・・その狂気は伝染する・・

華岡光

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第一章 狂気の根源

徳川忠長の秘密56

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 「正気でも失ったのか!お主はどれだけ忠長様の力のおかげでそのような地位になり、飢饉の時もひもじい思いなどとは無縁だったであろう!それを保身のために言うにことかいて"家族と共に脱藩する覚悟を決めた"だと?開いた口が閉まらんは・・」

 「お主とて本心ではわしと同じ想いであろう?もう良いのだぞ!忠長様は見つかることもないし、山からこの城に向かった別働隊も何も発見できまずじまいで、城に戻ってきた藩士らはわずか21人。
その半数以上が、藩の金と食糧、服などを持って脱藩したそうだ!」

 さすがにそれを聞いた忠長よりの家老達ももはや反論はしなかったのだった。
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