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フタリの過去~後編~ (ストレスを感じやすい人は読むのをお控えください)

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次の日

やっぱりおかしい。
昼休みに一人で悩んでいた。
以前は一緒に過ごす時間が多かったのに・・・。
やっぱり嫌いになった?
いや、そんなわけない。
「どぉしたの~?」
同じクラスの芧野美見が今日も大勢の男子と女子を連れてきた。
こいつ頭いかれてるからあんまり好きじゃないんだよな・・・。
「いや・・・最近親友の葵に避けられている気がして」
「酷い!」
ほかの人たちも、「ひどいひどい!」と言った。
「そこまで言う必要なくない?なんか理由があるのかな?」
「あぁ!ここだけの話、あたし、葵が何で避けているのか知っているよ」
「え!本当?」
「ひどいんだよぉ、茜と一緒にいると疲れるし、脳みそダチョウより小っちゃいって」
「え!?」
「そ・れ・に、バカがうつるし、きしょいし、茜菌がうつるから避けているって」
「そ、それ本当?」
有り得ない!
葵がそんなことするはずない!
「それに目撃者はいっぱいいるよ」
美見はクラスメイト全員に向かって、
「ねえ!葵が茜の陰口言っているところ見た人手挙げて~♥」
全員手を挙げた。
「ほら、みんな見た。ね~先生!」
「ああ、まったくだ」
先生が言っているってことは本当かもしれない?
葵がそんな奴じゃない。
でもみんな見ているって言うし、先生も・・・。

            そうか、そう言うことだったのか・・・。

ふぅ、早く帰らないと。
昼休みに美見さんたちに、ゴミ捨て場に閉じ込められたんだ。
気が付かないうちにどんどん体と心が傷ついていく。
やっぱり茜に相談するしかないか。
茜ならわかってくれるはずだ。
急いで教室に入った瞬間。
「わー!陰口陰キャ大王だw」
誰かが言った。
あちこちからわざと僕に聞かせながら悪口を言っている。
先生もにらんでいる。
状況が理解できない。
何でみんな怒っているの?笑っているの?からかっているの?
すると茜が近づいてきて、
「お前を信じた俺がばかだった」
「え?」
「よくも俺の陰口いったな!!」
「い、言っていないよ!」
急に怒ってきてびっくりした。
周りの人も、「やっちゃえ~」
て、言っている。
陰口なんて言っていない。
「茜、何かの間違いだよ!」
「はぁ!?まだ言い訳するのか!」
すると奥で美見さんたちがニヤニヤしていた。
あの人たちのせいか!
「茜、違うんだ、これは・・・・その・・・」
「もういい!もうお前なんか友達じゃねぇ!!!!!」
心の奥底にとげが刺さった感触がした。
今の一言で完全に心が死んだ。
茜は泣いていた。
それを全員で励ましていた。
今までずっと友達だと思っていたのに、美見さんの味方になった。
信じられない!
その時僕は感情的になって怒鳴った。
「いいよそれで!!茜とは絶交だっ!!」
僕は泣きながら教室を飛び出した。
勿論誰も止めなかったし、励まさなかった。
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