
「俺のことを酷い男だと思っただろうな。嫌いにならなかったのか?」
「嫌いになんてなりません。ずっと好きでした……ずっと会いたかった」
「マイネ」
ルシャードは甘く囁くように名を呼ぶと、唇に唇を寄せる。
愛おしいという感覚をはじめて知ることができた。
胸の奥に光がほのかに輝き、暖かく明るくルシャードを照らしているようだ。
「愛してる」
惜しみなくマイネに注ぐ。
ルシャードの心を動かすのはマイネだけだ。
マイネに出会うまで、ルシャードは人を好きになったことがなかった。
愛する喜びをマイネが教えてくれた。
最初で最後のルシャードの恋だ。
完
頭を撫でると、目を覚ましたマイネがルシャードの腕をそっと掴んだ。
しまった。起こすつもりはなかったのだが。
「ルシャード様」
目覚めたばかりのマイネは、上半身を起こすと、ルシャードの胸の中でふふっと笑った。
先ほどまでの負の感情が、霧散していく。
「マイネ」
マイネの顎を上げて、口づけを交わした。
くすぐったいような締めつけられるような満たされるような、そんな感覚に身体中が溺れる。
甘酸っぱいとは、このような感覚を指すのだろうか。
「もう陛下とのお話は終わりましたか?」
「あぁ、終わった。……マイネが王都を去ると決めたのは、オティリオが原因だったのだな。どうして俺に言わなかった?」
「あぁ……逃げたのは俺が決めたことですから。ふたりの仲が悪くなるのも望んでません。けれどオティリオ様のことは許したわけじゃないですよ」
ルシャードはマイネの背中に覆い被さるように抱きしめて、うなじの噛み痕に唇を寄せた。
「マイネはオティリオの言葉を疑わなかったのか?」
ルシャードを薄情で不誠実な男だと信じてしまうほど、オティリオを信用していたのだろうか。
ルシャードよりもオティリオのほうを信じたことになる。
「えっと……執務室に行ったら、婚姻の儀の書状を見つけたんです。確か、ルシャード様の署名もされていた記憶がありますが、あれは王女様用でしたか?」
ルシャードはマイネの首筋から顔を上げる。
「あのときの書状を見たのか? あれは俺の婚姻の儀のために取り寄せた。マイネと結婚するつもりだったから」
「え! 俺と! うわぁ、考えもしなかったです」
マイネが頭を抱えて、身悶えた。
「発情期の記憶が曖昧だったと言っていたな……俺は、マイネから好きだと言われて、舞い上がっていたのだ」
はじめてマイネを抱いた日の記憶が蘇る。
発情期のマイネを金ノ宮の寝台に運び、ルシャードは急いでアルファ用の抑制剤を飲んだ。
マイネにも常備していたオメガ用の抑制剤を飲むよう促したにもかかわらず、泣くばかりだった。
そんな泣き顔を見て、ルシャードは我慢できずに唇を奪い、マイネを抱いてしまった。
せめて、好きだと伝えなければ。
そう思って「好きだ」と告げた。
すると、マイネから「俺も」と返事があったのだ。
繰り返し好きだと告げると、マイネも好きだと繰り返した。
無理やり身体を繋げてしまったのかと後悔していたルシャードは、マイネの告白が嬉しくてたまらなかった。
マイネの言葉ひとつでこんなにも心が掻き乱されるものなのかと、ルシャード自身、ひどく驚いた。
「俺、言ってましたか?」
「あぁ、何度も…………俺ははじめて会ったときからマイネを好きだった」
ルシャードが躊躇しつつもそう口にすると、マイネから抗議するような瞳を向けられる。
「それは嘘ですよ。最初に会ったときって、わかってますか? 昼食をご一緒しましたが、俺のこと完全に無視してましたよ?」
マイネとはじめて会ったのは、政務宮の王族専用テラスだった。
昼食の場所に覚えのない顔があった。
あちこちに飛び跳ねたような鳶色の髪に、笑ったように口角が上がった男だ。
「無視はしてない。ちゃんと頷いたし目も合った。マイネは食事に夢中で、俺が見ていることに気づいてなかっただろ」
あの頃、ルシャードの恋愛嫌いは完璧に完成していたはずだった。
