・・その狂気は伝染する・・

第二章 狂気に憑かれし者達との戦いが始まる

8代将軍吉宗の戦い66

　・・徳川宗春登城の日・・

 江戸城桜田門を守る幕府兵士は一際、派手な行列がやってくるのを確認した。

　「おい、なんだありゃ　まさか今日登城予定の徳川宗春様か？？」

 先頭に黒い馬に乗り派手な服装に煙管を加え、後ろには太鼓や笛を派手に鳴り響かせながら、徳川宗春の一行が優雅に桜田門に真っ直ぐ進んでくる。

　「お、やっぱり宗春様だ。おい門を開け。粗相のないようにもてなせ。」

 門番らは門を開き、頭を深々と下げながら徳川宗春を出迎えた。

　「吉宗は出迎えないのか？どこだ！吉宗。」

 徳川宗春は城に入るとすぐさま家臣らに吉宗の出迎えがないことに腹を立てる。