それまでは恋愛など愚かで無意味な感情だと思っていた。
結婚もしなければ、父親になることもないだろうと、まわりも諦めはじめていた。
オメガの茶会など、時間の無駄でしかなかった。
容姿が優れているせいで、オメガやベータだけではなくアルファからも好意を寄せられることが多かったが、形のない愛や恋を信じる馬鹿ばかりだと蔑んでいたぐらいだ。
それなのに、一瞬でマイネに心を奪われた。
瞬時にオメガだとわかり不審感が募ったのも事実だ。
でもその一方で、可愛いなと思ったことにひどく動揺していた。
「……はじめてルシャード様と会ったとき、俺はあまりの美しさに驚いて、緊張していました。正直、好きになるとかそんな余裕はありませんでした」
マイネがそう言うと、ルシャードは少し残念に思った。
あのとき、ルシャード以外、誰もマイネをオメガだと疑っていないのが不思議だった。
同席していたアルファであるダイタは、マイネの甘い匂いがわからないようだった。
なぜなのかはわからないが、マイネの甘い香りはルシャードにだけ認識できるのだと気づくと、マイネのすべてを独占したいという執着が心の奥底で生まれた。
戸惑った。
運命の番。
その言葉が脳裏に浮かんだものの、すぐに打ち消した。
けれども、マイネの姿を視線で追うことをやめることはできない。
認めたくなかったが、認めるしかなかった。
ルシャードは一目でマイネを好きになってしまったのだ。
「オティリオと仲がよさそうな様子に嫉妬もしていた。ふたりが図書館で会っていると聞いて、執務室に本を置きふたりが会わないようにしたし、ふたりが王都に遊びに行くと聞けば、邪魔もした」
ルシャードはマイネを抱きしめる腕に力を入れる。
尻尾がマイネの腰に巻きつき、ゆらゆらと揺れた。
マイネは自身の頬を両手で包んだ。
上目遣いでルシャードを見る、その表情は恥ずかしげだった。
「ルシャード様は心の中をあまり見せてくれなかったのに……どうしたんですか?」
マイネが身じろぎして、形のよい双丘が下腹部に当たった。
それだけで、簡単に性欲が高まる。
これまで、ルシャードは王子として閨教育も仕方なく受け、騎士団で娼館に行くことも稀にあった。
しかし、生理現象の処理でしかなく、相手の顔など覚えていない。
当たり前だが、マイネは違う。
違いすぎる。
驚くことに、昨日は初々しいマイネの表情ひとつだけで、ルシャードの中心は完全に勃ち上がっていたのだ。
我慢ができなかった。
それほどに求めていた。
昨夜の記憶を追い払いつつ、ルシャードは無表情で理性を保って咳払いをした。
「どんなに溺愛していても、態度と言葉で伝えなければマイネに誤解されてしまうとわかったからな。マイネは……いつ、俺のことを好きになった?」
「え? ルシャード様がガッタに極秘訪問された日がありましたよね。あのとき……婚約者に会いに行かれたのだと誤解しました。すごく胸が痛くて、ルシャード様を好きだと自覚しました」
思い出す。
マイネの様子がおかしかった記憶がある。
確か、マイネが妊娠中なのではないかとハンがふざけたことを言ったときだ。
あれはルシャードに婚約者がいると知って、気落ちしていたのか。
「俺のことを酷い男だと思っただろうな。嫌いにならなかったのか?」
「嫌いになんてなりません。ずっと好きでした……ずっと会いたかった」
「マイネ」
ルシャードは甘く囁くように名を呼ぶと、唇に唇を寄せる。
愛おしいという感覚をはじめて知ることができた。
胸の奥に光がほのかに輝き、暖かく明るくルシャードを照らしているようだ。
「愛してる」
惜しみなくマイネに注ぐ。
ルシャードの心を動かすのはマイネだけだ。
マイネに出会うまで、ルシャードは人を好きになったことがなかった。
愛する喜びをマイネが教えてくれた。
最初で最後のルシャードの恋だ。
完
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